由莉が天皇ご一家の一員になったのは、2009年春のことです。
当時の皇太子ご夫妻(現在の天皇皇后両陛下)が、動物病院に保護されていた生後約2カ月の子犬を引き取られました。日本犬の雑種で、柴犬系の特徴を持つメス犬だったと報じられています。
愛子さまは初めて由莉と出会った際、一目で気に入られたといいます。
テレビ朝日の報道によると、2009年5月2日、栃木県の御料牧場に向かわれる際、当時7歳だった愛子さまが由莉を抱いている姿が初めて報道陣に公開されました。
まだ小さな子犬を両腕で大切そうに抱く姿は、その後も皇室の動物との暮らしを振り返る際に紹介される印象的な場面となっています。
愛子さまにとって由莉は成長をともにした家族由莉は単に天皇ご一家で飼われていた犬ではありません。
愛子さまが幼少期から成長する過程で、長く生活をともにした存在でした。
2011年には、愛子さまのそばに寄り添う由莉の姿が公開されています。当時、愛子さまの学校生活に不安があった時期には、側近が由莉を連れて通学に付き添うこともあったとテレビ朝日は伝えています。
また、静養先にも一緒に出かけ、那須御用邸などで家族と過ごす姿が繰り返し公開されてきました。
愛子さまが20歳を迎えられた2021年にも、由莉と一緒に散策される姿が紹介されています。
7歳のころに出会った子犬が、20歳を迎えるころまでそばにいた。その年月の長さこそ、二者の関係を理解するうえで大切なポイントです。
【名前の由来】由莉はなぜ「まり」に似た名前になった?漢字に込められた意味

「由莉」という名前には、愛子さまが以前飼われていた愛犬「まり」とのつながりがあります。
由莉の名前は、単に響きの美しさだけで決められたものではありませんでした。
先代の愛犬「まり」が名前の由来由莉を迎える前の2009年2月、天皇ご一家が飼われていた愛犬のまりが亡くなっています。
その後、新しく迎える犬について、愛子さまはまりに似た響きの名前を考えられました。
テレビ朝日が2022年に公開した皇室関連の映像記事では、由莉の名前について、愛子さまが漢字を学びながら文字を選ばれた経緯も紹介されています。
「由」と「莉」それぞれの意味名前に使われた漢字には、それぞれ由来があります。
| 漢字 | 意味・由来 |
|---|---|
| 由 | 「自由」の由。 |
| 莉 | ジャスミンを意味する「茉莉花(まつりか)」に使われる漢字。 |
| 由莉 | 「ゆり」と読み、先代の愛犬まりに似た響きを持つ名前。 |
特に注目したいのは「莉」の文字です。
「ゆり」という読みから百合の花を想像する人もいますが、テレビ朝日の紹介によれば、名前に使われた「莉」はジャスミンを表す茉莉花に由来する漢字です。
つまり、由莉という名前には、以前の愛犬まりへの思いと、愛子さま自身が考えられた漢字の組み合わせが込められていたのです。
【16年間の年表】由莉と愛子さまの出会いから2025年の別れまで
由莉の歩みを時系列で整理すると、幼少期の愛子さまとの出会いから、病院での活動、晩年までの変化が分かります。
この年表で特に注目したいのは、由莉が家庭内で愛される存在にとどまらず、社会との接点も持っていたことです。
2018年には病院での活動が記録され、2025年には宮内庁提供の写真によって晩年の姿も伝えられました。
【セラピー犬としての活動】由莉が聖路加国際病院で子どもたちと触れ合った理由
由莉の生涯を語るうえで見逃せないのが、セラピー犬としての活動です。
愛子さまの愛犬として知られていた由莉は、病院を訪れ、入院中の子どもたちと触れ合う活動にも参加していました。
2018年、聖路加国際病院の小児病棟で活動FNNプライムオンラインが掲載した宮内庁提供写真には、2018年7月、聖路加国際病院の小児病棟で活動する由莉の姿が残されています。
テレビ朝日の2025年7月の報道によると、由莉はコロナ禍前まで、病院の小児病棟で入院中の子どもたちと触れ合っていました。
また、病院の廊下を子どもたちと一緒に散歩することもあったといいます。
2018年7月、聖路加国際病院の小児病棟で活動する由莉。写真はFNNプライムオンラインが紹介した宮内庁提供写真。
セラピー犬としての活動が持つ意味病院での動物との触れ合いは、入院生活を送る子どもたちにとって、日常とは異なる交流の機会になります。
治療や検査が続く環境では、気持ちが緊張したり、家族以外との交流が限られたりすることもあります。
そうした場所で犬と触れ合う時間は、患者の気持ちを和らげる動物介在活動の一つとして知られています。
由莉について報じられている活動も、子どもたちと直接触れ合い、一緒に散歩するというものでした。
ここで大切なのは、由莉が医療行為を担当していたということではなく、動物との交流を通して子どもたちの心身を支える役割を果たしていた点です。
コロナ禍前まで続いた活動テレビ朝日の報道では、由莉の病院での活動はコロナ禍前までとされています。
そのため、2025年まで継続して病院を訪れていたと解釈するのは正確ではありません。
2018年の宮内庁提供写真は、由莉が病院で活動していた当時の貴重な記録です。
【写真と愛子さまの思い出】宮内庁が公開した由莉の姿と卒業文集
由莉の姿は、愛子さまのお誕生日やご一家の静養など、さまざまな機会に公表されてきました。
写真からは、幼いころから成長後まで、愛子さまと由莉が長い時間を共有してきたことが分かります。
愛子さまの卒業文集に登場した由莉特に印象深いのが、2014年3月の学習院初等科卒業時に愛子さまが書かれた文章です。
題名は「犬や猫と暮らす楽しみ」。
飼っている動物たちとの生活について書かれたもので、由莉の様子も具体的に紹介されています。
テレビ朝日が紹介した文章には、次の一節があります。
「心が和む楽しい時間です」
愛子さまは、犬や猫と過ごす時間について、このように表現されていました。
加えて、由莉が指示に従うときの様子や、家族が帰宅した際に喜ぶ姿なども文章に描かれていたと報じられています。
単に「かわいい犬」として紹介するのではなく、日々の行動や性格まで細かく観察していたことが伝わる内容です。
愛子さまが由莉のために作ったバンダナ由莉の写真では、首元にバンダナを巻いた姿もたびたび登場します。
女性自身などの報道では、愛子さまが由莉のためにバンダナを手作りされたエピソードも紹介されています。
2018年の那須御用邸での静養時には、由莉の首元のバンダナについて記者から質問があり、天皇陛下が柄を尋ねられると、愛子さまが「さくらんぼ柄です」と答えられた場面がテレビ朝日の映像に残っています。
2025年7月、宮内庁が由莉の写真を公開由莉が亡くなった後も、その姿を記録した写真が公開されています。
2025年7月4日、宮内庁は由莉と雅子さまが一緒に写った写真などを公開しました。
テレビ朝日の報道によると、写真には2018年に聖路加病院の夏祭りに雅子さまと参加した際の姿も含まれていました。
雅子さまと一緒に写る由莉。2025年7月に宮内庁提供写真として報道された。
また、FNNプライムオンラインが紹介した写真には、2025年5月6日に赤坂動物病院で撮影された由莉の姿もあります。
亡くなる約1カ月半前の写真であり、16年余りを生きた由莉の晩年を伝える記録となっています。
【2025年6月23日の別れ】由莉の死因は老衰、16歳4カ月で旅立つ
2025年6月26日、天皇ご一家の側近を通じて、愛犬由莉が亡くなったことが明らかになりました。
亡くなったのは、2025年6月23日の夕方です。
場所は御所。天皇陛下、皇后雅子さま、愛子さまに見守られながら息を引き取ったと報じられています。
死因は老衰、16歳4カ月だったテレビ朝日とFNNの報道によると、由莉は16歳4カ月で老衰のため亡くなりました。
持病があり、赤坂動物病院に入院して治療を受けたこともあったと伝えられています。
ただし、最期について報じられたのは、御所で家族に見守られながら迎えた穏やかな旅立ちでした。
長い年月をともに過ごした家族にとって、その別れが大きな悲しみとなったことは、当時の側近の説明からもうかがえます。
皇后雅子さまが2025年のお誕生日に語られた由莉への思い由莉の死去から約半年後、2025年12月9日に宮内庁が公表した皇后雅子さまのお誕生日に際するご感想には、由莉についての言葉が記されました。
「沢山の喜びや楽しみを与えてくれた由莉との別れは今でも淋しく感じられます」
これは、皇后雅子さまご自身が公表された文章の一節です。
また、由莉の長寿を支えた人々や、生前に温かい気持ちを寄せた人々への感謝も述べられています。
由莉との16年間が、ご一家にとってどれほど大切な時間だったかを伝える公式記録です。
2026年現在、天皇ご一家のペットはどうなっている?2026年現在、由莉はすでに亡くなっており、愛子さまの現在の愛犬として暮らしているわけではありません。
一方、2025年12月の皇后雅子さまのお誕生日のご感想では、新しい家族として迎えた猫についても説明されています。
2025年8月、ご一家は動物病院の紹介で、生後約4カ月半の保護された三毛猫を迎えました。
家族で相談して付けた名前は「美海(みみ)」です。
先住猫の「セブン」とともに暮らしていることも公表されました。
この文書は、由莉との別れを振り返ると同時に、ご一家が保護動物との暮らしを続けていることを伝えるものでもあります。
【プロの結論】由莉が愛子さまと天皇ご一家に残したもの
由莉の16年間を振り返ると、注目すべき点は大きく3つあります。
1つ目は、保護犬を家族として迎えたことです。
由莉は血統書付きの犬として迎えられたのではなく、動物病院に保護されていた犬でした。生後約2カ月で引き取られ、16歳4カ月まで家族と暮らしました。
保護犬との暮らしが、特別なものではなく家族の日常として続いていたことが分かります。
2つ目は、愛子さまの成長をともにした存在だったことです。
7歳のころに出会い、卒業文集にも登場し、20歳を迎えたころの写真にも写っていました。
由莉は愛子さまの幼少期だけでなく、その後の成長の記録にも残る存在です。
3つ目は、家庭の外でも人と触れ合っていたことです。
聖路加国際病院での活動は、由莉がご一家だけでなく、入院中の子どもたちとも交流していたことを示しています。
由莉の歩みは、保護犬との暮らし、動物との絆、動物介在活動という3つの観点から見ることができます。
由莉に関する情報で間違えやすい3つのポイント- 名前の読み方:「由莉」は「ゆり」。漢字の「莉」は茉莉花に使われる文字です。
- 保護された時期:2009年春、生後約2カ月で迎えられました。2025年に初めて迎えた犬ではありません。
- セラピー犬の活動:聖路加国際病院の小児病棟で子どもたちと触れ合っていましたが、コロナ禍前までの活動として報じられています。
情報を見分ける際には、宮内庁の公表文書を最も重要な一次資料として確認し、写真の撮影時期や報道された活動期間を区別することが大切です。
【愛子さまと由莉】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:愛子さまの愛犬・由莉の読み方は?
A1:由莉は「ゆり」と読みます。愛子さまが命名され、自由の「由」と、茉莉花(まつりか)の「莉」が使われています。
Q2:由莉の名前と先代の愛犬まりにはどんな関係がある?
A2:先代の愛犬まりは2009年2月に亡くなりました。由莉はその後に迎えられた犬で、愛子さまがまりに似た響きの名前を付けられました。
Q3:由莉は現在も生きている?死因は何だった?
A3:いいえ。由莉は2025年6月23日に御所で亡くなりました。死因は老衰で、16歳4カ月でした。天皇皇后両陛下と愛子さまに見守られた最期だったと報じられています。
愛子さまの愛犬・由莉は、2009年に保護犬として迎えられ、愛子さま自身によって名付けられました。先代の愛犬まりへの思いが込められた名前を持ち、16年間にわたって天皇ご一家の暮らしに寄り添いました。
聖路加国際病院でのセラピー犬としての活動、愛子さまの卒業文集に記された日常、宮内庁が公開した数々の写真。そして2025年6月23日の別れ。これらの記録からは、由莉が単なるペットではなく、ご一家にとってかけがえのない家族だったことが伝わってきます。
2026年現在、由莉はもういません。しかし、皇后雅子さまが公式文書で語られた感謝の言葉や、宮内庁に残された写真は、由莉と過ごした時間を今に伝えています。保護犬として迎えられた一匹の犬が、家族や病院の子どもたちに与えた温かな時間。その16年間は、これからも多くの人に記憶されていくことでしょう。