「本田圭佑監督」は実現するのか。2026年11月現在、元サッカー日本代表の本田圭佑は、カンボジア代表の監督を務めているわけではなく、シンガポールのFCジュロンで現役選手として活動している。一方、2026年7月には自身のSNSで日本代表監督への立候補を表明し、サッカー界に大きな話題を呼んだ。
注目されるのは、2018年から2023年までカンボジア代表のGM(ゼネラルマネージャー)として実質的な指揮を執った異例の経験と、JFA Proライセンスを取得していないという問題だ。加えて、森保一監督の続投と大岩剛氏への監督交代をめぐっては、2026年11月に新たな動きも出ている。
【2026年11月現在】本田圭佑は監督ではなくFCジュロンの現役選手

まず押さえておきたいのは、2026年現在の本田圭佑の肩書きだ。
本田は1986年6月13日生まれ。日本代表として2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会の3大会連続でFIFAワールドカップに出場した実績を持つ。
2023年5月にカンボジア代表での活動を終えた後も、サッカーから離れたわけではない。2026年4月10日、シンガポールのFCジュロン(旧アルビレックス新潟シンガポール)が、2026-27シーズンから本田を選手として迎えることを正式発表した。
加えて、同年9月18日にはFCジュロンのホーム開幕戦で公式戦デビュー。ホーガン・ユナイテッドFC戦に後半36分から途中出場し、約2年ぶりにクラブチームの公式戦に出場した。40歳を迎えた年に現役選手として新たな挑戦を始めた格好だ。
したがって、2026年11月現在の本田の立場は、監督ではなく現役プロサッカー選手である。日本代表監督への意欲を示していることと、実際に指導者として就任していることは分けて考える必要がある。
【カンボジア代表GM時代】2018年から2023年まで実質的な監督を務めた経緯
本田圭佑の指導者としてのキャリアを語るうえで欠かせないのが、カンボジア代表での約5年間だ。
2018年8月12日、本田はプノンペンで開かれたカンボジアサッカー連盟の記者会見に出席し、同国代表のコーチングスタッフに加わることを発表した。正式な役職はGMだったが、チーム編成や戦術、試合での指揮にも関わり、実質的な監督として活動することになった。
なぜGMという肩書きだったのか背景にあったのは、指導者ライセンスの問題である。本田は現役選手を続けながら代表チームの強化に携わるという異例の立場を選んだが、FIFAや各国協会の資格制度に対応する正式な監督登録には必要な資格があった。
そのため、GMという役職でチーム全体のマネジメントや指揮に関わり、登録上の監督とは異なる形で現場を動かした。つまり、一般的な意味での正式な代表監督とは違うものの、現場での役割は監督に近かったのである。
本田体制の主な出来事と転換点| 時期 | 出来事 | 内容・実績 |
|---|---|---|
| 2018年8月 | GM就任 | カンボジア代表の強化とチーム運営を担当。 |
| 2018年9月10日 | 初采配 | マレーシアとの親善試合で1-3の敗戦。 |
| 2018年11月20日 | 初勝利 | AFFスズキカップでラオスに3-1で勝利。 |
| 2019年 | W杯アジア予選 | 2次予選で同国史上初の勝ち点を獲得。 |
| 2021年3月 | 契約延長 | 2023年まで活動を継続することを発表。 |
| 2023年1月 | A代表GM退任発表 | カンボジアサッカー連盟が退任を公表。 |
| 2023年5月 | プロジェクト終了 | SEA GamesのU-22代表を最後に約5年間の活動を終える。 |
初采配となった2018年9月10日のマレーシア戦は1-3の逆転負けだった。しかし、同年11月20日のラオス戦では3-1で勝利し、本田体制での初白星を記録した。
2019年にはワールドカップ・アジア2次予選でカンボジア代表が初めて勝ち点を獲得。東南アジア競技大会でも初のベスト4進出を果たすなど、国際舞台で一定の成果を残した。2021年3月には契約を2023年まで延長している。
ただし、約5年間の活動をすべて成功と評価することはできない。2022年のAFF三菱電機カップではグループステージ敗退となり、2023年1月にA代表での活動を終了した。
2023年5月、最後の大会でプロジェクトが完結2023年1月3日、カンボジアサッカー連盟は本田のGM退任を発表した。A代表での最後の試合は、同年1月2日のタイ戦だった。
ただし、本田の仕事は1月で完全に終わったわけではない。最後の任務として残されたのが、2023年5月の東南アジア競技大会(SEA Games)に出場するU-22カンボジア代表の指揮だった。
同大会では1勝1分け2敗のグループ3位となり、決勝トーナメント進出を逃した。5月11日、本田は自身のSNSで約5年間のプロジェクト終了を報告している。
この活動についてAFP通信も、必要な資格を持たないため正式な監督として登録されていなかった一方、GMとしてA代表とU-22代表を指揮し、試合ではベンチに入っていたと伝えた。
つまり、本田には実際の代表チームを動かした指導経験がある。ただし、正式な監督としての登録歴とGMとしての実質的な指揮経験は、同じものではない。
【2026年7月に日本代表監督へ立候補】本田圭佑の発言とJFAの判断
本田圭佑が日本代表監督への意欲を公に示したのは、2026年7月2日だった。
北中米ワールドカップで日本代表がブラジルに1-2で敗れた後、日本サッカー協会が森保一監督に続投を打診しているとの報道が出た。これを受け、本田は自身の公式Xで次のように投稿した。
「僕を1年試してみてください。もしアジア杯で負けたら問答無用でクビにしてくれていい。その勝負に受けて立ちます」
単なる将来の夢ではなく、具体的な契約期間と結果に対する責任まで提示した、踏み込んだ発言だった。
本田は同大会で日本戦のテレビ中継の解説も担当しており、現役時代の経験を踏まえた戦術分析や試合中のコメントが注目されていた。選手としての実績と解説で見せたサッカー観を背景に、監督としての可能性をアピールした形だ。
本人はライセンス問題も認識している7月4日、本田は過去の自身の投稿を引用し、プロコーチライセンスを取得していないことを改めて説明した。
本人の主張は、単に資格を取らずに監督になりたいというものではない。プロコーチライセンスを必須とする現在の仕組みが本当に適切なのか、制度そのものを見直す余地があるのではないか、という問題提起だった。
7月17日には、資格がないことを承知したうえで、指導者としてステップアップする必要性も自覚していると発信している。
立候補したことと、正式な候補者になったことは別ここで重要なのは、本田が自ら立候補した事実と、JFAが本田を正式な監督候補として選考した事実は異なるという点だ。
日本代表監督の選任は、本人が希望を表明すれば成立するものではない。JFAの技術委員会が監督の適性要件を決定し、協会側が候補者を選定したうえで、本人との交渉やインテグリティチェックなどを経て理事会で正式に決定する仕組みだ。
2026年11月6日現在、本田の日本代表監督就任は発表されていない。立候補は実際にあったものの、就任が決まったわけではないのである。
【JFA Proライセンス未取得】日本代表監督になるための条件と資格制度
本田圭佑の監督就任を考えるうえで、最大の制度的な論点となるのがJFA Proライセンスだ。
本田圭佑はJFA Proライセンスを持っているのか2026年7月4日、本田本人が「私はプロコーチライセンスを持っていません」と明言している。
これはJFAの資格制度上、重要な問題となる。日本代表監督には、原則としてJFA Proライセンス、またはそれと同等以上の資格が求められるからだ。
JFAの公式FAQでも、日本代表監督に必要な資格について、Jリーグのトップチーム監督と同様にProライセンスを保有することを基本としている。つまり、本田が日本代表監督を目指す場合、資格要件は避けて通れない。
JFAの指導者ライセンス制度はどうなっている?JFAの指導者資格は、指導する選手の年代や競技レベルに応じて段階的に設計されている。
サッカーの主な資格には、Dライセンス、Cライセンス、Bライセンス、Aジェネラルライセンス、Proライセンスなどがある。
その頂点に位置するProライセンスは、プロチームやプロ選手を指導できる人材を養成するための資格だ。単にサッカーの知識を持っているかどうかではなく、実際の指導能力やチームマネジメント能力も求められる。
2026年度のProライセンス取得には何が必要かJFAが公表している2026年度のProライセンスコーチ養成講習会では、参加者はトライアルによる選考を受ける。受講条件にはAジェネラルライセンスの保有などがあり、実際のクラブでの指導研修も必要だ。
集合研修は目安として46日間に加え、クラブワークや海外プロクラブ・Jクラブでの研修も組み込まれている。2026年度の受講料は99万円(税込)とされている。
この仕組みから分かるのは、Proライセンスが単なる座学や短期講習で取得できる資格ではないということだ。指導現場での実践を含め、長期的な育成プロセスが用意されている。
ライセンスがなければ絶対に日本代表監督になれないのかJFAの公式FAQは、Proライセンスまたは同等以上の資格を基本要件としている。したがって、資格を持たない本田がそのまま通常の手続きを経て就任することには、大きな制度上の壁がある。
一方、本田が問題提起しているのは、資格制度そのものの必要性や運用方法だ。経験豊富な元代表選手や海外での指導経験を持つ人物に対し、どのような評価基準を設けるべきかという議論につながっている。
ただし、制度改革を求める発言と、現行制度の適用が免除されたことは別問題である。2026年11月現在、本田に対する特別な資格免除や例外的な就任措置が発表された事実はない。
【本田圭佑監督の評判】カンボジアで評価された実績と残された課題
本田の監督としての評判を判断するには、選手としての知名度だけでなく、カンボジアで実際に何を変えたのかを見る必要がある。
評価されたのは国際経験と選手目線の指導2021年12月のニューズウィーク日本版の記事では、現地の人々やカンボジア代表の選手たちが本田の活動を評価している様子が紹介された。
元ACミランの選手として世界的に知られる本田がカンボジア代表に加わったことは、同国サッカーの認知度を高める効果もあった。選手にとっても、欧州のトップレベルで得た知識や経験に触れる機会となった。
特に特徴的だったのは、複雑な戦術を一度に教え込むのではなく、選手が理解しやすい形に整理して伝える指導方法だ。
攻撃時のパス回しについても、複数のパターンを限定して反復練習するなど、共通理解をつくることを重視していた。選手がミスを恐れずにプレーできる環境づくりにも取り組んでいたと報じられている。
一方で、勝敗だけを見ると課題も残った本田体制の成績には、成功と課題の両面がある。
2019年のワールドカップ・アジア2次予選で勝ち点を獲得したことや、東南アジア競技大会でのベスト4進出は前進を示す成果だった。一方、国際大会で継続的に上位進出を実現したわけではない。
2023年5月のSEA Gamesでは、U-22代表が1勝1分け2敗でグループ3位となった。最後の大会を勝利で締めくくれなかったことは、本田自身も悔しさをにじませていた。
日本代表監督として評価するなら何を見るべきか本田の強みは、ワールドカップ3大会に出場した選手経験、海外クラブでのプレー経験、国際的な人脈、そしてカンボジア代表でのチーム運営経験にある。
また、現役選手としてプレーを続けながらGMを務めたことから、選手の心理やコンディションを理解する立場にあることも特徴だ。
一方、日本代表監督には、トップレベルの選手をまとめるマネジメント能力、長期的なチーム構築、戦術の一貫性、スタッフとの連携、メディア対応など幅広い能力が必要になる。
カンボジア代表での経験は貴重だが、その経験だけで日本代表という世界トップレベルのチームを率いる能力が証明されたわけではない。
本田を評価する際は、話題性や現役時代の実績だけで判断するのではなく、指導実績、チーム成績、選手育成、資格要件をそれぞれ分けて考えることが重要だ。
【森保一監督の続投はどう変わった?】大岩剛の次期就任と2027年の新体制
本田の日本代表監督立候補をめぐる状況を理解するには、2026年の日本代表監督人事を正確に把握しておく必要がある。
2026年7月:森保一監督の続投と大岩剛氏の後任就任を発表日本サッカー協会は2026年7月23日、森保一監督の続投を正式決定した。当初は2027年1月から2月に予定されていたAFCアジアカップ・サウジアラビア大会まで指揮を執り、その後はU-21日本代表監督の大岩剛氏がA代表監督を引き継ぐ計画だった。
森保監督は2018年の就任以来、日本代表を率いてきた。2022年カタール大会ではドイツとスペインを破り、2大会連続のワールドカップ決勝トーナメント進出を果たしている。
一方、大岩剛氏は鹿島アントラーズの監督経験を持ち、パリ五輪世代のU-21・U-23日本代表を指揮してきた指導者だ。2024年のU-23アジアカップ優勝やパリ五輪ベスト8などの実績がある。
11月3日のアジアカップ延期で監督交代の時期が変化ところが、2026年11月3日にAFCが重要な日程変更を発表した。
2027年1月7日から2月5日まで開催予定だったアジアカップ・サウジアラビア大会が、地域情勢や移動・運営上の問題を受け、2027年12月23日から2028年1月21日までに延期されたのである。
これにより、当初予定されていた「アジアカップ終了後に大岩氏へ交代」という日程に変更が必要になった。
11月5日、JFA幹部が2027年3月の大岩体制を説明この問題について、11月5日の日本サッカー協会の理事会後、湯川和之専務理事は、2027年3月の代表ウィークから大岩剛監督体制になるのかとの質問に対し、次のように答えたと日刊スポーツが報じた。
「今のところはそのような計画です」
この発言を受け、森保監督の年内退任が決定的となった。2027年3月25日にはエディオンピースウイング広島、同30日にはMUFG国立競技場で日本代表の国際親善試合が予定されており、大岩新体制の初陣となる計画だ。
つまり、7月時点の「森保監督が2027年のアジアカップまで続投」という情報は、11月の大会延期によって実際の人事計画と異なる状況になっている。
この一連の動きを踏まえると、本田が日本代表監督に就任する可能性は、少なくとも直近の監督人事では極めて限定的だ。JFAが大岩体制への移行を進める計画を示しているためである。
【本田圭佑監督の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:本田圭佑は現在、監督をしていますか?
A1:2026年11月現在、日本代表やカンボジア代表の監督は務めていません。シンガポールのFCジュロンに所属する現役選手として活動しています。
Q2:本田圭佑はJFA Proライセンスを取得していますか?
A2:2026年7月に本人がプロコーチライセンスを持っていないと明言しています。その後、取得したという公表は確認されていません。
Q3:本田圭佑は日本代表監督に立候補したのですか?
A3:はい。2026年7月2日、自身の公式Xで「僕を1年試してみてください」と投稿し、次期日本代表監督への意欲を示しました。ただし、正式な就任やJFAによる候補者選定が決まったわけではありません。
Q4:本田圭佑はカンボジア代表で何年間監督を務めましたか?
A4:2018年8月から2023年5月まで約5年間です。正式な肩書きはGMでしたが、A代表とU-22代表のチーム編成や指揮に関わる実質的な監督として活動しました。
Q5:森保一監督の後任は誰ですか?
A5:2026年11月現在、JFAは2027年3月から大岩剛氏が日本代表を率いる計画を示しています。森保監督は当初アジアカップまで続投する予定でしたが、大会延期を受けて年内退任が決定的となりました。
2026年11月現在、本田圭佑はFCジュロンの現役選手として活動しながら、将来的に指導者として歩む意欲を示している。カンボジア代表のGMとして約5年間、実質的な監督を務めた経験もあり、一般的な元選手とは異なる指導者としての経歴を持つ。
2026年7月の日本代表監督への立候補は、本田の指導者志向を明確にした出来事だった。しかし、JFA Proライセンスを取得していないことや、現行の監督選任制度を考えると、すぐに日本代表を率いる状況にはない。
また、森保一監督の後任については、アジアカップの延期を経て2027年3月から大岩剛氏が指揮を執る計画が示されている。直近の日本代表監督人事に本田が加わる可能性は低い。
【プロの結論】
本田圭佑の指導者としての価値を判断するうえで、最も重要なのは「選手としてどれだけ偉大だったか」と「監督としてどれだけ成果を出せるか」を混同しないことだ。
カンボジアでの活動は、選手育成やチームマネジメントに取り組んだ実践経験として評価できる。一方、日本代表監督には、国際大会での結果だけでなく、選手選考、戦術構築、スタッフ統率、長期的な強化計画まで担う能力が求められる。
今後の注目点は、①JFA Proライセンスをめぐる本田自身の対応、②FCジュロンでの現役活動、③指導者として新たな実績を積む機会があるか、の3点だ。
日本代表監督への立候補は、現時点では実現していない。しかし、カンボジアでの経験と2026年に表明した強い意欲を考えれば、本田圭佑が将来どのような形で日本サッカーの指導現場に戻ってくるのかは、引き続き注目すべきテーマである。
編集上の重要な更新点: 2026年11月3日のAFC公式発表でアジアカップが2027年12月~2028年1月に延期され、11月5日にはJFA幹部が2027年3月の大岩体制を予定していると説明しています。7月時点の監督人事情報だけで記事を構成しないことが重要です。