2026年11月5日現在、埼玉西武ライオンズの捕手・牧野翔矢は、2026年10月26日に球団から来季の契約を結ばない旨を通告された。2018年ドラフト5位で入団し、右肘のトミー・ジョン手術、育成契約、支配下復帰を経験しながら8年間プロの世界で戦ってきた選手にとって、大きな転換点となる発表だ。
牧野翔矢はどんな選手だったのか。遊学館高校時代から西武での一軍出場記録、年度別成績、二軍での実績、2024年の背番号53への復帰までを振り返る。加えて、2026年の戦力外通告に至った背景と、現役続行を含めた今後の去就についても整理する。
【プロフィール】牧野翔矢とは?遊学館高校から西武に入団した捕手

牧野翔矢は、石川県出身の右投左打の捕手。高校時代から将来性を評価され、2018年のプロ野球ドラフト会議で埼玉西武ライオンズから5位指名を受けた。
NPBの公式選手情報によると、基本プロフィールは次のとおりだ。
- 名前: 牧野翔矢(まきの・しょうや)
- 生年月日: 2001年3月4日
- 年齢: 25歳(2026年11月現在)
- 出身地: 石川県
- 身長: 178cm
- 体重: 80kg
- 投打: 右投左打
- ポジション: 捕手
- 出身高校: 遊学館高校
- ドラフト: 2018年ドラフト5位
- 所属球団: 埼玉西武ライオンズ(2026年10月26日に来季契約を結ばない旨を通告)
- 主な背番号: 117、53
牧野の特徴として挙げられるのが、捕手としての強い送球だ。スポーツナビの選手紹介でも「矢のような送球が魅力の捕手」と紹介されている。
打撃面では左打ちという特徴を持ち、捕手としての守備力とともに、攻撃面での成長も期待されてきた。
2018年ドラフト5位で西武が指名した理由牧野が指名された2018年10月25日のドラフト会議では、西武は遊学館高校の牧野を5位で選択した。
当時、球団の渡辺久信シニアディレクター兼編成部長は、捕手を獲得できたことについて将来性を評価するコメントを残している。
高校生捕手は、プロ入り直後から一軍で活躍するケースばかりではない。捕球、送球、投手とのコミュニケーション、試合状況に応じた判断など、身につけるべき技術が多いからだ。
牧野も西武で経験を積みながら、将来の正捕手候補の一人として育成されていった。
当時の期待を考えると、今回の戦力外通告は、長く成長を見守ってきたファンにとっても重いニュースとなった。
【経歴と転機】トミー・ジョン手術から育成契約、支配下復帰まで
牧野翔矢のプロ生活を振り返るうえで欠かせないのが、度重なる故障と、それを乗り越えようとしたリハビリ期間だ。
入団後、順調に一軍への道を進んでいたわけではない。特に2022年の右肘手術は、その後のキャリアを大きく左右した。
2020年:右手の有鈎骨骨折で出場機会が減少プロ2年目の2020年、牧野は右手の有鈎骨骨折に伴う手術を経験した。
Full-Countの2023年の取材記事によると、この故障によって出場機会が減少した。
捕手はバットを握るだけでなく、捕球や送球でも手首や腕に負担がかかるポジションだ。故障からの回復と技術向上を並行して進めなければならない難しさがあった。
2022年:開幕一軍入りと右肘のトミー・ジョン手術2022年は牧野にとって大きな節目となった。
開幕一軍入りを果たし、プロ初出場を経験。NPBの年度別成績では、この年に一軍11試合へ出場し、4安打、2打点、打率.138を記録している。
しかし、シーズン途中に右肘の状態が悪化する。
埼玉西武ライオンズは2022年6月21日、牧野の手術終了を公式発表した。
手術日は6月13日。内容は右肘内側側副靱帯再建術および関節鏡視下クリーニング術で、実戦復帰まで約1年を要する見込みとされた。
いわゆるトミー・ジョン手術である。
長期離脱を余儀なくされた牧野にとって、プロ入り後初めて直面する大きな試練だった。
2023年:育成契約と背番号117での再出発2022年の手術を受け、牧野は翌2023年から育成選手として再出発した。
背番号は117。支配下登録を外れたものの、現役選手として競技を続け、リハビリと実戦復帰を目指した。
2023年6月16日には代打で実戦復帰。翌17日のイースタン・リーグ公式戦では、今井達也とバッテリーを組んでスタメンマスクをかぶった。
当時の報道では、牧野は右肘の状態を確認しながら、段階的に実戦経験を取り戻していた。
また、リハビリ期間中には岡田雅利ら先輩捕手から捕手としての考え方や試合の見方を学んでいたことも報じられている。
単に手術前の状態に戻すだけではなく、捕手としての技術を磨き直す期間でもあった。
2024年6月25日:背番号53で支配下復帰牧野のキャリアにおける大きな成功体験が、2024年6月25日の支配下復帰だ。
西武は同日、牧野と支配下選手契約を締結したと発表。育成時の背番号117から、背番号53へ変更された。
当時のファームでは19試合に出場し、打率.317を記録していた。
球団の発表では、渡辺久信GM兼監督代行も、手術を乗り越えて育成期間中に調子を上げてきたことを評価。今後の一軍戦力として期待を寄せた。
牧野自身も復帰について、リハビリ中に焦りを感じたことを振り返りながら、支配下契約を喜んでいた。
加えて、2026年10月26日に公開された本人コメントでは、支配下復帰の日に同期の渡邉勇太朗とバッテリーを組み、完封勝利で一緒にお立ち台に立った経験を、特に印象深い思い出として挙げている。
育成契約から支配下に戻るという、牧野にとって大きな目標を達成した瞬間だった。
【年度別成績】牧野翔矢の一軍・二軍成績を比較
牧野のプロ生活を数字から振り返ると、2022年の一軍デビュー、2024年の支配下復帰、2025年の出場機会増加という流れが見えてくる。
一方、2026年は一軍出場がなく、ファームでの出場にとどまった。
一軍の年度別成績NPB公式の個人年度別成績によると、一軍での通算成績は次のとおりだ。
| 年度 | 一軍出場試合 | 打率 | 安打 | 本塁打 | 打点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 11 | .138 | 4 | 0 | 2 |
| 2023年 | 0 | ― | ― | ― | ― |
| 2024年 | 10 | .050 | 1 | 0 | 0 |
| 2025年 | 29 | .213 | 13 | 0 | 0 |
| 2026年 | 0 | ― | ― | ― | ― |
| 通算 | 50 | .164 | 18 | 0 | 2 |
※2026年は一軍出場なし。通算成績はNPB公式掲載値。
特に注目したいのは2025年だ。
一軍29試合に出場し、13安打、打率.213を記録。2024年の10試合から出場機会を増やし、プロ入り後では最も多い一軍出場試合数となった。
ただし、打撃面では本塁打がなく、通算打率も.164にとどまっている。
捕手は守備面の貢献も大きいポジションだが、限られた打席で結果を残すことも一軍定着には欠かせない。
2026年の二軍成績は?2026年のファーム成績は、スポーツナビの10月25日更新データで以下のようになっている。
| 項目 | 2026年ファーム成績 |
|---|---|
| 試合数 | 31 |
| 打席 | 76 |
| 打数 | 64 |
| 安打 | 12 |
| 打率 | .188 |
| 本塁打 | 1 |
| 打点 | 5 |
| 得点 | 8 |
| 四球 | 11 |
| 三振 | 12 |
| 出塁率 | .307 |
| 長打率 | .234 |
| OPS | .541 |
| 失策 | 1 |
2026年は二軍31試合に出場したものの、打率は.188だった。
四球11に対して三振12という数字は、選球面で一定の成果が見られる一方、安打を積み重ねる点では課題が残ったことを示している。
なお、二軍の年度別成績を比較すると、次のような推移も確認できる。
| 年度 | ファーム出場試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 1 | .000 | 0 | 0 |
| 2024年 | 36 | .259 | 0 | 10 |
| 2025年 | 24 | .224 | 0 | 7 |
| 2026年 | 31 | .188 | 1 | 5 |
2024年はファームで打率.259を記録しており、支配下復帰後の一軍出場にもつながった時期だった。
2025年も一軍29試合に出場するなど一定の前進があったが、2026年は二軍での打率が低下し、一軍への復帰は実現しなかった。
ここで重要なのは、牧野の評価を打率だけで判断しないことだ。捕手の場合、送球、捕球、投手との連携、試合運びなども評価対象となる。
ただし、公開されている年度別成績からは、打撃面で継続的に一軍の競争を勝ち抜くほどの結果を残せなかったことも読み取れる。
【2026年10月26日】牧野翔矢に戦力外通告!理由と球団発表の背景
2026年10月26日、埼玉西武ライオンズは牧野翔矢を含む7選手に対し、来季の契約を結ばない旨を通告したと公式発表した。
牧野にとっては、2018年の入団から続いた西武での8年間に区切りをつける知らせとなった。
西武が発表した戦力外通告の対象選手10月26日の発表対象は以下の7人。
| 選手名 | ポジション | 契約区分 |
|---|---|---|
| 糸川亮太 | 投手 | 支配下 |
| 青山美夏人 | 投手 | 支配下 |
| 佐々木健 | 投手 | 育成 |
| 牧野翔矢 | 捕手 | 支配下 |
| 茶野篤政 | 外野手 | 支配下 |
| 古川雄大 | 外野手 | 支配下 |
| 林冠臣 | 外野手 | 支配下 |
牧野は今回の対象者のうち、捕手として発表された唯一の選手だった。
球団の発表では、7選手それぞれがコメントを公表している。
牧野は8年間の在籍を振り返り、育成選手から支配下に戻れた経験への感謝を表明。その一方で、自分が思い描いていたような選手生活にはできなかったという悔しさも明かした。
特にファンに向けては、次のように述べている。
結果を残せず、チームに貢献できなかったことは本当に悔しい。
このコメントからは、支配下復帰を果たした後も一軍で定着できなかったことへの本人の思いが伝わる。
戦力外通告の理由は何だったのか?牧野個人について、球団は打撃成績や守備力、故障など、特定の項目を戦力外通告の直接的な理由として公表していない。
ただし、2026年のチーム編成をめぐる状況は判断材料になる。
日刊スポーツの10月26日の報道によると、西武は10月25日時点で、現役引退する栗山巧を除く支配下契約選手69人を抱えていた。
さらに2026年のドラフト会議では、支配下選手として5人の交渉権を獲得。70人の支配下登録枠を踏まえた編成上の調整が必要な状況だった。
球団は秋季練習やフェニックス・リーグなども通じて選手の状態を見極め、ドラフトで獲得した選手との比較も進めていたと報じられている。
牧野について考えられる評価材料は、主に次の3点だ。
1.一軍での出場機会を継続的に確保できなかったこと
2025年には29試合に出場したものの、2026年は一軍出場がなかった。支配下復帰後、一軍で継続的に出場する立場を確立できなかった点は、編成上の判断材料になった可能性がある。
2.ファームでの打撃成績
2026年の二軍打率は.188。31試合に出場し、本塁打1本、打点5という成績だった。
捕手としての守備面とは別に、打撃でアピールを続ける必要があったことは数字からも分かる。
3.チーム全体の捕手・選手枠の競争
西武は複数の捕手を抱え、若手選手も含めた競争を進めていた。支配下登録枠の制約に加え、ドラフトでの新戦力獲得もあり、各ポジションの編成を見直す必要があった。
ただし、これらは公開された成績や球団全体の編成状況から見える背景であり、牧野個人に対する球団の正式な査定理由そのものではない。
【プロの結論】牧野翔矢の今後の去就を左右する3つのポイント
2026年11月5日現在、牧野翔矢の次の所属先や現役引退について、正式な発表は確認されていない。
西武から来季契約を結ばない旨を通告されたことは確かだが、それだけでプロ野球選手としてのキャリアが終わったわけではない。
25歳という年齢を考えても、今後の選択肢は残されている。
1.NPB他球団への移籍と現役続行まず考えられるのが、他球団での現役続行だ。
牧野は2018年のドラフト5位で入団し、一軍通算50試合に出場している。
また、右肘のトミー・ジョン手術から復帰し、育成契約を経て支配下に戻った経験も持つ。
捕手というポジションは、各球団で必要とされる選手のタイプが異なる。守備力、送球、投手との相性、打撃などを総合的に評価される。
牧野にとっては、これまで培った捕手としての技術と、支配下復帰を実現した経験をどうアピールできるかがポイントになる。
ただし、現時点で他球団からの獲得発表や具体的な交渉報道は確認されていない。
2.独立リーグなどでプレーを続ける可能性NPB以外の選択肢としては、独立リーグなどで現役を続ける道もある。
独立リーグは、NPB復帰を目指す選手が実戦経験を積む場にもなっている。
牧野の場合、捕手として試合に出続けながら、打撃成績を改善することが次のステップにつながる可能性がある。
ただし、独立リーグへの入団が決まったという情報はなく、あくまで考えられる進路の一つだ。
3.現役引退とセカンドキャリアもう一つの選択肢は、現役引退だ。
牧野は球団発表のコメントで、8年間のプロ生活を振り返り、先輩やコーチ、後輩への感謝を述べた。
育成契約から支配下復帰を果たした経験は、本人にとって大きな財産になったはずだ。
ただし、今回のコメントは西武への感謝と悔しさを語ったものであり、現役引退を明言したものではない。
したがって、戦力外通告と引退決定を混同しないことが大切だ。
今後の注目点今後、牧野の去就を判断するうえで確認したいのは、次の情報だ。
- 本人による現役続行または引退の表明
- NPB他球団からの獲得発表
- 独立リーグなどへの入団情報
- 合同トライアウトへの参加や評価
- 今後の捕手としての活動状況
特に注目したいのは、牧野がもう一度、実戦の舞台で捕手としての能力を示す機会を得られるかどうかだ。
【牧野翔矢】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:牧野翔矢は2026年に戦力外通告を受けたの?
A1:はい。2026年10月26日、埼玉西武ライオンズが来季の契約を結ばない旨を正式発表した。牧野は対象となった7選手のうち、捕手として唯一名前が挙がっている。
Q2:牧野翔矢が戦力外になった理由は?
A2:球団から個人の具体的な査定理由は公表されていない。2026年は一軍出場がなく、二軍では31試合、打率.188だった。また、チーム全体の支配下登録枠やドラフトによる戦力補強も編成上の背景として報じられている。
Q3:牧野翔矢はトミー・ジョン手術を受けたの?
A3:はい。2022年6月13日に右肘内側側副靱帯再建術などの手術を受けた。2023年から育成契約となり、背番号117で再出発。2024年6月25日に支配下復帰し、背番号53を着けた。
Q4:牧野翔矢の一軍通算成績は?
A4:NPB公式記録によると、一軍通算50試合、119打席、18安打、2打点、打率.164。本塁打は0本となっている。
Q5:牧野翔矢は2026年11月現在、どこの球団に所属している?
A5:2026年10月26日に西武から来季契約を結ばない旨を通告されている。11月5日時点で新しい所属先や現役引退についての正式発表は確認されていない。
牧野翔矢は2018年ドラフト5位で遊学館高校から西武に入団した捕手だ。
プロ入り後は2020年の右手有鈎骨骨折、2022年の右肘トミー・ジョン手術など、故障に苦しむ時期を経験した。
それでも2023年に育成契約で再出発し、2024年6月25日には背番号53で支配下復帰を果たした。育成から支配下へ戻った経験は、8年間のプロ生活を象徴する大きな出来事だった。
しかし、2025年の一軍29試合出場を最後に、2026年は一軍出場なし。ファームでは31試合、打率.188という成績にとどまり、10月26日に西武から来季契約を結ばない旨を通告された。
今回の発表で確定したのは、西武との来季契約がないということだ。現役引退が決まったわけではなく、今後の進路にはまだ注目する余地がある。
牧野翔矢のキャリアを評価するうえで忘れてはならないのは、育成契約から一度は支配下復帰を実現したことだ。
一軍定着という目標には届かなかったものの、長期離脱を乗り越えて再び支配下選手としてプレーした事実は残る。
25歳の捕手が次の舞台を選ぶのか、それとも8年間のプロ生活に区切りをつけるのか。今後の正式発表が待たれる。
主な確認資料:埼玉西武ライオンズ公式発表、NPB公式個人年度別成績、スポーツナビ、日刊スポーツ、Full-Count(2026年11月5日時点)。