鼻の奥がツーンとする、鼻の付け根から目の奥にかけて刺激を感じる、冷たい空気を吸い込むと鼻の奥が痛む。このような症状が現れると、「風邪の前兆なのか」「副鼻腔炎や鼻炎が原因なのか」と不安になる人もいるでしょう。
鼻の奥がツーンとする理由には、鼻の粘膜の乾燥や寒暖差による刺激、アレルギー性鼻炎、風邪、副鼻腔炎(蓄膿症)など、さまざまな可能性があります。症状が一時的なのか、片側だけに続くのか、頭痛や目の奥の痛み、鼻水・くしゃみを伴うのかによって、考えられる原因や適切な対処法は異なります。
【まず原因を知る】鼻の奥がツーンとするのはなぜ?考えられる5つの理由

鼻の奥がツーンとする感覚は、鼻腔の粘膜やその周辺にある神経が刺激されることで起こる場合があります。鼻は空気を取り込み、温度や湿度を調整しながら、異物が体内に入り込むのを防ぐ役割を担っています。
そのため、空気の乾燥や温度変化、花粉などのアレルゲン、ウイルス感染によって粘膜に刺激や炎症が生じると、ヒリヒリ感やツンとした痛みを感じることがあります。
1.鼻の粘膜の乾燥鼻の奥がツーンとする比較的身近な原因の一つが、鼻の粘膜の乾燥です。
冬場の暖房やエアコンの使用、湿度の低い室内で長時間過ごすことなどによって、鼻の粘膜が乾燥すると、刺激に敏感になることがあります。
鼻の粘膜には、吸い込んだ空気に湿り気を与えたり、ほこりなどを排出したりする働きがあります。乾燥によってこの働きが低下すると、次のような症状が現れる場合があります。
- 鼻の奥がツーンとする
- 鼻の中がヒリヒリする
- 鼻をかむと痛みを感じる
- 鼻の入口付近にかさぶたができる
- 鼻血が出やすくなる
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、冬場の鼻の乾燥による炎症や鼻血、かさぶたなどについて解説しています。加湿器の使用やマスクの着用など、鼻に入る空気の乾燥を防ぐことが対策になります。
2.寒暖差による鼻の刺激暖かい室内から寒い屋外に出たときや、冷たい風を吸い込んだ瞬間に鼻の奥がツーンとする場合は、温度変化による刺激が関係している可能性があります。
鼻の粘膜は、吸い込む空気の温度や湿度の変化に反応します。特に冷たい空気や急激な温度変化は、鼻の知覚神経や自律神経を介した反応を引き起こし、鼻水や鼻づまり、刺激感につながることがあります。
アレルギー反応がなくても、寒冷刺激や乾燥、物理的な刺激によって鼻炎に似た症状が出ることがあります。
次のような状況で症状が出やすい場合は、寒暖差や空気環境との関係を考えてみましょう。
- 暖房の効いた部屋から屋外に出たとき
- 冷房の風が直接顔に当たったとき
- 冬の朝、冷たい空気を吸い込んだとき
- 乾燥した場所から湿度の高い場所へ移動したとき
花粉やハウスダスト、ダニ、ペットの毛などが原因となるアレルギー性鼻炎も、鼻の奥の違和感につながることがあります。
アレルギー性鼻炎は、体内に入ったアレルゲンに対して免疫反応が過剰に起こることで発症します。代表的な症状は、くしゃみ、水のように透明でさらさらした鼻水、鼻づまりです。
鼻の粘膜が腫れて炎症を起こすと、鼻の奥に刺激感や不快感を覚える場合もあります。
特に、次のような特徴がある場合はアレルギー性鼻炎が疑われます。
- 朝起きたときにくしゃみが連続して出る
- 透明で水っぽい鼻水が止まらない
- 鼻づまりが繰り返し起こる
- 目のかゆみや涙が出る
- 花粉の飛散時期や掃除の後に症状が強くなる
日本アレルギー学会が2025年5月に更新した一般向けQ&Aでも、くしゃみ・鼻水・鼻づまりがアレルギー性鼻炎の代表的な症状として説明されています。
また、2026年8月更新の埼玉県アレルギー疾患相談室の情報では、症状が現れる時期や誘因、鼻の診察、特異的IgE抗体検査などを組み合わせて診断することが紹介されています。
4.風邪による鼻の痛み風邪をひいたときにも、鼻の奥がツーンとしたり、鼻の中がヒリヒリしたりすることがあります。
風邪の原因となるウイルスが鼻や喉の粘膜に感染すると、炎症が起こり、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどが生じます。その炎症によって鼻の奥に痛みや刺激感が現れる場合があります。
風邪による鼻の痛みでは、鼻の症状だけでなく、次のような全身症状を伴うことも特徴です。
- 喉の痛みや違和感
- 咳やくしゃみ
- 発熱
- 体のだるさ
- 鼻水や鼻づまり
風邪の症状が落ち着いてきたにもかかわらず、鼻づまりや粘り気のある鼻水、顔の痛みが続く場合は、副鼻腔炎に移行している可能性もあります。
5.副鼻腔炎(蓄膿症)鼻の奥の痛みや圧迫感が続いている場合に注意したいのが、副鼻腔炎です。
副鼻腔とは、鼻腔の周囲にある空洞のことで、上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞という4つの空間に分かれています。これらの空間の粘膜に炎症が起こった状態が副鼻腔炎です。
以前は蓄膿症という名称で呼ばれることも多く、風邪などの感染をきっかけに発症する場合があります。
代表的な症状は次のとおりです。
- 粘り気のある黄色や緑色の鼻水
- 鼻づまりが続く
- 鼻の奥や頬、額が痛む
- 目の周辺や鼻の付け根に圧迫感がある
- 頭痛や頭重感がある
- においを感じにくくなる
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会や慶應義塾大学病院の医療情報でも、副鼻腔炎の症状として鼻づまり、粘性の鼻汁、顔面痛、頭痛、嗅覚障害などが紹介されています。
鼻の奥がツーンとするだけで副鼻腔炎と判断することはできませんが、鼻水や顔の痛みなどが重なっている場合は、耳鼻咽喉科で診察を受けることが大切です。
【症状から見分ける】片側だけ・頭痛・目の奥が痛い場合に考えられること
鼻の奥の違和感は、痛みが出る場所や左右差、同時に現れる症状によって考えられる原因が変わります。特に、片側だけの痛みや目の奥に響く痛み、頭痛を伴うケースでは、経過を注意深く確認する必要があります。
鼻の奥が片側だけツーンとする場合鼻の奥が右側だけ、あるいは左側だけツーンとする場合、鼻の左右の構造や粘膜の状態に違いがある可能性があります。
例えば、鼻中隔弯曲症のように鼻の左右を隔てる壁が曲がっていると、片側の鼻づまりが強くなることがあります。また、片側の副鼻腔に炎症が起きている場合にも、左右差のある痛みや圧迫感が生じることがあります。
一時的に片側だけ刺激を感じる場合と、同じ側に症状が長期間続く場合は分けて考えましょう。
特に注意したいのは、片側だけの鼻づまりや血の混じった鼻水、鼻血、頬のしびれなどが数週間にわたって続くケースです。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、鼻腔がんや副鼻腔がんの注意すべき症状として、片側に続く鼻づまりや鼻血、頬のしびれなどを挙げています。こうした症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科または頭頸部外科を受診してください。
片側だけの違和感があるからといって、直ちに重大な病気を意味するわけではありません。しかし、改善しない症状を長期間放置することは避けたいところです。
鼻の奥がツーンとして頭痛もある場合鼻の奥の刺激感と頭痛が同時に起こる場合は、副鼻腔炎が原因の一つとして考えられます。
副鼻腔は顔や頭の周辺に位置しているため、炎症が起こる場所によって痛みを感じる部位が異なります。
- 頬の奥:上顎洞の炎症による頬の痛みや圧迫感
- 鼻の付け根:篩骨洞の炎症による鼻根部の痛み
- 額:前頭洞の炎症による額の痛み
- 頭の奥:蝶形骨洞の炎症に伴う頭痛や頭重感
ただし、頭痛があるからといって必ず副鼻腔炎とは限りません。片頭痛や緊張型頭痛、眼科的な疾患などでも頭痛や目の周辺の痛みが起こります。
鼻水や鼻づまり、嗅覚の低下、顔面の圧迫感などを伴うかどうかも、原因を考える手掛かりになります。
鼻の奥がツーンとして目の奥も痛い場合鼻の奥から目の奥にかけて痛みが広がる場合は、副鼻腔の位置関係が関係している可能性があります。
特に篩骨洞は左右の目の間に近く、蝶形骨洞はさらに奥に位置しています。これらの部位に炎症が起こると、鼻の付け根や目の奥に痛みや圧迫感を感じることがあります。
ただし、目の奥の痛みは副鼻腔炎だけで説明できるものではありません。眼精疲労や片頭痛、眼の病気なども原因になります。
目の充血、強い眼痛、視力低下、物が二重に見える、まぶたの腫れなどを伴う場合は、早急な受診が必要です。副鼻腔炎の炎症が目の周囲に及ぶケースのほか、急性緑内障など眼科的な緊急疾患も考えられます。
【原因別に比較】鼻の奥がツーンとするときの症状と見分け方
鼻の奥が痛い原因を考えるときは、痛みの強さだけでなく、鼻水の性状や発症するタイミング、ほかに現れている症状を確認が必要です。
以下の表では、代表的な原因と症状の組み合わせ、対応の目安を整理しました。
| 考えられる原因 | 主な症状・特徴 | 確認したいポイント | 対応の目安 |
|---|---|---|---|
| 鼻の粘膜の乾燥 | 鼻の奥のヒリヒリ感、刺激感、かさぶた、鼻血 | 暖房や乾燥した室内で悪化するか | 加湿やマスクなどで乾燥を防ぐ |
| 寒暖差による刺激 | 冷たい空気を吸ったときのツンとした感覚、鼻水 | 気温や空気環境の変化と連動するか | マスクなどで急激な刺激を避ける |
| アレルギー性鼻炎 | 透明な鼻水、連続するくしゃみ、鼻づまり | 花粉やハウスダストなどの誘因があるか | 耳鼻咽喉科で原因や治療法を相談する |
| 風邪による鼻炎 | 鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳、発熱 | 全身症状や風邪の経過を伴うか | 休養し、長引く場合は医療機関へ |
| 副鼻腔炎 | 粘り気のある鼻水、顔面痛、頭痛、嗅覚低下 | 鼻づまりや顔の圧迫感が続いていないか | 耳鼻咽喉科で診察を受ける |
| 片側に続く鼻の異常 | 片側の鼻づまり、鼻血、血の混じった鼻水、顔面のしびれ | 同じ側に症状が数週間続いていないか | 早めに耳鼻咽喉科・頭頸部外科へ |
この比較は症状から考えられる可能性を整理したものであり、表に当てはまるからといって病気を確定できるものではありません。
例えば、黄色や緑色の鼻水が出た場合でも、それだけで細菌感染や抗菌薬が必要な状態だとは判断できません。症状の持続期間や悪化の仕方、発熱、顔面痛などを総合的に評価する必要があります。
また、アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎が同時に存在するケースもあります。症状が複数重なっている場合は、自己判断だけで原因を一つに絞らないことが大切です。
【自宅でできる対処法】鼻の奥の痛みを和らげる6つの方法
鼻の奥がツーンとする症状が軽く、強い痛みや発熱、目の異常などがない場合は、鼻の粘膜への刺激を減らす生活上の工夫を試すことができます。
ただし、セルフケアは乾燥や一時的な刺激を和らげるためのものであり、副鼻腔炎などの病気そのものを治療するものではありません。
1.室内を適度に加湿する鼻の粘膜の乾燥が気になる場合は、室内の湿度を適度に保つことが基本です。
加湿器を使用するほか、暖房の風が顔に直接当たらないようにすることも対策になります。加湿器は定期的に清掃し、カビや雑菌が繁殖しないように管理しましょう。
2.マスクを着用するマスクは、冷たい空気や乾燥した空気が鼻に直接入り込むのを和らげる方法の一つです。
吸い込む空気に適度な湿り気を与えるため、冬場の外出時や空気が乾燥している場所で役立つ場合があります。
特に、冷たい風を吸い込んだときに鼻の奥がツーンとする人は、外出時にマスクを使用すると刺激を軽減できる可能性があります。
3.水分補給を心がける水分が不足すると、口や喉の乾燥が気になりやすくなります。日常的に水やお茶などで適切に水分を補給し、体全体の水分バランスを保ちましょう。
特に、発熱や風邪によって水分を失いやすいときは、無理のない範囲でこまめに水分を摂取することが大切です。
4.鼻を強くかみすぎない鼻水が気になると何度も鼻をかみたくなりますが、強くかみ続けると鼻の粘膜に負担がかかります。
鼻水を出すときは、片方ずつ優しくかむことを意識しましょう。鼻の奥が痛いときに、無理に鼻水を出そうとするのは避けてください。
また、鼻の中を指や綿棒で奥まで触ると、粘膜を傷つける可能性があります。刺激を感じる場所を繰り返し触ることも控えましょう。
5.生理食塩水を利用した鼻のケアを検討する鼻の中の乾燥や鼻水による不快感がある場合は、市販の生理食塩水を使用した鼻用スプレーなどを検討できます。
鼻洗浄を行う場合は、専用製品の説明書に従い、使用する水の安全性や器具の衛生管理にも注意してください。水道水をそのまま鼻洗浄に使用することは避け、製品が指定する安全な水を使用する必要があります。
厚生労働省のeJIMでも、生理食塩水による鼻洗浄について解説されており、未処理の水道水を使用した鼻洗浄には感染上のリスクがあると注意喚起されています。
6.アレルゲンや刺激物を避ける花粉やハウスダスト、たばこの煙、強い香料などが鼻の刺激になっている場合は、原因となる環境をできるだけ避けましょう。
花粉の多い時期には外出時にマスクを着用し、帰宅後に衣服についた花粉を落とすことも対策になります。
アレルギー性鼻炎が疑われる場合は、抗アレルギー薬や鼻噴霧用ステロイド薬など、症状に合った治療について医師や薬剤師に相談してください。
なお、市販の血管収縮成分を含む点鼻薬は、頻繁かつ長期間使用すると、かえって鼻づまりが悪化する薬剤性鼻炎につながることがあります。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、点鼻薬の使いすぎについて注意を促しています。使用上の注意を守り、繰り返し必要になる場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
【受診の目安】鼻の奥がツーンとするときはいつ耳鼻咽喉科に行くべき?
鼻の奥の痛みが一時的な乾燥や寒暖差による刺激であれば、環境を整えることで改善する場合があります。しかし、症状が長引いたり、ほかの異常が現れたりする場合は医療機関で原因を調べる必要があります。
数日たっても改善しない場合鼻の奥の痛みや刺激感が数日間続き、改善する様子がない場合は、耳鼻咽喉科への相談を検討しましょう。
特に、鼻づまりや粘り気のある鼻水、顔面の圧迫感、嗅覚の低下などが一緒に現れている場合は、副鼻腔炎などが関係している可能性があります。
風邪の症状が落ち着いた後も鼻水や鼻づまりが続く場合や、一度改善した症状が再び悪化した場合も受診を考えたいタイミングです。
片側だけの症状が長期間続く場合片側の鼻づまりや痛みが続く場合は、鼻中隔弯曲症や片側の副鼻腔炎など、左右差のある病気が関係している可能性があります。
特に、次の症状が重なっている場合は早めの受診が必要です。
- 片側だけ鼻づまりが続く
- 血の混じった鼻水が出る
- 鼻血を繰り返す
- 鼻水から強い悪臭がする
- 頬や鼻の周辺にしびれがある
- 片側だけ涙が出やすい
まれに鼻腔や副鼻腔の腫瘍が原因となっていることもあるため、数週間にわたって片側の異常が続く場合は、放置せず耳鼻咽喉科で調べてもらいましょう。
強い頭痛や発熱がある場合鼻の奥の痛みに加えて、強い頭痛や高熱、顔の腫れなどが現れた場合は、副鼻腔炎の悪化や合併症にも注意が必要です。
副鼻腔の炎症が周囲に広がると、目や脳に影響することがあります。
特に、次の症状がある場合は、通常の診療時間を待たず、救急医療機関での評価を受けてください。
- 突然の激しい頭痛
- 高熱と強い頭痛が同時に起こる
- 首が硬くなり、動かしにくい
- 意識がぼんやりする
- 目の周囲が強く腫れる、赤くなる
- 視力が低下する、物が二重に見える
また、目そのものに強い痛みがあり、充血や視力低下、吐き気を伴う場合は、急性緑内障などの眼科的な緊急疾患も考えられます。鼻の症状だと思い込最初に、救急医療機関や眼科で速やかに診察を受けることが重要です。
耳鼻咽喉科ではどのような検査をする?鼻の奥の痛みで耳鼻咽喉科を受診した場合は、まず症状が始まった時期や痛む場所、鼻水の状態、発熱の有無などを確認します。
必要に応じて、次のような検査が行われます。
- 鼻腔内の診察:鼻の粘膜の腫れや炎症、鼻水の状態を確認する。
- 鼻内視鏡検査:細い内視鏡を使い、鼻の奥や副鼻腔につながる部分を詳しく調べる。
- 画像検査:必要に応じてCTやレントゲンで副鼻腔の状態を確認する。
- アレルギー検査:アレルギー性鼻炎が疑われる場合、血液検査などで原因物質を調べる。
副鼻腔炎の場合は、症状や検査結果に応じて薬物療法や鼻の処置などが検討されます。アレルギー性鼻炎の場合も、原因や症状の程度に合わせて治療方針が決まります。
受診時には、症状が始まった日、片側か両側か、鼻水の色、頭痛や目の痛みの有無、使用した市販薬などを伝えると、診察の参考になります。
【よくある質問】鼻の奥がツーンとする症状に関するFAQ
Q1:鼻の奥がツーンとするのは風邪の前兆ですか?
A1:風邪の初期症状として鼻の粘膜に炎症が起こり、ツーンとした刺激感が出ることはあります。ただし、乾燥や寒暖差、アレルギー性鼻炎などでも同じような症状が現れるため、鼻水やくしゃみ、喉の痛み、発熱などを合わせて確認しましょう。
Q2:鼻の奥が片側だけ痛いのはなぜですか?
A2:鼻中隔弯曲症や片側の副鼻腔炎など、鼻の構造や局所的な炎症が関係している可能性があります。一時的な症状だけで重大な病気とは判断できませんが、片側の鼻づまりや鼻血、血の混じった鼻水などが長く続く場合は耳鼻咽喉科を受診してください。
Q3:鼻の奥がツーンとして目の奥まで痛む場合は危険ですか?
A3:副鼻腔炎によって鼻の付け根や目の奥に痛みが生じることがあります。ただし、眼科的な疾患が原因の場合もあります。目の腫れ、強い充血、視力低下、複視、激しい眼痛などがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
Q4:鼻の奥がツーンとするときは何科に行けばよいですか?
A4:鼻の奥の痛みや鼻水、鼻づまり、くしゃみなどが中心であれば、耳鼻咽喉科が適しています。目の強い痛みや視力の変化がある場合は眼科や救急医療機関での診察も必要です。突然の激しい頭痛や意識障害などがある場合は救急受診してください。
Q5:鼻の奥がツーンとするとき、市販薬を使ってもよいですか?
A5:アレルギー性鼻炎など原因が明らかな場合は、市販薬が症状の軽減に役立つことがあります。ただし、原因によって適した薬は異なります。特に血管収縮成分を含む点鼻薬の長期・頻回使用は、薬剤性鼻炎につながることがあるため、使用方法を守り、改善しない場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
鼻の奥がツーンとする原因には、鼻の粘膜の乾燥、寒暖差による刺激、アレルギー性鼻炎、風邪、副鼻腔炎などがあります。同じような刺激感でも、発症のきっかけや一緒に現れる症状によって、考えられる原因は異なります。
乾燥した室内や冷たい空気に触れたときだけ症状が出る場合は、加湿やマスクなどで刺激を減らすことが対策になります。一方、透明な鼻水や連続するくしゃみがあればアレルギー性鼻炎、粘り気のある鼻水や顔面痛、嗅覚低下があれば副鼻腔炎なども考えられます。
【プロの結論】見逃してはいけない3つの判断基準鼻の奥の痛みについて判断するときは、次の3点を意識しましょう。
- 症状のきっかけ:乾燥や冷気など、特定の環境で一時的に起こるのか。
- 症状の組み合わせ:鼻水・くしゃみ・鼻づまり・頭痛・目の痛みなどが重なっているか。
- 症状の経過:自然に改善しているのか、悪化しているのか、片側だけ長く続いているのか。
特に、片側だけの鼻づまりや鼻血が長期間続く場合、強い頭痛や発熱、目の腫れ、視力の異常などがある場合は、セルフケアだけで様子を見続けないことが大切です。
鼻の奥のツーンとした感覚は、日常的な刺激によって生じることもありますが、長引く症状には治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。痛みの程度だけで判断せず、鼻水の状態や左右差、ほかの症状を確認しながら、適切なタイミングで耳鼻咽喉科などの医療機関に相談しましょう。
主な参考情報:一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻の病気」「副鼻腔炎」「アレルギー性鼻炎」「鼻腔がん・副鼻腔がんの特徴」、公益社団法人 日本アレルギー学会「アレルギー性鼻炎/Q&A」(2025年5月13日更新)、埼玉県アレルギー疾患相談室(2026年8月更新)、慶應義塾大学病院「KOMPAS 副鼻腔炎」、厚生労働省「eJIM」。