2026年1月2日・3日に開催された第102回箱根駅伝。東海大学は往路10位、復路15位で、総合12位という結果に終わった。
公式記録を確認すると、総合タイムは10時間55分01秒。シード権を獲得した日本大学の10時間53分56秒に対し、わずか1分05秒の差だった。
復路で見せた粘りと、最後まで埋まらなかった差レース展開を振り返ると、復路の6区が大きなポイントだった。
初めて箱根路を走った水野夢大が順位を2つ落とし、7区の鈴木天智はシード権まで1分43秒差という状況でタスキを受け取った。
しかし、鈴木は力走によって差を1分01秒まで縮める。8区のロホマンシュモンも区間10位と粘り、9区の中野純平は55秒差まで迫った。
最終10区を任された竹割真も初めてのアンカーとして懸命に追い上げたが、シード権には届かなかった。
東海大学の公式発表から読み取れるのは、復路で単純に失速したというより、6区で生まれた差を各選手が少しずつ詰めながらも、最後まで逆転できなかったという構図だ。
第102回の区間成績から見える課題| 区間 | 選手 | 区間順位 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|
| 1区 | 兵藤ジュダ | 13位 | 序盤の位置取り |
| 2区 | 花岡寿哉 | 16位 | エース区間での粘り |
| 3区 | 草刈恭弓 | 13位 | 中盤の流れ |
| 4区 | 南坂柚汰 | 5位 | チーム上位の好走 |
| 5区 | 永本脩 | 13位 | 山上りでの経験 |
| 6区 | 水野夢大 | 19位 | 復路序盤の課題 |
| 7区 | 鈴木天智 | 11位 | シードとの差を縮小 |
| 8区 | ロホマンシュモン | 10位 | 安定した走り |
| 9区 | 中野純平 | 12位 | 55秒差まで接近 |
| 10区 | 竹割真 | 12位 | 最後までシードを追う |
出典:東京箱根間往復大学駅伝競走公式記録、日本テレビ大会記録、東海大学発表。
特に注目したいのは、4区の南坂が区間5位だったことだ。
一方、2区の16位、6区の19位など、順位を押し上げられなかった区間もあった。10区間を通じて大きな穴をつくらないことが、シード権獲得には欠かせない。
1分05秒という差は、東海大学にとって決して遠い数字ではない。 ただし、箱根駅伝は10人の合計タイムで競う競技だ。上位数人の好走だけでは、シード権を確実にできない。
【第103回箱根駅伝予選会】東海大学はなぜ3位で通過できたのか?

2026年10月17日、東京都立川市で第103回箱根駅伝予選会が開催された。
45大学が参加したこの大会で、東海大学は総合3位、10時間33分41秒を記録。2年連続53回目となる箱根駅伝本戦出場を決めた。
予選会は各大学12人が出走し、上位10人の合計タイムで順位を競う方式だ。
東海大学は18km通過時点で7位だったものの、最後の3kmで選手たちが順位を上げ、最終的に3位まで浮上した。加えて、上位7人が全体の100位以内に入っている。
この結果は、特定の選手だけに依存しないチーム全体の底上げを示すものだ。
予選会の上位校とのタイム差| 順位 | 大学 | 総合タイム |
|---|---|---|
| 1位 | 東洋大学 | 10時間31分30秒 |
| 2位 | 中央学院大学 | 10時間33分31秒 |
| 3位 | 東海大学 | 10時間33分41秒 |
| 4位 | 専修大学 | 10時間33分42秒 |
| 5位 | 東京農業大学 | 10時間34分33秒 |
東海大学と2位の中央学院大学との差は10秒。反対に4位の専修大学との差はわずか1秒だった。
予選会3位という順位だけを見ると余裕の通過に思えるかもしれないが、実際には非常に接戦だった。
永本脩がチームを引っ張る予選会でチームを牽引したのが、駅伝主将の永本脩だ。
永本はハーフマラソンで1時間02分19秒、全体10位を記録。東海大学の日本人選手としては3位の成績だった。
中野純平も1時間02分25秒で全体12位、南坂柚汰は1時間02分34秒で全体14位に入った。
3選手がそろって上位に入ったことは、本戦に向けた明るい材料だ。
また、東海大学は選手を3グループに分けた集団走を展開。18km地点からの順位上昇を見ると、終盤までペースを維持し、最後に勝負する力も発揮したことが分かる。
【注目選手】東海大学の駅伝チームメンバーと2027年のキーマン
2027年の第103回箱根駅伝で注目したいのは、予選会で好成績を残した選手と、2026年の本戦・全日本大学駅伝で経験を積んだ選手たちだ。
永本脩:チームをまとめる駅伝主将
体育学部4年・駅伝主将
- 予選会:1時間02分19秒
- 5000m自己ベスト:13分34秒17
- 10000m自己ベスト:28分44秒15
永本は2026年の予選会で全体10位に入り、チームの3位通過に貢献した。
加えて、11月1日の全日本大学駅伝では2区を担当。区間4位の走りで順位を押し上げ、チームを一時シード権圏内の4位まで浮上させた。
主将としての役割だけでなく、レースの流れを変える走力も持つ選手だ。箱根本戦でも重要な区間を任される可能性がある。
中野純平:箱根経験を持つ次世代の主力
体育学部3年
- 予選会:1時間02分25秒
- 5000m自己ベスト:13分39秒31
- 10000m自己ベスト:28分19秒39
中野は第102回箱根駅伝で9区を走り、シード権まで55秒差に迫る力走を見せた。
その経験は2027年大会に向けた大きな財産となる。
予選会でも全体12位に入り、11月の全日本大学駅伝にも出場。長い距離で安定した走りを発揮できるかが注目される。
南坂柚汰:スピードと安定感を備えた主力
体育学部4年
- 予選会:1時間02分34秒
- 5000m自己ベスト:13分39秒08
- 10000m自己ベスト:28分21秒62
南坂は第102回箱根駅伝の4区で区間5位を記録した選手だ。
2026年11月の全日本大学駅伝では8区を担当し、区間6位の好走でチームを11位に押し上げた。
予選会と全日本大学駅伝の双方で存在感を示しており、2027年の箱根でもチームの得点源として期待される。
その他の注目メンバー主力3人以外にも、注目しておきたい選手がいる。
- 平井璃空(3年):予選会25位、1時間02分48秒。全日本大学駅伝では3区を担当した。
- 可児悠貴(4年):予選会46位、1時間03分04秒。上位10人をそろえるための重要な戦力。
- 矢口陽太(4年):予選会57位、1時間03分13秒。全日本大学駅伝では1区を担当。
- 松山優太(2年):予選会85位、1時間03分46秒。全日本大学駅伝では4区を担当し、今後の成長にも期待がかかる。
このメンバーの特徴は、主力だけでなく中堅・若手にも本戦を経験する機会が生まれていることだ。特に松山兄弟を含む若い選手たちが、どこまでチーム内の競争力を高めるかは見逃せない。
【11月の全日本大学駅伝】総合11位から読み取れる東海大学の成長と課題
2026年11月1日に行われた全日本大学駅伝は、東海大学の現状を判断するうえで重要なレースだった。
東海大学は8区間106.8kmを走り、総合11位でフィニッシュした。
8位までに与えられる翌年度のシード権には届かなかったが、レース途中には4位まで順位を上げている。
特に永本の2区は区間4位。南坂も8区で区間6位を記録した。
一方で、3区以降は9位、4区終了時点で10位、5区終了時点で11位と順位を落とした。個人の好走をチーム全体の結果につなげるには、各区間の安定感が必要だ。
西出仁明監督が指摘したチームの変化東海大学の公式発表によると、西出仁明駅伝監督は全日本大学駅伝を振り返り、以前は劣勢になると大きく崩れる選手もいたものの、今回は最後まで前を追う走りができた点を成長として評価した。
また、予選会と同様に後半で勝負できる力がついてきた一方、箱根駅伝に向けて細かな部分の積み上げと精度向上が必要だと説明している。
永本主将も、前年よりチーム全体の地力がついた実感を示し、箱根駅伝でのシード権獲得を目指す姿勢を明らかにした。
この2つの大会を合わせて考えると、東海大学の強みと課題が見えてくる。
強みは終盤に順位を押し上げられること。課題は、序盤から中盤にかけての順位を安定させることだ。
箱根駅伝は全日本大学駅伝よりも長い217.1kmを10人でつなぐ。選手層の厚さに加え、山上り・山下りへの対応も求められる。
【2027年の区間予想】東海大学はどの選手を1区から10区に配置する?
2027年の第103回箱根駅伝に向けて、ファンが気になるのが区間配置だ。
ただし、2026年11月6日時点では、本戦の正式な区間エントリーは発表されていない。予選会の出走メンバーと箱根本戦の10人は同じとは限らず、最終的な配置は今後の発表とコンディションによって変わる。
ここでは、これまでの実績から注目したい配置を整理する。
往路で注目したい選手1区:矢口陽太
全日本大学駅伝で1区を担当した経験が材料になる。スタート直後の集団の動きに対応し、後続に良い位置でタスキを渡せるかがポイントだ。
2区:永本脩
全日本大学駅伝2区で区間4位という実績がある。長距離の主要区間を担える選手として注目したい。
3区・4区:中野純平、平井璃空、南坂柚汰
中野は箱根9区の経験があり、平井は予選会で25位。南坂は第102回の4区で区間5位を記録している。選手の状態次第では、往路の中盤を支える重要な存在になる。
山の5区・6区がシード権獲得の分岐点箱根駅伝で順位が大きく動くのが5区の山上りと6区の山下りだ。
2026年の東海大学は、6区で順位を2つ落とした。2027年はこの区間の改善が欠かせない。
3年生の岩根正悟は、大学公式プロフィールで5区を目標に掲げている。これは注目すべき材料だが、本人の目標と実際の区間配置は別の話だ。登坂力、直近の調子、チーム内競争を踏まえた判断が必要になる。
復路は経験者と若手の組み合わせが鍵7区以降は、全日本大学駅伝で経験を積んだ中野、平井、松山優太らの成長がポイントになる。
特に、前回大会の9区を経験した中野がどのような役割を担うかは注目点だ。
2027年の区間予想で大切なのは、単純に持ちタイムの速い選手を並べることではない。距離適性、起伏への対応、レース展開への強さを組み合わせる必要がある。
【東海大学の箱根駅伝歴代成績】2019年の総合優勝から2026年まで
東海大学は、箱根駅伝で優勝経験を持つ伝統校だ。
2019年の第95回大会では、10時間52分09秒で総合優勝。2020年の第96回大会でも総合2位となり、大学駅伝界で高い存在感を示した。
しかし、その後はシード権争いに苦しむ時期が続いた。
| 大会 | 開催年 | 東海大学の順位 |
|---|---|---|
| 第95回 | 2019年 | 1位 |
| 第96回 | 2020年 | 2位 |
| 第97回 | 2021年 | 5位 |
| 第98回 | 2022年 | 11位 |
| 第99回 | 2023年 | 15位 |
| 第100回 | 2024年 | 11位 |
| 第101回 | 2025年 | 本戦出場なし |
| 第102回 | 2026年 | 12位 |
第101回大会は予選会で14位となり、本戦出場を逃した。第102回大会で2年ぶりに箱根路へ戻り、2026年10月の第103回予選会でも3位通過を果たした。
つまり、現在の東海大学は優勝争いをしていた時代から、まずは安定してシード権を獲得できるチームへの再構築を進めている段階にある。
2026年度のチームスローガンは「繋ぐ」東海大学陸上競技部の公式サイトでは、2026年度のスローガンを「繋ぐ」と発表している。
そこには、先輩たちの思いを次の世代につなぐこと、シード権を奪還して第103回大会へタスキをつなぐこと、そして伝統を次世代に引き継ぐことが込められている。
また、チームは「スピードの東海」の復活を掲げている。
西出仁明駅伝監督のもと、両角速総監督が支える体制で、科学的なデータや医学部との連携を生かした指導にも取り組んでいる。
2019年の優勝を知るファンにとって、現在の順位は物足りなく映るかもしれない。
しかし、2026年の予選会3位、全日本大学駅伝での粘り、そして2026年の箱根駅伝でシードまで1分05秒だった事実を重ねれば、復活への足場はできつつある。
【箱根駅伝東海大学】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:東海大学は2027年の第103回箱根駅伝に出場しますか?
A:出場が決定しています。2026年10月17日の予選会で総合3位、10時間33分41秒を記録し、本戦出場を決めました。
Q2:東海大学の2026年箱根駅伝の順位は何位でしたか?
A:第102回大会は総合12位でした。タイムは10時間55分01秒で、シード権まで1分05秒差でした。
Q3:2027年の東海大学で注目すべき選手は誰ですか?
A:永本脩、中野純平、南坂柚汰の3選手です。予選会でそれぞれ全体10位、12位、14位に入り、全日本大学駅伝でも主力として活躍しました。
Q4:東海大学は2027年大会でシード権を獲得できますか?
A:十分に狙える位置にいると考えられます。予選会3位という総合力は好材料ですが、全日本大学駅伝11位という結果もあり、10人全員の安定した走りが必要です。
Q5:東海大学の箱根駅伝の最高順位は何位ですか?
A:総合優勝です。2019年の第95回大会で初の総合優勝を果たし、10時間52分09秒を記録しました。
2027年の第103回箱根駅伝に向けた東海大学の状況を整理すると、シード権獲得には十分な可能性がある。
その根拠は3つある。
1. 2026年の箱根駅伝でシードまで1分05秒差だったこと。 大幅な順位改善が必要な状況ではなく、区間ごとの小さな改善が結果につながる位置にいる。
2. 2026年の予選会で総合3位に入ったこと。 上位7人が100位以内に入るなど、チーム全体の底上げが数字に表れている。
3. 永本、中野、南坂らの経験と実績。 予選会だけでなく、箱根駅伝や全日本大学駅伝でも結果を残している。
一方、11月1日の全日本大学駅伝では総合11位に終わり、8位以内のシード権を逃した。ここから分かるのは、上位区間の選手だけでなく、チーム全体の走力を底上げする必要があるということだ。
2027年の東海大学を評価する際に見るべき要点は、予選会の順位だけではない。
- 10人の平均的な走力がどこまで向上するか
- 1区から5区までに大きなタイム差をつくらないか
- 5区・6区の山への対応が改善されるか
- 永本、中野、南坂ら主力の力をチーム全体に波及させられるか
この4点がシード権奪還を占う判断材料になる。
第95回大会の総合優勝を経験した東海大学には、伝統と実績がある。2026年度のスローガン「繋ぐ」が示すように、先輩から後輩へ受け継がれる力を、今度は結果に結びつけられるか。
2027年1月2日・3日、東海大学が再びシード権を手にするか。予選会3位から始まった巻き返しの物語は、いよいよ箱根の本舞台へ向かう。
主な参考資料:東海大学公式サイト、東海大学陸上競技部中・長距離ブロック公式サイト、東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト、日本テレビ箱根駅伝公式サイト、月刊陸上競技。