最終回のサブタイトルは「蜂に魅かれた容疑者 テロ計画を阻止せよ!動物大捜査」。それまでの動物をめぐる事件とは異なり、警察組織の過去や犯罪集団の思惑が絡む、シリーズ最大規模の事件が描かれる。
最終回の黒幕は詐欺集団「ギヤマンの鐘」物語は、須藤と圭子が警察病院で鬼頭勉と再会するところから始まる。
鬼頭は何者かに撃たれて重傷を負ったと伝えられていたが、実際には敵を欺くための偽装だった。事件の背後にいたのは、表向きは宗教法人を名乗りながら、実態は詐欺集団である「ギヤマンの鐘」だった。
その集団と手を組んでいたのが、庄野一樹(利重剛)。無差別テロを主導する人物であり、過去に鬼頭との因縁を抱えていた。
庄野が警察を憎む理由とは?庄野は5年前、ある事件の容疑者として警察の取り調べを受けていた。しかし、最終的には事件と無関係であることが判明し、解放されている。
ところが、取り調べを受けている間に台風が発生し、庄野が経営していた養蜂場を直撃。大切に育てていた蜂が全滅するという悲劇に見舞われた。
当時、庄野を取り調べていたのが鬼頭だった。家族同然に大切にしていた蜂を失った庄野は、鬼頭への恨みを募らせ、やがてギヤマンの鐘と関わるようになる。
ここで重要なのは、庄野が単純な悪人として描かれていないことだ。彼にとって蜂は単なる飼育動物ではなく、長い時間をかけて育ててきた大切な存在だった。動物を愛する人間の喪失感が、犯罪組織に利用されてしまったのである。
須藤と圭子が見抜いた本当の計画庄野の居場所を追う須藤と圭子は、かつての養蜂場へ向かう。そこで待ち受けていたのは、庄野とギヤマンの鐘の関係者たちだった。
2人は現場で手がかりとなる情報を得て、警察に戻る。やがて、庄野たちが残した携帯電話の情報や、圭子が保護した動物に関する知識が、計画の標的を見極める鍵になっていく。
庄野たちの計画には警察博物館が関係していた。しかし、須藤と圭子は、目に見える情報だけで判断せず、動物や植物に関する細かな違和感まで調べることで、真の狙いにたどり着く。
事件の背後では、鬼頭を狙った別の計画も進んでいた。石松や四十万ら捜査関係者も協力し、最終的に関係者の逮捕へとつなげていく。
庄野の最後と蜂に込められた思い追い詰められた庄野は、なおも蜂への執着と鬼頭への怒りを捨てられずにいた。
しかし、圭子は庄野の気持ちを理解しようとする。彼がどれほど蜂を大切にしていたのか、動物を愛する者として真正面から向き合うのだ。
須藤もまた、動植物管理係が存在する意味を庄野に伝える。人間の事情によって飼い主が世話をできなくなった動物たちを守ること。それは、過去に失われた命と同じような悲劇を繰り返さないためでもあった。
圭子と須藤の言葉を受け、庄野は自分が大切にしていた蜂や動物たちの存在に向き合い直す。最終的には蜂の入った箱を須藤に渡し、事件は解決へ向かう。
ギヤマンの鐘にも捜査の手が入り、組織は解散に追い込まれる。
須藤は捜査一課に復帰する?最終回のラスト事件解決後、須藤には念願だった捜査一課への復帰の辞令が出る。
実は、鬼頭が須藤を動植物管理係に異動させたのには理由があった。単なる左遷ではなく、過去の事件に関係する問題を解決するための配置だったのだ。
しかし、須藤は捜査一課への復帰を断る。圭子と出会い、動物を守る仕事にも刑事としての価値があると気づいたからだ。須藤は今後も動植物管理係で働く道を選ぶ。
加えて、これまで動物にしか興味を示さなかった圭子にも変化が訪れる。彼女は人間という生き物にも興味を持ち始めたことを明かす。知能が高いのに不思議な行動を取り、論理的でありながら感情的でもある人間は、圭子にとって新たな観察対象になったのだ。
そして、係のアイドルだった猫のナオミにも、本来の飼い主が迎えに来る。別れを惜しむ須藤たちのもとに、四十万が新しい動物の保護依頼を持ってくる。カバ、イカ、イルカという意外な動物の名前に圭子が喜び、物語は再び日常へ戻っていく。
最終回の結末は、須藤が捜査一課に戻るのではなく、自らの意思で動植物管理係に残るハッピーエンド。圭子とのコンビも続いていくことを予感させる締めくくりだった。
2017年9月10日に放送された最終回について、MANTANWEBは平均視聴率7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と報じている。最後まで作品らしいユーモアを残しながら、須藤の職業観と圭子の人間観の変化を描いた結末だった。
【原作は大倉崇裕の小説!ドラマ版との関係を解説】

『警視庁いきもの係』の原作は、作家・大倉崇裕による小説シリーズだ。
ドラマ化の土台になったのは、講談社から刊行された動物ミステリー作品。須藤友三と薄圭子という2人のキャラクターを中心に、動物の生態と事件を組み合わせた推理が展開される。
大倉崇裕が描く動物ミステリーの特徴講談社文庫・2012年11月刊行
須藤が負傷後に動植物管理係へ配属され、圭子とコンビを組むシリーズの出発点。小鳥の飼育と事件の謎が結びつく。
講談社文庫・2017年6月刊行
ペンギンをはじめ、ヤギやサル、賢い鳥など、多彩な動物が登場するシリーズ第3弾。
フジテレビの公式番組情報では、以下の作品が原作として紹介されている。
- 『小鳥を愛した容疑者』
- 『蜂に魅かれた容疑者 警視庁いきもの係』
- 『ペンギンを愛した容疑者 警視庁いきもの係』
- 『クジャクを愛した容疑者 警視庁いきもの係』
なお、『小鳥を愛した容疑者』だけは、書名に「警視庁いきもの係」という副題が付いていない。
原作とドラマ版は何が違う?原作小説の魅力は、動物に関する専門知識を使った本格的な推理にある。読者は登場人物と一緒に、動物の習性や飼育環境に隠された手がかりを読み解いていく。
一方、テレビドラマでは渡部篤郎と橋本環奈の掛け合いを中心に、映像ならではの動物のかわいらしさや、個性的な脇役たちの人間模様が加わっている。
また、テレビシリーズでは複数の事件を全10話の流れに組み込み、鬼頭の過去や須藤の異動理由など、連続ドラマとしての縦軸を持たせている。
原作を先に読むと動物ミステリーとしての構成を楽しめる。ドラマを先に見ると、須藤と圭子の人物像や作品の世界観を視覚的に理解しやすい。両方に触れることで、同じ設定から生まれる異なる楽しみ方ができる。
【主題歌は超特急の「My Buddy」!ドラマとの相性を分析】
アーティスト:
発売日:2017年7月26日
レーベル:SDR
『警視庁いきもの係』の主題歌を担当したのは、ダンス&ボーカルグループの超特急。楽曲のタイトルは「My Buddy」で、2017年7月26日に13枚目のシングルとして発売された。
公式ディスコグラフィーでも、フジテレビ系日曜9時ドラマ『警視庁いきもの係』の主題歌であることが記載されている。
「My Buddy」が作品に合っている理由「Buddy」は仲間や相棒を意味する言葉。須藤と圭子の関係を考えると、楽曲のタイトルそのものがドラマのテーマと重なる。
須藤は刑事としての経験を持ち、圭子は動物に関する専門知識を持つ。どちらか一方だけでは解決できない事件も、2人が力を合わせることで突破口が見えてくる。
加えて、動物たちとの出会いや、動植物管理係の仲間たちとの交流も作品の大切な要素だ。事件を解決するだけでなく、誰かと協力することで新しい世界が広がるという物語の方向性にも、「My Buddy」というタイトルはよくなじんでいる。
主題歌をきっかけに超特急を知った視聴者にとっても、作品と楽曲が結びつく思い出深い一曲になっている。
作品の評価を左右する3つの見どころ1. 動物の生態を使った新鮮な推理
一般的な刑事ドラマでは、証拠品や目撃証言が捜査の中心になる。本作では、動物の習性や飼育状況が重要な手がかりになるため、事件の見方そのものが変わる。動物の豆知識を知りながらミステリーを楽しめる点は、ほかの刑事ドラマにはない魅力だ。
2. 渡部篤郎と橋本環奈の年齢差を生かした掛け合い
経験豊富なベテラン刑事と、独自の価値観を持つ若い巡査。2人の会話は、推理の説明だけでなくコメディーとしても機能している。シリアスな事件の合間に生まれる軽妙なやり取りが、作品全体の雰囲気を和らげている。
3. 動物を守るというテーマが最終回まで続く
最終回では、事件の加害者にも動物を大切にしていた過去があることが描かれる。動物を守る仕事は、単なる保護活動ではない。飼い主の事情によって行き場を失った命を守り、再び適切な環境へつなぐことでもある。このテーマが最終回の須藤の選択にもつながっている。
【警視庁いきもの係に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:警視庁いきもの係は全何話ですか?
A1:全10話です。2017年7月9日に第1話が放送され、2017年9月10日に最終回を迎えました。最終回のサブタイトルは「蜂に魅かれた容疑者 テロ計画を阻止せよ!動物大捜査」です。
Q2:須藤友三と薄圭子は恋愛関係になりますか?
A2:2人の中心的な関係は、恋愛ではなく仕事上の相棒関係です。須藤は圭子の専門知識を認め、圭子は須藤の刑事としての経験を頼りにします。最終回でも2人はコンビを続けることを予感させる結末になっています。
Q3:警視庁いきもの係の原作は漫画ですか?
A3:漫画ではなく、大倉崇裕による小説シリーズです。『小鳥を愛した容疑者』『ペンギンを愛した容疑者』などが原作として使われています。
Q4:最終回で須藤は捜査一課に戻りますか?
A4:捜査一課への復帰を命じられますが、須藤はその辞令を断ります。圭子や仲間たちとともに、動植物管理係で仕事を続ける道を選びます。
Q5:警視庁いきもの係の主題歌は誰が歌っていますか?
A5:超特急が歌う「My Buddy」です。2017年7月26日に13枚目のシングルとして発売されました。
『警視庁いきもの係』は、2017年に放送された全10話の刑事コメディーミステリー。渡部篤郎が演じる須藤友三と、橋本環奈が演じる薄圭子という異色のコンビが、動物の生態を手がかりに事件を解決していく。
物語の魅力は、動物を単なる癒やしの存在として描くのではなく、事件の謎を解く重要な存在として扱っていることだ。ペンギンやヘビ、ヤギ、リスザル、フクロウ、ハリネズミなど、それぞれの動物が持つ習性が推理に結びついている。
最終回では、ギヤマンの鐘をめぐる事件が解決し、須藤は捜査一課への復帰を断って動植物管理係に残る。圭子もまた、人間という新たな興味の対象を見つけ、2人のコンビはこれからも続いていくことを感じさせる。
【プロの結論】このドラマをおすすめできる人特におすすめしたいのは、次のような視聴者だ。
- 動物が登場する癒やし系ドラマが好きな人
- 本格的な推理とコミカルな会話の両方を楽しみたい人
- 渡部篤郎や橋本環奈の異なる魅力を見たい人
- 1話ごとに事件が解決する連続ドラマを探している人
- 動物の生態や飼育に関する知識を楽しみながら学びたい人
一方、重厚な犯罪描写や緊張感の強い本格サスペンスだけを求める人には、コミカルな演出が少し軽く感じられるかもしれない。
それでも、動物を手がかりに事件を解くという発想、須藤と圭子の絶妙なコンビネーション、そして最後まで一貫した命を守るというテーマは、作品ならではの強みだ。
2026年に改めて振り返っても、単なる動物ドラマでも、従来型の刑事ドラマでもない独自の魅力を持つ作品である。全10話を通して見ることで、須藤がなぜ捜査一課への復帰を断ったのか、その答えもより深く理解できるはずだ。