女子ゴルフキャディは、女子プロゴルファーのバッグを担ぐだけの仕事ではない。コースの状況を読み、クラブ選択を助言し、選手の心理状態まで把握しながら、18ホールをともに戦う重要なパートナーだ。2026年現在、国内女子ツアーではプロキャディの人材不足も課題となっており、専門性の高い仕事として改めて注目されている。
気になる報酬は、2026年4月の報道によると、帯同キャディの基本給が1週間12万〜15万円程度。さらに選手の獲得賞金に連動するインセンティブが加わり、優勝賞金4000万円の場合、10%に当たる400万円が報酬になるケースもある。ただし、予選落ちや経費負担、年間の稼働試合数によって収入は大きく変わる。
【仕事内容の全貌】女子プロゴルフキャディは何をする仕事なのか?

女子プロゴルフの試合で選手の隣を歩くキャディは、一般的に「プロキャディ」「帯同キャディ」と呼ばれる。最大の役割は、選手が目の前のショットに集中できる環境を整え、コース攻略を支援することだ。
プロの試合では、わずかな距離の判断や風向きの読み違いがスコアを左右する。キャディは選手の技術やプレースタイルを理解したうえで、状況に応じた情報を提供する。
1. クラブ選択と距離の計算代表的な仕事は、選手が次のショットで使用するクラブを判断するための情報提供だ。
ボールからピンまでの距離だけでなく、グリーンエッジまでの距離、高低差、風向き、風速、ボールのライなどを総合的に確認する。
例えば、ピンまで150ヤードの地点でも、向かい風が強い場合と追い風の場合では必要なクラブが変わる。打ち上げや打ち下ろし、芝の状態も考慮しなければならない。
プロキャディには、こうした複数の情報を短時間で整理し、選手が判断しやすい形で伝える能力が求められる。
2. コースマネジメントと戦略立案キャディの専門性が特に発揮されるのが、コースマネジメントだ。
ティーショットでは、飛距離を最大化するだけでなく、次のショットを打ちやすい場所にボールを運ぶことが重要になる。バンカーや池、OBゾーン、フェアウェイの傾斜などを把握し、リスクとリターンを比較する。
グリーン上でも、傾斜や芝目、下り・上りの違いを確認する。選手が狙うべきラインについて意見を求められることもある。
ただし、最終的なショットの判断をするのは選手本人だ。キャディは一方的に指示するのではなく、選手の感覚と自分の分析をすり合わせる役割を担う。
3. メンタルサポートとコミュニケーション女子プロゴルフでは、技術だけでなく精神状態も結果を左右する。
バーディーを逃した直後、連続ボギーを叩いたとき、優勝争いで緊張が高まった場面など、選手の心理状態はラウンド中に大きく変化する。
そこで必要になるのが、選手の性格や感情の変化を理解したコミュニケーション能力だ。
2026年4月のALBA Netの取材では、若手プロキャディたちがそれぞれ異なるメンタルサポートの方法を紹介している。
伊与翼は、選手がプレーしやすい雰囲気づくりを意識し、スコアを落とした際にも前向きな声をかける。一方、桑島大紀は、選手が落ち込んでいるときには無理に話しかけず、気持ちが落ち着くまで待つスタイルだ。
小藪誠人も選手の表情を見ながら、必要に応じて冗談を交えて緊張を和らげるという。
つまり、優れたキャディに必要なのは、常に励ますことではない。話すべきときと黙るべきときを見極める能力である。
4. バッグの管理と競技規則の遵守もちろん、基本的なキャディ業務も欠かせない。
- ゴルフバッグとクラブの管理
- 使用クラブの準備と受け渡し
- ボールの落下地点や位置の確認
- 目土やコースの保全
- 天候や風向きの情報収集
- 選手や同伴競技者のプレーを妨げない立ち位置の確保
- 大会ごとの競技規則やマナーの遵守
2026年度のJLPGAトーナメント規約・規定集にも帯同キャディー規則が設けられている。練習ラウンド、プロアマ競技、大会本戦が対象となり、マナーや身だしなみ、コース内での行動などについて定められている。
キャディの仕事は、選手の技術を補助するだけではない。競技全体の円滑な進行と公平性を守る責任も伴う。
【報酬相場を解説】週給12万〜15万円と賞金10%の仕組み
女子ゴルフキャディを職業として考える人にとって、最も気になるのが収入だろう。
プロキャディの報酬は、一般的な会社員のような固定年俸制とは異なる。基本給に加え、担当選手の大会成績に応じたインセンティブが支払われる契約がある。
帯同キャディの基本給は1週間12万〜15万円程度2026年4月22日に配信されたALBA Netの取材記事では、帯同キャディの1週間の基本給は12万〜15万円と紹介されている。
勤務期間は大会当日の4日間だけではない。月曜日や火曜日から会場入りし、練習ラウンドやコース確認に参加するケースもある。
そのため、実質的な稼働期間は6〜7日間に及ぶことがある。
週給だけを見ると高収入に感じられるが、移動や宿泊、食事などの費用が発生する。過去のプロキャディへの取材では、基本給に交通費や宿泊費、食費を含む契約も報告されている。契約によって経費の扱いが違うため、額面だけで収入を判断するのは危険だ。
賞金10%のインセンティブとは?プロキャディの収入を大きく左右するのが、選手の獲得賞金に連動した報酬だ。
2026年のALBA Netの取材では、選手が予選を通過した場合、獲得賞金の10%前後がインセンティブとして支払われる例が紹介された。
例えば、担当選手が優勝賞金4000万円を獲得し、契約上の歩合率が10%だった場合、キャディのインセンティブは400万円となる。
4000万円×10%=400万円
これは1試合で発生する可能性のある報酬であり、毎大会保証されるものではない。
予選落ちした場合、賞金連動のインセンティブが支払われない契約もある。基本給だけで1週間を終えることになり、経費によっては手元に残る金額が少なくなる。
また、過去のプロキャディ取材では、予選通過5%、トップ10で7%、優勝で10%という段階的な歩合契約も紹介されている。
重要なのは、賞金10%がJLPGAによって一律に定められた制度ではないという点だ。基本給、歩合率、予選通過時の扱い、経費負担は選手との個別契約によって異なる。
プロキャディの年収はいくらになる?プロキャディの年収は、年間の帯同試合数と担当選手の成績によって大きく変動する。
週給12万〜15万円を基準に、賞金ボーナスを除いた単純計算をすると、次のようになる。
- 年間20週稼働:基本報酬240万〜300万円
- 年間25週稼働:基本報酬300万〜375万円
- 年間30週稼働:基本報酬360万〜450万円
これは稼働週数を仮定した計算であり、実際の平均年収を示す統計ではない。ここから経費や税金などが差し引かれ、さらに賞金連動の報酬が加わる。
担当選手が優勝争いを繰り返す場合は、歩合報酬によって収入が大きく伸びる。一方、予選落ちが続いたり、年間の帯同試合数が少なかったりすれば、収入は大きく減少する。
プロキャディには、年収の高さだけでなく、収入の変動幅と経費負担を理解したうえで働く覚悟が求められる。
【働き方を比較】帯同キャディとハウスキャディは何が違う?
キャディという職業には、大きく分けて帯同キャディとハウスキャディがある。同じゴルフ場で働く仕事でも、雇用形態や求められる能力、収入の仕組みはかなり違う。
帯同キャディは女子プロと全国の大会を転戦する帯同キャディは、特定のプロゴルファーと契約し、国内外のツアーに同行する仕事だ。
大会が開催されるゴルフ場へ移動し、事前の練習ラウンドから本戦まで選手をサポートする。
選手との信頼関係が重要であり、技術的なアドバイスだけでなく、性格やプレースタイルを理解する必要がある。
メリットは、トッププロの近くで競技に携わり、優勝という特別な瞬間を共有できることだ。一方で、移動が多く、休日や生活リズムが不規則になりやすい。
ハウスキャディはゴルフ場に所属して一般客を支えるハウスキャディは、ゴルフ場に所属して来場者のプレーをサポートするスタッフだ。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、一般的な業務は3〜4人のプレーヤーを引率し、カートの操作、コース案内、クラブ選択の助言、安全管理などを行うこと。
ゴルフ場のコースを熟知することが大切で、初心者から上級者まで、それぞれのレベルに応じた接客が求められる。
プロキャディのように毎週全国を移動する必要はなく、所属ゴルフ場を中心に働ける点が特徴だ。
両者の違いを整理- 勤務先:帯同キャディは選手と大会会場、ハウスキャディは所属ゴルフ場。
- 主な顧客:帯同キャディは契約するプロ選手、ハウスキャディは一般ゴルファー。
- 報酬:帯同キャディは週給と賞金連動報酬が中心。ハウスキャディは固定給やラウンド給などが中心。
- 必要な専門性:帯同キャディは競技レベルの分析力や戦略性、ハウスキャディは接客力やコース案内能力が重視される。
- 働き方:帯同キャディは遠征中心、ハウスキャディは地域に根差した勤務が中心。
安定した勤務環境を優先するならハウスキャディ、競技の最前線で選手と勝負したいなら帯同キャディが選択肢になる。
【2026年最新】脇元華・伊与翼、政田夢乃、河本結・小藪誠人の関係
女子ゴルフの試合では、選手だけでなくキャディとのコンビにも注目が集まる。
キャディは単なるサポートスタッフではない。長期間にわたって選手と信頼関係を築き、プレーの判断や心理面に影響を与える存在だ。
2026年の報道を踏まえ、注目される女子プロとキャディの関係を整理する。
女子プロゴルフの注目キャディ・関係者一覧| 女子プロゴルファー | キャディ・関係者 | 関係と主な実績 |
|---|---|---|
| 脇元華 | 伊与翼 | 2025年伊藤園レディスでのツアー初優勝を支えたコンビ |
| 政田夢乃 | 伊与翼 | 2026年の取材で帯同する選手の一人として紹介 |
| 政田夢乃 | 弟・大成 | 2025年ニトリレディスなどでキャディを担当した兄弟コンビ |
| 河本結 | 小藪誠人 | 2025年から本格的にタッグを組み、2026年5月のメジャー初優勝をサポート |
2025年11月、脇元華は伊藤園レディスで悲願のツアー初優勝を達成した。
脇元は1997年生まれの宮崎県出身。2018年にプロテストに合格し、プロ8年目にして初めて国内ツアーの頂点に立った。
最終日は首位と2打差の8位タイからスタート。8バーディー、1ボギーの65をマークし、通算16アンダーで逆転優勝を飾った。
大会後、脇元はSNSで伊与翼キャディへの感謝を伝え、「ナイスキャディーでした」とねぎらった。
伊与は2023年のダンロップフェニックスで杉浦悠太のキャディを務め、アマチュア優勝を支えた経験を持つ。2026年4月のALBA Netの取材では、政田夢乃や岡田晃平らのキャディも務めていると紹介された。
選手のプレーを理解し、状況に応じて距離を置いたり声をかけたりする伊与のサポートは、プロキャディに求められるコミュニケーション能力を象徴するものだ。
政田夢乃の帯同キャディは誰?弟との兄弟タッグも話題政田夢乃のキャディについては、伊与翼と弟の大成の両方が関係する。
2024年のニトリレディスでは、当時プロゴルファーを目指していた弟の大成が初めてキャディを担当。地元北海道での兄弟タッグとして注目された。
さらに2025年のニトリレディスでも弟がキャディを務めた。翌週のゴルフ5レディスでは、政田が弟とプレーした経験について、自分で考えてゴルフをする感覚を思い出したと振り返っている。
この経験は興味深い。キャディがすべての判断を先回りして伝えることが、必ずしも選手にとって最善とは限らないからだ。
選手自身が判断する余地を残し、必要な情報だけを提供することも優れたサポートの一つである。
なお、政田と伊与の関係も報道されているが、特定のキャディと年間を通じて固定契約していると断定することはできない。大会ごとに帯同者が異なるケースもある。
河本結と小藪誠人はなぜ好相性なのか?2026年の女子プロゴルフ界で特に注目されたのが、河本結と小藪誠人のコンビだ。
小藪は男子ツアーでは主に鍋谷太一のキャディを務めるプロキャディ。河本とは2024年の日本シリーズJTカップで弟の河本力のキャディを務めていた縁から知り合い、2025年のアクサレディス宮崎からタッグを組み始めた。
2025年には北海道meijiカップとスタンレーレディスホンダで優勝を経験。そして2026年5月10日、ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップで河本がメジャー初優勝を達成した。
初タッグから約1年2か月で3勝という結果は、2人の関係を象徴する実績となった。
特に注目したいのが、2026年大会の17番ホールでの判断だ。
河本は第2打でユーティリティーを使うか、アイアンで刻むかを検討していた。小藪と話し合った結果、7番アイアンを選択。フェアウェイに運び、残り86ヤードからの第3打をピンそば30センチにつけてバーディーを奪った。
小藪は当時の関係について、初年度は河本の意見を優先することが多かったが、2026年は互いを尊重しながら反対意見も伝えられるようになったと説明している。
この変化こそ、キャディと選手の信頼関係を考えるうえで重要だ。
単に選手の意見に従うのではなく、必要な場面では異なる見解を示せる。最終判断は選手に委ねながら、2人で戦略を組み立てる関係ができている。
【なるには?】女子ゴルフのプロキャディになる方法と求人・募集の探し方
プロキャディになるために、女子プロゴルファーのようなプロテストに合格する必要はない。
ただし、資格が不要だからといって誰でもすぐにツアーで活躍できるわけではない。実際には競技経験やゴルフ知識、人脈、現場での信頼が大きな意味を持つ。
プロキャディになるための代表的なルート2026年4月のALBA Netの取材では、若手プロキャディの経歴が紹介されている。その背景を見ると、主に次のような入り口がある。
1. 競技ゴルフ経験を生かす
高校や大学のゴルフ部で競技経験を積み、プロゴルファーや関係者とのつながりからキャディの仕事を始める方法だ。
コースの攻略方法や競技ルールを理解しているため、現場での対応力を身につけやすい。
2. プロゴルファーや関係者の紹介を受ける
最初は知人のプロゴルファーのキャディを経験し、実績を積んで別の選手からも依頼を受ける方法だ。
プロキャディの世界では、実際の仕事ぶりが次の契約につながる。信頼関係の積み重ねが重要になる。
3. ハウスキャディから経験を積む
ゴルフ場に就職し、コースの特徴やクラブ選択、プレーヤーへの接客を学ぶ方法もある。
一般客への対応で培ったコース知識やサービス精神は、将来的にプロキャディを目指す際にも役立つ。
4. レッスンやゴルフ関連の仕事と兼業する
小藪誠人のように、ゴルフの指導とプロキャディ業を組み合わせる働き方もある。
小藪は大学卒業後、不動産コンサルタントとして約3年間勤務した経験を持つ。その後、ゴルフレッスンの仕事と並行してプロキャディとして活動するようになった。
この経歴からも、プロキャディになる道は一つではないことが分かる。
プロキャディに必要なスキルと適性- ゴルフ知識:ルール、クラブ特性、コース設計、グリーンの傾斜を理解する。
- 計算力:距離、高低差、風の影響を素早く整理する。
- 体力:長時間の歩行やバッグの管理、暑さや雨への対応ができる。
- 観察力:選手の表情や心理状態、コースの変化を把握する。
- 判断力:状況に応じて必要な情報を選び、簡潔に伝える。
- 協調性:選手の性格やプレースタイルを理解し、信頼関係を築く。
- 責任感:競技規則やマナーを守り、選手を支える。
特に大切なのは、ゴルフが上手であることと、優れたキャディであることは必ずしも同じではないという点だ。
自分がプレーする能力に加え、他人のプレーを客観的に分析し、相手が最も力を発揮できるように支える能力が求められる。
2026年のキャディ求人・募集はどこで探せる?求人を探す場合は、まずゴルフ場の公式採用ページや求人情報を確認するとよい。
2026年8月27日付の江戸崎カントリー倶楽部の公式求人情報では、ハウスキャディの正社員募集が掲載されていた。
同募集では、未経験者も歓迎し、研修制度を用意。給与は稼働日数に応じて日給・月給制で、月額25万〜35万円という条件が紹介されている。
これは特定のゴルフ場における募集例であり、全国共通の給与水準ではない。
プロキャディを目指す場合は、一般的な求人サイトだけでなく、次のような場所で情報を探すことが現実的だ。
- ゴルフ場の公式採用ページ
- ゴルフ関連企業やゴルフスクールの採用情報
- プロゴルファーやコーチとの人脈
- ゴルフ競技会や大会運営に関わる仕事
- 日本プロキャディ協会などの関連団体の活動情報
ただし、ハウスキャディの募集とプロツアーに帯同するキャディの募集は別物だ。前者は一般的な雇用求人として探しやすいが、後者は選手との個別契約や紹介によって仕事につながることが多い。
【人材不足の理由】プロキャディが足りない背景と2026年の現状
2026年の国内ゴルフ界では、プロキャディの人材不足が課題として取り上げられている。
2026年4月22日配信のALBA Netの記事では、岩﨑亜久竜の帯同キャディを務める湯本開史が、若いプロキャディの不足を指摘した。
国内男女ツアーを合わせると、1週間に約200人、多いときには300人近い選手が試合に出場する。一方、選手の数に見合うプロキャディを確保するのは簡単ではないという。
理由1:年間を通じた移動と不規則な生活プロキャディは、毎週異なるゴルフ場へ移動する場合がある。
試合が続けば、宿泊先の確保、交通手段、荷物の管理なども必要になる。月曜日から日曜日まで仕事が続く週もあり、一般的な週休2日制の働き方とは大きく異なる。
体力的な負担だけでなく、家族や友人との時間を確保しにくいことも課題だ。
理由2:収入が成績に左右される週給が設定されていても、賞金連動の報酬が収入に占める割合は小さくない。
担当選手が予選落ちすれば歩合報酬が得られない契約もある。大会の成績によって収入が大きく変わり、安定した生活設計を立てにくい。
また、交通費や宿泊費などを基本報酬から支払う契約の場合、収入が少ない週には経費負担が重くなる。
理由3:若手が参入する経路が限られているプロキャディとして働く方法が一般に知られていないことも、人材不足の背景にある。
ALBA Netの取材で紹介された若手キャディたちは、競技ゴルフの経験や同級生とのつながり、プロゴルファーやコーチとの縁をきっかけにキャリアを築いていた。
つまり、求人情報を見て応募するだけではなく、ゴルフ業界での信頼関係が仕事につながりやすい構造がある。
過去のNumber Webの報道でも、既存のプロキャディは高校・大学のゴルフ部出身者が多く、先輩や同級生からの紹介で仕事を始めるケースが目立つと指摘されていた。
理由4:ハウスキャディとプロキャディの双方に異なる課題があるハウスキャディについても、ゴルフ場のセルフプレー需要の拡大が雇用環境に影響している。
厚生労働省のjob tagでは、セルフプレーの需要増加がキャディ業務を取り巻く変化として紹介されている。
一方、プロキャディは競技の専門性が高く、選手の信頼を得るまでに経験を積む必要がある。
同じキャディ不足という言葉でも、ゴルフ場の接客スタッフ不足とツアーに帯同する専門人材不足は、原因も解決方法も異なる。
今後は、若手育成の仕組みや研修機会の拡充、仕事の認知度向上、契約条件の透明化などが、人材確保に向けた課題になる。
【女子プロとキャディの契約関係】専属・大会限定・個人契約の実態
女子プロゴルファーとキャディの関係は、単純な雇用主と従業員という形だけではない。
同じ選手と長期間コンビを組むケースもあれば、大会ごとにキャディを変更するケースもある。
専属・継続帯同型同じ選手と長期間にわたって帯同するスタイルだ。
選手のショットの傾向、得意な距離、苦手な状況、緊張しやすい場面などを把握できるため、戦略面での連携が深まりやすい。
河本結と小藪誠人の関係は、継続的にタッグを組み、信頼を深めてきた代表的な例といえる。
大会ごとのスポット契約大会やスケジュールに応じてキャディを変更する方法だ。
選手側の事情やキャディの予定、相性などによって組み合わせが決まることがある。
政田夢乃が伊与翼や弟の大成と大会ごとに異なる形で組んでいることも、帯同者が常に一人に固定されるわけではないことを示している。
JLPGAの規則では選手側にも責任がある2026年度のJLPGAトーナメント規約・規定集では、帯同キャディに関する規則が明確に定められている。
特に注目したいのは、キャディに関する一切の責任を、帯同した選手が負うと定めている点だ。
キャディが規則に違反した場合、キャディ本人だけでなく、帯同した選手にも罰則が科される可能性がある。
これはキャディが選手の単なる補助者ではなく、トーナメントを構成する重要な関係者として扱われていることを意味する。
【プロの結論】優れたキャディは選手の判断力を引き出すプロキャディの価値は、選手に代わってすべてを判断することではない。
必要な情報を正確に伝え、選手自身が納得してショットを選べる状態をつくることにある。
河本結と小藪誠人の2026年メジャー初優勝は、その関係性をよく表している。小藪は選手の判断を尊重しながら、必要なときには異なる意見を伝えられる関係を築いた。
また、政田夢乃が弟とのラウンドを通じて、自分で考えるゴルフを思い出したというエピソードも示唆的だ。
キャディの仕事は、選手の意思決定を奪うことではない。選手が自分の能力を最大限に発揮できるように支えることだ。
この視点から考えると、優れたキャディを評価する基準は、優勝回数や賞金だけではない。情報の正確さ、判断の適切さ、選手との信頼関係、そして競技中の冷静さも重要になる。
【女子ゴルフキャディ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:女子ゴルフのプロキャディの週給はいくらですか?
A1:2026年4月の報道では、基本給は1週間12万〜15万円程度と紹介されています。これに選手の獲得賞金に応じたインセンティブが加わる場合があります。交通費や宿泊費などの扱いは契約によって異なります。
Q2:プロキャディになるには資格やプロテストが必要ですか?
A2:プロゴルファーのようなプロテスト合格は必要ありません。特定の資格も必須ではありませんが、競技経験、ゴルフの知識、体力、コミュニケーション能力などが大切です。ゴルフ場や関係者とのつながりから仕事を始める方法もあります。
Q3:女子プロゴルファーのキャディは賞金の10%を必ずもらえますか?
A3:必ずではありません。10%前後の歩合報酬が紹介された事例はありますが、実際の歩合率や支払い条件は個別契約によって異なります。予選通過時だけ支払われる契約や、順位によって割合が変わる契約もあります。
Q4:政田夢乃のキャディは誰ですか?
A4:伊与翼が帯同する選手の一人として2026年の取材で紹介されています。また、弟の大成も2024年や2025年の大会でキャディを担当しています。大会ごとに帯同者が異なる場合があります。
Q5:河本結のキャディは誰ですか?
A5:2025年からタッグを組む小藪誠人です。2026年5月のワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップでは、河本のメジャー初優勝を支えました。
女子ゴルフキャディは、選手のバッグを担ぐだけでなく、コースマネジメント、距離計算、クラブ選択、メンタルサポートなどを担当する専門性の高い仕事だ。
2026年現在、帯同キャディの基本給は週12万〜15万円程度という報道があり、選手の賞金に連動するインセンティブによって高収入を得られる可能性もある。しかし、予選落ちや移動経費、稼働試合数によって年収は大きく変わる。
また、プロキャディとハウスキャディでは、働き方も収入の仕組みも異なる。安定した勤務を重視するならゴルフ場所属のハウスキャディ、競技の最前線でプロを支えたいなら帯同キャディが選択肢になる。
人材不足が指摘される現在、ゴルフ経験を持つ若い世代にとっては、新しいキャリアを築く余地もある。まずはゴルフ場での実務経験や競技関係者との交流を通じて、現場を知ることが第一歩になるだろう。
脇元華と伊与翼、政田夢乃と家族・帯同キャディ、河本結と小藪誠人のコンビが示しているのは、キャディが選手の成績を支える重要なパートナーだということだ。
優れたプロキャディとは、選手に答えを押しつける人ではない。正確な情報と冷静な判断、そして深い信頼関係によって、選手自身の力を引き出せる人である。
女子ゴルフの競技レベルが高まるなか、選手とともに戦うキャディの専門性や存在価値は、今後も大きな意味を持ち続ける。
主な参照資料・報道
- ALBA Net(2026年4月22日):若手プロキャディの仕事内容、報酬、人材不足、脇元華・伊与翼・河本結・小藪誠人らの経歴。
- GOLF報知(2026年5月11日):河本結と小藪誠人のタッグ、メジャー初優勝時のコースマネジメント。
- JLPGA「2026年度トーナメント規約・規定集」:帯同キャディー規則。
- 厚生労働省「job tag」:キャディの仕事内容、就業方法、労働条件。
- 江戸崎カントリー倶楽部公式採用情報(2026年8月27日):ハウスキャディの募集条件。
- THE ANSWER(2025年9月6日):政田夢乃と弟・大成のキャディ経験。