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【敬語の違い】「承知しました」「承知いたしました」「かしこまりました」を徹底比較

倉持 玲奈 倉持 玲奈 • 更新: • 公開: • 読了約 14 分
目次

「了解です」を別の表現に変えようとすると、今度は「承知しました」と「かしこまりました」のどちらを使えばよいのか迷うことがある。

この3つは似た意味を持つものの、言葉に含まれるニュアンスが異なる。単純に丁寧さの順番だけで覚えるより、それぞれが何を伝える表現なのかを理解すると使い分けやすい。

「承知しました」はビジネスで幅広く使える

「承知しました」は、相手の話や事情を理解し、その内容を受け入れたことを伝える表現だ。

上司からの指示、先輩からの依頼、社内の業務連絡など、幅広い場面で使用できる。丁寧さと自然さのバランスがよく、日常的なビジネス敬語として使いやすい。

承知しました。ご依頼いただいた資料を確認し、明日までに提出いたします。

単に「分かった」と伝えるだけでなく、その後の対応まで明示すると、仕事上の責任感も伝わる。

「承知いたしました」はさらに改まった表現

「承知いたしました」は、「承知しました」よりも丁重な印象を与える言い方だ。

「いたす」は「する」の謙譲語として使われるため、自分側の行為をへりくだって表現できる。取引先や顧客、役職の高い相手へのメールなど、より丁寧な応対が必要な場面に向いている。

ご提示いただいたスケジュール変更の件、承知いたしました。社内で共有のうえ、対応を進めてまいります。

なお、「承知いたしました」は二重敬語ではない。「承知いたしました」という形は、ビジネスシーンで広く使われている適切な表現だ。

「かしこまりました」は相手の依頼を謹んで受ける言葉

「かしこまりました」は、相手の指示や要望を謹んで受け入れる意味を持つ。

ホテル、飲食店、受付、コールセンターなど、顧客への接遇でよく使われる。取引先からの依頼に対しても使用でき、相手を立てる姿勢を明確に示せる。

かしこまりました。ご希望の日時で手配させていただきます。

一方、社内の親しい同僚に何度も「かしこまりました」と返すと、かえって距離を感じさせる場合がある。必要以上に堅苦しい言葉を使うことが、必ずしも円滑なコミュニケーションにつながるわけではない。

3つの表現の違いを整理
表現 主なニュアンス 適した相手
了解です 内容を理解した 同僚・親しい先輩
了解しました 丁寧に理解を伝える 同僚・部下
承知しました 理解して受け入れる 上司・先輩
承知いたしました より丁重に受け入れる 取引先・上司・顧客
かしこまりました 謹んで依頼を受ける 顧客・取引先・目上
承りました 謹んで引き受ける・受け取る 顧客・取引先

この表は実務上の使い分けの目安であり、絶対的な敬語の序列ではない。重要なのは、相手の言葉を理解したのか、依頼を引き受けたのか、正式に対応を約束したのかを区別することだ。

【実践例文】メール・ビジネスチャットで使える言い換え表現

了解です失礼

ビジネスメールやチャットでは、返事が短すぎると冷たい印象を与えたり、業務の認識に食い違いが生じたりすることがある。

特に「了解です」だけで返信するより、何を理解し、次に何をするのかを補足したほうが、相手にとって分かりやすい。

取引先へのメール返信例

取引先から納期や打ち合わせ日程について連絡が届いた場合は、次のように返信できる。

件名:Re:納期変更について

株式会社〇〇
〇〇様

いつもお世話になっております。

納期変更の件、承知いたしました。

ご連絡いただいた日程に合わせて準備を進めてまいります。

引き続きよろしくお願いいたします。

「了解です」を「承知いたしました」に置き換え、対応方針まで伝えることで、社外向けの返信として整った印象になる。

上司へのメール返信例

上司から資料の修正や業務の進め方について指示された場合は、以下のような表現が適している。

〇〇課長

お疲れさまです。

ご指示いただいた資料修正の件、承知しました。

本日中に修正を完了し、改めてご報告いたします。

よろしくお願いいたします。

社内の上司には「承知しました」で十分丁寧に伝えられる。より改まった関係や正式な報告では「承知いたしました」に変えてもよい。

ビジネスチャットでの短い返信例

チャットではメールほど長い文章にする必要はない。ただし、短文でも敬意と対応内容を伝える工夫はできる。

シーン おすすめの返信
上司からの指示 承知しました。すぐに対応します。
取引先からの依頼 承知いたしました。確認してご連絡いたします。
同僚からの連絡 了解です。ありがとうございます。
会議日時の変更 承知しました。変更後の日時で参加します。
資料確認の依頼 承知いたしました。確認後に共有いたします。
顧客からの要望 かしこまりました。ご希望に沿って手配いたします。

ビジネスチャットで特に注意したいのは、スタンプやリアクションだけで済ませる場面だ。社内で共通認識ができていれば問題ない場合もあるが、期限や重要事項を含む依頼では、文章で受領を明確にするほうが確実だ。

「了解です」以外に使える7つの言い換え表現

「了解です」を使わずに返答したい場合、次の表現も覚えておくと便利だ。

1. 承知しました:上司や先輩への一般的な返答。
2. 承知いたしました:取引先や改まったメールでの返答。
3. かしこまりました:顧客や相手の依頼を謹んで受けるとき。
4. 承りました:注文・依頼・伝言などを受け付けたとき。
5. 確認いたしました:資料や情報を実際に確認したとき。
6. 拝承いたしました:非常に改まった文書などで使われる表現。ただし日常的な返信には堅すぎる。
7. ご指示の件、対応いたします:内容を理解しただけでなく、実行する意思を示すとき。

特に「確認いたしました」は、単に依頼を受け取っただけではなく、実際に内容を確認した場合に使う言葉だ。まだ確認していない段階で使用すると、事実と異なる返答になってしまう。

【失礼を防ぐ判断基準】「了解です」を使ってよい場面・避けたい場面

ここまでの違いを踏まえると、「了解です」を使うかどうかは、相手の立場だけでなく、返答の目的によっても判断できる。

「了解です」を使っても問題になりにくいケース

次のような場面では、「了解です」を使用しても不自然になりにくい。

- 親しい同僚との日常的な連絡
- 普段からフランクなやり取りをしているチーム内の会話
- 社内で「了解です」が共通の返答として定着している場合
- 簡単な予定変更や集合時間の確認
- 相手との上下関係を強く意識する必要がない会話

ただし、同僚であっても、重要な契約や正式な業務依頼に関する連絡では、内容に応じて丁寧な返答に切り替えるとよい。

「了解です」を避けたほうがよいケース

一方、次のような場面では「承知しました」「承知いたしました」などを選ぶことをおすすめする。

- 初めて連絡する取引先
- 重要な顧客や役職者とのメール
- 上司からの正式な業務指示
- クレームやトラブルへの対応
- 契約・納期・金額など重要事項の確認
- 相手が敬語や礼儀を重視する職場

ここでの要点は、相手が不快に感じる可能性をできるだけ減らすことだ。「了解です」が間違っているから避けるのではなく、より丁寧で誤解の少ない言葉があるため、そちらを選ぶという考え方が適している。

「了解いたしました」なら上司に使ってもよい?

「了解いたしました」は、「了解しました」に「いたす」という謙譲語の要素を加えた表現だ。国立国語研究所の解説でも、丁寧さを高める形として紹介されている。

したがって、文法上、目上の人に使うことが一律に禁止されているわけではない。

ただし、「了解」という語そのものに待遇を示す要素がないことや、一般的なビジネスマナーでは「承知いたしました」が好まれることを考えると、上司や取引先への返答には後者を選ぶほうが安心だ。

「了解いたしました」を使うことにこだわる必要はない。相手との関係が分からない場合は「承知いたしました」に統一しておくと、言葉選びに迷う場面を減らせる。

2026年のビジネスマナーで大切なのは形式より伝わり方

文化庁の「敬語の指針」では、敬語の使い方を過度に固定的なマニュアルにしてしまうことにも注意を促している。

敬語は、相手との関係や場面に合わせて主体的に選ぶものだ。世代や職場によって言葉に対する感覚が異なることも、同指針で触れられている。

この考え方は、メールだけでなく、SlackやMicrosoft Teamsなどのチャットを使う職場にも通じる。短く効率的に返事をすることと、相手への配慮を示すことは両立できる。

例えば「承知しました。15時までに共有します」と一文添えるだけで、受け取ったことと次の行動が明確になる。敬語の形式に気を取られすぎず、仕事を円滑に進めるための返答を意識したい。

【よくある質問】「了解です」は失礼なのか?FAQ

Q1:「了解です」は上司に使うと失礼ですか?

A1:文法的に間違った表現ではありませんが、上司には「承知しました」を使うほうが無難です。特に正式な業務指示や重要なメールでは、「承知いたしました」とすると、より丁寧な印象になります。

Q2:「了解しました」と「承知しました」はどちらが正しい敬語ですか?

A2:どちらも意味が通じる表現ですが、敬意の示し方が異なります。「了解しました」は丁寧語を含む表現で、「承知しました」は相手の依頼や指示を受け入れる際のビジネス向けの返答として広く使われます。目上の人には「承知しました」が適しています。

Q3:「了解いたしました」は二重敬語ですか?

A3:二重敬語ではありません。「いたす」は「する」の謙譲語として使われるため、丁寧さを加えた表現です。ただし、目上の人や取引先には「承知いたしました」を使うほうが一般的に無難です。

Q4:取引先へのメールで「了解です」と返信してしまった場合、謝罪が必要ですか?

A4:一度「了解です」と返信しただけで、必ず謝罪メールを送る必要はありません。次の連絡から「承知いたしました」「かしこまりました」などに切り替えれば十分です。相手から言葉遣いについて指摘された場合は、簡潔にお詫びするとよいでしょう。

Q5:同僚へのビジネスチャットなら「了解です」で大丈夫ですか?

A5:普段からフラットな関係でやり取りしている同僚なら、基本的に問題ありません。ただし、社外の人が参加するグループや、重要な業務連絡では「承知しました」を使うと安心です。

Q6:「承知しました」と「かしこまりました」はどう使い分けますか?

A6:「承知しました」は上司や先輩などへの一般的な業務上の返答に適しています。「かしこまりました」は、顧客や取引先からの要望を謹んで受ける場面に向いています。どちらも正しい表現ですが、日常的な社内連絡では「承知しました」のほうが自然です。

「了解です」は、敬語として完全に間違っている言葉ではない。しかし、丁寧語と謙譲語は異なる役割を持っており、上司や取引先に対しては「承知しました」「承知いたしました」を使うほうが、相手への配慮を伝えやすい。

国立国語研究所の解説や文化庁の「敬語の指針」を踏まえても、敬語は単純な禁止事項の集合ではなく、相互尊重を基本に相手と場面に応じて選ぶものだ。

2026年のビジネスシーンで迷ったときは、次の基準を覚えておけばよい。

- 同僚には「了解です」「了解しました」。
- 上司には「承知しました」。
- 取引先には「承知いたしました」。
- 顧客の依頼には「かしこまりました」。
- 注文や伝言を受けたときは「承りました」。

そして、どの表現を使う場合でも、必要に応じて「いつまでに対応するか」「次に何をするか」を添えることが大切だ。

敬語の目的は、難しい言葉を使って自分をよく見せることではない。相手に敬意を伝え、仕事を円滑に進めることにある。「了解です」を使ってよいか迷ったときは、相手の立場と状況を考え、「承知しました」を選ぶ。それが、余計な誤解を生まない実践的なビジネスマナーだ。

主な参考資料

- 国立国語研究所・ことば研究館「『了解しました。』は敬意表現にならないか」(2012年11月1日)
- 文化庁・文化審議会答申「敬語の指針」(2007年2月2日)
- J-CASTニュース「『了解です』はいつから『失礼だから使うな』となった? 代わりに『承知しました』は本当に正しいのか」(2024年1月6日)
- マイナビニュース「『了解です』は敬語? ビジネスで目上に使うと失礼?」
- マイナビ転職「『かしこまりました』の意味・使い方、『承知しました』との違い」

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テクノロジー分野を担当。一次情報(公式発表・公式サイト)と発表日を必ず確認し、推測は推測と明記する編集方針に従っています。

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