近本の価値は、2026年だけの好成績では測れない。2019年のプロ入りから阪神一筋で積み重ねてきた記録を見ると、安定した出場実績と走塁能力が長年の強みになっている。
NPB公式の個人年度別成績による2026年シーズン終了時点の通算記録は、次のとおりだ。
- 通算出場試合:1034試合
- 通算打率:.290
- 通算安打:1207安打
- 通算本塁打:53本
- 通算打点:321打点
- 通算得点:605得点
- 通算盗塁:212盗塁
特筆すべきは、1000安打を突破しただけでなく、通算212盗塁を記録している点だ。NPBの現役選手を対象とした通算盗塁ランキングでも、2026年シーズン終了時点で4位に位置している。
近本光司の主なタイトル・表彰歴近本の実績を整理すると、走攻守それぞれで高い評価を受けてきたことがわかる。
- 最多盗塁者賞:6回(2019年、2020年、2022~2025年)
- 最多安打者賞:1回(2021年)
- ベストナイン:5回(2021~2025年)
- ゴールデングラブ賞:5回(2021~2025年)
- NPB公式月間MVP:1回(2024年8月)
2025年の最多盗塁者賞は、4年連続で通算6度目の受賞だった。これはセ・リーグの最多盗塁王獲得回数におけるタイ記録であり、NPB公式の記録回顧にも掲載されている。
また、2025年にはベストナインとゴールデングラブ賞も5年連続で受賞。打撃だけでなく、外野守備でも継続して高い評価を得ている。
これらの表彰歴は、近本が単年の好調に依存する選手ではなく、複数年にわたってリーグ上位の外野手として活躍してきたことを示している。
【経歴・プロフィール】関西学院大学から2018年ドラフト1位へ

近本光司(ちかもと・こうじ)
阪神タイガース・背番号5
- 生年月日:1994年11月9日
- 出身地:兵庫県
- 身長・体重:171cm・71kg
- 投打:左投左打
- ポジション:外野手
- 経歴:社高校-関西学院大学-大阪ガス-阪神
- ドラフト:2018年1位
近本は兵庫県出身。2026年11月6日時点では31歳で、同月9日に32歳を迎える。プロ入り以前から俊足と打撃技術を兼ね備えた外野手として実績を積み重ねてきた。
社高校から関西学院大学へ近本は兵庫県立社高校で野球に取り組み、その後、関西学院大学法学部に進学した。関西学院大学の公式発表によると、大学ではリーグ戦5シーズンに出場し、通算43安打、打率.352を記録している。
特に注目されたのが3年生春のリーグ戦だ。打率.379を記録し、リーグ最多の10盗塁を決めてベストナインに選出された。現在の近本につながる打撃と走塁の基礎は、大学時代から高く評価されていた。
大阪ガスでの活躍がプロ入りを後押し大学卒業後は社会人野球の強豪・大阪ガスに進んだ。1年目からレギュラーを獲得し、2018年の第89回都市対抗野球大会では21打数11安打、打率.524という好成績を残した。
大会では首位打者に輝き、最優秀選手に相当する橋戸賞も受賞。チームの初優勝に貢献した。この社会人野球での活躍が、プロ球団からの高い評価につながった。
2018年ドラフト1位で阪神タイガースに入団2018年10月25日のドラフト会議で、阪神タイガースは近本を1位指名した。同年11月15日には球団との仮契約が完了。阪神が期待したのは、俊足を生かした出塁と走塁、そして外野のレギュラーを担える打撃能力だった。
2019年にプロデビューを果たすと、1年目から142試合に出場。36盗塁で盗塁王を獲得し、球団の期待に応えた。社会人野球で磨いた技術を、プロの舞台でも早い段階から結果に結びつけたのである。
【年俸推移】2026年は推定5億円、5年総額25億円の契約
近本光司の年俸は、プロ入り後の実績とともに大きく上昇している。2026年の推定年俸は5億円。阪神の主力選手としても高額な契約を結んでいる。
2025年オフには国内FA権を行使せず、阪神への残留を決断。日刊スポーツの報道によると、契約は5年総額25億円とされている。
年俸が上昇した背景年俸の推移を振り返ると、プロ入り当初の1,500万円から2026年の5億円まで、段階的に評価を高めてきたことがわかる。
- 2019年:1,500万円
- 2020年:4,500万円
- 2021年:7,500万円
- 2022年:1億5,000万円
- 2023年:1億7,000万円
- 2024年:3億2,000万円
- 2025年:3億7,000万円
- 2026年:5億円
これらは公表報道や選手データサイトに基づく推定額である。契約金額の内訳や出来高などがすべて公開されているわけではない。
近本の年俸上昇を支えた要素は、単純な打率や安打数だけではない。盗塁王6回、ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞5回という実績に加え、長年にわたって阪神の外野を支えてきた安定感が評価されている。
特に、2025年のFA権取得後に残留を選んだことは、球団との関係を考えるうえでも大きな転換点だ。5年契約は、球団が近本を短期的な戦力ではなく、中長期的なチームの中心選手として位置付けていることを示す。
【現在の評価】近本光司の本当の強みは打撃だけではない
近本の現在の評価を考えるとき、打率や盗塁数と同じくらい重要なのが外野守備と走塁能力だ。
1. 外野守備はリーグを代表する水準近本は2021年から2025年まで5年連続でゴールデングラブ賞を受賞している。2025年の受賞時には、外野手として5年連続5回目の受賞となった。
外野守備では、打球への反応、落下地点への移動、捕球後の送球まで複数の能力が問われる。近本はこうした守備面で継続的に評価されてきた。
外野の広い範囲をカバーできる選手がいることは、投手陣にとっても心強い。単純な打撃成績には表れにくい部分だが、チーム全体の守備力を支える役割を担っている。
2. 盗塁は数だけでなく成功率も重要近本の走塁能力を示す代表的な数字が、通算212盗塁と盗塁王6回という実績だ。
ただし、2026年の盗塁数は12。盗塁死も6回あり、2025年の32盗塁と比べると数字は落ちている。盗塁成功率を計算すると、2026年は約66.7%となる。
この数字だけで走力そのものが衰えたと判断することはできない。盗塁は相手投手のけん制、捕手の送球、試合展開、走者の状況などにも左右されるためだ。
一方で、盗塁を試みる回数と成功率の両方を高めることは、今後の課題として注目される。
3. 2026年は打撃の復調が大きな収穫2026年の打率.306は、前年の.279を上回る。出塁率も.374を記録しており、安打と四球の両面で塁に出る能力を示した。
一方、長打率は.392、ホームランは5本。近本の打撃は、長距離打者のように本塁打を量産するタイプというより、出塁と安打で攻撃の起点を作るタイプだ。
阪神打線においては、近本が塁に出ることで中軸打者に得点機会が生まれる。大山悠輔や佐藤輝明、森下翔太らと組み合わせたとき、近本の出塁能力は打順全体の機能にも影響する。
4. 現在の評価を判断する3つの基準2026年の近本を評価する際は、次の3点を分けて見ると実像がつかみやすい。
- 打撃面: 打率.306、出塁率.374という数字は高評価に値する。
- 走塁面: 12盗塁という数字だけでなく、盗塁死6回も考慮する必要がある。
- 守備面: 5年連続ゴールデングラブ賞という継続的な実績がある。
総合的に見ると、2026年は打撃の復調が目立つ一方、出場試合数と盗塁数には課題が残るシーズンだった。今後は安定した打撃を維持しながら、守備と走塁でどれだけ継続的に貢献できるかが評価のポイントになる。
【近本光司に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:近本光司の2026年の打率・安打数・盗塁数は?
A1:2026年は90試合に出場し、打率.306、114安打、12盗塁を記録した。出塁率は.374、長打率は.392だった。
Q2:近本光司は2026年に月間MVPを受賞した?
A2:2026年10月15日に阪神球団選定の9・10月度月間最優秀選手に選ばれた。26試合で39安打、打率.364を記録している。ただし、NPB公式の同期間のセ・リーグ月間MVP打者部門は大山悠輔が受賞した。近本は2024年8月にNPB公式月間MVPを受賞している。
Q3:近本光司の通算安打数と盗塁数は?
A3:2026年シーズン終了時点で、通算1207安打、212盗塁。通算打率は.290となっている。
Q4:近本光司は何年のドラフトで阪神に入団した?
A4:2018年のドラフト会議で阪神タイガースから1位指名を受け、2019年にプロ入りした。関西学院大学と大阪ガスを経てプロの世界に進んでいる。
Q5:近本光司の2026年の年俸はいくら?
A5:報道ベースの推定年俸は5億円。2025年オフにはFA権を行使せず阪神に残留し、5年総額25億円と報じられる契約を結んだ。
Q6:近本光司の盗塁王獲得回数は?
A6:通算6回。2019年、2020年、2022年、2023年、2024年、2025年に最多盗塁者賞を獲得している。
近本光司の2026年シーズンは、90試合で打率.306、114安打、12盗塁という成績だった。前年の打率.279から上昇し、9・10月には打率.364を記録。阪神球団選定の月間最優秀選手にも選ばれた。
通算成績は1207安打、212盗塁。盗塁王6回、ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞5回という実績は、阪神の中心選手として長年チームを支えてきた証しでもある。
2026年の評価で見逃せないのは、打撃成績の改善と走塁成績の変化が同時に起きていることだ。打率だけを見れば好調だが、盗塁数や出場試合数も含めて評価することで、より正確な選手像が見えてくる。
推定年俸5億円、5年総額25億円の契約を結んだ近本には、今後も阪神の攻撃と守備を支える役割が期待される。2026年に示した打撃の復調を継続し、再び安打数や盗塁数でもリーグ上位を争えるか。阪神タイガースの今後を占ううえでも、注目すべき選手の一人だ。
主な参照資料:日本野球機構(NPB)個人年度別成績・表彰記録、阪神タイガース公式サイト、関西学院大学公式発表、日刊スポーツ。