2026年のスラムダンク奨学金を語るうえで欠かせないのが、第20回奨学生に選ばれた竹内楓翔(たけうち・ふうが)さんだ。
2026年8月25日、集英社は第20回奨学生として竹内さんを選出したと発表した。
竹内楓翔さんのプロフィールと留学までの経緯竹内さんは2009年1月1日生まれ。発表時点で17歳、身長183.4cmのポイントガードだ。
選出時には、セルビアのカレッジベオグラード高校でプレーしていた。高校年代から海外で経験を積んでいた点が特徴的で、2026年9月から日本の高校に編入する予定と発表されている。
その後、2027年にアメリカへ渡り、セントトーマスモアスクールで学業とバスケットボールに取り組む計画だ。
すでに海外生活を経験している竹内さんにとって、アメリカ留学は初めての海外挑戦ではない。セルビアで培った経験を、次の競技環境でどう生かすかが注目される。
井上雄彦氏が竹内さんに送ったメッセージ第20回の選考結果発表に際して、井上雄彦氏は竹内さんに向けてメッセージを寄せている。
すでに高校から海外に出て、セルビアで経験を積んできたという持ち前のバイタリティとコミュニケーション能力を存分に発揮して、アメリカでの日々を実りあるものにしてください。
加えて、14か月間が竹内さんの人生の礎になることを願う言葉も送っている。
このメッセージから読み取れるのは、単にバスケットボールの技術だけを評価する制度ではないということだ。異なる文化の中で挑戦し、周囲と関係を築きながら成長する姿勢も、この奨学金が大切にしている要素と考えられる。
歴代奨学生と現在の進路スラムダンク奨学金は2006年の設立以来、多くの選手をアメリカに送り出してきた。
集英社の2026年の発表やBリーグ関連情報によると、これまでに19名が留学を経験している。第20回の竹内さんは選出済みで、渡米は2027年の予定だ。
歴代の奨学生には、B.LEAGUEの選手や海外大学への進学者、指導者として活動する人材もいる。
代表的な選手を紹介する。
第1回:並里成さん
第1回奨学生。福岡第一高校からアメリカで経験を積み、Bリーグでプレーを続けてきた選手の一人だ。2026年8月公開の歴代一覧では横浜ビー・コルセアーズ所属と掲載されている。
第2回:谷口大智さん
洛南高校出身。アメリカ留学を経てプロ選手として活動し、2026年8月時点の歴代一覧では群馬クレインサンダーズ所属となっている。
第3回:矢代雪次郎さん
流通経済大学付属柏高校出身。選手としての経験を経て、2026年8月時点では横浜ビー・コルセアーズのゼネラルマネージャーを務めている。
第4回:山崎稜さん
昌平高校出身。アメリカでの経験を経て、2026年8月時点では広島ドラゴンフライズに所属している。
第12回:木村圭吾さん
八王子学園八王子高校出身。2026年8月時点では神戸ストークス所属として紹介されている。
第16回:伊久江ロイ英輝さん
セントメリーズインターナショナルスクール出身。2026年8月時点では川崎ブレイブサンダース所属。
第17回:崎濱秀斗さん
福岡第一高校出身。2026年8月時点ではマーシーハースト大学に所属している。
第18回:関谷間さん
NHK学園高校出身。2026年8月時点ではベルテックス静岡所属として掲載されている。
第19回:佐藤凪さん
東山高校出身。2026年に横浜ビー・コルセアーズの特別指定選手としてプレーした後、8月に渡米。セントトーマスモアスクールで新たな挑戦を始めた。
第20回:竹内楓翔さん
セルビアのカレッジベオグラード高校出身。2027年にセントトーマスモアスクールへ留学する予定となっている。
これらの進路から分かるのは、奨学金の卒業生が全員同じキャリアを歩んでいるわけではないということだ。
Bリーグでプロ選手として活躍する人もいれば、海外大学で競技を続ける人、指導者やフロントスタッフとしてバスケットボール界に関わる人もいる。
留学の成果は、NBAやプロ契約だけでは測れない。 アメリカで身につけた経験を、その後どのように競技人生や仕事に結びつけるかも重要な視点だ。
【なぜプレップスクールなのか】井上雄彦が奨学金を設立した理由とアメリカ留学の実態

スラムダンク奨学金の特徴を理解するには、制度がなぜ大学ではなくプレップスクールを留学先に選んでいるのかを知る必要がある。
井上雄彦が2006年に制度を設立した背景『SLAM DUNK』は2004年に累計発行部数1億冊を突破した。
その節目を迎えた井上雄彦氏は、作品を愛してくれた読者だけでなく、作品の土台となったバスケットボールそのものにも恩返しをしたいと考えた。
集英社の公式インタビューでは、バスケットボールとの出会いがなければ『SLAM DUNK』も生まれなかったという趣旨を語っている。
制度の原資は、漫画の印税の一部と、アイティープランニング有限会社、集英社の拠出金によって構成されている。
つまり、作品から得た収益を次世代の選手に還元する仕組みだ。
2006年の設立から20年を迎える2026年に第21回募集が始まったことは、この取り組みが一度限りの記念事業ではなく、継続的な育成支援として運営されていることを示している。
なぜ大学ではなくアメリカのプレップスクールなのか日本の高校を卒業した選手が、すぐにアメリカの大学バスケットボール部へ入ることは簡単ではない。
競技力に加えて、大学で授業を受けるための英語力や学業成績なども必要になるからだ。
加えて、アメリカの大学バスケットボールは、選手が自由に入部できる仕組みではない。大学のコーチが選手を評価し、チームに必要な人材を獲得していく。
そこで重要になるのがプレップスクールだ。
プレップスクールでは、大学進学に必要な学力を身につけながら、高いレベルの競技環境でプレーできる。
セントトーマスモアスクールでは、大学のコーチが練習や試合を訪れ、選手を視察する機会もある。
奨学金の公式説明でも、プレップスクールで競技を続けることは、大学進学への現実的なステップとして位置づけられている。
セントトーマスモアスクールとはどんな学校?セントトーマスモアスクールは、アメリカ・コネチカット州オークデールにある私立の全寮制中高一貫校だ。
集英社の公式紹介によると、敷地面積は約45万平方メートル、生徒数は約150人。大学進学準備を目的とするポストグラデュエイト課程も設けられている。
この課程は、日本の高校卒業後にもう1年間学ぶイメージに近い。
バスケットボール部には複数のカテゴリーがあり、トップチームを目指す選手たちが競争する。大学進学を希望する選手にとって、練習や公式戦で実力を示すことが重要になる。
同校の公式紹介には、NBAでプレーした渡邊雄太選手をはじめ、複数のプロ選手の名前も掲載されている。
ただし、有名選手を輩出した学校に入れば自動的にプロになれるわけではない。本人の競技力、学業成績、チーム内での役割が進路を左右する。
14か月間で目指すのは大学進学だけではないスラムダンク奨学金のプログラムは、バスケットボールの強化だけを目的としていない。
授業や寮生活を通じて英語力を伸ばし、異なる文化や価値観の中で生活することも重要な経験になる。
また、公式募集要項では、派遣先でのプレータイムやプログラム終了後の進路を保証するものではないと説明されている。
大学から奨学金のオファーを受けることは目標の一つだが、必ず進学先が決まるわけではない。
日本の大学への進学を希望する場合も注意が必要だ。公式要項では、プログラム終了後に帰国して日本の大学へ進学する場合、通常より2年遅くなると説明されている。
したがって、留学を決断する際には、競技面だけでなく、大学進学やその後の人生設計も考えておく必要がある。
【プロの結論】スラムダンク奨学金に向いている人・応募前に確認すべきこと
第21回募集を検討する選手と保護者にとって、応募資格を満たしていることは出発点にすぎない。
本当に重要なのは、14か月間のアメリカ生活を自分の成長につなげられるかどうかだ。
応募をおすすめできる選手次のような選手には、挑戦する価値がある。
- 高校卒業後もバスケットボールを高いレベルで続けたい。
- アメリカの大学やプロリーグを目指している。
- 英語や異文化への適応に前向きである。
- チームプレーの中で自分の役割を見つけられる。
- 学業と競技の両方に責任を持てる。
- 家族と留学期間や卒業後の進路について話し合えている。
特に、海外でプレーする経験を自分の将来につなげたいという明確な目的がある人には、制度の趣旨が合っている。
応募を慎重に考えたい人一方、次のような場合は事前の検討が必要だ。
- バスケットボールよりも短期的な海外経験を優先している。
- 学業を継続する意思が乏しい。
- 寮生活や集団生活に強い抵抗がある。
- 14か月間のプログラムを最後まで続ける見通しがない。
- 日本の大学への進学時期を優先したい。
- 個人的な医療費や通信費などの予備資金を確保できない。
とりわけ重要なのは、大学進学やプロ入りが保証されている制度ではないという点だ。
応募前に家族で確認したい5つのポイント1. 卒業資格と年齢: 2028年3月卒業見込みと生年月日の条件を満たしているか。
2. 競技力: 試合映像で自分の強みやチームへの貢献を伝えられるか。
3. 学業: 渡米後も授業や大学進学に必要な勉強を続けられるか。
4. 経済面: 奨学金対象外の個人的な費用や予備費を準備できるか。
5. 将来設計: 留学後の大学進学、プロ挑戦、帰国後の進路を考えているか。
スラムダンク奨学金の本質は、海外へ行くための費用を補助することだけではない。日本の高校バスケットボールとアメリカの大学・プロバスケットボールの間にある環境の違いを埋め、若い選手に新しい選択肢を与えることにある。
スラムダンク奨学金に関するよくある質問(FAQ)
Q1:第21回スラムダンク奨学金の応募締切はいつですか?
A1:2027年1月31日です。応募期間は2026年11月2日からで、締切当日の消印まで有効です。簡易書留や宅配便など、送付記録が残る方法で提出します。
Q2:スラムダンク奨学金は女子でも応募できますか?
A2:第21回募集は男子のみです。公式Q&Aでは、制度の趣旨や仕組みに合った女子生徒の受け入れ先学校がないことが理由として説明されています。
Q3:スラムダンク奨学金は全額返済不要ですか?
A3:通常どおりプログラムを修了する場合、奨学金の返済義務はありません。学費、寮費、食費、航空運賃、保険代などが支援対象です。ただし、個人的なお小遣いや通信費、保険適用外の医療費などは自己負担となります。自己都合による途中離脱には例外があります。
Q4:英語ができなくても応募できますか?
A4:応募資格に英語力の数値基準は設けられていません。ただし、渡米後は英語での授業や生活が待っています。英語力を伸ばす意欲と学業を続ける姿勢が必要です。
Q5:竹内楓翔さんはいつアメリカに留学しますか?
A5:第20回奨学生に選ばれた竹内さんは、2027年に渡米し、セントトーマスモアスクールで学業とバスケットボールに取り組む予定です。選出時の発表では、2026年9月に日本の高校へ編入する予定とも説明されていました。
スラムダンク奨学金の第21回募集は、2026年11月2日に始まり、2027年1月31日まで応募を受け付けている。
2028年3月卒業見込みなどの条件を満たす男子選手が対象で、書類・映像審査、受け入れ校のコーチによる審査、現地での最終選考という3段階を経て奨学生が決まる。
支援期間は14か月。学費や寮費、食費、航空運賃、保険代などが対象となり、通常のプログラム修了であれば返済は不要だ。
第20回奨学生の竹内楓翔さんは、セルビアでの経験を経て2027年にアメリカへ渡る予定。歴代奨学生にも、並里成さんや山崎稜さんなど、国内外でキャリアを築いてきた選手がいる。
『SLAM DUNK』から生まれたこの制度が支援しているのは、単なる海外留学ではない。バスケットボールを続けたい若者が、経済的な壁を越え、自分の可能性を試すための14か月間だ。
応募を考えている選手は、まず第21回の公式募集要項で年齢・卒業資格・必要書類を確認し、締切までに準備を進めたい。
高校では終われない。その先のバスケットボール人生を切り開くための挑戦が、第21回募集から始まっている。