竹内照明の七代目襲名説は、単に若頭へ昇格したという理由だけで広がったものではない。2025年以降、弘道会と六代目山口組の双方で幹部人事が動いたことが、次世代体制への関心を高めている。
1.司忍・髙山清司・竹内照明の関係司忍、髙山清司、竹内照明は、いずれも弘道会との関係が深い人物として報じられてきた。
この点は、六代目山口組の人事を分析するうえで重要である。
警察庁の2026年公表資料も、弘道会が六代目山口組を事実上支配しているとの認識を示し、同会と傘下組織への集中した取締りについて記載している。
したがって、竹内の昇格と弘道会の代替わりは、別々の人事としてではなく、組織全体の幹部構成の変化として捉える必要がある。
2.2025年9月の弘道会四代目体制2025年9月8日、三代目弘道会から四代目弘道会への代替わりが報じられた。
新体制では、竹内照明が総裁に移り、野内正博が会長に就任。南正毅が若頭に就いたとされる。
注目されるのは、竹内が山口組の若頭という立場を維持しながら、弘道会の会長職を後進に引き継いだことだ。
これは、山口組の役職と弘道会の役職を分けて考える必要があることを示している。
3.2026年も続く若手幹部の登用2026年3月22日付のアサ芸プラスの記事は、3月11日の執行部会で野内正博が六代目山口組の幹部に昇格したと報じた。
加えて、2026年5月の同媒体の記事では、2025年から続く若手組長の登用や執行部の人事刷新について詳しく取り上げている。
これらの動きは、竹内若頭を中心とする体制が整備されているという見方を補強する材料となる。
2026年1月の「七代目人事が固まった」という報道の読み方日刊ゲンダイDIGITALの2026年1月19日付の記事は、竹内照明を七代目組長とする見通しを強く打ち出した。
この論考は、弘道会の人事や竹内の総裁就任などを背景に、次の代への移行準備が進んでいるという分析を示している。
ただし、次の3つは明確に区別しなければならない。
- 確認できる人事: 竹内照明の若頭就任と弘道会総裁への移行。
- 報道上の分析: 竹内を七代目組長に据えることを想定した体制づくり。
- 未確定の事項: 七代目山口組の発足日、襲名式、正式な次期組長の決定。
七代目襲名の可能性を論じる材料は複数あるものの、これらをもって襲名が完了したと解釈することはできない。
【警察庁の公表情報】2026年の山口組情勢と組織規模

山口組の人事報道を検証するうえで、特に重要なのが警察庁の公表資料である。内部人事の報道とは異なり、警察庁の資料からは組織の規模、取締りの状況、対立抗争に関する行政上の判断を確認できる。
2026年4月公表の警察庁資料が示す勢力警察庁が2026年4月に公表した「令和7年における組織犯罪の情勢」には、2025年末時点の六代目山口組の勢力が記載されている。
| 項目 | 2025年末の公表値 |
|---|---|
| 暴力団構成員 | 約3,100人 |
| 準構成員等 | 約3,200人 |
| 合計 | 約6,300人 |
この数字は、構成員と準構成員等を区別した警察庁の統計に基づく。準構成員等を組織の正式な構成員と同一視してはならない。
また、警察庁の指定暴力団一覧では、六代目山口組の代表者は篠田建市、勢力範囲は1都1道2府40県と記載されている。これらは2026年3月12日までに官報公示された代表者情報と、2025年末時点の勢力データに基づく数値だ。
弘道会への集中取締りも継続警察庁の同資料では、六代目山口組の弱体化を目的として、弘道会とその傘下組織に対する集中取締りを実施していることが記されている。
2025年中の検挙人員は次のとおり。
- 六代目山口組の直系組長等:5人
- 弘道会の直系組長等:4人
- 弘道会の直系組織幹部:13人
ここで重要なのは、弘道会が単に六代目山口組の関連団体として紹介されているだけではないことだ。警察庁自身が、同会を六代目山口組の事実上の支配に関わる中核として位置付けている。
人事報道で弘道会が繰り返し注目される背景には、こうした警察当局の組織分析もある。
2026年9月・10月の特定抗争指定の変化2026年の最新動向で見逃せないのが、対立団体との特定抗争指定の変化だ。
2025年4月の抗争終結誓約書提出後も、行政上の指定は一斉に解除されたわけではない。
2026年には次のような変化があった。
- 9月8日: 六代目山口組と池田組に対する特定抗争指定が解除された。
- 9月21日: 六代目山口組と絆會に対する特定抗争指定も解除された。
- 10月5日: 六代目山口組と神戸山口組に対する指定が3か月延長され、期限は2027年1月6日となった。
特に重要なのは最後の動きである。
神戸新聞NEXTによると、兵庫県公安委員会は2026年9月17日、六代目山口組と神戸山口組の指定期限を延長することを決定した。兵庫県警は、両組織の対立抗争が終結したとは認められないとの判断を示している。
つまり、池田組や絆會との指定解除と、神戸山口組との対立関係は別々に判断されている。
2026年11月現在の状況を整理すると、山口組を取り巻く対立関係は一部で沈静化した一方、神戸山口組との関係では引き続き行政上の規制が続いている。この事実は、七代目襲名をめぐる観測だけで組織の将来を判断できない理由の一つである。
【歴代若頭を振り返る】若頭になれば次の組長になれるのか
七代目襲名説を考えるうえで、山口組の歴代若頭と組長交代の関係も押さえておきたい。
山口組の歴史では、若頭が次期組長への有力な道筋とみなされてきた。しかし、若頭への就任がそのまま組長への昇格を保証するわけではない。
歴代人事に見る若頭と組長の関係代表的な例として、次の人物が挙げられる。
竹中正久
三代目山口組で若頭を務めた後、1984年に四代目組長へ就任した。若頭経験者が組長を継承した代表的な事例である。
渡辺芳則
四代目山口組の若頭代行を経て、1989年に五代目組長となった。
宅見勝
五代目山口組の若頭を務めた人物。1997年8月、神戸市内で射殺された事件は、山口組の歴史における重大事件として記録されている。
髙山清司
2005年に六代目体制が始まってから2025年まで、長期間にわたり若頭を務めた。その後は相談役へ移行した。
竹内照明
2025年4月18日に六代目山口組の若頭に就任。2026年には次期組長候補としての観測が続いている。
若頭経験は組長就任の保証ではない歴代の事例を見ると、若頭から組長に就任した人物がいる一方、若頭のまま組長に就任しなかった人物もいる。
また、後継者をめぐる人事は、単純な年功序列だけで決まるものではない。
組織の内部事情、直系組長との関係、執行部の構成、外部環境など複数の要素が絡む。
このため、竹内照明が現在の若頭であるという事実と、七代目組長に決定したという見方は、分けて理解する必要がある。
【若頭と若頭補佐の違い】六代目山口組の組織図を理解する
「竹内照明は若頭補佐から若頭になった」という報道を正しく理解するには、それぞれの役職の意味を知っておく必要がある。
若頭とは若頭は、組長に次ぐナンバー2に位置付けられる役職である。
組織の執行部において重要な立場を担い、組長を補佐する中心的な役職として説明される。
山口組における若頭交代が大きく報道されるのは、この役職が単なる肩書ではなく、次世代の組織運営と結び付けて注目されるためだ。
若頭補佐とは若頭補佐は、若頭を補佐する幹部の役職である。
六代目山口組については、若頭補佐が複数配置され、執行部を構成する役職として報道されている。
若頭と若頭補佐は同じではない。若頭補佐への昇格は幹部としての地位の変化を意味するが、若頭就任とは別の人事である。
集英社オンラインの2024年1月の記事でも、六代目山口組の組織構造を例に、若頭、舎弟頭、本部長、若頭補佐、幹部などの役職の違いが解説されている。
組織図を見る際の注意点インターネット上では「六代目山口組組織図」として、最高幹部や若頭補佐などを一覧にした情報が掲載されている。
ただし、こうした組織図は掲載時期によって異なり、必ずしも警察庁が公表した公式組織図ではない。
2026年4月公表の警察庁資料は、六代目山口組の人事昇格や弘道会への取締りを記録しているものの、すべての幹部の詳細な内部序列を掲載した名簿ではない。
組織図を参照する場合は、少なくとも次の3点を確認したい。
1. 情報の公表・更新年月日
2. 六代目山口組全体の役職なのか、弘道会内部の役職なのか
3. 報道による情報なのか、警察などの公的資料に基づく情報なのか
特に竹内照明の「弘道会総裁」と「山口組若頭」は別の肩書であり、同じ役職として扱わないことが重要だ。
【七代目山口組の若頭】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、七代目山口組の若頭は誰ですか?
A1:七代目山口組の発足を確認できる公的発表はありません。現在の人事として報じられているのは、六代目山口組の若頭・竹内照明です。
Q2:竹内照明は七代目山口組の組長に決定していますか?
A2:正式決定を示す公的発表は確認できません。2025年の若頭昇格や弘道会の人事刷新を背景に、次期組長候補とする報道やジャーナリストの分析が出ています。
Q3:髙山清司は2026年現在も若頭ですか?
A3:いいえ。2025年4月18日に若頭を退き、相談役に就任したと報じられています。後任は竹内照明です。
Q4:弘道会の現在の会長は誰ですか?
A4:2025年9月の代替わりで野内正博が四代目弘道会会長に就任したと報じられています。竹内照明は四代目弘道会総裁です。
Q5:山口組と神戸山口組の抗争は終わりましたか?
A5:2026年11月4日時点では、行政上の特定抗争指定が継続しています。2026年10月の延長により、指定期限は2027年1月6日までとなっています。一方、池田組と絆會との指定は2026年9月に解除されています。
「七代目山口組の若頭」という検索キーワードから見えてくるのは、2025年から続く六代目山口組の大規模な人事刷新と、次期組長をめぐる関心である。
2026年11月現在、確認できる重要な事実は次のとおりだ。
- 六代目山口組の組長は司忍(篠田建市)。
- 2025年4月18日に竹内照明が若頭へ昇格。
- 髙山清司は若頭を退き、相談役に就任。
- 2025年9月8日に弘道会が四代目体制へ移行。
- 2026年も幹部の昇格や人事刷新が報道されている。
- 竹内照明の七代目襲名は有力視する報道があるものの、正式な継承発表とは区別される。
今後の動向を見極める際には、次の3点が判断材料になる。
第一に、組長の正式な代替わり。 若頭の交代や相談役への移行だけでなく、組長そのものの交代が公表されるかが最大の焦点となる。
第二に、弘道会と六代目山口組の幹部人事。 野内正博らの昇格や、竹内照明を中心とする執行部の構成変化は、今後の組織運営を読み解く材料になる。
第三に、警察当局の公表情報。 特定抗争指定の解除や延長、指定暴力団の代表者情報、警察庁の組織犯罪情勢は、報道上の人事観測とは異なる公的な判断材料である。
最も重要なのは、竹内照明が六代目山口組の若頭であるという確認済みの人事と、七代目組長への襲名という将来予測を混同しないことだ。2026年の山口組を理解するには、人物の肩書だけでなく、弘道会の代替わり、執行部の再編、警察当局の動向を合わせて見る必要がある。