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アルゼンチン対オランダの乱闘はなぜ?18枚の警告とPK戦までの真相を徹底解説

倉持 玲奈 倉持 玲奈 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
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2022年カタールワールドカップ準々決勝で起きたアルゼンチン対オランダの乱闘は、なぜあれほど激しい衝突に発展したのでしょうか。直接の引き金となったのは、後半終盤にレアンドロ・パレデスがオランダベンチ方向へボールを蹴り込み、主将フィルジル・ファン・ダイクが激しく反応した場面です。しかし、騒動の背景には、試合前から続いていたルイス・ファン・ハールとリオネル・メッシの心理的な対立、2点差を追いつこうとするオランダの執念、そして判定への不満が重なっていました。

2022年12月9日、ルサイル競技場で行われた一戦は、2-2のまま延長戦を終え、アルゼンチンがPK戦を4-3で制しました。アントニオ・マテウ・ラオス主審が提示したイエローカードは合計18枚でワールドカップ史上最多記録。オランダのデンゼル・ダンフリースには2枚目の警告による退場処分も下されています。2026年現在も語り継がれるこの騒動を、試合経緯、関係者の発言、FIFAの対応から整理します。

【結論】アルゼンチン対オランダの乱闘はなぜ起きた?直接の引き金はパレデスの行動

アルゼンチンオランダ乱闘なぜ

アルゼンチン対オランダの乱闘が起きた最大の直接的な理由は、後半89分ごろのレアンドロ・パレデスによる危険なタックルと、その直後の行動です。

パレデスはオランダのネイサン・アケに対して激しいタックルを仕掛けました。その後、ボールをオランダ側のベンチ方向へ強く蹴り込みます。

この行為に反応したのが、オランダ代表の主将フィルジル・ファン・ダイクでした。ファン・ダイクはパレデスに激しく接触し、パレデスを倒します。

すると、周囲にいた両チームの選手や控え選手、スタッフが一斉に集まり、押し合いや口論が発生しました。試合の緊張は一気に高まり、単なるファウルへの抗議では収まらない状況になりました。

なぜ一つのプレーが大規模な衝突に発展したのか

重要なのは、パレデスの行動だけで騒動のすべてを説明できないことです。

この時点でアルゼンチンは2-1とリードしていました。一方、オランダは敗退を避けるために攻撃を強め、選手同士の接触や判定への不満が積み重なっていました。

加えて、試合前からメッシとファン・ハールの間には心理的な緊張がありました。オランダの監督はメッシの守備面について言及し、アルゼンチンの主将はその発言を快く思っていなかったと試合後に語っています。

つまり、乱闘は一度のタックルだけで突然発生したのではありません。試合前の心理戦、試合中の接触、終盤の逆転への焦りが重なり、パレデスの行動をきっかけに一気に表面化したのです。

【試合経緯】ルサイル競技場で何が起きた?2-2からPK戦までの激闘

騒動の背景を理解するには、2022年12月9日に行われた準々決勝の展開を振り返る必要があります。

会場はカタールのルサイル競技場。公式試合報告書によると、観客数は88,235人でした。両チームにとって準決勝進出が懸かった重要な一戦です。

前半35分:メッシのアシストからアルゼンチンが先制

試合が動いたのは35分でした。

リオネル・メッシがオランダ守備陣の隙を突く絶妙なスルーパスを送り、ナウエル・モリーナがゴールを決めます。

アルゼンチンは1-0とリード。メッシの創造性がオランダの守備を崩した場面であり、試合の主導権を握る重要な得点でした。

後半73分:メッシがPKを決めて2-0

後半、アルゼンチンはさらにリードを広げます。

マルコス・アクーニャに対するデンゼル・ダンフリースのファウルによってPKを獲得。メッシが落ち着いてゴールを決め、スコアは2-0となりました。

この時点ではアルゼンチンの準決勝進出がかなり近づいたように見えました。しかし、オランダはここから反撃を開始します。

83分:ウェフホルストのヘディングで反撃開始

オランダのルイス・ファン・ハール監督は、途中出場のウート・ウェフホルストを前線に投入して攻撃の形を変えます。

83分、スティーブン・ベルフハイスのクロスからウェフホルストがヘディングシュートを決め、2-1に追い上げました。

この得点によってオランダは息を吹き返します。アルゼンチンの選手たちにも、試合終了まで気を抜けない緊張が走りました。

89分:パレデスのボール蹴り込みで両チームが衝突

試合が荒れる決定的な場面が訪れます。

パレデスがアケにファウルをした後、ボールをオランダベンチに向けて蹴り込みました。これにファン・ダイクが反応してパレデスに激しく接触。両チームの選手やスタッフが集まり、衝突が起きました。

この一連の行動によって、試合は通常の競技上の緊張を超えた険悪な雰囲気に変わっていきます。

後半アディショナルタイム:ウェフホルストが劇的な同点ゴール

オランダは最後まで諦めませんでした。

90分を過ぎたアディショナルタイム11分、テウン・クープマイネルスがFKから意表を突くパスを送り、ウェフホルストが左足でゴール。土壇場で2-2に追いつきました。

この得点によって試合は延長戦へ。アルゼンチンにとっては勝利目前から振り出しに戻された形となり、両チームの感情はさらに高ぶりました。

延長戦とPK戦:アルゼンチンが4-3で勝利

延長戦でも両チームは得点を奪えず、勝敗はPK戦に委ねられました。

アルゼンチンのGKエミリアーノ・マルティネスがオランダのフィルジル・ファン・ダイクとスティーブン・ベルフハイスのキックを止め、アルゼンチンが優位に立ちます。

最後はラウタロ・マルティネスがPKを成功させ、アルゼンチンが4-3で勝利。準決勝進出を決めました。

ただし、試合終了後にも両チームの選手が激しく反応し、騒動はすぐには収まりませんでした。

【関係者と真相】パレデス・ファン・ダイク・メッシらの関係を整理

この試合の騒動には、複数の選手や監督、審判が関係しています。それぞれの立場と行動を整理すると、衝突がどのように拡大したのかが見えてきます。

人物・関係者 試合での立場 騒動との関係・確認できる事実
レアンドロ・パレデス アルゼンチン代表MF アケへのファウル後、オランダベンチ方向へボールを蹴り込み、衝突の直接的なきっかけを作った。
フィルジル・ファン・ダイク オランダ代表主将・DF パレデスの行動に反応し、激しく接触して倒した。
リオネル・メッシ アルゼンチン代表主将 ファン・ハールへの反発を示し、試合後にはウェフホルストとの口論も話題になった。
ウート・ウェフホルスト オランダ代表FW 途中出場から2得点を記録。試合後、メッシと口論になった。
ルイス・ファン・ハール オランダ代表監督 試合前にメッシの守備面について発言。メッシが試合後に批判した相手でもある。
アントニオ・マテウ・ラオス スペイン人主審 18枚のイエローカードを提示。ダンフリースを2枚目の警告で退場させた。
デンゼル・ダンフリース オランダ代表DF 試合終盤からPK戦後にかけて警告を受け、2枚目の警告による退場処分となった。
FIFA懲戒委員会 国際サッカー統括機関 試合中の選手・スタッフの行動をめぐり、両国のサッカー協会に対する懲戒手続きを開始した。
ファン・ダイクとパレデスの衝突は何を意味したのか

ファン・ダイクはオランダ代表の主将であり、守備陣を統率する中心人物です。チームが2点差から追い上げていた状況で、相手選手が自軍ベンチ方向にボールを蹴り込んだことは、強い挑発として受け止められました。

一方、パレデスの行動も通常のプレーとは言い難いものでした。ファウル後にボールを相手ベンチへ蹴り込んだことで、競技上の抗議が相手選手への直接的な挑発へと変化したのです。

この二人の衝突は、両チームの選手が抱えていた緊張を一気に噴き出させた象徴的な場面でした。

試合後にはメッシとウェフホルストも口論

もう一つ注目されたのが、試合後のメッシとウェフホルストのやり取りです。

メッシがアルゼンチンのテレビ局TyC Sportsのインタビューを受けている最中、近くにいたウェフホルストに向かって、次の言葉を発しました。

「¿Qué mirás, bobo? Andá para allá.」

日本語では「何を見ているんだ、ばか。あっちへ行け」という意味です。

この発言は、ウェフホルストに向けられたものでした。試合中にも二人の間には接触や口論があり、試合後も感情的な状態が続いていたことがうかがえます。

一方、ウェフホルストは試合後の取材で、メッシに敬意を持っており、握手をしようとしたものの応じてもらえず、失礼な言葉をかけられて残念だったという趣旨の説明をしています。

両者の認識には違いがありましたが、試合の緊張がピッチ外にまで持ち越されたことを示す出来事でした。

【18枚のイエローカード】ラオス主審の記録とダンフリースの退場

アルゼンチン対オランダ戦を象徴する数字が、18枚というイエローカードの枚数です。

スペイン人のアントニオ・マテウ・ラオス主審は、選手だけでなくベンチにいたスタッフにも警告を提示しました。ギネス世界記録にも、2022年12月9日のこの試合がワールドカップ1試合におけるイエローカード最多記録として掲載されています。

18枚という数字の内訳に注意

18枚という数字は、18人の選手がそれぞれ1枚ずつ警告されたという意味ではありません。

アルゼンチン側では、スタッフのワルテル・サムエルや監督のリオネル・スカローニも警告を受けました。また、オランダ側ではダンフリースが2枚の警告を受け、2枚目によって退場しています。

つまり、選手への警告だけでなく、ベンチや監督・スタッフへの警告も含めて18枚という記録になっています。

ダンフリースはなぜ退場したのか

デンゼル・ダンフリースは試合中から警告を受けており、PK戦後の混乱の中で2枚目の警告を提示されました。

サッカーのルールでは、同じ選手が1試合で2枚のイエローカードを受けると、2枚目がレッドカードに相当する退場処分になります。

そのため、ダンフリースは試合終了後の騒動に関連して退場となりました。これは通常の90分間のプレー中に一発退場となったケースとは異なります。

ラオス主審の判定は適切だったのか

ラオス主審の試合運営には、試合後も厳しい批判が集まりました。

メッシは試合後、審判について率直な不満を示し、FIFAがこのような重要な試合にふさわしい審判を配置すべきだという趣旨の発言をしています。

オランダ側にも判定や試合運営への不満があり、ファン・ハールも試合後にアディショナルタイムの扱いなどについて疑問を示しました。

ただし、警告の枚数が多かったことだけで主審の特定チームへの偏りが証明されるわけではありません。両チームの反則や抗議、ベンチの行動、試合終盤の混乱が重なった結果として、異例のカード数になったと見るべきです。

FIFAは両国に懲戒手続きを開始

試合翌日の2022年12月10日、FIFAはアルゼンチンとオランダの両サッカー協会に対して懲戒手続きを開始したと発表しました。

アルゼンチンサッカー協会については、FIFA規律規定の第12条に定められた選手・役員の不正行為と、第16条の試合における秩序・安全に関する規定への抵触の可能性が調査対象となりました。

オランダサッカー協会についても、第12条に関する違反の可能性が調査対象とされました。

ここで重要なのは、懲戒手続きの開始と違反の確定は別だという点です。FIFAが両協会に対する調査を始めたことは公式に発表されていますが、それだけで両国の違反が確定したわけではありません。

【試合前から始まっていた心理戦】ファン・ハールの発言とメッシの反発

アルゼンチン対オランダの乱闘を理解するうえで、見落とせないのが試合前から存在していた両者の心理的な緊張です。

ファン・ハール監督は試合前の会見で、メッシをアルゼンチンの最も重要で創造的な選手と評価する一方、相手がボールを保持しているときにはあまりプレーに関与しないという趣旨の発言をしていました。

これは単なる選手分析とも受け取れますが、アルゼンチン側にとってはメッシの弱点を公の場で指摘された形になりました。

2014年ブラジル大会から続く対戦の記憶

両国の対戦には、過去のワールドカップでの因縁もありました。

2014年ブラジル大会の準決勝でも、アルゼンチンとオランダは対戦しています。この試合も延長戦で決着がつかず、PK戦の末にアルゼンチンが勝利しました。

当時のオランダを率いていたのもファン・ハールでした。2022年大会は、同じ監督が率いるオランダにとって、8年前の敗戦を思い起こさせる再戦でもあったのです。

ファン・ハールは2022年の試合前にも、メッシの特徴や自チームの対策について言及していました。こうした発言は、勝敗を左右する戦術的な駆け引きであると同時に、試合前の緊張を高める要素にもなりました。

メッシはなぜファン・ハールに反発したのか

メッシはPKを決めた後、ファン・ハールやオランダのベンチに向かって両手を耳に当てるようなジェスチャーを見せました。

この行動は、相手監督の発言に対する反発と受け止められました。

試合後、メッシはファン・ハールの戦術についても批判的に語っています。TyC Sportsなどの報道によると、メッシはオランダが良いサッカーをすると説明していたにもかかわらず、実際には高さのある選手を投入し、ロングボールを多用したという趣旨のコメントをしました。

「ファン・ハールはサッカーをすると言っていたが、背の高い選手を投入してロングボールを蹴り始めた」

メッシにとって、この試合は単に準決勝進出を懸けた戦いだけではありませんでした。試合前からの発言への反発、試合中の激しい攻防、そして最後に勝利を手にした安堵が入り交じった一戦だったのです。

ウェフホルストの2得点が試合後の感情をさらに複雑にした

もう一つ忘れてはいけないのが、ウェフホルストの存在です。

途中出場から2得点を決めたウェフホルストは、オランダに勝利の可能性を取り戻した立役者でした。アルゼンチンからすれば、勝利目前だった試合を振り出しに戻した相手でもあります。

そのため、メッシとの試合後の口論は、単なる偶然の言い争いではなく、試合中に積み重なった感情が表面化した出来事として見ることができます。

ただし、ウェフホルスト自身はメッシに敬意を持っていたと説明しており、両者の間に試合後も継続的な敵対関係があったと断定することはできません。

【アルゼンチンオランダ乱闘なぜ】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:アルゼンチン対オランダの乱闘の直接的な原因は何ですか?
A1:後半89分ごろ、レアンドロ・パレデスがネイサン・アケへのファウル後にオランダベンチ方向へボールを蹴り込んだことです。オランダ主将のフィルジル・ファン・ダイクが反応してパレデスに激しく接触し、両チームの選手やスタッフが集まって衝突に発展しました。

Q2:アルゼンチン対オランダ戦のイエローカード18枚は本当ですか?
A2:本当です。2022年12月9日の試合でアントニオ・マテウ・ラオス主審が提示した18枚は、ワールドカップ1試合の最多記録としてギネス世界記録に掲載されています。選手だけでなく、監督やスタッフへの警告も含まれています。

Q3:アルゼンチンとオランダは最終的にどちらが勝ちましたか?
A3:アルゼンチンが勝利しました。試合は延長戦を終えて2-2となり、PK戦を4-3で制したアルゼンチンが準決勝に進出しました。

Q4:ダンフリースはなぜ退場になったのですか?
A4:試合終盤からPK戦後にかけて警告を受け、2枚目のイエローカードによって退場処分となりました。

Q5:FIFAは乱闘について調査したのですか?
A5:はい。2022年12月10日にFIFAはアルゼンチンとオランダの両サッカー協会に対する懲戒手続きの開始を発表しました。アルゼンチン側は選手・役員の不正行為や試合の秩序・安全、オランダ側は選手・役員の不正行為に関する規定への抵触の可能性が対象となりました。

2022年カタールワールドカップ準々決勝のアルゼンチン対オランダ戦で乱闘が起きた理由は、一つのファウルだけでは説明できません。

直接の引き金は、レアンドロ・パレデスによるオランダベンチ方向へのボールの蹴り込みと、それに反応したフィルジル・ファン・ダイクの行動でした。しかし、その背景にはファン・ハールの試合前の発言、メッシの反発、オランダの猛追、審判への不満など、複数の要因が存在していました。

加えて、ウート・ウェフホルストの2得点によって2-0から2-2へと試合が振り出しに戻り、PK戦でアルゼンチンが勝利した後も選手同士の感情的な衝突が続きました。

18枚のイエローカード、ダンフリースの退場、メッシとウェフホルストの口論、そしてFIFAの懲戒手続き。これらはすべて、あの試合が通常の準々決勝とは異なる緊張状態にあったことを物語っています。

この試合の真相を理解するうえで大切なのは、乱闘の映像だけを切り取って判断しないことです。試合前の心理戦から2-0のリード、終盤の衝突、劇的な同点ゴール、PK戦後の騒動までを一連の流れとして見ると、なぜ両チームの感情が爆発したのかが分かります。

アルゼンチンが勝ち取った準決勝進出と、ワールドカップ史に残る18枚の警告。この試合は、サッカーにおける勝負への執念と感情のコントロールの難しさを同時に示した歴史的な一戦でした。

主な根拠資料
- FIFA公式・2022年12月9日準々決勝の試合報告書
- ギネス世界記録・ワールドカップ1試合のイエローカード最多記録
- BBC Sport・試合経過とFIFA懲戒手続きの報道
- TyC Sports・メッシの試合後インタビュー
- Sporting News・ファン・ハールの試合前後の発言

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倉持 玲奈

テクノロジー分野を担当。一次情報(公式発表・公式サイト)と発表日を必ず確認し、推測は推測と明記する編集方針に従っています。

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