2026年11月現在、食用青色1号(ブリリアントブルーFCF)は、日本で使用が認められている指定食品添加物の一つです。清涼飲料水やキャンディーなどを鮮やかな青色に着色するために使用されます。一方、合成着色料というイメージから、発がん性や子どもの健康への影響を心配する声もあります。
実際の安全性はどうなのでしょうか。消費者庁の第10版食品添加物公定書、食品表示に関する公的資料、WHOとFAOの合同専門家会議であるJECFAの2017年評価を確認すると、青色1号の使用条件や許容一日摂取量(ADI)、発がん性に関する科学的評価が明らかになります。
この記事では、青色1号の正体、含まれる食品、使用禁止食品、青色2号との違い、日本の使用基準、摂取量の考え方まで整理します。
【基本知識】青色1号とは?ブリリアントブルーFCFの正体

青色1号は、食品に鮮やかな青色を付けるための合成着色料です。
正式名称は「食用青色1号」、別名は「ブリリアントブルーFCF(Brilliant Blue FCF)」です。
食品衛生法に基づく指定添加物に分類され、日本国内で定められた規格や使用基準を守ることを条件に使用が認められています。
基本的な化学情報は次のとおりです。
- 名称:食用青色1号
- 英名:Brilliant Blue FCF
- CAS登録番号:3844-45-9
- INS番号:133
- 分子式:C37H34N2Na2O9S3
- 分子量:約792.85
- 分類:合成着色料・タール系色素
- 主な用途:食品の青色着色
化学的にはトリアリールメタン系色素に分類されます。水に溶けやすく、鮮やかな青色を呈することが特徴です。
消費者庁が公開する第10版食品添加物公定書では、食用青色1号について成分規格や純度試験などが定められています。単に青く着色できればよいというものではなく、食品添加物として使用するための品質条件も設けられています。
なぜ食品に青色1号を使うのか青色1号の主な目的は、食品の見た目を調整することです。
食品の色は、消費者が味や商品の特徴を判断するときの重要な要素です。例えば、ソーダ味のお菓子やブルーハワイ風のシロップなどでは、青色によって味のイメージを視覚的に伝えられます。
青色1号は、次のような特徴から食品の着色に利用されます。
- 鮮明で均一な青色を表現しやすい
- 水に溶けやすく、飲料などに利用しやすい
- 食品の色調を安定させやすい
- 赤色や黄色などの色素と組み合わせて別の色を作れる
ここで理解しておきたいのは、青色1号は保存料や甘味料ではないという点です。食品の保存期間を延ばしたり、甘さを加えたりする目的ではなく、あくまで着色を目的とする添加物です。
【食品表示を確認】青色1号が含まれる食品と見分け方
青色1号が使われる可能性のある食品青色1号は、鮮やかな青色を必要とする食品に利用されます。
代表的な使用例は次のとおりです。
清涼飲料水
青色のソーダ飲料やカラフルな清涼飲料水など。液体を均一に着色する用途があります。
キャンディー・グミ
青色のソーダ味やフルーツ味のお菓子など。色によって味のイメージを表現します。
かき氷用シロップ
ブルーハワイ風の青色シロップなど。鮮明な青色を表現する用途が考えられます。
ゼリー・冷菓
青色や複数色を組み合わせたデザートなど。商品によって使用する色素は異なります。
日立ハイテクの分析事例でも、食用青色1号の使用例として清涼飲料水やキャンディーが紹介されています。
ただし、青い食品だからといって必ず青色1号が含まれているわけではありません。クチナシ青色素などの天然系着色料を使用している商品もあります。
見た目だけで添加物の種類を判断することはできません。
食品添加物表示はどこを見る?青色1号を確認する最も確実な方法は、商品の食品表示を確認することです。
日本の食品表示制度では、原則として使用した食品添加物の物質名を表示します。着色目的で使用する添加物には、原則として用途名も併記する仕組みがあります。
代表的な表示例は次のとおりです。
- 着色料(青1)
- 着色料(青色1号)
- 青色1号
- 食用青色1号
「青1」は青色1号の簡略名です。
また、着色料は物質名に「色」の文字が含まれる場合、用途名の表示を省略できる取り扱いがあります。そのため、必ずしも「着色料」という文字が付いているとは限りません。
食品表示の確認では、次の点を押さえておくと便利です。
1. パッケージの原材料名・添加物欄を確認する。
2. 「青1」「青色1号」という名称を探す。
3. 「着色料」という用途名だけでなく、括弧内の物質名も確認する。
4. 青色の食品でも天然色素を使用している場合があることを理解する。
なお、加工助剤やキャリーオーバーなど、法律上の表示免除に該当する例外もあります。
消費者庁の食品表示資料では、着色料の用途名と物質名を組み合わせた表示方法が示されています。
【2026年最新】青色1号の使用基準と使用禁止食品
日本では指定添加物として使用が認められている青色1号は、日本で自由に使用できる化学物質というわけではありません。
食品衛生法に基づく指定添加物として、成分規格や使用基準、表示基準などの規制を受けています。
2026年11月時点で確認できる消費者庁の第10版食品添加物公定書には、食用青色1号の成分規格と使用基準が掲載されています。
特に重要なのが、食品ごとの使用制限です。
青色1号は、すべての食品に使用できるわけではありません。特定の食品群については使用が禁止されています。
青色1号を使用してはいけない食品一覧消費者庁が公開する第10版食品添加物公定書の「F 使用基準」では、食用青色1号について、次の食品への使用が禁止されています。
| 使用禁止食品 | 対象となる食品 |
|---|---|
| カステラ | カステラ類 |
| きなこ | きなこ |
| 魚肉漬物 | 魚肉を使用した漬物 |
| 鯨肉漬物 | 鯨肉を使用した漬物 |
| こんぶ類 | 昆布類 |
| しょう油 | しょう油 |
| 食肉 | 食肉 |
| 食肉漬物 | 食肉を使用した漬物 |
| スポンジケーキ | スポンジケーキ |
| 鮮魚介類 | 鯨肉を含む鮮魚介類 |
| 茶 | 茶類 |
| のり類 | 海苔類 |
| マーマレード | マーマレード |
| 豆類 | 豆類 |
| みそ | みそ |
| めん類 | ワンタンを含むめん類 |
| 野菜 | 野菜 |
| わかめ類 | わかめ類 |
この制限は、食用青色1号だけでなく、食用青色1号アルミニウムレーキにも設けられています。
使用量に数値上限はある?ここは誤解されやすいポイントです。
食品添加物には、物質ごとに使用できる食品や量などの基準が設けられています。しかし、青色1号の第10版公定書にある個別の使用基準は、食品別の数値上限ではなく、使用禁止食品を列挙する形式です。
つまり、ADIの数値と日本国内の食品別使用基準は別のものです。
- 使用基準:どの食品に使用できるか、どのような条件で使用できるかを定める。
- ADI:人が生涯にわたって毎日摂取しても健康への悪影響がないと推定される量を示す。
加えて、青色1号自体にも品質規格があります。
消費者庁の公定書では、主成分の含有量について85.0%以上という規格が設けられているほか、鉛は2μg/g以下、ヒ素は3μg/g以下などの純度試験基準も定められています。
これらは食品に添加できる量ではなく、食品添加物そのものの品質を確認するための規格です。
【徹底比較】食用青色1号と青色2号の違いとは?
食品の青色着色料には、青色1号だけでなく青色2号もあります。
どちらも日本で指定添加物として認められていますが、化学的な性質や正式名称は異なります。
青色1号と青色2号の比較表| 比較項目 | 食用青色1号 | 食用青色2号 |
|---|---|---|
| 正式名称 | ブリリアントブルーFCF | インジゴカルミン |
| 英名 | Brilliant Blue FCF | Indigo Carmine |
| 簡略名 | 青1 | 青2 |
| CAS番号 | 3844-45-9 | 860-22-0 |
| 色素の系統 | トリアリールメタン系 | インジゴ系 |
| 主な用途 | 青色着色 | 青色着色 |
| 日本での扱い | 指定添加物 | 指定添加物 |
| 使用禁止食品 | 法令で定められた食品群 | 法令で定められた食品群 |
両者は別々の化学物質であり、名称の数字が違うだけではありません。
青色1号はブリリアントブルーFCF、青色2号はインジゴカルミンです。
また、両者にはそれぞれアルミニウムレーキの形態もあります。
日本の食品添加物公定書では、青色1号と青色2号の双方について、カステラ、きなこ、食肉、野菜などの食品群への使用制限が設けられています。
JECFAのデータを見るときの注意点国際的な資料を調べる場合には、名称の違いにも注意が必要です。
WHOのJECFAデータベースでは、ブリリアントブルーFCFの別名として「C.I. FOOD BLUE 2」が掲載されています。
これは国際的な色素名称に関する表記であり、日本の食品添加物としての「食用青色2号(インジゴカルミン)」と混同してはいけません。
海外資料を参照するときには、数字だけで判断せず、化学名やCAS番号を確認することが大切です。
【安全性を検証】青色1号に発がん性や危険性はある?
JECFAによる2017年の安全性評価青色1号の安全性を考えるうえで重要な資料が、JECFAによる評価です。
JECFAは、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)が合同で運営する食品添加物の専門家会議です。
2017年6月6日から15日にかけてローマで開催された第84回会合では、ブリリアントブルーFCFについて、長期毒性試験などの科学的データを検討しました。
その結果、ADIは従来の0~12.5mg/kg体重/日から、0~6mg/kg体重/日へ改定されました。
この変更は、単純に危険性が高まったという意味ではありません。新しい毒性試験データを踏まえ、より適切な評価値に見直されたものです。
青色1号に発がん性は認められている?発がん性については、JECFAの2017年報告書に具体的な評価が掲載されています。
マウスやラットを用いた長期試験の結果を検討したJECFAは、ブリリアントブルーFCFについて、発がん性に関する懸念はないと判断しました。
加えて、遺伝毒性についても評価されています。
試験結果には、培養細胞を使った一部の試験で陽性所見が報告されたものがありました。しかし、JECFAはそれらの試験に複数の問題点があることを指摘しています。
一方、動物を用いた生体内試験では、骨髄の小核試験や複数の臓器を対象としたDNA損傷試験で陰性結果が得られました。
これらのデータを総合し、JECFAは遺伝毒性についても懸念はないと結論づけています。
したがって、少なくともJECFAの評価に基づけば、青色1号について「食品として通常使用される条件で発がん性が確認されている」と説明するのは正確ではありません。
ただし、これはあらゆる摂取量や使用条件でリスクが絶対にゼロになるという意味ではありません。安全性は、定められた規格と摂取量を前提に判断されます。
合成着色料はすべて危険なのか合成着色料という言葉だけで、安全性を判断することはできません。
食品添加物の安全性評価では、天然由来か合成由来かという分類だけでなく、化学的な性質、毒性試験、摂取量、体内での動きなどが検討されます。
例えば、天然由来の成分であっても、摂取量によっては健康に影響を与える可能性があります。
反対に、合成された物質であっても、科学的評価に基づいて安全性が確認され、使用条件が定められているものがあります。
青色1号についても、合成着色料だから危険と決めつけるのではなく、個別の評価結果を確認する必要があります。
消費者庁は、食品添加物について、食品安全に関する科学的評価を踏まえ、使用できる食品や最大量などの基準を設定する仕組みを説明しています。
【摂取量を数字で検証】青色1号のADIと許容一日摂取量
ADIとは何を意味するのかADIとは、Acceptable Daily Intakeの略で、日本語では「許容一日摂取量」と呼ばれます。
人がある物質を毎日、一生涯にわたって摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される1日当たりの摂取量です。
通常、動物実験などで得られた無毒性量(NOAEL)を基に、安全係数を適用して算出されます。
重要なのは、ADIは一度でも超えたら直ちに健康被害が発生するという境界線ではないことです。
あくまでも長期的な摂取を想定した健康影響評価の指標です。
青色1号のADIは0~6mg/kg体重/日JECFAが2017年に設定した青色1号のADIは、次のとおりです。
JECFA・2017年評価0~6 mg
体重1kg当たり・1日
長期毒性試験に基づく評価値。安全係数100を適用。
この数値を体重別に計算すると、次のようになります。
| 体重 | ADIの上限 |
|---|---|
| 15kg | 90mg/日 |
| 20kg | 120mg/日 |
| 30kg | 180mg/日 |
| 40kg | 240mg/日 |
| 50kg | 300mg/日 |
| 60kg | 360mg/日 |
例えば、体重50kgの人の場合、ADIの上限は1日300mgです。
体重20kgの子どもなら120mgとなります。
ここで注意したいのは、これらの数字は食品に含まれる青色1号の総摂取量を想定したものであり、1商品当たりの使用許容量ではないことです。
また、ADIは毎日目標として摂取すべき量でもありません。
JECFAは子どもの摂取量も評価している2017年のJECFA評価では、子どもの摂取量についても検討されています。
保守的な食事由来のばく露推計では、子どもの95パーセンタイルの摂取量が5mg/kg体重/日と見積もられました。
これはADIの上限である6mg/kg体重/日を下回っています。
JECFAは、この推計を踏まえ、子どもを含む各年齢層について、食事からのブリリアントブルーFCF摂取に健康上の懸念はないと判断しました。
ただし、この5mgという数値は日本の子どもを対象にした実測値ではありません。国際的なデータに基づく保守的な推計である点を理解しておく必要があります。
日本国内の摂取量はどのくらい?日本国内の摂取量を考えるうえでは、厚生労働省が公表した食品添加物の生産量・流通量などに基づく推計資料も参考になります。
令和5年7月19日の食品添加物部会資料に掲載された令和4年度研究の推計では、食用青色1号の一人一日当たりの摂取量は次のようになっています。
食用青色1号・一人一日当たりの推計摂取量0.075mg
令和4年度の生産量調査等に基づく推計
この数値は、食品向け出荷量や使用量などから推計した一人当たりの平均値です。個人の食事を直接測定した数値ではなく、特定の子どもや高摂取者の摂取量を表すものでもありません。
それでも、ADIだけでなく国内の使用実態を考えるうえで参考になるデータです。
消費者庁も、マーケットバスケット方式による食品添加物の摂取量調査を実施しています。スーパーなどで購入した食品中の添加物量を分析し、平均的な食品摂取量を掛け合わせることで、実際の食生活に近い摂取量を推計する方法です。
青色1号の摂取を気にする場合の判断基準青色1号の摂取が気になる場合、次のような考え方が現実的です。
- 通常の食生活を送っている人:国内の使用基準と国際的な安全性評価を踏まえて判断する。
- 青色1号を避けたい人:食品表示で「青1」「青色1号」を確認し、使用していない商品を選ぶ。
- 子どもの食生活が気になる家庭:青色1号だけでなく、菓子や清涼飲料水の摂取頻度、食事全体のバランスを確認する。
- 特定の食品で体調不良が起こる人:該当する商品や原材料を確認し、必要に応じて医療機関に相談する。
大切なのは、青色1号を含む食品を一度食べたことだけで、健康被害が起きると考える必要はないということです。
一方、食品添加物をできるだけ避けたいという価値観も、商品選択の基準として尊重されます。
【よくある質問】青色1号に関するFAQ
Q1:青色1号は日本で使用禁止になっていますか?
A1:いいえ。2026年11月現在、青色1号は日本で指定添加物として使用が認められています。ただし、カステラ、きなこ、食肉、野菜など、法律で定められた食品への使用は禁止されています。
Q2:青色1号には発がん性がありますか?
A2:JECFAの2017年評価では、動物試験などのデータを踏まえ、発がん性について懸念はないと判断されています。遺伝毒性についても同様の結論です。ただし、無制限の摂取が認められているわけではありません。
Q3:青色1号と青色2号は同じ成分ですか?
A3:違います。青色1号はブリリアントブルーFCF、青色2号はインジゴカルミンです。化学構造や色素の系統が異なる別の食品添加物です。
Q4:青色1号のADIはいくらですか?
A4:JECFAが2017年に設定したADIは0~6mg/kg体重/日です。体重50kgなら上限300mg/日、20kgなら120mg/日に相当します。食品全体からの長期的な摂取量を評価する数値です。
Q5:青色1号が含まれる食品は表示で確認できますか?
A5:原則として確認できます。「着色料(青1)」「着色料(青色1号)」「青色1号」などの表示が代表例です。商品によっては天然色素が使われているため、実際の添加物は表示で確認してください。
食用青色1号(ブリリアントブルーFCF)は、日本で使用が認められている合成着色料です。
2026年11月時点で確認できる公的資料では、消費者庁の第10版食品添加物公定書に品質規格や使用基準が掲載され、WHO・FAO合同のJECFAは2017年にADIを0~6mg/kg体重/日と設定しています。
発がん性と遺伝毒性についても、JECFAは利用可能な科学的データに基づき、懸念はないと評価しています。
青色1号について理解しておきたい要点は、次の3つです。
1. 使用が認められていることと、無制限に使用できることは違う。 日本には使用禁止食品や品質規格がある。
2. 発がん性の判断には科学的評価が必要。 合成着色料という分類だけで危険性を決めることはできない。
3. ADIは長期的な摂取量の指標。 体重や食品全体からの摂取量を踏まえて考える必要がある。
食品添加物の安全性を判断するときは、インターネット上の危険性を強調する情報だけでなく、実際の使用基準、毒性試験、摂取量を合わせて確認することが大切です。
青色1号を避けたい場合は、食品表示で「青1」「青色1号」を確認することが、日常生活で実践できる最も具体的な方法です。