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【2026年の成績を徹底検証】2023年ドラフト1位選手の現在地

伊部 拓海 伊部 拓海 • 更新: • 公開: • 読了約 17 分
目次

ドラフトの評価を考えるうえで、最も気になるのが指名選手のその後だ。

2026年シーズン終了時点のNPB公式個人年度別成績を見ると、2023年の1位選手たちは明暗が分かれ始めている。特に野手では度会隆輝、投手では武内夏暉と前田悠伍が、プロ入り後の成長を数字で示している。

度会隆輝はDeNAの主力候補からレギュラーへ

横浜DeNAベイスターズ・2023年ドラフト1位

度会隆輝は、2023年ドラフトで最も注目された野手の一人だ。ENEOSで活躍した社会人出身の外野手で、中日、DeNA、ロッテの3球団が1位指名した。

DeNAが抽選で交渉権を獲得し、プロ入り後は1年目から一軍で75試合に出場。2025年も86試合に出場し、着実に経験を積んだ。

そして2026年には、さらに出場機会を拡大した。

2026年シーズンの成績
- 試合数:134試合
- 打席数:516
- 安打:129
- 本塁打:9
- 打点:51
- 打率:.274
- 出塁率:.334

2026年終了時点の通算成績は295試合、258安打、18本塁打、100打点、打率.260。2026年だけで129安打を記録し、打率も前年の.241から.274へ上昇した。

3球団競合という評価に対し、十分に一軍で存在感を示す成長を遂げている。

武内夏暉は西武の先発ローテーションを支える存在に

埼玉西武ライオンズ・2023年ドラフト1位

武内夏暉は國學院大から西武に入団した左腕。ヤクルト、ソフトバンクとの3球団競合を制して獲得された。

2024年には21試合に登板し、10勝6敗、防御率2.17を記録。新人投手として非常に高い水準の成績を残した。

2025年は防御率5.26と苦しんだが、2026年には再び先発投手として結果を残した。

2026年シーズンの成績
- 登板:23試合
- 勝利:11勝
- 敗戦:8敗
- 投球回:143回
- 奪三振:108
- 防御率:3.27

通算成績は56登板、25勝19敗、351回2/3、261奪三振、防御率3.17。

2024年の新人時代だけでなく、2026年にも11勝を挙げたことは大きい。1年限りの活躍ではなく、複数シーズンで先発として働ける可能性を示した。

前田悠伍は2026年に大きく飛躍

福岡ソフトバンクホークス・2023年ドラフト1位

2023年のドラフトで外れ1位としてソフトバンクが獲得した前田悠伍は、大阪桐蔭出身の左腕だ。

高校生投手だったため、大学生や社会人出身の即戦力投手とは育成の時間軸が異なる。2024年に一軍デビューを果たし、2025年は3試合に登板。そして2026年に大きく飛躍した。

2026年シーズンの成績
- 登板:19試合
- 勝利:12勝
- 敗戦:1敗
- 投球回:111回2/3
- 奪三振:95
- 防御率:2.10
- 勝率:.923

2026年だけで12勝を挙げ、防御率2.10という好成績を記録。通算でも13勝2敗、防御率2.64となった。

1位指名を外した後に獲得した選手が、3年目にチームの先発戦力として大きく成長した点は、このドラフトを振り返るうえで重要な材料になる。

そのほかの注目1位選手の2026年成績

西舘勇陽(巨人)

2026年は14試合に登板し、2勝4敗、防御率3.00。57イニングを投げて65奪三振を記録した。通算では57登板、5勝10敗、21ホールド、防御率3.64となっている。

2024年はリリーフ中心、2025年以降は登板内容に変化があり、今後の起用法も注目点だ。

細野晴希(日本ハム)

2026年は12試合に登板し、3勝5敗、防御率3.42。73回2/3を投げて81奪三振を記録した。通算防御率は2.88。奪三振能力を持つ左腕として、今後の先発定着が期待される。

古謝樹(楽天)

2026年は20試合に登板し、3勝11敗、防御率3.17。119回1/3を投げて116奪三振を記録した。

敗戦数だけを見ると厳しい数字だが、先発として約120イニングを消化し、防御率3点台前半を維持した点は別に評価する必要がある。通算成績は15勝26敗、防御率3.66。

常廣羽也斗(広島)

2026年は7試合、8イニングの登板で0勝0敗、防御率4.50。通算16登板、3勝4敗、防御率6.00となった。

青山学院大で高い評価を受けた投手だが、プロではまだ十分な登板機会を確保できていない。2027年以降の巻き返しが焦点になる。

下村海翔(阪神)

2026年は9試合に登板し、1勝2敗、防御率4.86。37イニングを投げて34奪三振を記録した。

一軍での実戦経験を積み始めた段階であり、通算成績も現時点では2026年の数字と同じだ。

草加勝(中日)

2026年は24試合に登板し、24回1/3、防御率2.59、1ホールドを記録した。通算防御率は3.90。

先発候補としての評価から、救援での実績も積み始めている。今後、どの役割で定着するかが注目される。

上田希由翔(ロッテ)

2026年は66試合に出場し、43安打、8本塁打、打率.243を記録した。通算153試合、11本塁打、打率.232。

2026年だけで8本塁打を放っており、長打力を伸ばしている点が見どころだ。

西舘昂汰(ヤクルト)

2026年は2試合に登板し、7イニング、防御率2.57、1ホールドを記録した。

注目すべきは、2026年7月22日に育成選手から支配下選手へ移行したことだ。1位指名選手であっても、プロでのキャリアは一直線ではない。再び支配下の舞台に戻り、一軍で登板したことには意味がある。

横山聖哉(オリックス)

2026年は9試合に出場し、21打数2安打、打率.095。通算23試合、8安打、打率.127となっている。

高校生野手としての育成期間を考えれば、現段階の一軍打撃成績だけで評価を確定するのは早い。

2023年ドラフト1位の明暗をどう評価するか

12人の1位選手を比較すると、2026年時点では次のような特徴が見られる。

- 一軍の主力として実績を積んだ選手:度会隆輝、武内夏暉、前田悠伍。
- 投手として複数年の実績を積み上げている選手:西舘勇陽、細野晴希、古謝樹。
- 登板・出場機会を増やすことが課題の選手:常廣羽也斗、下村海翔、横山聖哉、西舘昂汰など。

この分類は2026年終了時点の実績を整理したもので、将来の選手評価を確定するものではない。特に高校生で入団した選手や、故障・育成契約などを経験した選手は、数年単位で見る必要がある。

【1位だけでは分からない】下位指名・育成選手から生まれた成功例

プロ野球ドラフト2023

ドラフトの面白さは、1位指名選手だけでは測れない。

2023年ドラフトでは、2位以下や育成枠からも一軍で存在感を示す選手が出ている。むしろ球団のスカウト力や育成力を検証するうえでは、こうした選手の成長が重要な材料になる。

4位指名から巨人の主力に成長した泉口友汰

巨人の2023年ドラフト4位・泉口友汰は、NTT西日本から入団した内野手だ。

2024年は66試合、2025年は133試合、2026年は129試合に出場した。

2026年の打撃成績は打率.264、120安打、8本塁打、49打点。通算では328試合、307安打、15本塁打、97打点、打率.272となった。

4位指名の選手が通算300安打を超える実績を残したことは、巨人の2023年ドラフトを評価する際の大きなポイントだ。

DeNAの5位・石田裕太郎も先発戦力に

DeNAの5位指名・石田裕太郎は中央大出身の投手。

2026年は20試合に登板し、5勝8敗、防御率2.91。120回2/3を投げて117奪三振を記録した。

通算53登板、12勝16敗、防御率3.36。1位の度会だけでなく、5位の石田も投手陣の一角として実績を積み上げている。

ロッテ5位・寺地隆成は捕手として一軍経験を蓄積

高校生捕手として明徳義塾から入団した寺地隆成は、2025年に116試合、2026年に105試合へ出場した。

2026年は79安打、5本塁打、30打点、打率.224。通算では223試合、186安打、10本塁打、63打点、打率.241となっている。

捕手という守備負担の大きいポジションで、2シーズン続けて100試合以上に出場した点は見逃せない。

オリックス6位・古田島成龍は救援で80登板

社会人出身の古田島成龍は、日本通運からオリックスに6位で入団した右腕。

2024年には50試合に登板し、防御率0.79を記録。2025年は20試合、2026年は10試合に登板した。

通算80登板、4勝2敗、33ホールド、防御率2.34。6位指名ながら救援投手として明確な実績を残している。

育成指名からも一軍出場選手が登場

育成指名50人の中にも、2026年までに一軍の舞台を経験した選手がいる。

特に注目したいのが次の選手だ。

- 平山功太(巨人・育成7位):2026年に40試合出場、打率.248、3本塁打。
- 福島圭音(阪神・育成2位):2026年に71試合出場、打率.228。
- 佐藤啓介(広島・育成2位):2024~2026年に一軍で通算82試合出場。
- 杉田健(広島・育成1位):2026年に一軍で5試合登板。
- 宮國凌空(オリックス・育成3位):2026年に8試合登板。

育成選手の場合、支配下登録されること自体が最初の大きな目標となる。その後に一軍出場を重ね、チーム内の競争を勝ち抜いて初めて継続的な戦力となる。

育成から一軍へ到達したという事実は評価できるが、数試合の出場とレギュラー定着は分けて考える必要がある。

2023年ドラフトの一軍到達率と定着率

プロ野球データバンクの2026年時点の集計では、2023年ドラフトの122人のうち、一軍出場を経験した選手は75人。さらに通算300打席、または投手で通算100投球回以上を一つの目安とした場合、該当する選手は17人となっている。




75人


一軍出場経験者
指名122人中




17人


一定の出場実績を持つ選手
300打席または100投球回以上


この数字には重要な意味がある。一軍出場を果たした選手は全体の約61%だが、一定以上の出場実績を積み上げた選手は約14%にとどまる。

ただし、300打席・100投球回という基準は集計上の比較指標であり、NPBが定めた公式の「一軍定着」認定ではない。

また、2023年のドラフト選手は2026年時点でプロ3年目を終えた段階。高校生指名選手にはまだ成長の時間が残されている。現在の数字だけで最終評価を下すのは早い。

【歴代ドラフトと比較】2023年は豊作だったのか?

2023年ドラフトの特徴を理解するには、前後の年度との比較も欠かせない。

まず指名総数を比較すると、2023年は122人。2022年は126人(支配下69人、育成57人)だった。

つまり2023年は総数こそ4人少ないものの、支配下指名は3人多く、育成指名は7人少なかった。

年度 支配下指名 育成指名 合計
2022年 69人 57人 126人
2023年 72人 50人 122人

2023年ドラフトの歴史的な特徴は抽選回数

人数以上に特徴的だったのが、1位指名の抽選回数だ。

2023年は度会、武内、西舘勇陽、常廣に加え、外れ1位でも前田、草加、細野をめぐって競合が発生。合計7回の抽選となった。

2013年と2017年の6回を上回る当時の最多記録であり、1位候補の評価が複数球団で重なったことを示している。

2023年ドラフトは成功か失敗か

現段階で2023年ドラフトを一括して成功、あるいは失敗と断定することは難しい。

成功を評価するための視点は、少なくとも次の4つに分けられる。

1. 1位指名の成果:競合して獲得した選手が、期待された役割を果たしているか。
2. 下位指名の成果:4位以下から一軍の主力やレギュラーが生まれているか。
3. 育成の成果:育成選手を支配下に昇格させ、一軍戦力にできているか。
4. チーム編成への貢献:指名選手が既存戦力の弱点を補い、複数年にわたって活躍しているか。

この基準で見ると、DeNAの度会と石田、巨人の泉口、西武の武内、ソフトバンクの前田などは、2026年時点で目立つ成果を残している。

一方で、常廣や横山のように、今後の成長や出場機会の拡大が待たれる選手もいる。

ドラフトは指名直後の評価がすべてではない。5年、10年という時間軸で選手がどこまで成長したかを追うことが、最も公平な評価方法になる。

【プロ野球ドラフト2023に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:2023年のプロ野球ドラフトでは何人が指名された?

A1:支配下選手72人、育成選手50人の合計122人です。支配下では投手46人、育成では投手25人が指名されました。

Q2:2023年ドラフトで1位指名が競合した選手は誰?

A2:最初の入札では度会隆輝と武内夏暉が3球団競合、西舘勇陽と常廣羽也斗が2球団競合となりました。外れ1位では前田悠伍、草加勝、細野晴希にも競合が発生しました。

Q3:2023年ドラフトで2026年に最も活躍している選手は誰?

A3:投手ではソフトバンクの前田悠伍が12勝1敗、防御率2.10、西武の武内夏暉が11勝8敗、防御率3.27を記録しました。野手ではDeNAの度会隆輝が打率.274、129安打、9本塁打を記録しています。選手の役割が異なるため、単純な順位付けはできません。

Q4:2023年ドラフトの育成指名から一軍で活躍した選手はいる?

A4:います。巨人の育成7位・平山功太、阪神の育成2位・福島圭音、広島の育成2位・佐藤啓介などが一軍出場を経験しています。

Q5:2023年ドラフトで指名された選手の通算成績はどこで確認できる?

A5:NPB公式サイトの「個人年度別成績」で選手名を検索すると、年度別の一軍出場数、打率、本塁打、勝敗、防御率、投球回、奪三振などを確認できます。2026年シーズン終了時点の成績も掲載されています。

2023年のプロ野球ドラフトは、支配下72人、育成50人、合計122人という大規模な指名となった。

度会隆輝、武内夏暉、西舘勇陽、常廣羽也斗らが注目を集め、1位指名の抽選は合計7回。歴史に残る競合ドラフトだった。

そして2026年、ドラフト当時の評価は少しずつ実績として表れている。

特に度会は134試合に出場して打率.274、武内は11勝、前田は12勝という成績を残した。一方、下位指名の泉口友汰や石田裕太郎、寺地隆成、古田島成龍も、一軍で確かな実績を積み上げている。

育成指名から一軍に到達した選手もおり、2023年ドラフトの成果は1位指名だけでは語れない。

【プロの結論】

2023年ドラフトを評価する際に最も重視すべきなのは、指名順位ではなく、選手がチームにどれだけ継続的な価値をもたらしているかという点だ。

一軍に一度出場したことと、レギュラーとして定着したことは違う。先発投手なら投球回と防御率、野手なら出場試合数と打撃成績、育成選手なら支配下登録から一軍での役割獲得までを追う必要がある。

2026年時点では、成功の兆しを示した選手と、これから評価を高める選手が混在している。特に高校生指名選手には、今後の成長余地が残されている。

2027年、2028年とシーズンを重ねる中で、下位指名や育成出身から新たな主力が現れる可能性もある。

2023年ドラフトの本当の答え合わせは、まだ終わっていない。

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コンテンツディレクター 伊部 拓海
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映画・ドラマ担当。公開資料と一次報道を照合し、ネタバレの扱いには線引きルールを設けています。

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