2026年度の男子日本代表は、ロラン・ティリ監督が率いる体制2年目のチームだ。JVAは4月17日、ロサンゼルス2028五輪を見据え、経験豊富な主力と若手を組み合わせた37人を発表した。
ただし、2026年11月6日時点では、当初の37人全員が登録されているわけではない。
5月28日、佐藤駿一郎選手について、薬物所持の容疑による逮捕が発表され、JVAは同日付で2026年度男子日本代表への登録を抹消した。したがって、4月17日の発表人数と、現在の登録人数は区別する必要がある。
監督はロラン・ティリ氏男子日本代表監督
1963年12月1日生まれ。フランス出身の指導者で、2026年度も男子日本代表を指揮する。
ティリ監督が取り組むチームづくりの特徴は、海外クラブで経験を積む主力と、国内リーグや大学、高校で成長する選手を同じ代表候補の枠に入れている点だ。
特定のメンバーだけでシーズンを戦うのではなく、長期的な競争力を確保するための選考が行われている。
特に2026年は、2028年のロサンゼルス五輪を見据えた重要な強化シーズン。主力のコンディション管理と次世代選手の国際経験をどう両立するかが、監督の手腕を測るポイントになる。
【登録37人を完全一覧】ポジション・所属チーム・初選出を紹介

2026年4月17日に発表された男子日本代表登録メンバー37人を、背番号、ポジション、所属チームとともに整理した。
所属チームはJVAの2026年度選手ページに掲載されている情報を基本とし、佐藤駿一郎選手については当初発表時の所属と登録抹消の状況を記載している。
男子日本代表37人の一覧OH=アウトサイドヒッター/OP=オポジット/MB=ミドルブロッカー/S=セッター/L=リベロ
出典:日本バレーボール協会の2026年度登録発表・選手プロフィール、月刊バレーボールの登録メンバー一覧。背番号は当初の登録一覧に基づく。
ポジション別の人数と特徴4月17日の当初発表時点での構成は次のとおり。
- アウトサイドヒッター:11人
- オポジット:4人
- ミドルブロッカー:11人
- セッター:5人
- リベロ:5人
- オポジット兼アウトサイドヒッター:1人
佐藤選手の登録抹消後は、ミドルブロッカーが10人となり、登録選手は36人になっている。
アウトサイドヒッターとミドルブロッカーを厚く確保している点は、攻撃の多様性とネット際の高さを両立させようとする構成として注目できる。
2026年の初選出4人は誰?今回の新顔は、次の4人だ。
河東祐大
セッター/ジェイテクトSTINGS愛知
試合を組み立てるセッターとして初選出。攻撃陣を生かすトスワークが期待される。
デ アルマス アライン
アウトサイドヒッター/サントリーサンバーズ大阪
キューバ出身の選手。日本国籍への変更に伴う国際大会の登録資格が整い、2026年6月3日から国際大会への出場が可能になった。
武田大周
リベロ/東レアローズ静岡
守備専門のポジションで初選出。レシーブやディグなど、守備力の底上げを担う存在だ。
一ノ瀬漣
アウトサイドヒッター/鎮西高校
17歳の高校生として登録された注目株。大学・社会人を中心とした代表候補に高校生が加わった点でも話題になった。
4人のうち、特に注目を集めたのが一ノ瀬漣だ。高校生でありながらトップカテゴリーの代表登録メンバーに入ったことは、将来を見据えた選考の象徴といえる。
一方、アラインは単なる若手の抜てきとは異なる。国際大会への出場資格という制度上の条件が整ったことで、代表チームに加わる道が開かれた選手だ。
【石川祐希・髙橋藍・西田有志】2026年の主力選手に注目
男子日本代表を語るうえで欠かせないのが、石川祐希、髙橋藍、西田有志の3選手だ。
それぞれ異なる持ち味を持ち、攻撃の組み立てや得点力、チームの精神的な支柱という面で重要な役割を担っている。
石川祐希:主将としてチームをまとめる中心選手アウトサイドヒッター/192cm
所属:ジラート・バンク・アンカラ(トルコ)
石川は日本代表の主将を務めるアウトサイドヒッター。高い攻撃力に加え、サーブ、レシーブ、ブロックなど幅広いプレーに対応できる選手だ。
イタリアを中心とした海外クラブでの経験も長く、国際舞台での駆け引きや試合の流れを読む能力は日本代表にとって大きな財産となる。
2026年9月のアジア男子選手権では、イランとの決勝で勝利を決定づける活躍も見せた。
髙橋藍:攻守両面で存在感を発揮するアタッカーアウトサイドヒッター/188cm
所属:ボクダンカ・LUV・ルブリン(ポーランド)
髙橋藍の特徴は、攻撃だけでなく守備にも参加できる総合力にある。
アウトサイドヒッターは、強打による得点だけでなく、サーブレシーブや守備の安定にも関わるポジション。髙橋のように攻守のバランスが取れた選手は、チームの戦術の幅を広げる。
2026年9月のアジア男子選手権では大会MVPにも選ばれた。石川とともに攻撃の中心を担う存在として、引き続き注目したい。
西田有志:得点力を担うオポジットオポジット/186cm
所属:大阪ブルテオン
西田は、攻撃の決定力を担うオポジット。サーブでも強烈なプレッシャーを与えられる選手で、日本代表の得点源として重要な存在だ。
2025年は代表活動を休養していたが、2026年度の登録メンバーに復帰。再び国際舞台でプレーする姿が注目された。
オポジットは、セッターの対角に位置し、バックアタックを含めて攻撃の中心を担うことが多い。西田の得点力は、日本の攻撃戦術を成立させる大きな要素となる。
そのほか注目したい選手主力3人だけでなく、ポジションごとに重要な役割を担う選手も多い。
- 関田誠大:試合の組み立てを担うセッター。
- 深津英臣:経験豊富なセッターとしてゲームを支える。
- 小野寺太志:ミドルブロッカーとしてブロックとクイック攻撃を担う。
- 山本智大:リベロとして守備の安定を支える。
- 宮浦健人:オポジットとして攻撃の選択肢を増やす。
- 甲斐優斗:200cmの高さを持つアウトサイドヒッター。
- 麻野堅斗:207cmの身長を持つミドルブロッカーで、将来性にも期待が集まる。
ベテランと若手が同じ登録枠に入っていることは、単純な世代交代ではなく、複数の選択肢を持つチームづくりにつながっている。
【VNL・アジア選手権・アジア競技大会】大会別メンバーはどう違った?
2026年の男子日本代表を理解するうえで、特に重要なのが大会ごとの選手選考だ。
37人の登録メンバーは年間を通じた代表候補の枠であり、すべての選手が各大会に出場するわけではない。
実際、2026年はVNL、アジア男子選手権、アジア競技大会で、それぞれ異なる選手構成が採用された。
バレーボールネーションズリーグ2026VNLは、世界の強豪国が年間を通じて競う国際大会だ。
2026年の日本は、予選ラウンドを経てファイナルラウンドに進出。7月29日から中国・寧波北侖で行われた決勝ラウンドでは、3位決定戦でスロベニアに1対3で敗れ、最終順位は4位となった。
この大会では、石川、髙橋藍、西田らの主力に加え、ミドルブロッカーやリベロなども組み替えながら戦った。
JVAの大会別メンバー表では、各週の出場選手とリザーブが区別されている。つまり、VNLの登録と各週の実際の出場選手も同じものではない。
アジア男子選手権大会 福岡20262026年9月4日から13日に福岡県北九州市で開催されたアジア男子選手権では、14人が日本代表として登録された。
この大会では石川、髙橋藍、西田、宮浦、関田らを中心とする経験豊富なメンバーが選ばれた。
決勝の相手はイラン。日本はセットカウント3対0(25-21、26-24、25-23)で勝利し、アジア王者に輝いた。
加えて、優勝国に与えられる2028年ロサンゼルス五輪の出場権も獲得。2026年の男子日本代表にとって、極めて大きな成果となった。
第20回アジア競技大会(愛知・名古屋2026)一方、9月27日から10月3日に行われたアジア競技大会では、12人の選手が選出された。
JVAが掲載した大会別メンバーは以下のとおり。
アジア競技大会2026男子日本代表12人
- アウトサイドヒッター:大塚達宣、新井雄大、甲斐優斗、後藤陸翔
- セッター:河東祐大、下川諒
- ミドルブロッカー:西本圭吾、麻野堅斗、西川馨太郎
- オポジット:西山大翔、高橋慶帆
- リベロ:高橋和幸
この顔ぶれを見ると、石川祐希、髙橋藍、西田有志といった看板選手が含まれていないことに気づく。
これは4月の37人登録とは別に、大会ごとに出場選手を選ぶ仕組みがあるためだ。
アジア競技大会では若手や代表経験を積む選手も含む12人が出場し、日本は決勝でイランに1対3で敗れ、準優勝となった。
3大会のメンバー・結果を比較| 大会 | 登録・出場人数 | 主な特徴 | 2026年の結果 |
|---|---|---|---|
| VNL2026 | 大会別選考 | 主力を中心に各週で選手を入れ替え | 4位 |
| アジア男子選手権 | 14人 | 石川・髙橋藍・西田ら主力中心 | 優勝 |
| アジア競技大会 | 12人 | 若手や新戦力を含む構成 | 準優勝 |
ここで混同しやすいのが、アジア男子選手権とアジア競技大会の違いだ。
どちらもアジアの国々が参加する大会だが、別の大会であり、選考メンバーも異なる。2026年はアジア選手権で優勝して五輪出場権を獲得した一方、アジア競技大会では準優勝だった。
この2つの結果を混同しないことが、男子日本代表の2026年シーズンを正しく理解するポイントになる。
【2026年の選考から読み解く】男子日本代表の強みと今後の課題
2026年度の登録メンバーを分析すると、男子日本代表が重視しているポイントが見えてくる。
1.海外経験を持つ選手と国内組の融合石川や髙橋藍、大塚達宣など、海外クラブでプレーする選手が代表の中心にいる。
海外リーグでは、異なるプレースタイルや強豪選手との対戦を通じて、技術面だけでなく試合運びの経験も蓄積できる。
一方、国内の大阪ブルテオン、サントリーサンバーズ大阪、ウルフドッグス名古屋などにも代表候補が多い。
国内リーグで培った連係と海外で磨いた個人能力を組み合わせられることは、日本代表の大きな強みだ。
2.高校生・大学生にも代表への道が開かれている一ノ瀬漣や麻野堅斗、川野琢磨のように、学生カテゴリーから代表登録された選手もいる。
こうした選考は、現在の試合での戦力確保だけでなく、将来の代表チームを見据えた育成という意味も持つ。
特にミドルブロッカーは、相手の攻撃を止めるブロックだけでなく、クイック攻撃でも存在感を発揮するポジションだ。若い段階から国際大会の水準を経験することは、将来の競争力を高めるうえで重要になる。
3.ポジションごとの競争が激しい登録37人という人数は、試合に出場する選手をそのまま示す数字ではない。
例えばアウトサイドヒッターには石川、髙橋藍、大塚、甲斐らがいる。セッターにも関田、深津、河東、永露ら複数の候補がいる。
監督は対戦相手や選手のコンディション、試合日程などを踏まえて選考することになる。
そのため、代表登録されたことと、スターティングメンバーに選ばれることは別の評価段階として捉えたい。
4.ロサンゼルス五輪に向けた強化は次の段階へ2026年9月のアジア男子選手権で日本は優勝し、ロサンゼルス五輪出場権を獲得した。
これにより、代表チームは出場権獲得という目標を達成し、今後は五輪本大会で勝ち上がるための強化が焦点となる。
アジア競技大会での準優勝、VNLでの4位という結果も踏まえると、世界のトップチームに対して安定した勝負強さを発揮できるかが課題だ。
今後は、主力の完成度を高めながら、若手がどこまで国際舞台で存在感を示せるかにも注目したい。
【バレーボール男子日本代表メンバー】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年度の男子日本代表メンバーは何人ですか?
2026年4月17日にJVAが発表した当初の登録メンバーは37人です。ただし、5月28日に佐藤駿一郎選手の代表登録が抹消されたため、11月6日時点のJVA掲載メンバーは36人となっています。
Q2:2026年に男子日本代表へ初選出された選手は誰ですか?
河東祐大、デ アルマス アライン、武田大周、一ノ瀬漣の4人です。特に鎮西高校の一ノ瀬漣は、高校生で唯一の登録メンバーとして注目されました。
Q3:石川祐希、髙橋藍、西田有志は2026年も日本代表ですか?
はい。3選手とも2026年度の登録メンバーに選出されています。石川は主将を務め、髙橋は攻守両面、西田はオポジットとしての得点力が期待される主力選手です。
Q4:アジア競技大会2026の男子日本代表にも石川祐希や西田有志は出場しましたか?
出場していません。アジア競技大会の男子代表は12人で構成され、大塚達宣、新井雄大、甲斐優斗、西山大翔らが選ばれました。4月に発表された37人の登録メンバーとは異なる選考です。
Q5:2026年の男子日本代表はロサンゼルス五輪の出場権を獲得しましたか?
はい。2026年9月13日のアジア男子選手権決勝でイランに3対0で勝利し、2028年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得しました。
2026年度のバレーボール男子日本代表は、石川祐希、髙橋藍、西田有志ら実績ある選手を軸に、河東祐大、武田大周、デ アルマス アライン、一ノ瀬漣ら初選出の4人が加わったチームだ。
4月17日の登録発表は37人だったが、その後の佐藤駿一郎選手の登録抹消により、11月6日時点では36人となっている。
2026年の主な成績は、VNL4位、アジア男子選手権優勝、アジア競技大会準優勝。特にアジア選手権での優勝によって、ロサンゼルス2028五輪の出場権を獲得したことは大きな成果だ。
男子日本代表を追いかける際には、次の3点を押さえておきたい。
- 年間登録メンバーと大会別メンバーは異なる。
- 選手の所属チームや代表登録状況はシーズン途中でも変わる。
- 大会の順位だけでなく、五輪出場権や若手の成長にも注目する。
今後の男子日本代表は、五輪出場を決めたチームから、世界の頂点を狙うチームへと進化できるかが最大の焦点となる。石川ら主力の経験と若手の成長がどのように融合するのか、2028年に向けた日本代表の歩みを引き続き追いたい。
主な情報源:公益財団法人日本バレーボール協会(JVA)2026年度男子日本代表選手ページ、2026年4月17日登録メンバー発表、VNL2026公式記録、アジア男子選手権福岡2026公式記録、愛知・名古屋2026アジア競技大会公式記録、日本オリンピック委員会。