過去10回の優勝馬を振り返ると、実績のある騎手と将来性豊かな2歳馬が顔をそろえている。特に2017年以降は、後の大舞台でも注目を集める馬が勝ち馬に名を連ねてきた。
以下は、JRAの確定成績を中心に整理した直近10回のデータだ。
出典:JRA各年のレース成績。勝ち時計・上がり3Fは優勝馬の記録。3連単は100円あたりの払戻金。
2017〜2021年の結果はJRAの各年の確定成績、2022〜2026年についてもJRAのレース結果と払戻金に基づく。
歴代優勝馬から見えるレースの特徴特に印象的なのが、2018年のグランアレグリア、2019年のサリオス、2017年のダノンプレミアムだ。
いずれも2歳時にこのレースを勝ち、その後も競馬ファンの注目を集めた馬である。サウジアラビアロイヤルカップは、単なる2歳限定重賞ではなく、将来のマイル路線やクラシック戦線を考えるうえで注目されるレースになっている。
また、2020年のステラヴェローチェは不良馬場で勝利。良馬場での高速決着とは異なる条件でも結果を残しており、馬場適性の重要性を示した。
2022年にはドルチェモア、2023年にはゴンバデカーブース、2024年にはアルテヴェローチェ、2025年にはエコロアルバと、毎年のように異なるタイプの馬が勝者となっている。
【2026年最新】アゴルディーノが横山和生騎手とのコンビで優勝

2026年10月10日、東京競馬場で開催された第12回サウジアラビアロイヤルカップは、11頭立てで争われた。
勝利したのは、横山和生騎手が騎乗した2歳牡馬アゴルディーノ。良馬場の東京芝1600mを1分34秒4で走破し、3番人気の支持に応えた。
2026年の上位3頭- 1着:アゴルディーノ(横山和生)3番人気、1分34秒4、上がり33.4秒
- 2着:サトノハクマイ(戸崎圭太)6番人気、1分34秒4、上がり34.0秒
- 3着:フィリオソラーレ(C.ルメール)1番人気、1分34秒6、上がり33.9秒
JRAの確定成績によれば、アゴルディーノはサトノハクマイをクビ差で退けた。2着には6番人気のサトノハクマイが入り、1番人気のフィリオソラーレは3着だった。
アゴルディーノの勝利で注目したいポイントアゴルディーノは父エフフォーリア、母モルトフェリーチェという血統。管理する調教師は中舘英二氏だ。
JRAの出走馬情報によると、函館の新馬戦を勝利した後、前走のコスモス賞では2着に入っていた。
今回の勝利では、直線で上がり3ハロン33.4秒の末脚を発揮。前走で見せた距離への対応力に加え、東京の長い直線でも決め手を生かした。
加えて、この勝利には血統面での意味もある。アゴルディーノの父エフフォーリアにとって、産駒によるJRA重賞初制覇となった。
2026年の結果は、単に新しい優勝馬が誕生しただけでなく、新種牡馬の産駒が重賞で結果を出したという点でも注目される。
2023〜2025年の優勝馬と騎手の関係直近3年間の優勝馬と騎手にも、それぞれ特徴がある。
- 2025年:エコロアルバ×坂井瑠星
2番人気で優勝。勝ち時計は1分33秒8、上がり3ハロン33.2秒だった。8頭立てのレースを制している。
- 2024年:アルテヴェローチェ×佐々木大輔
2番人気で勝利。稍重の馬場で1分33秒0を記録した。7頭立てという少頭数の中で結果を残した。
- 2023年:ゴンバデカーブース×松山弘平
3番人気から優勝。勝ち時計は1分33秒4。9頭立てのレースで勝利を収めた。
この3頭に共通するのは、1番人気ではなく、2〜3番人気から勝ち切ったことだ。上位人気の中でも、必ずしも最も支持された馬が勝つわけではない。
【人気・枠順・配当】サウジアラビアロイヤルカップの過去の波乱傾向
馬券を検討する際に押さえておきたいのが、人気別成績と枠順別成績だ。
ここでは、JRAが2026年の開催前に公表した過去10年分、すなわち2016〜2025年のデータを基準に分析する。2026年の結果は、その後の実績として別途反映する。
人気別成績は2番人気が好成績JRAのデータ分析による2016〜2025年の単勝人気別成績は次のとおり。
- 1番人気:3勝、2着3回、3着2回
- 2番人気:4勝、2着3回、3着1回
- 3番人気:3勝、2着0回、3着3回
- 4番人気:0勝、2着1回、3着1回
- 5番人気:0勝、2着0回、3着1回
- 6〜9番人気:0勝、2着3回、3着2回
- 10番人気以下:3着以内なし
注目したいのは、2番人気の勝率40%、3着内率80%という数字だ。
1番人気も3着内率80%と安定しているが、勝ち切る回数では2番人気が上回っている。
加えて、過去10回の優勝馬はすべて3番人気以内だった。2026年のアゴルディーノも3番人気で勝利しており、この傾向は継続している。
枠順別成績は1枠と6枠に注目同じく2016〜2025年のJRAデータでは、枠順によって成績に違いが見られる。
特に目立つのが次の2枠だ。
- 1枠:2勝、2着2回、3着2回。3着内率54.5%
- 6枠:3勝、2着1回、3着1回。3着内率45.5%
1枠は3着内率が最も高く、6枠は勝利数が最多となっている。
一方、すべての枠から複数の3着以内馬が出ているため、特定の枠だけを過信するのは避けたい。
また、JRAの分析では、1枠の馬が2021〜2025年まで5年連続で3着以内に入っていた。ところが2026年は1枠からの馬券圏内がなく、この連続記録は途切れた。
2026年の上位3頭は4枠、3枠、5枠だった。過去の枠順傾向は参考になるが、毎年同じ結果になるわけではない。
3連単配当から見る波乱の大きさサウジアラビアロイヤルカップは、優勝馬こそ上位人気に集中しているものの、3連単では大きな配当が発生している。
特に注目すべき年は次のとおり。
- 2022年:129,400円
7番人気のグラニットが2着に入り、3連単は10万円を超えた。
- 2020年:34,420円
不良馬場の影響もあり、9番人気のセイウンダイモスが3着に入った。
- 2025年:32,330円
7番人気のガリレアが2着に食い込んだ。
- 2026年:30,580円
3番人気のアゴルディーノが優勝し、6番人気のサトノハクマイが2着に入った。
特に2022年の129,400円は、直近10年で突出した高配当だ。
ここから分かるのは、勝ち馬を上位人気から選ぶことと、3連単の相手を人気上位だけに絞ることは別の問題だという点だ。
1着候補は1〜3番人気を中心に考えながら、2着・3着には中穴馬を組み込む余地がある。
【東京競馬場・芝1600m】勝ち時計と上がり3Fから読み解くコース特徴
サウジアラビアロイヤルカップの舞台は、東京競馬場の芝1600m。左回りで行われる2歳重賞だ。
このコースを理解するうえで重要なのが、長い直線とゴール前の坂である。
東京芝1600mの主な特徴JRA公式のコース紹介によると、東京競馬場の芝コースには次の特徴がある。
- 最後の直線距離:525.9m
- 芝コースの高低差:2.7m
- スタート地点:2コーナー付近
- ゴール前:高低差約2mの上り坂
- 直線前半に約160mの坂がある
スタート直後は緩やかな下りになり、向正面後半で上り坂を越える。その後、3〜4コーナーを回って長い直線に向かう。
直線では坂を上り切る力だけでなく、その先でさらに加速できる瞬発力も必要だ。
差し馬だけでなく先行馬にもチャンスがある東京芝1600mと聞くと、直線の長さから差し・追い込み馬を重視したくなる。
しかし、過去の優勝馬を見ると、必ずしも後方一気が有利というわけではない。
例えば、2017年のダノンプレミアムや2021年のコマンドラインは前方で競馬を進めて勝利した。一方、2023年のゴンバデカーブースや2026年のアゴルディーノは後方から末脚を伸ばしている。
つまり、このレースでは脚質そのものよりも、道中で無理なく流れに乗り、直線で持続的に脚を使えるかどうかが重要になる。
2歳馬の場合、折り合いやレース経験も結果に影響するため、前走の通過順位だけで判断するのは危険だ。
勝ち時計と上がり3Fの見方直近10年の記録で最速の勝ち時計は、2019年サリオスの1分32秒7。
一方、2020年のステラヴェローチェは不良馬場で1分39秒6だった。
上がり3ハロンでは、2019年のサリオスが33.1秒、2025年のエコロアルバが33.2秒を記録している。
2026年のアゴルディーノも33.4秒の末脚を使った。
ただし、時計の比較では馬場状態を無視できない。2020年のような不良馬場と、2019年の良馬場を単純に比較して、能力差を判断するのは適切ではない。
馬券検討では、走破時計だけでなく、馬場状態、前半のペース、上がり3F、直線での位置取りを組み合わせて評価したい。
【歴史と名称変更】いちょうステークスからサウジアラビアロイヤルカップへ
サウジアラビアロイヤルカップの歴史は、2014年に新設された「いちょうステークス」から始まる。
JRAの公式資料によれば、この競走は2歳マイル路線の充実を目的として創設された。
2014年から2026年までの主な変遷2014年:いちょうステークスとして創設
初代優勝馬はクラリティスカイ。横山典弘騎手とのコンビで、1分33秒5のレコードタイムを記録した。
当時は2歳馬による新設重賞としてスタートした。
2015年:サウジアラビアロイヤルカップへ改称
日本とサウジアラビア王国の外交関係樹立60周年を記念し、レース名が現在の名称に変更された。
改称初年度の優勝馬はブレイブスマッシュ。騎乗したのは、前年のクラリティスカイに続いて横山典弘騎手だった。
2016年:GⅢに格付け
2016年にはGⅢに格付けされた。
優勝馬はブレスジャーニー。柴田善臣騎手が騎乗し、1分34秒5で勝利している。
2017〜2025年:2歳マイル重賞として定着
ダノンプレミアム、グランアレグリア、サリオスなど、後に大きな舞台で活躍する馬が優勝。若駒の実力を測るレースとして存在感を高めてきた。
2026年:第12回を開催
10月10日に第12回が行われ、アゴルディーノが横山和生騎手とのコンビで優勝した。
このように、いちょうステークスとしての創設から現在まで、レースの舞台は東京芝1600mを維持している。名称と格付けは変化したが、2歳マイル路線の重要な一戦という位置づけは変わっていない。
【プロの結論】過去データを馬券検討に生かすための判断基準
過去の結果とコース特性を総合すると、サウジアラビアロイヤルカップでは、次の3つの視点が重要になる。
1. 人気だけでなく前走内容を評価するJRAの2016〜2025年の分析では、3着以内に入った30頭のうち19頭が、前走の新馬戦を勝った馬だった。
加えて、新馬戦を勝ち上がった馬のうち、このレースで3番人気以内に支持された馬は、9勝を挙げている。
2歳馬の場合、キャリアの浅さだけで評価を下げる必要はない。むしろ新馬戦で見せた末脚や、東京の長い直線に対応できるかを確認したい。
ただし、2026年には前走コスモス賞2着のアゴルディーノが優勝した。
JRAの過去10年分析では、前走オープン特別組は勝利がなかったが、2026年の結果によってその傾向は更新された。過去データは有力な判断材料であっても、絶対的な条件ではない。
2. 3連単では2・3着の人気薄も検討する優勝馬は3番人気以内に集中している一方、6番人気以下の馬が3着以内に入った例もある。
特に2022年の129,400円という高配当は、人気上位馬だけでは説明できない結果だった。
そのため、3連単を検討するなら、上位人気を軸にしながら、相手候補には前走内容の良い中穴馬を含める考え方がある。
ただし、人気薄を無条件に追加するのではなく、次の条件を確認したい。
- 前走で勝ち馬と大きな差がなかった
- 東京の長い直線に対応できる末脚がある
- 距離延長・短縮への適性がある
- 馬場状態の変化に対応できる
1枠と6枠の成績は目立つが、東京芝1600mでは長い直線と坂への対応力も欠かせない。
内枠に入ったから有利、外枠だから不利と決めつけるのではなく、スタート後の位置取りや、直線で進路を確保できるかまで考える必要がある。
特に少頭数では、前半が落ち着いて瞬発力勝負になる場合もある。反対に、馬場が悪化すれば持続力が問われる。
馬券検討で優先したいのは、人気、前走の内容、コース適性、当日の馬場状態の4点だ。
過去の配当だけを見て高配当を狙うのではなく、各馬の能力と展開を整理したうえで買い目を組み立てたい。
【サウジアラビアロイヤルカップの過去】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:サウジアラビアロイヤルカップの2026年の優勝馬は?
2026年10月10日に行われた第12回の優勝馬はアゴルディーノ。横山和生騎手が騎乗し、勝ち時計1分34秒4、上がり3ハロン33.4秒で勝利した。
Q2:サウジアラビアロイヤルカップの歴代優勝馬で有名なのは?
グランアレグリア、サリオス、ダノンプレミアムなどが代表的な優勝馬。近年ではエコロアルバ、アルテヴェローチェ、ゴンバデカーブースも名を連ねている。
Q3:サウジアラビアロイヤルカップは何番人気が強い?
JRAの2016〜2025年の集計では、2番人気が4勝で最多。1番人気と3番人気もそれぞれ3勝しており、過去10回の勝ち馬はすべて3番人気以内だった。
Q4:サウジアラビアロイヤルカップの3連単最高配当は?
直近10回では2022年の129,400円が最高。7番人気のグラニットが2着に入り、波乱の決着となった。
Q5:いちょうステークスとサウジアラビアロイヤルカップは同じレース?
はい。2014年にいちょうステークスとして創設され、2015年に日本とサウジアラビア王国の外交関係樹立60周年を記念して現在の名称に変更された。2016年にはGⅢに格付けされている。
サウジアラビアロイヤルカップは、2014年のいちょうステークス創設から続く東京芝1600mの2歳重賞だ。
2026年はアゴルディーノが横山和生騎手とのコンビで優勝。2025年のエコロアルバ、2024年のアルテヴェローチェ、2023年のゴンバデカーブースに続き、新たな優勝馬が歴史に加わった。
過去のデータからは、次の特徴が浮かび上がる。
- 勝ち馬は3番人気以内に集中している。
- 2番人気は過去10年で4勝と好成績。
- 1枠と6枠は枠順別成績で注目できる。
- 3連単は2022年に129,400円の高配当を記録。
- 東京芝1600mでは瞬発力だけでなく、坂を越える持続力も必要。
特に重要なのは、過去の傾向をそのまま未来に当てはめないことだ。2026年のアゴルディーノの勝利は、前走オープン特別組の成績という従来のデータにも新しい変化をもたらした。
次回以降も、歴代優勝馬の名前だけでなく、前走内容や上がり3F、馬場状態まで確認することが、レースを深く理解する手掛かりになる。