旧足利西高校は、現在も栃木県足利市大前町103-11に校舎や体育館などが残る、全国的にも知られた学校ロケ地です。
一般的な廃校のように建物が解体されて跡地が別用途に転用されたのではなく、校舎を映像制作に活用する道が選ばれました。
2014年から本格的にロケ地として活用転機となったのは2014年度です。
足利市では、映画やテレビドラマなどの撮影を誘致・支援する専門部署として映像のまち推進課が設置されました。旧足利西高校も撮影場所として積極的に活用されるようになり、映画、テレビドラマ、CM、ミュージックビデオなど、多様な制作現場を受け入れてきました。
あしかがフィルムコミッションの公式記録によると、2019年度には早くも撮影実績が累計100作品に到達しています。
その後も撮影需要は続き、2024年度末には累計215作品にまで増加しました。
2026年現在も足利市の映像文化を象徴する場所2026年3月時点で、足利市内全体の撮影支援作品数は580作品を超えています。
ただし、この580作品は足利市内のロケーション全体の数字です。旧足利西高校だけの撮影実績215作品とは区別する必要があります。
旧足利西高校は、その中でも学校というロケーションに特化した代表的な撮影拠点です。
現在の主な役割は次のとおりです。
- 映画・テレビドラマの撮影場所
- CMやミュージックビデオなどの撮影場所
- 撮影関係者向けのロケーション施設
- 一般公開イベントや映像文化のPR拠点
普段から自由に入れる観光施設ではありませんが、一般公開イベントでは通常立ち入れない校舎内部を見学できます。
【閉校理由】足利西高校はなぜ2009年に閉校したのか?

旧足利西高校の閉校理由を理解するには、栃木県が進めた県立高校再編計画を知る必要があります。
同校は単独で廃校になったというより、足利商業高校との統合によって新しい学校へと再編された高校です。
足利清風高校との統合が閉校の直接的な経緯栃木県立足利清風高校の公式沿革には、足利西高校と足利商業高校の統合について記録されています。
経緯を整理すると、次のようになります。
- 2005年6月16日: 足利西高校と足利商業高校の統合に伴う新校設立準備委員会が設置。
- 2007年1月1日: 栃木県立足利清風高校が設置される。
- 2007年4月1日: 両校の統合に伴い、新校が開校。足利西高校の生徒募集が停止される。
- 2009年3月3日: 足利西高校の卒業式・閉校式を挙行。
- 2009年3月31日: 正式な閉校日。
この流れは、栃木県教育委員会の閉校校一覧にも記載されています。
閉校後も校舎が残った理由足利西高校と足利商業高校は統合されましたが、新設された足利清風高校は足利商業高校の校舎を使用することになりました。
そのため、旧足利西高校の校舎は学校としての役割を終えた後も、建物が残ることになりました。
ここで注目したいのは、閉校した施設を撮影場所として再活用できた点です。
学校には、一般的な商業施設や撮影スタジオにはない特徴があります。
- 教室が複数並ぶ校舎
- 学校らしい廊下や昇降口
- 屋上や中庭
- 体育館やグラウンド
- 学校生活を感じさせる建物の構造
これらは青春映画や学園ドラマの撮影に適した環境です。
つまり、学校統合によって生まれた旧校舎が、映像制作という別の分野で価値を持つようになったのです。
【撮影実績215作品】旧足利西高校が人気ロケ地になった理由
旧足利西高校の撮影実績は、2014年度から2019年度までの約6年間で累計100作品に到達しました。
あしかがフィルムコミッションが公表した100作品到達時の内訳を見ると、単なる映画専用の撮影施設ではなかったことが分かります。
| ジャンル | 2014~2019年度の実績 |
|---|---|
| 映画 | 34作品 |
| テレビドラマ | 31作品 |
| CM | 12作品 |
| PV・MV | 14作品 |
| その他 | 9作品 |
| 合計 | 100作品 |
映画とテレビドラマだけで65作品を占めており、学校というロケーションの需要の高さがうかがえます。
2024年度末までの累計215作品は、こうした撮影需要がその後も続いた結果です。
撮影作品の代表例旧足利西高校が登場する作品には、世代を超えて知られるタイトルが並びます。
『』
2018年・日本テレビドラマ
賀来賢人、伊藤健太郎らが出演した学園コメディー。旧足利西高校は、主人公たちが通う私立軟葉高校として使用されました。第1話、第6話、第8話、第9話に校舎内や屋上、昇降口などが登場します。
『』
2016年・2018年/実写映画
広瀬すずらが出演した青春映画シリーズ。旧足利西高校は主人公たちが通う瑞沢高校のロケ地となり、屋上も撮影に使われました。
『』
2024年・TBSドラマ
阿部サダヲ主演の作品。あしかがフィルムコミッションは、旧足利西高校での撮影に関するエキストラ募集を実施。野球部の練習や1986年の中学校の授業風景などの撮影が行われました。
『』
2025年・日本テレビドラマ
映画シリーズから10年後の世界を描くオリジナルストーリー。あしかがフィルムコミッションの作品紹介でも、旧足利西高校がロケ地として掲載されています。
『』
2022年・フジテレビドラマ
川口春奈、目黒蓮らが出演。公式撮影実績では旧足利西高校と南側歩道がロケ地として紹介されています。
『』
2025年公開・映画
吉沢亮、板垣李光人らが出演。あしかがフィルムコミッションの撮影実績に旧足利西高校が掲載され、2025年の一般公開でも関連する場面写真が展示されました。
このほか、『水球ヤンキース』『斉木楠雄のΨ難』『僕たちがやりました』『ナンバMG5』『虹色デイズ』『走れ!T校バスケット部』なども代表的な作品です。
【作品と撮影場所の関係】校舎・体育館・屋上はどこに使われた?
旧足利西高校の魅力は、校舎全体が一つの作品だけでなく、複数の映画やドラマに登場していることです。
撮影場所と作品の関係を整理すると、次のようになります。
| 作品 | 使用された場所・役割 | 確認できる内容 |
|---|---|---|
| 今日から俺は!! | 教室・屋上・昇降口・廊下 | 軟葉高校の撮影場所 |
| ちはやふる | 校舎・屋上 | 瑞沢高校の撮影場所 |
| 不適切にもほどがある! | 校舎・グラウンド | 中学校の授業や野球部の場面 |
| silent | 校舎・南側歩道 | 作品のロケーション |
| ちはやふる-めぐり- | 校舎 | 作品公式紹介のロケ地 |
| ババンババンバンバンパイア | 校舎 | 映画のロケ地 |
『今日から俺は!!』のファンにとって、特に注目したいのが旧足利西高校です。
あしかがフィルムコミッションの公式撮影情報では、第1話、第6話、第8話、第9話のロケ地として記録されています。
具体的には、教室、屋上、昇降口、廊下などが使用されました。
つまり、作品で見た学校の雰囲気を、実際の建物と照らし合わせられる場所なのです。
『ちはやふる』の屋上も注目ポイント『ちはやふる』では、旧足利西高校の屋上が撮影に使用されています。
2017年に実施された足利市のロケ地めぐりツアーでも、映画に登場した屋上が紹介されました。
2025年の一般公開では管理棟屋上も公開対象となり、来場者が撮影された場所と同じ場所で記念撮影を楽しんでいます。
同じ学校でも作品ごとに設定が違うここで知っておきたいのが、実際の学校名とドラマの中の学校名は一致しないということです。
旧足利西高校は、作品によって架空の高校や中学校として登場します。
例えば、『今日から俺は!!』では私立軟葉高校、『ちはやふる』では瑞沢高校、『不適切にもほどがある!』では中学校の設定です。
ロケ地を訪れる際は、作品の設定と実際の施設名を混同しないことがポイントです。
【2025年一般公開】見学できた場所と展示内容、2026年の日程
旧足利西高校の見学を希望する人にとって、最も重要なのが一般公開イベントです。
通常は自由に立ち入れない施設ですが、公益財団法人足利市みどりと文化・スポーツ財団の自主事業として、一般向けの公開が実施されています。
2025年10月25日に2年ぶり5度目の一般公開あしかがフィルムコミッションの公式発表によると、2025年の一般公開は次の内容でした。
2025年・旧足利西高校一般公開10月25日
2025年・土曜日
開催時間
9:00~16:00
入場料
無料
事前予約
不要
見学方式
自由見学
来場者数
約1,300人
出典:あしかがフィルムコミッション、下野新聞デジタル
2023年10月にも一般公開が行われ、3,000人を超える来場者がありました。2025年は2年ぶりの開催となり、雨天にもかかわらず約1,300人が訪れています。
2025年に公開された場所管理棟・屋上
撮影に使われた屋上からの景色も楽しめるエリア。
教室棟
1~3階の教室や作品関連の展示。
新体育館
飲食スペースやイベント関連の催し。
旧体育館
撮影場所として使われてきた施設の一つ。
2025年の公開では、監督や出演者のサインが展示された「サイン部屋」も注目を集めました。
教室棟には映画のポスターやパンフレット、場面写真などが展示され、作品ごとの世界観を感じられる構成になっていました。
加えて、新体育館では撮影現場に差し入れされたコーヒーと揚げパンのセット「ロケロケセット」なども販売されました。
2026年の一般公開日程は?2026年の一般公開については、あしかがフィルムコミッションの公式イベント一覧に、旧足利西高校の新たな開催日程は掲載されていません。
確認できる直近の開催情報は、2025年10月25日の一般公開です。したがって、2026年の開催日や予約方法、公開範囲を確定情報として案内することはできません。
2026年に見学を希望する場合は、あしかがフィルムコミッションを通じて最新情報を確認するのが確実です。
過去に一般公開された実績があるからといって、毎年同じ時期に必ず開催されるわけではありません。
【見学方法とアクセス】足利市大前町への行き方と注意点
旧足利西高校を訪れる際は、一般公開日かどうかを最初に確認してください。
通常の観光施設とは異なり、いつでも校舎内部に入れる場所ではありません。
旧足利西高校の所在地
旧足利西高校
栃木県足利市大前町103-11
旧栃木県立足利西高等学校跡地
所在地は、あしかがフィルムコミッションの2025年一般公開案内に基づくものです。
最寄り駅はJR両毛線の山前駅です。
| 出発駅 | 会場までの目安 |
|---|---|
| JR両毛線・山前駅 | 徒歩約30分、約2.2km |
| 東武伊勢崎線・足利市駅 | 徒歩約90分、約6.8km |
山前駅からは徒歩でもアクセスできますが、約30分かかるため、歩きやすい靴を準備しておくと安心です。
バスでのアクセス足利市の生活路線バス「あしバスアッシー」の小俣線を利用する方法もあります。
JR足利駅または東武足利市駅から通2丁目バス停方面へ移動し、大原神社前で下車します。
そこから会場までは徒歩約4分です。
ただし、バスの運行本数や時刻は訪問日に確認する必要があります。特に帰りの便を調べずに出かけると、駅までの移動に困る可能性があります。
一般公開日に守りたいルール2025年の公式案内では、次の注意事項が示されていました。
- 校舎内は土足禁止。上履きを持参する。
- 非公開エリアや立入禁止区域には入らない。
- サイン部屋は写真撮影禁止。
- 校内掲示物や個人が特定できる画像をSNSに掲載しない。
- ペットの同伴は不可。
- スタッフの案内や現地の掲示に従う。
写真撮影が認められている場所でも、すべての部屋を自由に撮影できるわけではありません。
2026年に開催される場合も、前年と同じルールになるとは限らないため、必ず当該年度の案内を確認してください。
【旧足利西高校の評判】映画ファンに支持される理由とプロの結論
旧足利西高校の評判を考える際に注目したいのは、単純な観光スポットとしての人気ではありません。
この場所は、実際に映画やドラマが撮影された建物の中に入れるという、一般的なロケ地巡りとは異なる体験を提供しています。
1,300人が訪れた一般公開の見応え2025年の一般公開について、下野新聞デジタルは県内外から約1,300人が来場したと報じました。
同紙が紹介した来場者の感想では、前回より見学できる範囲が広がり、展示も詳しくなった点が評価されています。
特に、作品の撮影に使われた教室や屋上を実際に歩けることは、映画ファンにとって大きな魅力です。
なぜ多くの作品が旧足利西高校を選ぶのか理由は、学校というロケーションが持つ汎用性にあります。
一つの校舎であっても、撮影方法や小道具、セットの装飾を変えれば、異なる作品の学校として登場させられます。
例えば、同じ教室でも昭和の中学校、現代の高校、架空の進学校など、作品に合わせた演出が可能です。
加えて、教室だけでなく、廊下、屋上、昇降口、体育館、グラウンドまで利用できることも強みです。
こうした施設面の条件に加えて、足利市が撮影支援を継続してきたことも、実績を伸ばした背景にあります。
2014年に専門部署が設置され、2019年には100作品を達成。その後も2024年度末までに215作品へと実績を伸ばしました。
旧足利西高校を訪れるのがおすすめの人おすすめできる人
- 『今日から俺は!!』の軟葉高校を実際に見てみたい人
- 『ちはやふる』の瑞沢高校の雰囲気を味わいたい人
- 『不適切にもほどがある!』などの撮影場所に興味がある人
- 映画やドラマの舞台裏、撮影セットに関心がある人
- 昔の学校の校舎や体育館に懐かしさを感じる人
あまりおすすめできない訪問方法
- 一般公開日を調べずに校舎内部へ入ろうとすること
- 閉校した学校だから自由に敷地内を歩けると考えること
- 撮影されたすべてのシーンが現地に残っていると期待すること
- 2025年のイベント内容が2026年にもそのまま実施されると思い込むこと
旧足利西高校の事例から読み取れるのは、学校という公共的な施設が、教育機能を終えた後も別の社会的価値を生み出せるということです。
2009年の閉校は、足利西高校にとって一つの区切りでした。しかし、2014年以降は映像制作の現場として新たな役割を担い、2024年度末までに215作品という実績を築いています。
加えて、一般公開では映画ファンだけでなく、地域住民や学校関係者にとっても、校舎を通じて思い出や地域の歴史に触れられる機会が生まれています。
これは単に映画のロケ地を観光資源に変えたという話ではありません。
教育施設としての歴史を残しながら、映像文化と地域交流の拠点として活用していることに、旧足利西高校の本当の価値があります。
【旧足利西高校に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:旧足利西高校は現在も見学できますか?
A1:通常は自由に入場できません。あしかがフィルムコミッションなどが実施する一般公開イベントの開催時に見学する方法が基本です。2026年11月6日時点では、2026年の新たな一般公開日程は公式イベント一覧で確認できません。
Q2:旧足利西高校で撮影された有名な作品は何ですか?
A2:『今日から俺は!!』『ちはやふる』『不適切にもほどがある!』『silent』『ちはやふる-めぐり-』『ババンババンバンバンパイア』などがあります。2024年度末までの撮影実績は累計215作品です。
Q3:旧足利西高校の一般公開は無料ですか?
A3:2025年10月25日の一般公開は入場無料・予約不要でした。ただし、2026年以降の開催条件や料金は、その年度の公式案内で確認する必要があります。
Q4:旧足利西高校の最寄り駅はどこですか?
A4:JR両毛線の山前駅です。2025年の公式案内では、駅から徒歩約30分とされています。
Q5:旧足利西高校の閉校理由は何ですか?
A5:栃木県の県立高校再編計画に基づき、足利商業高校と統合して足利清風高校が設立されたためです。2007年に生徒募集が停止され、2009年3月31日に正式閉校となりました。
Q6:2026年も一般公開は開催されますか?
A6:2026年11月6日時点では、公式イベント一覧に新たな開催告知は確認できません。今後の開催予定については、足利市みどりと文化・スポーツ財団の撮影支援室に確認するのが確実です。
旧足利西高校は、2009年3月31日に閉校した後、2014年から映画やドラマの撮影場所として活用されてきました。
『今日から俺は!!』『ちはやふる』『不適切にもほどがある!』など、数多くの人気作品に登場し、2024年度末までの撮影実績は累計215作品に達しています。
2025年10月25日の一般公開では、校舎、屋上、新旧体育館などが公開され、約1,300人が来場しました。
2026年に訪れる場合は、次の3点を確認しましょう。
1. 一般公開の日程を確認する。 通常は自由に立ち入れないため、公式イベントの開催情報が必要です。
2. 見学したい作品を整理する。 『今日から俺は!!』や『ちはやふる』など、作品によって撮影場所が異なります。
3. 交通手段を事前に調べる。 山前駅から徒歩約30分かかるため、バスの時刻や帰りの移動も確認しておくと安心です。
かつて生徒たちが学んだ校舎が、今では映画やドラマの世界を支える場所になっています。
作品を見てから現地を訪れると、画面の向こうにあった学校の風景が、実際の建物と重なって見えるはずです。一般公開という貴重な機会を活用し、足利市が育ててきた映像文化を体感してみてください。