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【2024年テレビ朝日版】後藤久美子と武井咲が演じた現代版『顔』とは?

滑原 圭介 滑原 圭介 • 更新: • 公開: • 読了約 20 分
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2024年版『顔』は、テレビ朝日開局65周年記念番組として制作されたスペシャルドラマです。2024年1月3日午後9時から放送され、後藤久美子と武井咲が初共演でダブル主演を務めました。

脚本は浅野妙子、演出は藤田明二。原作の基本構造を残しながら、主人公を映画俳優志望の男性から覆面アーティストの女性へ、目撃者を男性から女性弁護士へと変更しています。テレビ朝日が発表した企画情報でも、原作を大胆に現代版へアップデートした作品と説明されています。

後藤久美子が演じる石岡弓子とは?

後藤久美子が演じる石岡弓子は、人権派の弁護士です。過去に殺人現場から立ち去る聖良を目撃した人物であり、事件の真相に迫る重要な存在です。

後藤にとって、この作品は1994年のドラマスペシャル以来、約30年ぶりとなる地上波ドラマ出演でした。テレビ朝日の公式インタビューでは、弁護士の実際の仕事を映像で研究したり、弁護士事務所を訪問したりして役作りを進めたことも明かされています。

弓子は単に犯人を追い詰める人物ではありません。聖良の犯罪を知りながら、彼女が抱える事情や人間性にも向き合う役柄です。法律家としての正義と、一人の人間としての感情がぶつかるところに、2024年版の大きな見どころがあります。

武井咲が演じる井野聖良とは?

武井咲が演じる井野聖良は、顔を公開しないことを条件に音楽活動をする覆面アーティストです。美しい顔と歌声を持ち、メジャーデビューを目前に控えていますが、素顔を見せられない事情を抱えています。

その理由は、過去に殺人を犯していたためです。3年前、芸能事務所に所属していた聖良は、同じ事務所の若手俳優・森尾亘と交際していました。しかし、束縛が強く暴力を振るう亘との関係は次第に悪化。別れを切り出したことをきっかけに、事件へと発展します。

この設定では、原作の「映画に出演して有名になれば、過去の顔が知られてしまう」という恐怖が、「素顔を隠して歌手として成功する」という現代的な葛藤に置き換えられています。

2024年版の主要キャスト一覧
俳優 役名 役柄
後藤久美子 石岡弓子 殺人現場を目撃した人権派弁護士
武井咲 井野聖良 素顔を隠して活動する覆面アーティスト
緒形直人 岩城昌義 聖良たちを取り巻く重要人物
平岡祐太 高木信介 聖良の才能を見いだす音楽プロデューサー
吉柳咲良 石岡紗由美 弓子の娘
前田拳太郎 森尾亘 聖良と交際していた若手俳優
駒木根葵汰 和田友彦 関係者
川瀬莉子 伊藤左希 亘のマネージャー
陣内孝則 大西彰 芸能事務所社長
上川隆也 進藤薫 事件を追う刑事

このほか、川﨑麻世、西尾まり、佐戸井けん太、平泉成らも出演しています。キャストと役名はテレビ朝日の公式相関図・出演者情報に基づくものです。

【歴代作品を比較】1957年映画から1999年・2009年・2013年版まで

顔松本清張

『顔』は1957年の映画化を皮切りに、テレビドラマとしても何度も制作されてきました。注目したいのは、映像化のたびに主人公の性別や職業、事件の背景が変わっていることです。

松本清張作品の最初の映画化作品として知られる1957年版は、原作の男性俳優を女性ファッションモデルに変更しました。その後も、女優を目指す女性を主人公にした作品や、原作に近い男性俳優の物語など、異なる方向性の作品が生まれています。

年代別の映像化・キャスト比較
年代 作品・出演者 設定・特徴 1956年 原作・松本清張 映画俳優を目指す井野良吉と目撃者・石岡貞三郎を描く短編小説。 1957年 映画版・岡田茉莉子、大木実、笠智衆 主人公を女性モデルの水原秋子に変更。松竹制作、105分のモノクロ映画。 1999年 戸田菜穂、斉藤慶子、石黒賢 女優志望の井野良子を主人公にしたTBS版。脚本は大石静。 2009年 谷原章介、原田夏希、高橋和也 映画俳優を目指す男性・井野良吉を主人公にしたNHK版。 2013年 松雪泰子、田中麗奈、坂口憲二 戦後の九州を舞台に、大女優を夢見る小暮涼子を描くフジテレビ版。 2024年 後藤久美子、武井咲、緒形直人 覆面アーティストと弁護士を中心にしたテレビ朝日の現代版。

この一覧は主要な映像化作品を抜粋したものです。1957年以降、ほかにも1958年、1959年、1962年、1963年、1966年、1978年、1982年などにテレビドラマ化されています。1999年版が最初のドラマ化というわけではありません。

1957年映画版:岡田茉莉子が演じた水原秋子

1957年1月22日に公開された松竹映画版は、松本清張作品の最初の映画化作品です。監督は大曾根辰夫、脚色は井手雅人と瀬川昌治、出演は岡田茉莉子、大木実、笠智衆ら。

原作の映画俳優志望の男性を、ファッションモデルとして成功した女性・水原秋子に置き換えたことが大きな特徴です。秋子はモデルとしての地位を失いたくない一方、過去を知る飯島という男性に苦しめられています。

夜行列車の中で飯島が転落死し、刑事たちは事件を捜査。やがて目撃者の石岡三郎が浮上します。松竹の公式作品データベースによると、映画の終盤では、刑事が秋子の最後のショーに石岡を連れてきますが、石岡は犯人はいないと告げます。原作とは異なる印象的な幕切れです。

1999年版:戸田菜穂が演じた井野良子

1999年10月7日にTBS系で放送された『松本清張特別企画・顔』は、戸田菜穂を主演に迎えた作品です。

主人公の井野良子は、女優になる夢を追いかけて上京した女性。昼間は劇団で活動し、夜はスナックで働きながら生活しています。恋人の寺島則夫から結婚を勧められるものの、良子は女優として成功する道を諦められません。

やがて劇団員の吉脇真に惹かれた良子は、嫉妬した則夫から過去の写真をばらまくと脅されます。朝ドラのヒロイン役を目前にして、良子は則夫を殺害。その移動中に、かつての同級生・石岡貞子に顔を見られてしまいます。

斉藤慶子、石黒賢、赤井英和、袴田吉彦、小林稔侍らが共演。脚本は大石静、演出は大岡進です。TBSの番組情報でも、女優としての成功と犯罪を隠す恐怖を中心にした作品として紹介されています。

2009年版:谷原章介が原作に近い男性主人公を演じる

2009年12月29日にNHKで放送された『松本清張ドラマスペシャル 顔』は、谷原章介が井野良吉を演じた作品です。

井野は映画で注目され、大作への出演をつかみます。しかし、9年前に恋人の山田ミヤ子を殺害した過去があり、事件現場へ向かう列車で石岡貞三郎に目撃されていました。

映画俳優として有名になればなるほど、目撃者に自分の顔を知られる危険が増していく。成功を望む気持ちと過去が暴かれる恐怖が正面から衝突する構成で、原作の心理サスペンスに比較的近い作品です。

共演は原田夏希、高橋和也、大地康雄ら。脚本は中園健司、演出は伊勢田雅也が担当しました。NHKエンタープライズの作品紹介でも、名声への執着と破滅への恐怖が作品の中心として説明されています。

2013年版:松雪泰子が演じた小暮涼子

2013年10月3日にフジテレビ系で放送された『松本清張スペシャル 顔』では、松雪泰子が小暮涼子を演じました。

舞台は昭和22年、戦後の九州です。涼子は大衆酒場で働きながら、東京に出て大女優になる夢を抱いています。そんな彼女は飯村恭三と知り合い、映画監督を紹介すると言われて資金を渡します。しかし、それは飯村の嘘でした。

夢を壊された涼子は飯村を温泉旅行に誘い、包丁で刺殺。証拠を処分して上京しますが、飯村を妹のように慕っていた瀬川真奈美に目撃されていたことが不安の種になります。

田中麗奈が真奈美、坂口憲二が飯村、稲森いずみが大女優の五十嵐晶子を演じました。原作の「夢を追う者が過去の犯罪に追われる」という骨格を残しながら、戦後の社会状況や女性の職業的成功への願望を物語に取り込んでいます。

【原作とドラマの違い】なぜ主人公や設定が変わったのか?

『顔』の映像化で最も興味深いのは、作品ごとに主人公の職業や性別を変えながら、物語の核心を維持している点です。

変わらないのは「顔を知られる恐怖」

原作の井野良吉は、映画俳優として有名になろうとしています。顔が売れることは成功の証しですが、過去を知る目撃者に自分の存在を認識される危険も高まります。

この矛盾は、1957年版では女性モデル、1999年版と2013年版では女優志望の女性という形で描かれました。2024年版では、顔を公開しない覆面アーティストという設定に変わっています。

つまり、職業は違っても「人に見られることが成功につながる一方、過去を知られる危険にもつながる」という構造は共通しています。

2024年版は目撃者の側にも焦点を当てた

原作では、犯罪を犯した井野の心理と、目撃者である石岡との関係が物語を牽引します。一方、2024年版は弓子を人権派弁護士に設定することで、犯罪を知った人物がどのように正義と向き合うかという問題も前面に押し出しました。

弓子には弁護士としての責任があり、聖良には犯罪を犯した過去があります。それでも、聖良の人間性や置かれた状況を理解する余地がある。この二人の関係性が、現代版ならではのドラマ性を生み出しています。

作品ごとの違いを整理すると

- 1957年版: ファッションモデルの成功と過去の秘密を描く映画的なサスペンス。
- 1999年版: 女優への執念と恋愛関係、嫉妬や脅迫を絡めた人間ドラマ。
- 2009年版: 原作に近い男性俳優の成功願望と、目撃者に正体を知られる恐怖。
- 2013年版: 戦後社会を背景に、女性が夢を追う過程と犯罪の代償を描く。
- 2024年版: 顔を隠すアーティストと、真相を知る弁護士の対立と葛藤。

テレビ朝日の公式インタビューで後藤久美子は、2024年版について、小説の柱となる部分や根本的な骨組みを生かして膨らませた物語だと説明しています。これは原作の忠実な再現ではなく、時代に合わせた再構成として見るべき作品です。

【結末ネタバレ】原作・1957年映画・2024年ドラマの最後はどうなる?

ネタバレあり

ここからは物語の結末に触れます。未視聴の方はご注意ください。

原作小説の結末

原作では、井野良吉は俳優として成功する機会を得る一方、過去の殺人を知る石岡貞三郎の存在を恐れ続けます。

井野は石岡が自分を覚えているかどうかを気にしますが、目撃当時の顔が明確に記憶されていないことから、一度は安堵します。

しかし、物語の最後に石岡は映画館で井野の出演する作品を見ます。そして、画面に映る井野の横顔や姿から、過去に列車で見た人物と同一人物だと気づきます。

人々に顔を知られることで成功するはずだった俳優が、まさにその成功によって過去の犯罪を暴かれる。この皮肉こそ、原作の結末を際立たせる仕掛けです。

1957年映画版の結末

1957年の映画版は、原作とは異なる幕切れを採用しています。

秋子がモデルとしての最後のショーに出演すると、長谷川刑事は目撃者の石岡三郎を連れてきます。秋子は犯人として見破られることを恐れますが、石岡は刑事に対して犯人はいないと告げます。

この展開は、原作の犯罪者が成功によって追い詰められる構図とは異なる余韻を残します。松竹の公式あらすじで確認できる、映画版独自の重要な変更点です。

2024年テレビ朝日版の結末

2024年版では、聖良の素顔をめぐる弓子の記憶が終盤の鍵になります。

テレビで聖良が新曲を披露する場面で、これまで隠されていた顔が明らかになります。その姿を見た弓子は、かつて殺人現場で目撃した人物が聖良だったと確信します。

弓子は聖良のもとへ向かい、聖良は自分の正体が知られたことを悟ります。警察に連行されることになった聖良ですが、物語はそこで終わりません。

その後、弓子は拘置された聖良と面会し、彼女の弁護を引き受ける意思を伝えます。犯罪の事実を隠すことと、犯罪を犯した人間の権利を守ることは別の問題です。弓子の選択は、正義と人間への理解を両立させようとする2024年版のテーマを象徴しています。

原作が「顔を知られることで破滅する恐怖」を強く描いたのに対し、2024年版は「真実を知った後、その人物とどう向き合うか」まで踏み込んでいます。

【2026年最新】松本清張『顔』はNetflixで配信されている?

2026年11月5日時点で確認できる配信情報では、2024年版『松本清張 顔』はNetflix日本向けの作品ページに掲載されています。

Netflixの作品情報には、2024年制作、後藤久美子・武井咲・緒形直人らの出演者、覆面アーティストと弁護士をめぐるあらすじが掲載されています。したがって、Netflixで探す場合は「松本清張 顔」という作品名で検索すると見つけやすいでしょう。

配信・視聴先を確認するときの注意点
作品 確認できる情報 注意点
2024年版 Netflix日本向け作品ページ、TELASA作品ページ 国・地域や契約状況で視聴条件が異なる
2009年版 NHKエンタープライズの作品情報 DVDなどの取り扱いと配信状況は別
1999年版 TBSチャンネルの作品情報 現在の放送予定は掲載時点でなし
1957年映画 松竹の作品データベース 配信・映像ソフトの販売状況は別途確認が必要

2024年版についてはTELASAにも公式作品ページがあり、放送日や出演者、作品概要を確認できます。Apple TVにも作品情報が掲載されています。

なお、Netflixは国・地域によって作品の配信状況が異なります。日本向けページに掲載されていても、海外のアカウントから同じように視聴できるとは限りません。海外から視聴する場合は、利用地域のNetflixアプリで作品名を検索するのが確実です。

2026年の新作・再放送情報は?

2026年11月5日時点で、松本清張『顔』の新たな2026年版ドラマや映画について、確定した公式放送発表は確認できません。直近の主要な新作映像化は、テレビ朝日が制作した2024年版です。

一方、松本清張作品全体では、2026年にもBSテレビ東京で短編時代劇のシリーズが放送されています。『顔』そのものの新作情報とは区別する必要があります。

どの作品から見るのがおすすめ?

- 原作の心理サスペンスを味わいたい人: 1956年の短編小説、または2009年の谷原章介版。
- 昭和映画の雰囲気を楽しみたい人: 1957年の岡田茉莉子版。
- 女性主人公の葛藤を見たい人: 1999年の戸田菜穂版、2013年の松雪泰子版。
- 現代的な設定と二人の女性の対立を楽しみたい人: 2024年の後藤久美子・武井咲版。

特に初めて『顔』に触れる人には、2024年版から入り、その後に原作を読む順番がおすすめです。主人公の設定がどれほど変わっても、目撃者に顔を覚えられる恐怖という根本の仕掛けが残っていることを実感できます。

【よくある質問】松本清張『顔』に関するFAQ

Q1:松本清張『顔』の原作はいつ発表されましたか?
A1:1956年8月号の『小説新潮』に掲載された短編小説です。同年10月に短編集『顔』に収録され、1957年には第10回日本探偵作家クラブ賞を受賞しました。

Q2:2024年版『顔』の主演は誰ですか?
A2:後藤久美子と武井咲のダブル主演です。後藤が人権派弁護士の石岡弓子、武井が覆面アーティストの井野聖良を演じています。

Q3:1957年の映画版で岡田茉莉子が演じた役は何ですか?
A3:ファッションモデルの水原秋子です。原作の男性主人公を女性モデルに変更した作品で、1957年1月22日に松竹から公開されました。

Q4:1999年版と2009年版の主演俳優は誰ですか?
A4:1999年のTBS版は戸田菜穂、2009年のNHK版は谷原章介です。1999年版は女優志望の女性、2009年版は原作に近い映画俳優志望の男性を主人公にしています。

Q5:2013年版『顔』には誰が出演していますか?
A5:松雪泰子、田中麗奈、坂口憲二、武田真治、稲森いずみらが出演しています。松雪泰子が大女優を夢見る小暮涼子を演じました。

Q6:2024年版『顔』はNetflixで見られますか?
A6:Netflix日本向けの作品ページに掲載されています。ただし、配信地域や契約状況によって視聴できない場合があります。

Q7:原作と2024年版で最も大きく違う点は何ですか?
A7:主人公の職業と目撃者の設定です。原作では映画俳優を目指す男性と男性の目撃者が中心ですが、2024年版では覆面アーティストの女性と人権派弁護士の女性が中心となっています。

松本清張の『顔』は、1956年に発表された短編小説を原点として、1957年の岡田茉莉子主演映画、1999年の戸田菜穂版、2009年の谷原章介版、2013年の松雪泰子版、そして2024年の後藤久美子・武井咲版へと受け継がれてきました。

映像化作品を比較すると、主人公の性別や職業、事件の背景、結末に至るまで、それぞれの時代に合わせた変更が加えられています。しかし、成功を望む人物が過去の犯罪と目撃者の存在に追い詰められていくという基本構造は一貫しています。

特に2024年版は、覆面アーティストと弁護士という現代的な設定を通じて、犯罪の真実を明らかにすることと、罪を犯した人間の権利を守ることの両立を描きました。

原作の緻密な心理描写を重視するなら短編小説や2009年版、女性主人公の人生と葛藤に注目するなら1999年版・2013年版、現代的なサスペンスを楽しむなら2024年版がおすすめです。

『顔』の本当の恐ろしさは、犯人が誰かに見られることだけではありません。成功するために見せたい顔と、決して知られたくない過去の顔。その二つを抱えて生きる人間の弱さこそ、発表から70年を経ても作品が読み継がれ、映像化される理由です。

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コンテンツディレクター 滑原 圭介
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旅行・観光を担当。現地の公式観光資料と営業情報を確認してから記事にします。

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