三崎優太氏の逮捕容疑は、会社の所得を実際より少なく見せ、法人税や消費税の支払いを免れたというものだった。
事件の舞台となったのは、三崎氏が経営していた健康食品・化粧品の通信販売会社「株式会社メディアハーツ」だ。同社は主力商品「すっきりフルーツ青汁」のヒットによって急成長し、三崎氏は若手実業家としてテレビやインターネット番組にも出演していた。
東京地検特捜部が問題視したのは、2015年9月期と2017年9月期における架空の広告宣伝費などの計上だった。
報道された起訴内容によると、脱税額の内訳は次のとおり。
- 法人税:約1億4000万円
- 消費税:約4000万円
- 合計:約1億8000万円
ここで注意したいのは、約1億8000万円は架空の広告費そのものではなく、免れた税金の合計額だという点である。
共同通信が伝えた初公判の内容では、架空経費などによって約5億1000万円の課税所得を隠し、法人税と消費税の納付を免れたとされている。
なぜ架空広告宣伝費が問題になったのか会社が広告宣伝費を支払えば、その費用は一定の条件のもとで経費として計上できる。しかし、実際には広告サービスを受けていないのに広告費を計上すれば、課税対象となる所得を不当に減らすことにつながる。
この事件では、広告宣伝費の支払いを装って会社の資金を外部に移し、その資金の一部を戻す仕組みが問題になった。
2019年5月の初公判で検察側は、知人が管理するペーパーカンパニーの口座にメディアハーツの資金を送金し、その約90%を還流させていたと説明した。
この資金の流れは、単なる経理処理の間違いではなく、実態のない経費計上を通じた所得隠しとして審理された。
【脱税事件の真相】三崎優太本人の説明と裁判で認定された内容

事件の背景を理解するうえで重要なのが、三崎氏自身が公表した説明と、裁判で示された内容を区別することだ。
三崎氏は2019年8月、自身の公式ブログで事件の経緯を説明している。
本人の説明では、昔から付き合いのあった知人から広告費名目で会社資金を振り込み、約9割を現金で戻すという取引を持ちかけられたという。
その際、相手側からは、受け取った資金について責任を持って納税するため違法ではないという趣旨の説明があったと振り返っている。
一方で、三崎氏自身もブログの中で、そうした依頼を受け入れてしまったことを認めている。
本人の説明だけでは分からない裁判上の重要ポイント脱税事件の構図については、国税取材を専門とする記者・田中周紀氏による文春オンラインの解説も参考になる。
同記事では、メディアハーツの急成長に伴って法人所得や税負担が増加した背景、架空の広告宣伝費を利用した資金の還流などが詳しく取り上げられている。
一連の取引では、広告宣伝費名目で資金を送金し、仲介者側の取り分を差し引いた約90%を戻す仕組みが説明されていた。
ただし、裁判で重視されたのは、知人から持ちかけられたという経緯だけではない。
2019年9月の判決で東京地裁は、三崎氏が借入金の返済や投資に使える資金を得ようと考え、脱税を繰り返したと指摘した。
つまり、事件の本質は、第三者からの提案に巻き込まれたという説明だけでは完結しない。会社の資金をどのように扱い、実態のない経費を計上することを受け入れたのかという経営上の責任も問われたのである。
【2019年から2026年まで】青汁王子逮捕の経緯と判決後の年表
三崎優太氏の事件は、逮捕から有罪判決まで約7か月を要した。その後、執行猶予期間の満了を経て、2026年には複数の事業を展開する実業家として活動している。
事件とその後の動きを整理すると、次のようになる。
| 時期 | 関係する人物・組織 | 出来事・位置づけ |
|---|---|---|
| 2015年9月期 | メディアハーツ | 架空広告宣伝費の計上が問題となった対象期間の一つ |
| 2017年9月期 | メディアハーツ | 同様の所得隠しが問題となった対象期間 |
| 2019年2月12日 | 三崎優太・東京地検特捜部 | 法人税法違反などの疑いで逮捕 |
| 2019年3月4日 | 東京地検特捜部 | 三崎氏と法人を起訴 |
| 2019年5月10日 | 三崎優太・東京地方裁判所 | 初公判で起訴内容を認める |
| 2019年9月5日 | 東京地方裁判所 | 懲役2年・執行猶予4年の有罪判決。法人には罰金4600万円 |
| 2023年9月 | 三崎優太 | 執行猶予期間の満了を報告 |
| 2025年7月 | 三崎優太 | SNSの肩書きを「元青汁王子」に変更 |
| 2026年1月 | でんき0株式会社 | 電力サービスを本格始動 |
| 2026年5月 | 三崎未来電子 | 配達業務向け電動バイク「L-noa」を発売 |
| 2026年10月 | 三崎未来電子 | L-noaの訪問介護支援実証への採用などを発表 |
逮捕後、三崎氏は2019年3月4日に起訴された。その後、保釈が認められ、5月10日に東京地方裁判所で初公判が開かれた。
初公判では、三崎氏は検察側の指摘を認める発言をしている。
また、同日の公判後には、12年間経営してきたメディアハーツの代表取締役を辞任する考えを明らかにした。
若くして急成長企業を築いた経営者が、自ら創業した会社の経営から離れることになった点でも、この事件は大きな転換点となった。
【東京地方裁判所の判決】懲役2年・執行猶予4年の意味とは?
2019年9月5日、東京地方裁判所は三崎氏に対し、懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。
検察側の求刑は懲役2年であり、裁判所はその求刑と同じ期間の懲役刑を言い渡したうえで、4年間の執行猶予を付けた。
加えて、法人としてのメディアハーツにも罰金4600万円が命じられた。求刑は5500万円だった。
裁判所が指摘した犯行の動機判決で注目されたのは、裁判所が犯行の動機について厳しい評価を示したことだ。
報道によると、野原俊郎裁判長は、借入金の返済や投資に使える資金を得る目的で脱税を繰り返した点について、私利私欲による身勝手な犯行だと指摘した。
一方、量刑にあたっては、三崎氏が社長を辞任したことや、架空経費の還流分に相当する金額と退職金を相殺したことなども考慮された。
執行猶予4年とは?刑務所に入ったわけではないこの判決について、誤解されやすいのが執行猶予の意味である。
懲役2年・執行猶予4年という判決は、無罪や不起訴を意味しない。有罪判決によって懲役刑が言い渡されたうえで、一定期間、その刑の執行を猶予するという判断だ。
執行猶予期間中に取り消しとなる事情がなければ、言い渡された懲役刑は執行されない。
三崎氏は2023年9月、自身のYouTubeチャンネルで執行猶予期間の満了を報告している。
したがって、2026年現在の三崎氏について、2019年の事件で現在も服役しているかのように説明するのは正確ではない。
【青汁王子の逮捕後の現在】三崎優太は2026年に何をしている?
三崎優太氏は、2019年の事件後も実業家・発信者として活動を続けている。
特に注目したいのは、健康食品販売を中心とした従来のイメージから、不動産、エネルギー、モビリティなど複数の事業へ活動領域を広げていることだ。
1. 「青汁王子」から「元青汁王子」へ2025年7月、三崎氏はXのアカウント名を変更した。
それまで使用していた「三崎優太(Yuta Misaki) MISAKI」から「三崎優太(Yuta Misaki) 元青汁王子 MISAKI」へと変更し、青汁王子という肩書きに区切りをつける意向を示した。
本人は、現在はMISAKIグループの事業を通じて新たなステージに進んでいるという趣旨を発信している。
青汁王子という呼び名は今も検索上の知名度が高いが、本人の活動上の肩書きは変化している。
2. 三崎未来ホールディングスで不動産・エネルギー事業を展開三崎氏が代表を務める三崎未来ホールディングスは、不動産やエネルギーなどの事業を展開している。
2026年現在、公式サイトで確認できる主な事業領域は以下のとおりだ。
- 不動産事業:高級区分マンションの買取・リフォーム・再販
- エネルギー事業:系統用蓄電所の開発・保有・販売
- メディア事業:YouTubeやオリジナル番組の制作
- ネイチャー事業
- AI事業
不動産事業では「LUVIA」というブランドを展開している。公式サイトによれば、同ブランドの不動産売買取扱高は2年間で累計170億円を突破したとしている。
また、会社が公表した2026年3月期の単体決算では、売上高60億1100万円、当期純利益11億2500万円となっている。
ただし、これは三崎未来ホールディングス単体の数字であり、グループ全体の連結業績ではない。当期純利益には子会社からの受取配当金も含まれている。数字の意味を取り違えないことが大切だ。
3. 2026年1月には電力サービス「でんき0」を始動2026年1月13日、三崎氏がCEOを務める「でんき0株式会社」が新サービスを本格始動した。
同サービスは太陽光発電や蓄電池を活用し、自家消費を増やすことで電気料金の負担軽減を目指す仕組みだ。
余剰電力については、FIT制度を基準とした買い取りモデルを採用すると公式発表で説明している。
電力価格の高騰や再生可能エネルギーへの関心が高まるなか、三崎氏は新たな事業領域に進出した。
4. 2026年5月には電動バイク「L-noa」を発売2026年5月19日には、三崎未来電子株式会社が配達業務向け電動バイク「L-noa(エルノア)」を発売した。
主な特徴は次のとおり。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年5月19日 |
| 用途 | 新聞配達・デリバリー業務 |
| 充電方式 | 家庭用100Vコンセント |
| 航続距離 | 約155km |
| 価格 | 67万円(税込) |
航続距離は30km/hの定地走行テスト時の数値であり、実際の走行環境によって変動する。
三崎氏は発表会で、2024年の交通事故による後遺症を抱えながらも、バイク事業に取り組む背景を説明した。
加えて、三崎未来電子の公式発表によれば、L-noaは2026年9月に文京区の訪問介護支援実証で採用された。10月には出張アフターサービス体制の強化も発表されている。
こうした動きから、2026年の三崎氏は、SNSでの発信だけでなく、実際の商品開発や法人向け事業にも力を入れていることが分かる。
5. YouTubeでの発信も継続三崎氏の発信活動も続いている。
三崎未来ホールディングスの公式サイトによると、2026年9月25日時点で、三崎優太チャンネルは登録者数117万人、累計視聴回数4億2000万回超を記録している。
経営、企業との対談、事業紹介などを中心に、動画を通じた情報発信を行っている。
【プロの結論】青汁王子逮捕で混同してはいけない3つのポイント
青汁王子逮捕という検索ワードには、事件当時の報道、判決、本人の説明、現在の事業活動が一緒に表示されることがある。
しかし、情報を正確に理解するには、次の3点を押さえる必要がある。
第一に、逮捕と有罪判決は別の手続きである。
2019年2月12日の逮捕は、法人税法違反などの疑いに基づく捜査上の手続きだった。その後、起訴され、初公判で起訴内容を認め、9月5日に有罪判決を受けたという順序で理解する必要がある。
第二に、1億8000万円は脱税した税金の総額である。
架空広告宣伝費の計上によって課税所得を隠したことが問題となったが、1億8000万円そのものが架空広告費の金額というわけではない。法人税と消費税を合わせた納税回避額だ。
第三に、2019年の事件と2026年の活動は分けて評価する。
三崎氏は有罪判決を受け、その後、執行猶予期間を満了した。現在は不動産、電力、電動バイクなどの事業に取り組んでいる。
過去の事件をなかったことにする必要はない。一方で、2019年の出来事だけで2026年の活動を説明することもできない。
重要なのは、判決という確定した事実と、その後の本人の発言・企業活動をそれぞれの時点に沿って把握することだ。
【青汁王子逮捕】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:青汁王子こと三崎優太が逮捕されたのはいつですか?
A1:2019年2月12日です。東京地検特捜部が、法人税法違反などの疑いで当時のメディアハーツ社長だった三崎優太氏を逮捕しました。
Q2:三崎優太の逮捕理由は何ですか?
A2:架空の広告宣伝費を計上するなどして、法人税約1億4000万円、消費税約4000万円、合計約1億8000万円の納税を免れたとされたためです。対象となったのは2015年9月期と2017年9月期です。
Q3:青汁王子は有罪になったのですか?
A3:はい。2019年9月5日、東京地方裁判所は懲役2年・執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。また、法人にも罰金4600万円が命じられました。
Q4:2026年現在、三崎優太は何をしていますか?
A4:三崎未来ホールディングスを中心に、不動産、エネルギー、メディアなどの事業を展開しています。2026年には電力サービス「でんき0」や電動バイク「L-noa」の事業にも取り組んでいます。
Q5:三崎優太の執行猶予はいつ終わりましたか?
A5:2023年9月です。本人も同月、自身のYouTubeチャンネルで執行猶予期間の満了を報告しています。
青汁王子こと三崎優太氏が逮捕されたのは、2019年2月12日のことだった。
事件の中心にあったのは、メディアハーツが架空の広告宣伝費を計上するなどして、法人税約1億4000万円、消費税約4000万円、合計約1億8000万円の納税を免れたとされた問題である。
同年9月5日、東京地方裁判所は三崎氏に懲役2年・執行猶予4年、法人に罰金4600万円の判決を言い渡した。
その後、2023年9月に執行猶予期間が満了。2025年にはSNS上で「元青汁王子」という肩書きを使用し始め、2026年には不動産、電力、電動バイクなど新しい事業領域で活動している。
青汁王子逮捕の核心は2019年の脱税事件にあり、2026年の三崎優太はその後の経歴を重ねた実業家として活動している。
事件の経緯、裁判所の判断、現在の事業展開を時系列で整理することが、三崎優太という人物を正確に理解するための出発点となる。