2026年現在、東海道・山陽・九州新幹線の車内に喫煙ルームはありません。JR東海・JR西日本・JR九州の3社は、2024年3月16日をもって車内の喫煙ルームをすべて廃止し、同日から車内全面禁煙に移行しました。
ただし、新幹線の喫煙環境がすべてなくなったわけではありません。東京駅・名古屋駅・新大阪駅の東海道新幹線改札内には喫煙ルームがあり、博多駅・熊本駅・鹿児島中央駅でもJR九州が駅構内の喫煙設備を案内しています。つまり、現在は「新幹線の車内では吸えないが、一部の駅では乗車前に吸える」という状況です。
気になるのは、なぜ喫煙ルームが廃止されたのか、どの駅なら乗車前に利用できるのか、電子タバコや加熱式タバコは使えるのかという点でしょう。JR各社の公式発表と駅設備の案内をもとに、2026年11月時点の状況を整理します。
【2026年最新】新幹線喫煙ルームは現在も使える?車内全面禁煙の実態

最初に押さえておきたいのは、車内の喫煙ルームと駅構内の喫煙ルームは別の設備だということです。
2026年現在、東海道新幹線の「のぞみ」「ひかり」「こだま」、山陽新幹線の各列車、九州新幹線の各列車では、車内で喫煙できません。以前は喫煙ルームが設置されていた車両でも、現在は利用できない状態になっています。
東海道・山陽・九州新幹線はすべて車内禁煙かつて東海道新幹線では、N700系の登場した2007年7月以降、車内に喫煙ルームが設置されていました。16両編成では主に3号車・10号車・15号車が喫煙ルームの設置場所でした。
山陽新幹線では16両編成の3号車・10号車・15号車に加え、8両編成では3号車・7号車に喫煙ルームが設けられていました。九州新幹線でもN700系8両編成の3号車・7号車が喫煙スペースとして利用されていました。
しかし、2024年3月16日以降はこれらの設備がすべて廃止されています。喫煙ルームの近くの座席を予約しても、現在は車内で喫煙できません。
廃止されたのは車内設備。駅の喫煙所は別に残っているここで注意したいのが、車内喫煙ルームの廃止と駅構内の喫煙ルームの廃止を混同しないことです。
JR東海は東海道新幹線の各駅における喫煙ルームの設置状況を案内しており、2025年10月10日時点の公式資料では、東海道新幹線の全駅の改札内に喫煙ルームがあるとしています。
JR九州も、博多駅・熊本駅・鹿児島中央駅などの喫煙設備を公式に案内しています。したがって、乗車前に駅の指定喫煙ルームを利用することは可能です。
ただし、駅によって設置場所はホーム上だったり、改札内コンコースだったりします。乗車直前に利用する場合は、列車の発車ホームと喫煙所の位置関係を確認しておく必要があります。
【廃止理由を検証】JR東海・JR西日本・JR九州が喫煙ルームをなくした背景
新幹線の喫煙ルーム廃止は、単独の鉄道会社による設備変更ではありません。JR東海・JR西日本・JR九州が、健康増進や受動喫煙防止という共通の方向性のもとで実施した取り組みです。
理由1:健康増進志向の高まりと喫煙率の低下JR東海は2023年10月17日の発表で、近年の健康増進志向の高まりと喫煙率の低下を廃止の背景として説明しました。
JR西日本とJR九州も同じ日に、それぞれ山陽新幹線・九州新幹線の車内喫煙ルーム廃止を発表しています。
長時間にわたって多くの乗客が同じ車両空間を共有する新幹線では、喫煙者と非喫煙者の双方に配慮した環境づくりが大切です。喫煙ルームを設けて分煙する従来の方式から、車内全体を禁煙にする方式へと転換したわけです。
理由2:撤去スペースを非常用飲料水の配備に活用今回の廃止には、もう一つ見逃せないポイントがあります。それが災害などの緊急事態への対応力強化です。
JR東海は喫煙ルームを廃止した後のスペースに、非常用飲料水を順次配備する方針を発表しました。
新幹線が駅と駅の間で長時間停車するような事態が発生した場合、乗客に飲料水を迅速に配布できるようにするためです。
JR西日本とJR九州も、廃止した喫煙ルームに非常用飲料水を配備し、災害などの緊急時に活用する方針を示しています。
つまり、単に喫煙設備を撤去しただけではなく、限られた車内スペースを乗客の安全確保に役立てるという設備の再活用も、廃止の重要な背景にあります。
理由3:駅と車内の受動喫煙防止対策を統一する動きJR各社では、車内だけでなく駅構内でも受動喫煙防止対策を進めています。
特にJR西日本は2023年10月17日、山陽新幹線の車内喫煙ルームに加え、駅の一部に設けられていた喫煙コーナーも廃止すると発表しました。
対象となったのは、新倉敷・新尾道・三原・東広島・新岩国・徳山・厚狭・新下関の8駅です。ここでいう喫煙コーナーは、床や壁で区画せず、灰皿だけを設置した場所を指しています。
ただし、これは山陽新幹線の駅にある喫煙設備をすべて撤去するという意味ではありません。JR西日本は別途、喫煙ルームの設置駅を案内しています。
【路線別比較】2024年3月16日の廃止と各JR会社の対応を一覧で確認
3社の対応を整理すると、廃止の実施日は共通ですが、対象となる車両編成や駅設備には違いがあります。
| 項目 | 東海道新幹線 | 山陽新幹線 | 九州新幹線 |
|---|---|---|---|
| 運営会社 | JR東海 | JR西日本 | JR九州 |
| 廃止発表 | 2023年10月17日 | 2023年10月17日 | 2023年10月17日 |
| 廃止日 | 2024年3月16日 | 2024年3月16日 | 2024年3月16日 |
| 主な対象車両 | 16両編成 | 16両・8両編成 | 8両編成 |
| 主な廃止場所 | 3・10・15号車 | 16両:3・10・15号車 8両:3・7号車 |
3・7号車 |
| 廃止後の活用 | 非常用飲料水の配備 | 非常用飲料水の配備 | 非常用飲料水の配備 |
| 駅の喫煙設備 | 各駅の改札内に設置 | 一部駅に設置 | 指定駅に設置 |
JR東海は2024年1月26日、東海道新幹線の車内喫煙ルームの廃止日を正式に発表しました。
廃止日は2024年3月16日。2007年のN700系デビュー以来、車内に設置してきた喫煙ルームがなくなりました。
現在のJR東海の案内では、列車内は全車禁煙です。喫煙したい場合は、駅構内の指定喫煙ルームを利用する必要があります。
JR西日本:山陽新幹線の車内と駅の一部喫煙コーナーを廃止JR西日本も2024年1月26日に正式な廃止日を公表しました。
山陽新幹線では、16両編成と8両編成の両方で車内喫煙ルームが廃止され、3月16日から全面禁煙になっています。
加えて、前述した8駅の灰皿のみの喫煙コーナーも廃止対象となりました。一方、現在のJR西日本の受動喫煙防止案内には、山陽新幹線の喫煙ルーム設置駅が別途掲載されています。
JR九州:九州新幹線の車内喫煙ルームを廃止JR九州は2024年1月26日に廃止日を発表し、東海道・山陽新幹線と同じ3月16日に車内喫煙ルームを廃止しました。
対象はN700系8両編成の3号車と7号車です。廃止したスペースには非常用飲料水を順次配備する方針が示されました。
一方、駅の喫煙設備については別の扱いとなっています。博多駅・熊本駅・鹿児島中央駅には、現在もJR九州が喫煙ルームを案内しています。
【駅別ガイド】東京・名古屋・新大阪・博多・熊本・鹿児島中央の喫煙所
車内で吸えない以上、喫煙者にとって最も重要なのは乗車前に利用できる喫煙所の場所です。
ここではJR各社の公式案内を中心に、主要駅の設備を整理します。
東京駅:東海道新幹線のホーム上に喫煙ルーム東京駅には東海道新幹線と東北・上越・北陸方面の新幹線が乗り入れており、喫煙所の場所も運営会社や利用するホームによって異なります。
東海道新幹線について、JR東海の駅別案内では東京駅の喫煙ルームはホーム上に設置されています。
JR東日本が紹介する東京駅の東海道新幹線改札内の喫煙所は、主に次の場所です。
- 14・15番ホーム:11号車付近
- 16・17番ホーム:ホーム上に設置
- 18・19番ホーム:ホーム上に設置
東海道新幹線の改札内に入るには、乗車券・特急券または入場券が必要です。
また、東北・上越・北陸新幹線側にも別の喫煙設備があります。東京駅で喫煙する場合は、利用する新幹線の改札とホームを間違えないようにしましょう。
名古屋駅:東海道新幹線ホーム上に設置名古屋駅では、東海道新幹線の改札内に喫煙ルームがあります。
JR東海の公式案内では、名古屋駅はホーム上に喫煙ルームを設置している駅として掲載されています。
利用するホームによって場所が異なるため、14・15番線や16・17番線など、乗車する列車のホームを確認してから向かうのが確実です。
特に発車直前は、喫煙ルームから乗車位置まで戻る時間も考慮する必要があります。
新大阪駅:新幹線改札内のコンコースに設置新大阪駅では、東海道新幹線の喫煙ルームがホーム上ではなく、改札内コンコースに設置されています。
JR東海の2025年10月10日時点の公式資料では、新大阪駅はコンコース内に喫煙ルームがある駅として分類されています。
そのため、ホーム上を探し回るよりも、改札内コンコースの案内表示を確認するほうが効率的です。
JR西日本の新大阪駅構内図は2026年10月1日時点のものが公開されています。構内の移動経路を確認するときは、こちらの最新構内図も参考になります。
博多駅:新幹線ホームに喫煙ルーム博多駅については、JR九州が公式に新幹線ホームの喫煙ルームを案内しています。
博多駅は山陽新幹線と九州新幹線が接続する主要駅ですが、車内喫煙ルームは廃止済みです。乗車前に喫煙したい場合は、駅の指定喫煙ルームを利用します。
山陽新幹線側と九州新幹線側で利用するホームが異なるため、乗車する列車の案内表示を確認しておきましょう。
熊本駅:新幹線ホームに喫煙ルーム熊本駅もJR九州の公式案内で、新幹線ホームに喫煙ルームが設置されている駅として掲載されています。
九州新幹線を利用する場合、乗車前にホーム上の指定喫煙ルームを利用できます。ただし、乗車する列車の発車時刻を確認し、余裕を持ってホームへ戻ることが大切です。
鹿児島中央駅:新幹線改札内に設置鹿児島中央駅については、博多駅や熊本駅とは設置場所が異なります。
JR九州の公式案内によると、鹿児島中央駅の喫煙ルームは新幹線改札内に設置されています。
つまり、ホーム上にあるとは限らず、改札内のコンコースなどで場所を確認する必要があります。
JR九州は、長崎駅の新幹線改札内にも喫煙ルームがあると案内しています。
【電子タバコ・加熱式タバコ】新幹線の車内で使用できる?
紙巻きタバコが禁止されているなら、電子タバコや加熱式タバコなら使えるのではないか、と考える人もいる可能性があります。
しかし、車内全面禁煙となった新幹線では、電子タバコや加熱式タバコについても車内での使用は避けなければなりません。
加熱式タバコも車内では使用不可加熱式タバコは、紙巻きタバコのように燃焼させる方式ではありませんが、使用時に水蒸気や独特のにおいが発生する製品があります。
JR九州は、電気加熱式タバコや電子タバコなど、喫煙に類似する製品についても駅や車内での使用を断っています。
JR西日本も、電気加熱式タバコ・電子タバコおよび類似品について、禁煙エリアでの使用を控えるよう公式に案内しています。
したがって、紙巻きタバコだけでなく、IQOSなどの加熱式タバコや電子タバコも、車内で使用しないことが基本です。
駅構内では指定喫煙ルームを利用する駅構内では、喫煙可能な場所と禁煙エリアが区別されています。
加熱式タバコや電子タバコについても、自由に使用できるわけではありません。JR東日本も、駅構内の一部にある喫煙ルームや喫煙可能なスペースでの使用を案内しています。
紙巻きタバコと同様に、駅が指定する喫煙場所を利用してください。改札内の通路、待合室、ホームの一般エリア、トイレなどで使用することは避けましょう。
【乗車前の注意点】喫煙者が新幹線で失敗しないための確認事項
車内喫煙ルームがあった時代と現在では、乗車前の行動も変わっています。長距離移動を予定している人は、次のポイントを確認しましょう。
1. 乗車駅の喫煙ルームを先に調べる駅構内に喫煙所があるかどうかは、鉄道会社や駅によって異なります。
東海道新幹線ならJR東海の駅別喫煙ルーム案内、山陽新幹線ならJR西日本の受動喫煙防止案内、九州新幹線ならJR九州の駅設備案内を確認すると、設置駅を把握しやすくなります。
2. ホーム上かコンコース内かを確認する同じ駅構内でも、喫煙ルームの位置は統一されていません。
- 東京駅:東海道新幹線のホーム上
- 名古屋駅:東海道新幹線のホーム上
- 新大阪駅:改札内コンコース
- 博多駅:新幹線ホーム
- 熊本駅:新幹線ホーム
- 鹿児島中央駅:新幹線改札内
ホーム上にある駅なら乗車直前に利用しやすい一方、コンコース内にある駅では、乗車位置まで戻る時間を確保する必要があります。
3. 乗車券・入場券が必要な場所に注意する新幹線の改札内にある喫煙ルームは、誰でも自由に入れる場所ではありません。
東京駅の東海道新幹線ホームなど、改札内の喫煙設備を利用する場合は、乗車券・特急券または入場券が必要です。
改札外で喫煙したい場合は、駅周辺の指定喫煙施設を探す方法もあります。ただし、施設の営業時間や利用条件はそれぞれ異なります。
4. 長距離移動中に車内で喫煙できる時間はないと考える以前は喫煙ルームを利用することで、東京から新大阪、新大阪から博多といった長距離移動の途中でも喫煙できました。
現在は車内に喫煙可能な場所がないため、乗車前に必要な準備を済ませることが大切です。途中駅での停車時間を利用して喫煙することも、通常の乗り換えや停車時間の範囲では難しい場合があります。
乗り換えのない直通列車を利用する場合は、出発駅での喫煙を済ませておくと安心です。
【新幹線喫煙ルーム】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、新幹線の車内に喫煙ルームはありますか?
A1:東海道・山陽・九州新幹線では、2024年3月16日に車内喫煙ルームが廃止されました。2026年現在も車内は全面禁煙で、喫煙ルームは利用できません。
Q2:新幹線の喫煙ルームが廃止されたのはなぜですか?
A2:健康増進志向の高まりと喫煙率の低下が主な理由です。また、廃止後のスペースには非常用飲料水を配備し、災害などで長時間停車した場合の対応力を強化する目的もあります。
Q3:東京駅・名古屋駅・新大阪駅には喫煙所がありますか?
A3:あります。JR東海の案内では、東京駅と名古屋駅は東海道新幹線ホーム上、新大阪駅は改札内コンコースに喫煙ルームが設置されています。
Q4:博多駅・熊本駅・鹿児島中央駅では喫煙できますか?
A4:JR九州の公式案内によると、博多駅と熊本駅には新幹線ホーム、鹿児島中央駅には新幹線改札内に喫煙ルームがあります。車内ではなく、駅の指定設備を利用してください。
Q5:電子タバコやIQOSなどの加熱式タバコは新幹線で使えますか?
A5:車内での使用はできません。駅構内でも自由に使用できるわけではなく、指定された喫煙ルームや喫煙可能なスペースを利用する必要があります。
Q6:山陽新幹線の駅にあった喫煙所もすべて廃止されたのですか?
A6:すべてではありません。JR西日本は2024年春に車内喫煙ルームと8駅の灰皿のみの喫煙コーナーを廃止しましたが、駅の喫煙ルームについては別途設置駅を案内しています。
Q7:喫煙ルームの近くの座席を予約すれば喫煙できますか?
A7:できません。かつて喫煙ルームがあった車両や座席の近くであっても、現在は車内全面禁煙です。座席位置による喫煙の可否の違いはありません。
2026年現在、東海道・山陽・九州新幹線の車内喫煙ルームは存在しません。JR東海・JR西日本・JR九州の3社が2024年3月16日に一斉に廃止し、車内全面禁煙へと移行しました。
廃止の背景には、健康増進志向の高まりや喫煙率の低下があります。加えて、撤去後のスペースは非常用飲料水の配備に活用され、災害時の乗客支援という新たな役割を担っています。
一方、駅の喫煙設備は現在も残っています。東海道新幹線では東京・名古屋・新大阪など、九州新幹線では博多・熊本・鹿児島中央などで指定喫煙ルームを利用できます。
特に重要なのは、駅によって喫煙ルームの設置場所が違うことです。ホーム上なのか、改札内コンコースなのかを事前に確認しておけば、発車直前に喫煙所を探して慌てる事態を避けられます。
今後も駅設備の変更や改修によって喫煙所の場所が変わる可能性があります。新幹線を利用する際は、乗車する鉄道会社の最新の駅構内図と公式案内を確認することが、最も確実な方法です。
主な公式情報・参照資料
- JR東海「東海道新幹線 車内喫煙ルームの廃止について」「廃止日について」「各駅喫煙ルーム設置箇所のご案内」
- JR西日本「山陽新幹線 車内喫煙ルームの廃止日について」「受動喫煙防止の取り組み」
- JR九州「九州新幹線 車内喫煙ルームの廃止日について」「受動喫煙防止の取り組み」
- JR東日本・JREメディア「東京駅の喫煙所21選」
- JR西日本「新大阪駅構内図」(2026年10月1日時点)