今回の試合を分析するうえで見逃せないのが、ブロック得点の数字だ。
Volleyball Worldの公式レポートによると、イタリアはブロックで13得点を記録したのに対し、日本は3得点だった。ネット際の守備だけを比較すれば、イタリアが大きく上回っていたことになる。
それでも日本が勝てた理由は、ブロックだけに頼らず、サーブ、レシーブ、攻撃の組み立てを組み合わせて得点を重ねたことにある。
勝因1:サーブでイタリアの攻撃を崩した日本は髙橋、石川、西田がサービスエースを記録。さらに大塚達宣もリリーフサーバーとして投入され、相手のサーブレシーブを崩す役割を果たした。
サーブで相手の攻撃を限定できれば、相手の強力なスパイクに対して守備の準備を整えやすくなる。ブロック得点では劣勢だった日本にとって、サーブから守備につなげる展開は重要だった。
勝因2:攻撃の選択肢を増やした深津英臣のトスワークセッター深津英臣は、髙橋や西田だけに攻撃を集中させず、ミドルブロッカーのエバデダンらも使うトスワークを展開した。
相手ブロックに攻撃を読まれにくくするには、複数の攻撃ルートを維持することが欠かせない。第3セットでは髙橋のサービスエースや西田のダイレクトスパイクが生まれ、攻撃の幅が結果につながった。
勝因3:最終セットでの集中力と選手交代第4セットを落として迎えた最終セット、日本は0-2からのスタートとなった。それでも石川のサービスエースで逆転し、深津のサーブからさらにブレイクを奪った。
第4セットでは永露元稀と宮浦健人を投入する2枚替えも実施。第5セットでは宮浦がバックアタックでマッチポイントを演出した。
髙橋の個人技だけではなく、途中出場の選手を含むチーム全体の役割分担が、最後の勝ち切る力につながった。
山本智大も試合後、最後まで集中力を切らさず、チーム全員で勝ち取った1勝という趣旨のコメントを残している。個人の得点力と組織的な守備を両立させたことが、日本の勝利を支えた。
【世界ランキングと9連勝】イタリア撃破が日本代表にもたらしたもの

今回の勝利は、予選ラウンドの順位争いにも大きな影響を与えた。
試合開始前のFIVB世界ランキングでは、イタリアが2位、日本が5位。しかもイタリアは2025年の男子世界選手権を制した強豪だった。世界選手権王者をホームで破ったことは、日本にとって大きな自信につながる結果となった。
日本は開幕9連勝、22ポイントに到達Volleyball Worldによると、日本はイタリア戦終了時点で9勝0敗、勝ち点22を記録した。9試合をすべて勝ち切り、予選ラウンドの無敗記録を維持した。
興味深いのは、9勝のうち5勝がフルセットの試合だったことだ。つまり、日本は一方的な試合ばかりで勝ってきたわけではない。競り合いのなかで勝負どころを取り切る力が、チームの強みになっていた。
イタリアも勝ち点を獲得フルセットの試合では、敗れたチームにも勝ち点1が与えられる。イタリアは日本に敗れたものの勝ち点を獲得し、試合後の成績は5勝4敗、勝ち点17となった。
この点も、単純な勝敗だけでは見えない大会記録のポイントだ。日本は勝ち点2を獲得し、イタリアも勝ち点1を持ち帰った。
ファイナルラウンド進出を早期に確定VNL2026男子は18チームが予選ラウンドを戦い、開催国の中国と予選上位7チームがファイナルラウンドに進出する方式だった。
日本はイタリア戦の勝利で9勝0敗となり、中国を除く上位7チームに入ることが確定。大阪大会の初戦でファイナルラウンド進出を決めた。
なお、ここで紹介している世界ランキング5位・2位という数字は、あくまで7月15日の試合開始前時点のものだ。大会終了後の順位や11月時点の最新ランキングと混同しないことが大切だ。
【試合記録の検証】石川祐希は出場した?ネット上で間違えやすい4つのポイント
イタリア対日本の試合結果を調べる際には、得点者、出場選手、ランキング、大会成績を分けて確認すると理解しやすい。
1.石川祐希は欠場したのか?欠場ではない。石川は先発出場している。
月刊バレーボールのスターティングメンバー記録にも石川の名前があり、17得点を記録した。特に第3セットと第5セットのサービスエースは、日本が試合の流れを引き寄せるうえで重要だった。
2.髙橋藍は26得点すべてをスパイクで取ったのか?違う。26得点の内訳は、アタック23得点、ブロック1得点、サーブ2得点。スパイクだけでなく、ブロックとサーブでも得点している。
3.日本はストレート勝ちだったのか?ストレート勝ちではない。日本は第1セットと第4セットを落とし、最終的に3-2で勝利した。セットカウントだけでなく、各セットの得点も確認すると、試合の難しさが分かる。
4.9連勝はイタリア戦だけの記録なのか?違う。2026年のVNL男子予選ラウンド開幕から続いた連勝記録であり、イタリア戦が9勝目に当たる。イタリアに9連勝したという意味ではない。
こうした記録は、日本バレーボール協会の試合結果ページとVolleyball Worldの個人スタッツを照合すると整理しやすい。特に石川の出場記録については、試合のスターティングメンバーと個人得点の両方を見ることで、誤解を避けられる。
【よくある質問】イタリア対日本の試合に関するFAQ
Q1:2026年7月15日のイタリア対日本の結果は?
A1:日本がイタリアにセットカウント3-2で勝利した。セット別スコアは24-26、25-19、25-20、23-25、15-12。会場はAsueアリーナ大阪だった。
Q2:髙橋藍はイタリア戦で何得点を記録した?
A2:26得点でチーム最多だった。内訳はアタック23得点、ブロック1得点、サーブ2得点。最終セットの決勝点も髙橋が決めた。
Q3:石川祐希はイタリア戦に出場した?
A3:出場した。先発メンバーとしてプレーし、17得点を記録。アタック15得点、サービスエース2得点だった。
Q4:日本代表がイタリアに勝った理由は?
A4:サーブで相手の攻撃を崩したこと、複数の選手が得点したこと、深津英臣のトスワーク、最終セットでの集中力が主なポイント。ブロック得点ではイタリアが13対3で上回っていたが、日本は攻撃の多様性と勝負どころの得点力で競り勝った。
Q5:日本代表はイタリア戦の勝利で何連勝になった?
A5:開幕から9連勝となった。通算9勝0敗、勝ち点22となり、この試合でファイナルラウンド進出を確定させた。
2026年7月15日の男子バレーボールネーションズリーグ大阪大会で、日本代表はイタリア代表を3-2で破った。
第1セットを24-26で落とし、第4セットも23-25で奪われたものの、第2・第3セットで主導権を握り、最終セットを15-12で制した。
この試合の中心となったのは、26得点を挙げた髙橋藍。西田有志も20得点、石川祐希も17得点を記録し、攻撃陣がバランスよく機能した。特に石川の先発出場と17得点という記録は、試合を振り返るうえで押さえておきたいポイントだ。
一方、イタリアはブロックで日本を大きく上回り、最後まで強豪としての力を見せた。日本が勝てた背景には、サーブ、レシーブ、トスワーク、選手交代を含めた総合力があった。
【プロの結論】この試合を評価する際に見るべきなのは、3-2という最終結果や髙橋藍の26得点だけではない。ブロックで劣勢に立ちながらも、複数の攻撃手段を使って勝負を組み立て、最終セットで決定力を発揮した点こそ、日本代表の成長を示す重要な材料だ。
9連勝でファイナルラウンド進出を決めた日本代表にとって、イタリア戦は強豪国との接戦を勝ち切る力を示した一戦となった。2026年の男子バレーボール日本代表を振り返るうえでも、記憶に残る重要な試合である。