宝塚記念の過去10年(2017〜2026年)を振り返ると、クロノジェネシスの連覇、イクイノックスやタイトルホルダーの圧勝、そして2025・2026年にメイショウタバルが達成した連覇など、競馬史に残る名勝負が並ぶ。特に2026年は、突然の大雨で重馬場となった阪神競馬場で、メイショウタバルがクロワデュノールの追撃をクビ差で振り切り、史上でも印象的な連覇を達成した。
過去10年の1着・2着・3着馬、歴代優勝馬、人気別・枠順別・年齢別・馬場状態別の成績、払戻金を整理すると、宝塚記念にはいくつかの特徴が見えてくる。2026年11月現在の最新結果まで反映し、阪神芝2200mのコース特性と合わせて、次回の予想にも役立つデータを解説する。
【2026年最新】宝塚記念はメイショウタバルが連覇達成!

2026年6月14日、阪神競馬場で開催された第67回宝塚記念は、武豊騎手が騎乗するメイショウタバルが優勝した。勝ち時計は2分12秒1。突然の雨によって芝コースが重馬場へ変化する難しい条件のなか、2着クロワデュノールにクビ差をつけた。
2着には1番人気のクロワデュノール、3着には3番人気のダノンデサイルが入線。単勝2番人気だったメイショウタバルが、上位人気馬同士の争いを制した。
2026年の上位3頭とレース結果- 1着:メイショウタバル(2番人気・武豊騎手)
- 2着:クロワデュノール(1番人気・北村友一騎手)
- 3着:ダノンデサイル(3番人気・戸崎圭太騎手)
レースではコスモキュランダが先頭に立ち、メイショウタバルは離れた2番手で折り合った。春の古馬三冠制覇を目指すクロワデュノールは好位を追走。直線ではメイショウタバルが先頭を捉え、迫るクロワデュノールを最後まで抑え込んだ。
JRA公式のレース回顧によると、武豊騎手は突然の雨について「嫌な気持ちではなかった」と振り返っている。メイショウタバルは2025年の逃げ切りとは異なり、2026年は2番手から抜け出す競馬で勝利した。展開が変わっても対応できる自在性を示した一戦だった。
メイショウタバルの連覇には血統面のつながりもメイショウタバルの父はゴールドシップ。実は父も2013年・2014年の宝塚記念を連覇している。親子2代で同じグランプリ競走を連覇したという点でも、2026年の勝利は印象深い。
加えて、2025年は7番人気での勝利だったのに対し、2026年は2番人気で連覇を達成。1年目は伏兵として、2年目は実績を認められた有力馬として結果を残した。
【2017〜2026年】宝塚記念の過去10年結果と歴代優勝馬一覧
2017年から2026年までの10開催について、上位3頭と主要な払戻金をまとめた。馬場状態、開催競馬場、各馬の人気も併記しているため、単純な着順だけでなく、どのような条件で好走したのかも確認できる。
過去10年の1着・2着・3着と配当一覧| 年 | 馬場・競馬場 | 1着 | 2着 | 3着 | 馬連 | 3連複 | 3連単 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026 | 重・阪神 | メイショウタバル(2人気) | クロワデュノール(1人気) | ダノンデサイル(3人気) | 620円 | 1,230円 | 6,040円 |
| 2025 | 稍重・阪神 | メイショウタバル(7人気) | ベラジオオペラ(1人気) | ジャスティンパレス(10人気) | 2,370円 | 23,200円 | 127,550円 |
| 2024 | 重・京都 | ブローザホーン(3人気) | ソールオリエンス(7人気) | ベラジオオペラ(5人気) | 4,890円 | 16,020円 | 91,680円 |
| 2023 | 良・阪神 | イクイノックス(1人気) | スルーセブンシーズ(10人気) | ジャスティンパレス(2人気) | 2,340円 | 4,030円 | 13,630円 |
| 2022 | 良・阪神 | タイトルホルダー(2人気) | ヒシイグアス(5人気) | デアリングタクト(4人気) | 2,060円 | 5,150円 | 25,220円 |
| 2021 | 良・阪神 | クロノジェネシス(1人気) | ユニコーンライオン(7人気) | レイパパレ(2人気) | 2,780円 | 2,200円 | 13,340円 |
| 2020 | 稍重・阪神 | クロノジェネシス(2人気) | キセキ(6人気) | モズベッロ(12人気) | 3,410円 | 51,240円 | 183,870円 |
| 2019 | 良・阪神 | リスグラシュー(3人気) | キセキ(1人気) | スワーヴリチャード(6人気) | 970円 | 2,720円 | 14,560円 |
| 2018 | 稍重・阪神 | ミッキーロケット(7人気) | ワーザー(10人気) | ノーブルマーズ(12人気) | 9,200円 | 93,450円 | 492,560円 |
| 2017 | 稍重・阪神 | サトノクラウン(3人気) | ゴールドアクター(5人気) | ミッキークイーン(4人気) | 5,250円 | 10,670円 | 70,420円 |
※払戻金は各100円あたり。人気は単勝人気。2024年は阪神競馬場の改修に伴い京都競馬場で開催された。
歴代優勝馬から見える10年間の変化この10年間で最も目を引くのは、同じ馬が2年連続で優勝したケースが2度あることだ。
- 2017年:サトノクラウン
- 2018年:ミッキーロケット
- 2019年:リスグラシュー
- 2020・2021年:クロノジェネシス
- 2022年:タイトルホルダー
- 2023年:イクイノックス
- 2024年:ブローザホーン
- 2025・2026年:メイショウタバル
クロノジェネシスは2020年に2番人気、2021年には1番人気で勝利。メイショウタバルは2025年の7番人気から、2026年には2番人気での連覇となった。
両馬に共通するのは、前年の勝利が偶然ではなかったことを翌年の結果でも証明した点だ。宝塚記念は春の古馬中長距離路線の総決算であり、前年の勝ち馬が再び有力候補になるだけの実力を備えているかは、重要な検討材料になる。
【人気・枠順別成績】宝塚記念で好走しやすい馬の条件
過去10年の152頭の出走データを集計すると、宝塚記念は上位人気が勝ち切るケースが多い一方、2・3着には伏兵が食い込む傾向も見られる。
人気別成績:1番人気だけを信頼するのは危険2017〜2026年の人気別成績は次の通り。
- 1番人気:2勝・2着3回・3着0回・着外5回
- 2番人気:3勝・2着0回・3着2回・着外5回
- 3番人気:3勝・2着0回・3着1回・着外6回
- 4〜6番人気:0勝・2着3回・3着4回
- 7〜9番人気:2勝・2着2回
- 10番人気以下:2着2回・3着3回
1番人気の勝率は20%、3着内率は50%。決して悪い数字ではないものの、10回中5回は4着以下に敗れている。
特に注目したいのが2番人気と3番人気だ。両者はそれぞれ3勝を挙げており、1番人気を上回る勝利数を記録している。
また、2018年には10番人気のワーザーと12番人気のノーブルマーズが2・3着に入り、2020年には12番人気のモズベッロが3着。2023年には10番人気のスルーセブンシーズが2着に食い込んだ。
人気薄だからといって一律に評価を下げると、宝塚記念特有の波乱を取り逃がす可能性がある。
枠順別成績:8枠が5勝でトップ枠順では8枠の成績が目立つ。10年間で5頭の優勝馬を出しており、全枠のなかで最多となっている。
- 1枠:0勝・2着3回・3着2回
- 2枠:1勝・2着1回・3着1回
- 3枠:2勝・2着2回・3着1回
- 4枠:0勝・2着0回・3着2回
- 5枠:1勝・2着1回・3着1回
- 6枠:1勝・2着1回・3着1回
- 7枠:0勝・2着2回・3着1回
- 8枠:5勝・2着0回・3着1回
8枠の勝率は20%、3着内率は24%。2017年のサトノクラウン、2019年のリスグラシュー、2020年のクロノジェネシス、2024年のブローザホーン、2026年のメイショウタバルが8枠から優勝している。
一方、1枠は勝ち馬こそ出ていないものの、3着内率は33.3%と高い。内側からロスを抑えて立ち回れることが、好走につながるケースもある。
ただし、8枠は出走頭数も25頭と最多で、1枠の15頭より多い。枠順だけで有利不利を断定せず、馬の脚質や出走頭数、当日の馬場状態と合わせて評価したい。
【年齢・馬場状態別成績】4歳・5歳馬とパワー型の活躍に注目
年齢別成績:勝ち馬は4歳と5歳に集中宝塚記念の過去10年で、優勝馬はすべて4歳または5歳だった。3着以内の30頭を見ても、この2世代が25頭を占める。
- 3歳:0勝・2着0回・3着0回
- 4歳:4勝・2着2回・3着4回
- 5歳:6勝・2着4回・3着5回
- 6歳:0勝・2着3回・3着1回
- 7歳:0勝・2着1回・3着0回
- 8歳以上:3着以内なし
5歳馬は6勝でトップ。4歳馬も4勝しており、両世代が勝ち馬を独占している。
6歳馬は2着3回、3着1回と馬券圏内に入る例はあるものの、優勝には届いていない。7歳以上も好走例が少なく、年齢面では4歳・5歳を中心に検討するのがデータ上の基本となる。
馬場状態別成績:良馬場だけでは判断できない2017〜2026年の優勝馬を馬場状態別に整理すると、次のようになる。
- 良馬場:4勝(2019・2021・2022・2023年)
- 稍重:4勝(2017・2018・2020・2025年)
- 重馬場:2勝(2024・2026年)
10回のうち6回は稍重または重馬場で行われている。宝塚記念が開催される6月下旬は、天候や降雨によって芝の状態が変化しやすい時期でもある。
2020年には稍重馬場でクロノジェネシスが勝利し、2024年には重馬場の京都競馬場でブローザホーンが優勝。さらに2026年には、重馬場を得意とするメイショウタバルが連覇を達成した。
特にメイショウタバルは、2026年のJRA公式回顧でも、重馬場の毎日杯や稍重の神戸新聞杯などで結果を残してきたことが紹介されている。父ゴールドシップもパワーを要する馬場で強さを発揮した競走馬だった。
ただし、馬場状態だけで勝敗が決まるわけではない。重馬場でも2026年は上位人気3頭がそのまま3着以内を占めた。馬場適性と能力、展開の3点を組み合わせて判断する必要がある。
【阪神芝2200mの傾向】宝塚記念で問われるスタミナと持続力
宝塚記念の基本舞台は阪神競馬場の芝2200m。春のグランプリにふさわしく、スピードだけでは押し切れないコース設定になっている。
阪神芝2200mのコース形態JRA-VANのコース解説によると、スタート地点は正面スタンド前の直線右端にあり、最初のコーナーまで約525mの距離がある。その後は内回りコースを使用し、最後の直線はAコースで356.5m。ゴール前には約120mにわたって高低差1.8mの急坂が待ち受ける。
この構造から、宝塚記念では次のような特徴が生まれる。
- 序盤:最初のコーナーまで距離があり、位置取り争いが展開を左右する。
- 中盤:内回りのコーナーを利用するため、コーナリングの器用さも必要。
- 終盤:短めの直線と急坂を乗り越える持続力・パワーが問われる。
直線の瞬発力だけに頼るタイプより、早めに動いて長く脚を使える馬や、タフな展開に対応できる馬が力を発揮しやすい舞台だ。
2024年の京都開催は別条件として考える見落としやすいのが2024年の開催場所だ。阪神競馬場の改修に伴い、この年の宝塚記念は京都競馬場の芝2200mで行われた。
そのため、2017〜2026年の10年分をまとめたデータには、阪神とは異なるコース条件が1回含まれている。
2024年のブローザホーンは、京都の重馬場で後方から追い込んで優勝した。阪神の内回りコースを想定した脚質分析と、京都開催時の結果をそのまま同一視するのは適切ではない。
また、2025年から開催時期が従来より2週間繰り上がった。開催時期の違いは芝の状態や各馬のローテーションにも関係するため、過去データを使う際は開催年ごとの条件を確認したい。
【過去10年の配当・払戻金】高額配当と堅い決着の違い
宝塚記念は上位人気馬が勝つことも多い一方、2・3着に人気薄が入ると配当が一気に跳ね上がる。2018年と2020年は、その特徴が特に顕著だった。
3連単の最高配当は2018年の492,560円2018年は7番人気のミッキーロケットが優勝。2着に10番人気のワーザー、3着に12番人気のノーブルマーズが入り、3連単は492,560円となった。
2020年も2番人気のクロノジェネシスが勝ったものの、3着に12番人気のモズベッロが入ったことで、3連単は183,870円まで上昇した。
2025年は7番人気のメイショウタバルが勝利し、10番人気のジャスティンパレスが3着。3連単は127,550円だった。
2026年は10年間で最も低い3連単配当一方、2026年の3連単は6,040円。10年間の最低配当となった。
重馬場という難しい条件だったものの、1着メイショウタバルが2番人気、2着クロワデュノールが1番人気、3着ダノンデサイルが3番人気と、上位人気馬が順当に入線したためだ。
2017〜2026年の3連単の平均払戻金は約103,887円。中央値は47,820円となる。2018年の高額配当が平均値を押し上げているため、実際の水準を把握するには中央値も参考にしたい。
予想に活用したい3つの判断基準1. 1着候補は4歳・5歳の実績馬から選ぶ。
過去10年の勝ち馬は4歳と5歳に限定されている。前走の格や着順、2200m前後への適性を確認し、年齢だけでなく近走の充実度も評価する。
2. 2・3着には人気薄の実力馬を検討する。
10番人気以下の馬が3着以内に入った例は複数ある。前走で大きく崩れていても、馬場適性や距離適性に裏付けがあれば、相手候補として再評価する余地がある。
3. 枠順と当日の馬場を最後に確認する。
8枠の好成績は目立つが、枠順だけで予想を決めるのは危険。先行馬の数、脚質の組み合わせ、降雨による馬場変化などを総合的に判断したい。
【プロの結論】宝塚記念の過去10年データから読み解く好走馬の共通点
2017〜2026年の結果を横断すると、好走馬には大きく3つの共通点が見られる。
第一に、4歳・5歳という充実期にあること。30頭の3着以内馬のうち25頭がこの年齢層で、勝ち馬も全頭が該当する。
第二に、GⅠ級の実績や重賞での勝利経験を備えていること。宝塚記念は春シーズンの総決算であり、単なる距離適性だけでなく、強い相手と戦ってきた経験が結果につながりやすい。
第三に、馬場や展開への対応力があること。クロノジェネシスは連覇を通じて安定した能力を示し、メイショウタバルは逃げ切りと2番手からの競馬という異なる形で連覇を達成した。
特に2026年のメイショウタバルは、重馬場への適性だけでなく、レース中の位置取りを柔軟に変えられる点も大きかった。宝塚記念では、特定の展開にしか対応できない馬より、複数のシナリオで力を出せる馬を高く評価したい。
なお、過去10年の統計は出走頭数や開催条件の違いを含むため、特定の枠や人気だけで将来の勝率が保証されるわけではない。データは有力馬を絞り込むための材料として使い、最終的には当日の状態や馬場を優先して判断することが大切だ。
【宝塚記念の過去10年】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:宝塚記念の過去10年で最も多く優勝している馬は?
A1:2017〜2026年では、クロノジェネシスとメイショウタバルがそれぞれ2勝している。クロノジェネシスは2020・2021年、メイショウタバルは2025・2026年に連覇を達成した。
Q2:宝塚記念の過去10年で1番人気の勝率は?
A2:1番人気は10回中2勝で、勝率は20%。2着が3回あり、3着内率は50%となっている。2番人気と3番人気はそれぞれ3勝している。
Q3:宝塚記念で有利な枠順は?
A3:2017〜2026年では8枠が5勝で最多。3着内率では1枠が33.3%、3枠が31.3%となっている。ただし、出走頭数や開催場所の違いも考慮したい。
Q4:宝塚記念で好走する年齢は?
A4:4歳と5歳が中心。過去10年の勝ち馬10頭はすべてこの2世代で、3着以内の30頭中25頭も4歳または5歳だった。
Q5:宝塚記念の過去10年で最高の3連単配当はいくら?
A5:2018年の492,560円。ミッキーロケット、ワーザー、ノーブルマーズの順で決着した。反対に最低配当は2026年の6,040円だった。
Q6:2026年の宝塚記念の優勝馬は?
A6:メイショウタバル。武豊騎手とのコンビで、2025年に続く2年連続の優勝を達成した。2着はクロワデュノール、3着はダノンデサイルだった。
宝塚記念の過去10年(2017〜2026年)を振り返ると、4歳・5歳馬の活躍、8枠の勝ち星、上位人気と伏兵が混在する配当傾向など、予想に役立つ特徴が確認できた。
歴代優勝馬にはサトノクラウン、リスグラシュー、クロノジェネシス、タイトルホルダー、イクイノックスなどの名馬が並ぶ。そして2025・2026年にはメイショウタバルが連覇を達成し、新たな歴史を刻んだ。
次回の宝塚記念を予想する際は、4歳・5歳の実績馬を中心に、人気だけでは見落とされる伏兵の適性も確認したい。阪神芝2200mの持続力勝負に対応できるか、道悪になった場合に能力を発揮できるかも重要な判断材料になる。
過去10年の数字をそのまま未来に当てはめるのではなく、各年の開催条件やレース展開まで読み解くこと。それが宝塚記念のデータを予想に生かすための基本となる。