プロ野球やメジャーリーグで、同じ打者が何試合も続けてホームランを放つ「連続試合本塁打」。その最長記録は何試合なのか。2026年11月現在、NPBの歴代最高記録は王貞治とランディ・バースが持つ7試合連続、MLBの歴代最高記録はデール・ロング、ドン・マッティングリー、ケン・グリフィーJr.による8試合連続となっている。
2026年には、タンパベイ・レイズのジュニオール・カミネロが6試合連続本塁打を達成。日本でも村上宗隆のMLB5試合連続弾や、ロッテの山口航輝による楽天戦6試合連続弾など、注目すべき記録が生まれた。加えて、巨人が持つ33試合連続本塁打というチーム記録や、村上宗隆が樹立した5打席連続本塁打もあり、実は「連続ホームラン」には複数の異なる記録が存在する。
【歴代最長記録を比較】NPBは7試合、MLBは8試合が頂点

連続試合本塁打の記録を日米で比較すると、MLBがNPBを1試合上回っている。
日本プロ野球では、1972年の王貞治と1986年のランディ・バースが7試合連続本塁打を達成。両者が長年にわたって日本記録を保持している。
一方、MLBでは1956年にデール・ロングが8試合連続本塁打を達成。その後、1987年にドン・マッティングリー、1993年にケン・グリフィーJr.が同じ8試合まで記録を伸ばした。
つまり、2026年現在の歴代最高記録は次のとおりだ。
- NPB:7試合連続本塁打(王貞治、ランディ・バース)
- MLB:8試合連続本塁打(デール・ロング、ドン・マッティングリー、ケン・グリフィーJr.)
ここで注意したいのは、連続試合本塁打は「毎日ホームランを打った」という意味ではないことだ。試合のない日や移動日が間に入っても、出場した試合で連続して本塁打を放てば記録は続く。
また、1試合で2本、3本のホームランを打っても、連続試合数としては1試合と数える。何本打ったかという合計本数と、何試合続いたかという記録は別々に評価される。
【NPB歴代記録】王貞治とランディ・バースが7試合連続を達成した経緯
日本プロ野球の連続試合本塁打記録を語るうえで欠かせないのが、王貞治とランディ・バースだ。異なる時代、異なる球団で活躍した2人が、同じ7試合連続という頂点に立っている。
王貞治:1972年9月11日から20日までの7試合で9本塁打最初に7試合連続本塁打を達成したのは、読売ジャイアンツの王貞治だ。
記録が生まれたのは1972年9月11日の広島戦から9月20日の阪神戦まで。王はこの期間に7試合連続でホームランを放ち、合計9本塁打を記録した。
野球殿堂博物館の公式プロフィールにも、1972年9月11日から20日までの7試合連続本塁打が、プロ野球記録として掲載されている。
王は一本足打法で知られ、現役時代には通算868本塁打を記録した日本を代表するホームラン打者だ。1959年から1980年まで巨人でプレーし、本塁打王15回、MVP9回という実績を残している。
7試合で9本という数字も際立つ。単に毎試合1本ずつ打っただけではなく、複数本塁打を放つ試合を含めて記録を積み上げた点に、王の長打力が表れている。
ランディ・バース:1986年6月18日から26日までの7試合王の記録に並んだのが、阪神タイガースのランディ・バースだ。
バースは1986年6月18日のヤクルト戦から6月26日の巨人戦まで、7試合連続本塁打を達成した。
記録達成の舞台となったのは後楽園球場での巨人戦。8回表、巨人の江川卓からソロホームランを放ち、王貞治が1972年に作った日本記録に並んだ。
興味深いのは、バースが江川を得意としていたわけではなかったことだ。文春オンラインが紹介した当時の記録によると、バースはそれまでの4年間、江川に対して51打席で10安打、ホームランはわずか1本だった。
この日の対戦でも4打席までは抑えられていたが、5打席目に本塁打を放った。記録更新をかけた翌日のヤクルト戦ではホームランが出ず、8試合連続には届かなかった。
バースは1985年、1986年と2年連続で三冠王を獲得した歴史的な打者でもある。1986年には打率.389、47本塁打、109打点を記録した。
王とバースの記録は、単なる数字の一致ではない。長いシーズンの中で7試合連続という高い壁を突破した、NPBを代表する2人のスラッガーによる歴史的な記録なのである。
【MLB歴代記録】8試合連続ホームランを達成した3人の大打者
MLBの連続試合本塁打記録は8試合。1956年、1987年、1993年という異なる時代に3人の選手が到達している。
デール・ロング:1956年に初めて8試合連続を達成最初にMLBの8試合連続本塁打を達成したのは、ピッツバーグ・パイレーツのデール・ロングだ。
記録期間は1956年5月19日から5月28日まで。
当時30歳だったロングは、チームが長年低迷していた時期に、連続本塁打という歴史的な記録を打ち立てた。MLB公式の記録紹介によれば、7試合連続本塁打を達成した後、8試合目にも本塁打を放ち、当時の新記録を樹立した。
ロングはこの快挙によって全国的な注目を集め、テレビ出演なども行うようになった。連続本塁打記録が当時の野球ファンに与えたインパクトの大きさがうかがえる。
ドン・マッティングリー:1987年に8試合連続で並ぶ2人目はニューヨーク・ヤンキースのドン・マッティングリー。
1987年7月8日から18日までの8試合で連続本塁打を記録した。
7月8日のツインズ戦では1試合2本塁打を放ち、勢いに乗った。7月16日のレンジャーズ戦でも2本塁打を記録し、翌17日に7試合連続、18日に8試合連続へと記録を伸ばした。
マッティングリーの特徴は、単なる本塁打量産だけではなく、打撃全体が好調だったことだ。MLB公式の紹介では、本人もこの期間を特別なホームラン記録というより、打撃の好調期として捉えていたと振り返っている。
9試合連続への挑戦は7月19日のレンジャーズ戦で止まったが、8試合連続というMLB最高記録に並ぶ快挙を残した。
ケン・グリフィーJr.:1993年に8試合連続を達成3人目はシアトル・マリナーズのケン・グリフィーJr.だ。
記録期間は1993年7月20日から28日まで。
ヤンキース戦でスタートした連続本塁打は、クリーブランドでの4連戦でも継続。さらにツインズ戦で7試合連続を達成し、翌日の試合で8試合連続に到達した。
グリフィーJr.は、1990年代のMLBを代表するスター選手の一人。優れた守備力と豪快なスイングを兼ね備え、1990年代の野球人気を象徴する存在だった。
9試合連続を狙った7月29日の試合では2安打を放ったものの、本塁打は出なかった。
MLB公式サイトが2026年7月1日に掲載した歴代記録の紹介でも、この3人が8試合連続の記録保持者として紹介されている。長年にわたって誰も9試合の壁を突破できていない点が、記録の難しさを物語っている。
【2026年最新記録】カミネロの6試合連続本塁打と日本人選手の活躍
2026年のMLBでは、ジュニオール・カミネロが歴史に残る連続本塁打を達成した。加えて、日本人選手の村上宗隆やNPBの山口航輝も、注目すべき記録を残している。
ジュニオール・カミネロ:22歳で6試合連続本塁打2026年6月から7月にかけて大きな話題になったのが、タンパベイ・レイズのジュニオール・カミネロだ。
カミネロは2026年6月25日から7月1日までの6試合連続本塁打を達成した。
7月1日のロイヤルズ戦では、セス・ルーゴから425フィート(約129.5メートル)の本塁打を放った。これが6試合連続の一発となり、1900年以降で6試合連続本塁打を達成した最年少選手となった。
達成時の年齢は22歳361日。それまでの最年少記録を持っていたケン・グリフィーJr.の23歳という記録を更新した。
加えて、レイズの球団記録にも並んでいる。2010年6月にカルロス・ペーニャが達成した6試合連続本塁打と同じ記録だ。
MLB全体の8試合連続記録には届かなかったものの、若さと長打力を兼ね備えたカミネロの存在を印象づける記録となった。
村上宗隆:2026年にMLBで5試合連続本塁打2026年4月には、ホワイトソックスの村上宗隆もMLBで5試合連続本塁打を達成した。
現地時間4月22日のダイヤモンドバックス戦で、7回にライアン・トンプソンから10号2ランを放ち、ホワイトソックスの球団記録に並んだ。
MLB公式の報道によれば、この記録は日本出身選手によるMLBでの連続試合本塁打記録にも並ぶものだった。大谷翔平が2025年に達成した5試合連続と同じ記録である。
また、MLBの新人による5試合連続本塁打の最長タイ記録にも並んだ。翌日の試合では本塁打が出ず、記録は5試合でストップした。
NPB時代の村上には別の歴史的記録もある。それが2022年の5打席連続本塁打だ。MLBでの5試合連続と混同されやすいが、こちらは打席単位の記録である。
山口航輝:2026年に楽天戦6試合連続本塁打NPBで2026年に注目を集めたのは、千葉ロッテマリーンズの山口航輝だ。
山口は楽天戦で6試合連続本塁打を達成した。2026年6月30日の楽天戦で8回にソロ本塁打を放ち、5月22日の楽天戦から続いていた記録を6試合に伸ばした。
日刊スポーツによると、同一相手から6試合以上連続で本塁打を記録したのは、2019年のヤクルト・山田哲人以来。ロッテの選手では1965年に近鉄戦で7試合連続本塁打を記録したパリス以来、61年ぶり2人目の快挙だった。
ただし、この記録は楽天戦に限定したものだ。対戦相手を問わず、出場した全試合で6試合連続本塁打を放ったという意味ではない。記録を比較する際には、この条件の違いを押さえておきたい。
【記録の関係を一覧比較】個人・打席・チームの連続ホームラン記録は何が違う?
連続ホームラン記録には、個人の連続試合本塁打、連続打席本塁打、チームの連続試合本塁打など、複数の分類がある。
特に混同されやすいのが、王貞治とバースの7試合連続、村上宗隆の5打席連続、巨人の33試合連続という3つの記録だ。それぞれの違いを整理すると、次のようになる。
| 記録の分類 | 選手・チーム | 記録・達成年 | 記録の意味 |
|---|---|---|---|
| NPB個人・連続試合 | 王貞治(巨人) | 7試合・1972年 | 日本記録タイ。期間中9本塁打 |
| NPB個人・連続試合 | ランディ・バース(阪神) | 7試合・1986年 | 王に並ぶ日本記録タイ |
| MLB個人・連続試合 | デール・ロング(パイレーツ) | 8試合・1956年 | MLBの最初の記録達成者 |
| MLB個人・連続試合 | ドン・マッティングリー(ヤンキース) | 8試合・1987年 | MLB記録タイ |
| MLB個人・連続試合 | ケン・グリフィーJr.(マリナーズ) | 8試合・1993年 | MLB記録タイ |
| 2026年MLB・個人 | ジュニオール・カミネロ(レイズ) | 6試合・2026年 | 1900年以降の最年少達成者 |
| NPB個人・連続打席 | 村上宗隆(ヤクルト) | 5打席・2022年 | プロ野球新記録 |
| NPBチーム・連続試合 | 読売ジャイアンツ | 33試合・2004年 | チームが毎試合1本以上を記録 |
検索されることの多い「巨人33試合連続本塁打」は、王貞治など特定の選手が33試合連続でホームランを打ったという意味ではない。
これは2004年の巨人がチームとして33試合連続で本塁打を記録したというチーム記録だ。
期間は2004年4月2日から5月12日まで。日刊スポーツによると、この33試合の間に巨人はチーム合計74本塁打を放っている。
当時の巨人には、阿部慎之助、清原和博、タフィ・ローズ、江藤智、小久保裕紀、高橋由伸、ペタジーニら、長打力のある選手がそろっていた。
一人の選手が連日ホームランを打ち続けるのではなく、複数の打者が入れ替わりながら本塁打を放つことで、チームとしての連続記録が成立する。
2026年にもチーム記録は注目を集めた。日本ハムは開幕から9試合連続本塁打を記録し、2003年に並ぶ球団記録を達成している。これは個人の連続試合本塁打とは別のカテゴリーだ。
連続打席本塁打の日本記録は村上宗隆の5打席もう一つ注目したいのが、連続試合ではなく連続打席での本塁打記録だ。
NPBの連続打席本塁打記録は、村上宗隆が2022年に達成した5打席連続となっている。
村上は7月31日の阪神戦で3打席連続本塁打を放ち、8月2日の中日戦でも第1打席、第2打席と連続して本塁打を記録した。これによって5打席連続本塁打というプロ野球新記録が誕生した。
NPB公式サイトでも、この記録はプロ野球史上初の5打席連続本塁打として紹介されている。
王貞治が1964年5月3日の阪神戦で記録した1試合4本塁打や、バースが1986年に記録した連続打席本塁打とは異なり、村上の記録は試合をまたいで成立したものだ。
連続試合本塁打は試合ごとの継続性を評価し、連続打席本塁打は打席ごとの継続性を評価する。両者は同じホームランの記録でも、求められる条件が異なる。
【なぜ記録更新が難しい?】連続ホームランを阻む投手側の戦略と記録の壁
7試合、8試合とホームランを打ち続けることは、打者の技術だけで実現できるものではない。対戦相手の投手や捕手が、打者の好調をどのように攻略しようとするかも大きく関係している。
好調な打者ほど勝負を避けられる連続本塁打を続ける打者は、相手バッテリーから厳しいマークを受ける。
ホームランを警戒する投手は、ストライクゾーンの隅を狙ったり、変化球を多く使ったり、状況によっては四球を与えてまで長打を避けようとする。
打者側は、甘い球を待ちながらも、ストライクを見逃して追い込まれるリスクを抱える。好調だからといって、毎試合同じように打てるわけではない。
実際、バースが7試合連続本塁打を達成した後、8試合目に届かなかったことも、記録の難しさを示している。
本塁打を打つ確率と連続して打つ確率は違うシーズン50本塁打を達成する打者でも、毎試合ホームランを打つわけではない。複数試合にわたって本塁打が出ない期間があるのが普通だ。
連続試合本塁打は、シーズンの総本数とは異なり、一定期間に本塁打が途切れないことが条件となる。
例えば、1試合に3本塁打を放ったとしても、その試合の連続試合記録は1試合分しか進まない。逆に1本だけでも、次の試合で再び本塁打を打てば記録は継続する。
そのため、年間本塁打数が多い選手が必ずしも連続試合本塁打記録でも上位になるわけではない。
記録を比較するときは対象範囲を確認する連続ホームラン記録を正しく理解するには、少なくとも次の3点を確認したい。
- 個人かチームか:一人の打者が記録したものか、球団全体が記録したものか。
- 試合か打席か:連続する試合で本塁打を打ったのか、連続する打席で本塁打を打ったのか。
- 対象範囲はどこか:全対戦相手を対象とするのか、特定球団との対戦だけを対象とするのか。
この3つを整理すれば、王貞治の7試合連続、村上宗隆の5打席連続、巨人の33試合連続といった異なる記録を混同せずに比較できる。
【よくある質問】連続ホームラン記録に関するFAQ
Q1:プロ野球の連続試合本塁打の日本記録は何試合ですか?
A1:7試合連続です。1972年の王貞治(巨人)と1986年のランディ・バース(阪神)が達成した日本記録タイです。
Q2:MLBの連続試合本塁打の歴代最高記録は何試合ですか?
A2:8試合連続です。デール・ロングが1956年、ドン・マッティングリーが1987年、ケン・グリフィーJr.が1993年に達成しています。
Q3:2026年に6試合連続ホームランを達成した選手は誰ですか?
A3:MLBではタンパベイ・レイズのジュニオール・カミネロです。2026年6月25日から7月1日まで6試合連続本塁打を記録し、22歳361日で1900年以降の最年少達成者となりました。
Q4:日本プロ野球の連続打席本塁打の記録は何打席ですか?
A4:5打席連続です。ヤクルトの村上宗隆が2022年7月31日の阪神戦から8月2日の中日戦にかけて達成しました。
Q5:巨人の33試合連続本塁打とは何ですか?
A5:2004年4月2日から5月12日まで、巨人がチームとして33試合連続で本塁打を記録したものです。個人記録ではなく、複数の選手によるチーム記録です。
Q6:2026年の山口航輝の6試合連続本塁打はNPB日本記録ですか?
A6:対楽天戦に限定した記録です。全対戦相手を対象とするNPB個人の連続試合本塁打日本記録は、王貞治とバースの7試合連続です。
連続ホームラン記録の最長は、NPBが7試合、MLBが8試合だ。日本では王貞治とランディ・バース、アメリカではデール・ロング、ドン・マッティングリー、ケン・グリフィーJr.が歴史に名を刻んでいる。
2026年にはジュニオール・カミネロが6試合連続本塁打を達成し、22歳361日という最年少記録も打ち立てた。村上宗隆のMLB5試合連続本塁打や、山口航輝の楽天戦6試合連続本塁打も、日米の野球史を彩る注目の記録となった。
【プロの結論】連続ホームラン記録を正しく比較するうえで最も大切なのは、数字の大きさだけで判断しないことだ。個人の連続試合本塁打、連続打席本塁打、チームの連続試合本塁打は、それぞれ異なる条件で成立する。
NPBの7試合、MLBの8試合という記録は、長い歴史の中で限られた打者だけが到達した特別な数字である。2026年のカミネロのような若い強打者が今後どこまで記録を伸ばすのか。そして、王貞治とバースの7試合、MLBの8試合という壁を破る選手が現れるのか。次のシーズンも、連続本塁打という視点から野球を追いかける価値は十分にある。
主な記録の根拠資料:野球殿堂博物館、NPB公式サイト、MLB公式サイト、日刊スポーツ、Full-Countの記録資料。