ホーム スポーツ 【選手別分析】上田綺世・久保建英・堂安律のポジションと起用法

【選手別分析】上田綺世・久保建英・堂安律のポジションと起用法

黒田 宗一郎 黒田 宗一郎 • 更新: • 公開: • 読了約 11 分
目次

森保ジャパンの可変システムを理解するには、選手個人の役割にも注目する必要がある。

同じ選手でも3-4-2-1と4-2-3-1では立ち位置が変わる。特に上田、久保、堂安の3人は、システム変更によって攻撃への関わり方が大きく変化する選手だ。

上田綺世:最前線で攻撃を完結させるセンターフォワード


主な役割:CF・1トップ
3-4-2-1、4-2-3-1の両方で最前線を担当

上田綺世の基本ポジションはセンターフォワードだ。

3-4-2-1では1トップとして、2人のシャドーと連係しながらゴールを狙う。4-2-3-1でも同じく最前線に立ち、両サイドとトップ下から供給されるパスやクロスをゴールにつなげる。

上田の強みは、ゴール前でのポジショニングと空中戦、相手ディフェンダーとの駆け引きにある。

2026年10月5日のニュージーランド戦では28分に先制ゴールを記録。久保から中野へとつながった攻撃の最後を仕留めた。

上田が最前線で相手センターバックを引きつけることで、久保や堂安が前向きにボールを受けられるスペースも生まれる。

久保建英:トップ下とシャドーを使い分ける攻撃の司令塔


主な役割:トップ下・シャドー
中央と右のハーフスペースを活用

久保建英は、森保ジャパンの攻撃に変化を与える重要な選手だ。

3-4-2-1ではシャドーとして1トップの後方に入り、相手の中盤とディフェンスラインの間でボールを受ける。

4-2-3-1ではトップ下を務めることができ、左右のウイングとの連係や中央へのスルーパスを担当する。

特に優れているのは、狭いスペースでのボールコントロールと、相手の守備配置を見ながらプレーを選択する能力だ。

ニュージーランド戦でも久保はトップ下に入り、上田や堂安との連係に参加した。28分の先制点につながった中野へのパスも、右サイドでの連係から生まれたものだった。

久保をどこに置くかは、日本代表の攻撃の方向性を決める要点になる。

堂安律:右ウイングと右ウイングバックを担う万能型


主な役割:右ウイング・右WB
攻撃時のカットインとフィニッシュが持ち味

堂安律は、システムによって役割が変わる選手の代表例だ。

3-4-2-1では右ウイングバックとして、攻撃時には高い位置を取り、守備時には最終ラインまで戻る。

一方、4-2-3-1では右ウイングとして前方に配置されるため、ゴールに近い位置でプレーできる。

左足でのシュートやカットインを得意とし、相手の守備陣を引きつけながら決定機を作ることができる。

ニュージーランド戦では71分に決勝ゴールを記録した。右サイドの選手としてだけでなく、逆サイドからゴール前に入り込むフィニッシャーとしても機能した点が重要だ。

この3人の役割を整理すると、上田がゴール前の基準点、久保が攻撃の創造役、堂安がサイドと中央を結ぶ得点源という関係になる。

【歴代フォーメーションの変遷】森保ジャパンはどう進化してきた?

サッカー日本代表フォーメーション

日本代表の現在の戦術は、突然生まれたものではない。

森保監督が就任した2018年から2026年までを振り返ると、フォーメーションの変化には明確な流れがある。

2018年:4-2-3-1を基本にスタート

森保監督が日本代表の指揮を執り始めた2018年、基本となったのは4-2-3-1だった。

JFAのチームヒストリーによると、2018年9月11日のコスタリカ戦が森保ジャパンの初戦。前任の西野朗監督時代から続く4-2-3-1を採用し、中島翔哉、南野拓実、堂安律を2列目に配置した。

この時期は、攻撃的な2列目の選手を生かすことがチーム作りの中心にあった。

2021年:4-3-3への変更で中盤を再構築

2021年のワールドカップアジア最終予選では、森保監督が4-3-3を採用する転換点があった。

JFAの公式記録によれば、オマーン、サウジアラビアに敗れた後のオーストラリア戦で田中碧と守田英正を起用し、中盤3人の構成に変更。日本は2-1で勝利した。

この変更は、フォーメーションが単なる見た目の問題ではなく、試合の結果を左右する戦術的な選択であることを示した。

2022年:カタールW杯で戦術の柔軟性を示す

2022年カタールワールドカップでは、相手の特徴に応じたシステム変更が注目された。

4バックを基本としながら、ドイツやスペインなどの強豪との試合では3バックを使った守備的な配置も活用。試合中の選手交代や立ち位置の変更によって、相手の攻撃に対応した。

2023年:攻撃的な4-3-3への挑戦

第2次森保ジャパンでは、攻撃的な4-3-3も採用された。

2023年6月のエルサルバドル戦では、守田英正を中盤中央に置き、堂安律と旗手怜央をインサイドハーフに配置。従来の守備的な4-3-3とは異なる攻撃的な構成を試した。

スポルティーバの分析では、この時期の変化について、フォーメーションの形を優先する考え方から、選手の特徴を生かす柔軟な戦術への移行が指摘されている。

2024~2025年:3-4-2-1が主軸に定着

2024年6月のミャンマー戦で、森保監督はカタールW杯以来となる試合開始からの3バックを採用した。

このシステムがその後の日本代表の中心となり、2025年も3-4-2-1を軸としたチーム作りが続いた。

2026年:3バックの完成度を維持しながら4バックを再導入

2026年W杯では3-4-2-1を継続。大会後の9月シリーズでも同じ基本布陣を使用した。

そして10月5日のニュージーランド戦で、4-2-3-1を試合開始から採用。攻撃時と守備時に異なる配置を取る可変システムを検証した。

こうして見ると、森保ジャパンの歴代フォーメーションは、4-2-3-1から4-3-3、3-4-2-1へと一方向に変わったのではない。複数のシステムを経験し、再び4バックを選択できる段階へ進んできたのである。

【プロの結論】森保一監督の最新戦術と今後の日本代表の布陣

2026年の森保ジャパンを評価する際、最も重要なのはフォーメーションの数字ではなく、選手の立ち位置と役割の変化だ。

3-4-2-1を採用していても、攻撃時にはウイングバックが前線に上がり、守備時には5バックに近い形になる。

4-2-3-1を採用していても、攻撃時には4-1-2-3、守備時には4-4-2になる。

この違いを理解すると、日本代表の試合を見る際のポイントが変わる。

フォーメーション変更の理由は3つ

1. 対戦相手の守備方法に対応するため

相手が前線から積極的にプレスをかけてくる場合と、自陣に引いて守る場合では、有効な攻撃方法が異なる。

3バックで後方の数的優位を作るのか、4バックでサイドバックを高く上げるのか。相手の守備の特徴に応じた選択が必要になる。

2. 選手の特徴を最大限に生かすため

堂安をウイングバックにするのか、ウイングにするのかによって、攻撃への参加方法は大きく変わる。

久保をシャドーに置くのかトップ下に置くのかも同様だ。

システムを選手に合わせることで、チーム全体の攻撃力を高められる。

3. 試合状況に応じて戦い方を変えるため

リードしている試合と追いかける試合では、必要なリスクの取り方が違う。

守備の人数を増やして逃げ切るのか、前線の人数を増やして逆転を狙うのか。交代選手の特徴まで含めた柔軟な判断が求められる。

次の注目試合はブラジル戦とパラグアイ戦

JFAの2026年日程によると、日本代表は11月14日にブラジル、11月17日にパラグアイとの試合を予定している。

この2試合は、10月のニュージーランド戦で試した4バックが、どこまで強豪相手にも機能するのかを見極める機会となる。

特に注目したいのは次の3点だ。

- 3-4-2-1と4-2-3-1のどちらを試合開始から採用するか。
- 久保と堂安をどのポジションで組み合わせるか。
- 相手のプレスを受けたとき、4バックから3バックへ自然に変化できるか。

フォーメーションの選択肢が増えることは、選手層の厚さだけでなく、試合中に戦い方を変えられる能力の向上にもつながる。

これが、現在の森保ジャパンを評価するうえでの要点だ。

【サッカー日本代表のフォーメーション】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年現在、日本代表の基本フォーメーションは何ですか?

3-4-2-1が長く採用されてきた基本布陣です。ただし、2026年10月5日のニュージーランド戦では4-2-3-1を採用しており、4バックも重要な選択肢になっています。

Q2:ニュージーランド戦のフォーメーションは4-4-2ですか?

先発の基本配置はJFA公式記録では4-2-3-1です。攻撃時は4-1-2-3、守備時は4-4-2という可変システムが採用されました。

Q3:上田綺世、久保建英、堂安律のポジションは?

上田綺世はセンターフォワード、久保建英はトップ下やシャドー、堂安律は右ウイングや右ウイングバックが主な役割です。採用するシステムによって立ち位置は変わります。

Q4:3バックと4バックではどちらが強いですか?

一概には決められません。3バックは中央の守備とウイングバックの攻撃参加に強みがあり、4バックはサイドバックとウイングの連係や中盤の構成に強みがあります。対戦相手と選手の特徴によって使い分けることが理想です。

2026年のサッカー日本代表は、3-4-2-1を中心に戦ってきたチームから、4-2-3-1や4-1-2-3も使い分けられるチームへと進化を試みている。

2026年W杯では3-4-2-1を継続し、グループステージを突破。ブラジルとのラウンド32では惜しくも敗れたが、強豪国との試合で得た経験は、その後の戦術を考えるうえでも重要な材料になった。

そして10月5日のニュージーランド戦では、4バックを再導入。攻撃時4-1-2-3、守備時4-4-2という可変システムを実戦で試した。

今後の見どころは、3バックか4バックかという二択ではない。上田綺世の決定力、久保建英の創造性、堂安律の攻撃参加を最大限に生かしながら、相手に応じて戦い方を変えられるかどうかだ。

森保ジャパンの本当の進化は、ひとつのフォーメーションを完成させることではなく、複数の戦術を状況に応じて使いこなすことにある。

2026年11月のブラジル戦、パラグアイ戦は、その新しい日本代表の姿を見極める重要な試合になる。

同じカテゴリの記事

黒田 宗一郎
コンテンツディレクター 黒田 宗一郎
プロフィールを見る →

グルメ・レシピ担当。材料と手順は必ず再現検証し、出典を明記します。

おすすめの関連記事