田原誠次さんの引退後の活動で、もう一つ注目したいのが文章を書く仕事です。
現役時代はマウンドで結果を残すことが仕事でしたが、引退後は自身の経験や野球界の内側を言葉にして伝えるようになりました。その文章が読者の支持を集め、2026年には初の著書が刊行されています。
2023年の文春野球コラムが大きな反響田原さんが文春野球コラムに登場したのは2023年です。
特に反響を集めたのが、2023年5月2日に公開された「『巨人の選手だったんですか?』巨人をクビになりハローワークに通った田原誠次が、工場勤務で見つけた“本当の幸せ”」という記事でした。
このコラムでは、巨人を戦力外になった後の心境、ハローワークでの仕事探し、給湯器工場で働いた経験などを本人の視点から紹介しています。
2023年12月30日に発表された文春オンラインの年間人気記事では、同記事がスポーツ部門の第3位に選ばれました。また、田原さん自身も後続のコラムで、最初の記事が文春野球コラムの歴代最多HITを記録したと振り返っています。
単なる野球選手の思い出話ではなく、プロ野球を離れた後の生活を率直に語ったことが、野球ファン以外にも届いた理由の一つです。
2026年2月16日に初著書を刊行
『巨人をクビになりハローワークに通った男が、工場勤務で見つけた“本当の幸せ”』
- 著者:田原誠次
- 編集・構成:菊地高弘
- 出版社:カンゼン
- 定価:1,980円(税込)
- ISBN:978-4-86255-791-9
- ページ数:224ページ
2026年2月16日、田原さんの初著書が株式会社カンゼンから発売されました。文春野球コラムなどで発表してきた文章を中心に、巨人時代の思い出や戦力外後の生活、仕事観などをまとめた一冊です。
書籍は大きく2章で構成されています。
- 第1章「人生は、なんとかなる。」
- 第2章「草食動物の目は、横についている。」
内容には、巨人時代に一緒にプレーした坂本勇人さん、菅野智之さん、戸郷翔征さん、阿部慎之助さんらとのエピソードも含まれています。
また、プロ野球選手としての経験だけでなく、一般企業で働いた経験や、収入が変化した後の生活についても取り上げられています。
編集・構成を担当したのは、文春野球コラムで田原さんに執筆を依頼し、聞き取りや構成を担当してきた菊地高弘さんです。田原さん自身の語り口や言葉選びを生かした内容になっています。
著書を読むと分かる田原誠次の新しい魅力この本の価値は、元巨人選手の裏話だけにあるわけではありません。
プロ野球という特殊な世界から一般企業へ移り、職場の人間関係を築き、再び野球界に戻るまでの過程が描かれている点に特徴があります。
特に、巨人時代の「便利屋」という立場と、工場で複数の製造ラインを担当して頼られる立場が重なるエピソードは印象的です。
野球選手としての肩書がなくなっても、周囲を観察し、必要な仕事を見つけ、任されたことをやり遂げる。そうした仕事への姿勢が、田原さんの文章から伝わってきます。
なお、2023年の文春オンライン年間人気記事ランキングでスポーツ部門3位だったことと、「年間最優秀コラム」という個人賞の受賞は同じ意味ではありません。公開されているランキングで確認できる評価は、スポーツ部門3位という実績です。
【プロの結論】田原誠次のセカンドキャリアから学べる3つのこと

田原誠次さんの歩みは、プロ野球選手の引退後の人生を考えるうえで興味深い事例です。
特に注目したいのは、華やかなプロ野球の世界から工場勤務へ移り、そこで得た経験を経て、再び野球の指導者になったことです。
1. 過去の実績だけで新しい仕事は決まらない田原さんは元巨人の選手という経歴を持ちながら、工場では一般の従業員として仕事を覚えていきました。
プロ野球選手だったことを評価されるだけでなく、製造ラインの作業を覚え、人手不足の工程を手伝うことで職場の信頼を獲得しています。
これは、セカンドキャリアでは過去の肩書よりも、新しい環境でどのように貢献するかが重要になることを示しています。
2. 一度野球から離れることも再出発につながる田原さんは戦力外通告を受けた直後、すぐに指導者へ転身しませんでした。むしろ、野球から離れたいという気持ちを優先し、一般企業で働く道を選びました。
その結果、職場での人間関係や草野球を通じて、再び野球を楽しみたいという感情が戻ってきました。
引退後の進路は、必ずしも野球関係の仕事に限定する必要はありません。いったん別の環境で働くことが、新しい目標を見つけるきっかけになる場合もあります。
3. 現役時代の経験は指導者として生きる2022年5月からのコーチ活動では、巨人で経験した中継ぎ投手の仕事や、社会人野球で学んだことが生かされています。
加えて、田原さんは若い選手を指導する際、相手を褒めることを大切にしています。
プロ野球の世界では結果が大切ですが、育成段階の学生には、技術を伸ばすだけでなく、自信を持ってプレーできる環境も必要です。
自分自身がプロの厳しさを経験しているからこそ、選手の気持ちに配慮した指導を意識しているのでしょう。
田原さんが掲げるプロ野球選手の輩出という目標は、現役時代とは違う形で野球界に貢献する挑戦でもあります。
【田原誠次の現在に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:田原誠次は2026年現在、何をしていますか?
A1:沖データコンピュータ教育学院硬式野球部のコーチを務めています。2026年6月のインタビューでは投手コーチとして5年目と紹介され、学校公式スタッフ欄にもコーチとして掲載されています。
Q2:田原誠次はなぜ巨人を引退したのですか?
A2:2020年11月2日に戦力外通告を受け、12球団合同トライアウトにも参加しましたが、NPB球団からオファーがありませんでした。本人は当時、野球から離れたい気持ちも強かったと振り返っています。
Q3:田原誠次の2016年の成績は?
A3:巨人の一軍で64試合に登板し、4勝3敗、14ホールド、防御率3.46を記録しました。チーム最多の登板数で、自己最多でもありました。
Q4:田原誠次は引退後、本当に工場で働いていたのですか?
A4:はい。ハローワークで仕事を探した後、給湯器を製造する工場に勤務しました。複数の製造ラインの作業を覚え、職場で頼られる存在になったことを本人がインタビューや著書で語っています。
Q5:田原誠次の著書は何という本ですか?
A5:『巨人をクビになりハローワークに通った男が、工場勤務で見つけた“本当の幸せ”』です。カンゼンから2026年2月16日に発売されました。編集・構成は菊地高弘さんが担当しています。
Q6:田原誠次は文春野球コラムで賞を受賞したのですか?
A6:2023年に文春野球コラムへ登場し、工場勤務を綴った記事が文春オンラインの年間人気記事スポーツ部門で3位になりました。歴代最多HITを記録した記事としても紹介されています。
田原誠次さんは、2011年のドラフト7位で巨人に入団し、2016年には64試合に登板した中継ぎ投手です。通算222試合、防御率3.13という記録を残し、巨人のブルペンを支えました。
しかし、2020年11月の戦力外通告を境に、人生は大きく変わります。トライアウト後に引退を決断し、ハローワークで仕事を探し、給湯器工場で一般企業の仕事を経験しました。
その後、2022年に沖データコンピュータ教育学院のコーチへ就任。2023年には文春野球コラムで注目を集め、2026年2月には自身初の著書も刊行しました。
田原さんのキャリアを評価する際に大切なのは、2016年の64試合登板だけで現在の活動を判断しないことです。戦力外通告後の工場勤務も、指導者としての現在も、同じ一人の人間が積み重ねてきたキャリアの一部です。
プロ野球選手としての実績を失った後も、自分にできる仕事を探し、周囲から信頼を得て、新たな道を切り開いてきた田原さん。2026年の著書は、その歩みを知るための重要な一冊です。
かつて巨人のブルペンを支えた投手は、現在、若い選手たちの未来を支える立場にいます。今後、沖データコンピュータ教育学院からプロ野球選手が誕生するかどうかも、田原さんの指導者としての活動を見守るうえで注目したいポイントです。
田原誠次さんの第二の野球人生は、現役引退で終わったのではなく、次世代を育てる新しい挑戦として続いています。