日本オリンピック委員会(JOC)の選手公式プロフィールによると、高梨沙羅選手のオリンピック通算メダル数は銅メダル2個、金メダル0個、銀メダル0個となっている。
獲得した大会と種目は、2018年平昌五輪の女子ノーマルヒル個人、2026年ミラノ・コルティナ五輪の混合団体だ。いずれも銅メダルだが、個人競技と団体競技という異なる形での表彰台となった。
高梨沙羅の五輪メダル獲得一覧
2018年・平昌五輪
女子ノーマルヒル個人
1個目

2018年2月12日
2026年・ミラノ・コルティナ五輪
スキージャンプ混合団体
2個目
2026年2月10日
ここで注意したいのが、ワールドカップや世界選手権、ユースオリンピックのメダル・優勝実績は、冬季オリンピックのメダル数とは別に集計される点だ。
例えば、高梨選手にはFISワールドカップの個人通算63勝という記録がある。しかし、これは五輪のメダル数に加算されるものではない。競技会ごとの実績を分けて見ることで、彼女のキャリアを正確に理解できる。
【獲得の経緯】平昌2018からミラノ・コルティナ2026へ!8年間の五輪成績
高梨沙羅選手のオリンピックでの歩みは、4大会連続出場という長い挑戦の歴史でもある。ソチ、平昌、北京、そしてミラノ・コルティナ。それぞれの大会で異なる結果を経験しながら、2026年に再び表彰台へ戻ってきた。
2014年ソチ五輪:優勝候補として臨み4位初出場となった2014年ソチ五輪では、女子ノーマルヒル個人で4位に入った。
当時の高梨選手はワールドカップで圧倒的な強さを誇り、五輪でもメダル獲得への期待が集まっていた。ところが、本番ではあと一歩届かず、表彰台を逃した。
それでも、若くして世界のトップレベルで戦い続けた実績は、その後の競技人生の土台となった。
2018年平昌五輪:女子ノーマルヒルで悲願の銅メダル2018年2月12日、韓国で開催された平昌五輪の女子ノーマルヒル個人で、高梨選手は合計243.8点を獲得して3位となり、銅メダルを手にした。
2本のジャンプはいずれも103.5メートル。1回目120.3点、2回目123.5点という安定した飛躍で表彰台をつかんだ。
優勝はノルウェーのマーレン・ルンビ選手、2位はドイツのカタリナ・アルトハウス選手だった。高梨選手にとって、ソチ五輪の4位から順位を上げて獲得した初のオリンピックメダルである。
この大会の銅メダルは、単なる順位以上の意味を持っていた。ワールドカップで何度も優勝してきた選手が、オリンピックという特別な舞台で結果を残した瞬間だったからだ。
2026年ミラノ・コルティナ五輪:混合団体で8年ぶりのメダル2026年2月10日、イタリアのプレダッツォで行われたスキージャンプ混合団体で、日本チームは1034.0点を獲得して3位となった。
金メダルはスロベニアの1069.2点、銀メダルはノルウェーの1038.3点。日本はノルウェーにわずか4.3点差まで迫る接戦を制し、銅メダルを獲得した。
日本代表のメンバーは次の4人だった。
- 丸山希
- 小林陵侑
- 高梨沙羅
- 二階堂蓮
男女各2人で構成される混合団体は、個人の飛距離だけでなく、チーム全員の得点を積み重ねる競技だ。高梨選手はチームの一員として、この銅メダル獲得に貢献した。
国際スキー・スノーボード連盟(FIS)の大会結果でも、日本の3位と4選手の出場が記録されている。
北京五輪で悔しい経験をした混合団体で再び表彰台に立ったことは、2026年大会の大きな見どころとなった。
【北京2022】高梨沙羅の失格理由は?スーツ規定違反の真相を検証
高梨選手のメダル獲得歴を語るうえで避けて通れないのが、2022年北京五輪の混合団体で起きたスーツ規定違反による失格だ。
日本のエースとして出場した高梨選手は、1回目のジャンプで103メートルを記録した。しかし、飛躍後の用具検査で違反が判明し、そのジャンプは失格と判定された。
失格の直接的な理由は両太もものスーツ寸法2022年2月7日のJOC発表に掲載された共同通信の報道によると、日本チームのコーチは、高梨選手のスーツの両太もも周りが規定より2センチ大きかったと説明している。
スキージャンプでは、競技用スーツの寸法が競技規則で細かく定められている。スーツが身体に対して大きすぎると、飛行中に空気を受ける面積が増え、飛距離に影響する可能性があるためだ。
そのため、選手の体格とスーツの寸法が規定に適合しているかどうかは、競技の公平性を保つうえで重要な検査項目となっている。
北京五輪の失格について、噂と事実を整理当時の報道では、日本チームの鷲沢徹アシスタントコーチが、スタッフ側の確認不足について反省の意を示している。
つまり、選手本人が意図的に規則を破ったという事実が確認されているわけではない。検査によってスーツの寸法違反が判明し、競技規則に従って失格となったというのが、報道で確認できる経緯だ。
また、同じ混合団体では複数の強豪国にも違反者が出ていた。特定の選手だけを対象にした処分だったという理解は正確ではない。
2026年にはスーツ規定も変更されているFISは2025年9月、女子スキージャンプの安全性向上を目的として、競技用スーツの寸法基準を見直す方針を公表した。
改定内容では、女子のわきの下から膝までの身体周囲寸法に対するスーツの許容差が2~5センチとなり、袖や股下についても細かな基準が設けられた。
これは北京五輪の高梨選手の失格を直接受けて行われた変更と断定できるものではない。競技の安全性や男女の身体的特徴を考慮した、競技規則全体の見直しである。
北京五輪の失格は、選手の競技能力と用具規則の遵守が別の問題であることを示した出来事でもあった。
【個人種目の結果】高梨沙羅の女子ノーマルヒル・ラージヒル成績を比較
2026年ミラノ・コルティナ五輪で、高梨選手は個人種目でも2競技に出場した。混合団体では銅メダルを獲得した一方、個人種目では表彰台に届いていない。
2026年女子ノーマルヒルは13位2026年2月7日の女子ノーマルヒル個人では、高梨選手は13位だった。
この種目で銅メダルを獲得したのは、同じ日本代表の丸山希選手だ。丸山選手は個人ノーマルヒルと混合団体の2種目で銅メダルを獲得している。
そのため、2026年の女子ノーマルヒル銅メダルを高梨選手の個人メダルと誤認しないよう注意したい。高梨選手の2026年の銅メダルは、あくまで混合団体での獲得である。
女子ラージヒルは16位続く2月15日の女子ラージヒル個人では16位。個人戦での順位だけを見れば、平昌五輪の銅メダルを獲得したときとは異なる結果となった。
しかし、団体競技では個人戦とは違う役割が求められる。自分の順位だけでなく、チームの合計得点を押し上げることが重要になるためだ。
高梨選手は4大会連続出場の経験を生かし、混合団体で日本の表彰台入りを支えた。
【世界的な実績】ワールドカップ63勝と丸山希・小林陵侑・二階堂蓮の関係
オリンピックの銅メダル2個だけでは、高梨沙羅選手の競技実績の全体像は見えてこない。特に注目したいのが、FISワールドカップで積み重ねた記録だ。
男女を通じて歴代最多の個人63勝
FISワールドカップ個人通算優勝回数63勝
4回
個人総合優勝
116回
ワールドカップ表彰台
高梨沙羅オフィシャルプロフィール掲載実績
高梨選手はワールドカップで4度の個人総合優勝を達成している。優勝シーズンは2012-13、2013-14、2015-16、2016-17の4シーズンだ。
加えて、男女を通じて歴代最多となる個人通算63勝を記録。2023-24シーズンにはワールドカップで通算116回目の表彰台に立った。
これらはオリンピックのメダルとは別のカテゴリーだが、長期間にわたって世界トップクラスの成績を維持してきたことを示す数字である。
2026年の混合団体メンバーとそれぞれの役割2026年の銅メダル獲得では、4人それぞれが異なる競技経験と強みを持ち寄った。
- :女子ノーマルヒル個人でも銅メダルを獲得した日本の女子エース。
- :世界選手権やオリンピックでも実績を持つ男子のトップジャンパー。
- :五輪4大会連続出場の経験を持つ女子のベテラン。
- :2026年大会の男子ノーマルヒル銅メダリスト。
FISの公式結果では、この4人が日本代表として混合団体に出場し、1034.0点で3位に入ったことが確認できる。
高梨選手にとって、混合団体のメダルは個人の記録だけでは得られない成果だった。競技経験を持つ選手同士が支え合い、チームとして結果を残すという、もう一つのジャンプ競技の魅力を示した大会だった。
【2026年最新】高梨沙羅は現役続行!今後の目標と2030年への展望
2026年11月現在、高梨選手は30歳。2026年3月31日にはワールドカップのシーズンを終えて帰国し、来シーズンも現役を続ける意向を明言している。
2025-26シーズンのワールドカップ成績全日本スキー連盟が2026年4月に公表したシーズン総括によると、高梨選手の2025-26シーズンのワールドカップ個人総合順位は9位。最高順位は4位だった。
2シーズン連続で表彰台には届かなかったものの、前年の総合12位から順位を上げている。63勝という歴代最多記録を持ちながらも、現在の競技水準に合わせて再び上位を狙う段階にある。
2026年3月、現役続行を明言JOCが2026年3月31日に掲載した共同通信の報道によると、高梨選手は10月に30歳を迎えるシーズンも競技を続けると明言した。
その際、若手選手が台頭する中で、自分が経験してきたことを見てもらえるようなジャンプをしたいという考えを示している。
加えて、翌冬のスウェーデンで開催される世界選手権を見据え、ワールドカップで表彰台に戻れる実力を身につけたいと語った。
北京五輪の悔しさを乗り越え、2026年に取り戻したメダル2026年8月のJOCオリンピックコンサートでは、高梨選手自身が北京2022大会を振り返り、心残りのある結果だったこと、メダルを取り戻すことを目標に4年間取り組んできたことを明かした。
北京2022冬季大会は心残りのある結果で終わっていたので、メダルを取り戻すことを目標に4年間取り組み、今大会に臨みました。
また、今後については翌年の世界選手権に向けて練習を続ける考えを示している。これは2026年大会後に本人が語った具体的な競技目標だ。
2030年フランスアルプス五輪への出場については、2026年3月の時点で「遠すぎて考えられない」という趣旨の発言をしている。したがって、2030年大会への出場を決定済みと捉えるのは正確ではない。
まずは2026-27シーズンのワールドカップや世界選手権で、再び個人表彰台に立てるかどうかが注目される。
【高梨沙羅のメダルに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:高梨沙羅のオリンピックメダルは全部で何個?
A1:2026年11月現在、冬季オリンピックのメダルは銅メダル2個です。2018年平昌五輪の女子ノーマルヒル個人と、2026年ミラノ・コルティナ五輪の混合団体で獲得しています。
Q2:高梨沙羅は2026年の女子ノーマルヒルでも銅メダルを獲得した?
A2:いいえ。2026年の女子ノーマルヒル個人は13位でした。同種目の銅メダリストは丸山希選手です。高梨選手が獲得した2026年の銅メダルは混合団体のものです。
Q3:北京五輪で高梨沙羅が失格になった理由は?
A3:2022年2月7日の混合団体で、ジャンプ後の検査によりスーツの両太もも周りが規定を超過していたことが判明したためです。日本チームのコーチは、規定より2センチ大きかったと説明しています。
Q4:高梨沙羅のワールドカップ通算優勝回数は?
A4:個人通算63勝です。男女を通じた歴代最多記録で、個人総合優勝も4回達成しています。
Q5:2026年現在、高梨沙羅は引退した?
A5:引退していません。2026年3月31日に来シーズンの現役続行を明言しています。2027年の世界選手権を見据えて競技を続ける方針です。
Q6:高梨沙羅の2026年混合団体のチームメイトは誰?
A6:丸山希選手、小林陵侑選手、二階堂蓮選手です。4人で日本代表を構成し、合計1034.0点で銅メダルを獲得しました。
高梨沙羅選手のオリンピック通算メダルは、2026年11月現在銅メダル2個。2018年平昌五輪の女子ノーマルヒル個人、2026年ミラノ・コルティナ五輪の混合団体で獲得したものだ。
北京2022では混合団体のスーツ規定違反による失格を経験し、メダル獲得を逃した。しかし、4年間の競技生活を経て、2026年には同じ混合団体で再び表彰台に立った。
ワールドカップ個人通算63勝、総合優勝4回という実績も、彼女が世界のスキージャンプ界に残してきた大きな足跡である。
2026年3月には現役続行を明言し、次の目標として世界選手権での表彰台を掲げた。個人競技での復調と、チーム競技でのさらなる活躍。その両方に期待がかかる。
高梨沙羅選手の2つの五輪銅メダルは、単なる獲得数ではなく、失敗や悔しさを経験しても世界の舞台に立ち続けた選手の歩みを物語っている。