上野動物園の魅力は、珍しい動物の種類だけではありません。園内が東園と西園に分かれており、それぞれ異なるテーマの展示を楽しめます。
公式サイトによると、園内では約250種・約3,000点の動物が飼育されています。日本国内でも規模の大きい動物園であり、希少種から身近な動物まで幅広く観察できます。
東園の見どころ|ゴリラ・トラ・ゾウ・ホッキョクグマ東園は、上野公園の丘陵地に広がる緑豊かなエリアです。
代表的な展示施設は次のとおりです。
ゴリラ・トラのすむ森
ニシローランドゴリラやスマトラトラなどが暮らすエリアです。大型哺乳類の行動や群れでの暮らしを観察できます。
ゾウのすむ森
アジアゾウの展示エリアです。体の大きさだけでなく、鼻を使った採食や仲間との関わりにも注目したいところです。
クマたちの丘
複数のクマ類を紹介するエリアです。それぞれの生息環境や体の特徴を比較できます。
ホッキョクグマとアザラシの海
水中で活動する動物の姿も観察できる展示施設です。
東園は大型動物を中心に見学したい人に向いています。
西園の見どころ|アイアイ・小獣館・ハシビロコウ西園は、不忍池の北側に位置するエリアです。希少な小型哺乳類やアフリカの動物、鳥類などが充実しています。
特におすすめしたいのは次の施設です。
| 施設 | 主な動物 | 見どころ |
|---|---|---|
| アイアイのすむ森 | アイアイ、キツネザル、ホウシャガメ | マダガスカルの固有動物 |
| 小獣館 | マヌルネコ、オガサワラオオコウモリ、ハダカデバネズミ | 珍しい小型哺乳類 |
| 西園の鳥たち | ハシビロコウ、フラミンゴ、ペンギン | 大型鳥類や水鳥 |
| アフリカの動物 | キリン、カバ、サイ | アフリカの大型動物 |
| 両生爬虫類館 | カメ、ヘビ、ワニなど | 多様な爬虫類・両生類 |
| パンダのもり | レッサーパンダ、キジ類 | パンダの生息環境の再現 |
西園で特におすすめなのは、小獣館です。
マヌルネコやオガサワラオオコウモリだけでなく、ハダカデバネズミなど、一般的な動物園ではあまり注目されない動物にも出会えます。
なお、2026年10月27日更新の公式案内では、小獣館とアイアイのすむ森の公開終了時刻は16時30分です。閉園直前に訪れると見学時間が短くなるため、先に西園の希少動物を見ておくと効率的です。
2026年に上野動物園へ行くなら、どちらを優先する?目的別に考えると、次のようになります。
- 国内唯一の飼育動物を見たい人:西園のアイアイのすむ森
- 日本固有の希少種を観察したい人:西園の小獣館
- 大型動物が好きな人:東園のゴリラ・トラのすむ森
- 鳥類に興味がある人:西園のハシビロコウ展示
- さまざまな動物を一度に見たい人:東園・西園の両方
初めて訪れるなら、東園だけ、西園だけと限定せず、両方を回る計画がおすすめです。
【パンダ返還後の現在】パンダのもりでは何が見られる?

上野動物園の2026年を語るうえで欠かせないのが、ジャイアントパンダの返還です。
長年、上野動物園の象徴だったパンダですが、2026年1月以降は状況が大きく変わりました。
シャオシャオとレイレイは2026年1月28日に中国へ返還2025年12月15日、東京都と東京動物園協会は、上野動物園で飼育されていた双子のジャイアントパンダについて、中国への返還を発表しました。
対象となったのは次の2頭です。
- シャオシャオ:オス。2021年6月23日、上野動物園生まれ
- レイレイ:メス。2021年6月23日、上野動物園生まれ
2頭は同じ日に誕生した双子で、上野動物園の人気者として親しまれてきました。
東京都の公式発表では、2026年1月下旬の返還予定とされ、その後、2026年1月28日に2頭が中国へ返還されました。
これにより、上野動物園では現在ジャイアントパンダを飼育していません。
パンダのもりは閉鎖された?現在の展示状況パンダが返還されたことで、「パンダのもりはもう見るものがないのでは?」と考える人もいる可能性があります。
しかし、パンダのもりはパンダがいなくなった後も、動物の生息環境を学べる展示エリアとして紹介されています。
現在、公式案内に掲載されている主な動物は次のとおりです。
- シセンレッサーパンダ
- キンケイ
- ギンケイ
- ベニジュケイ
これらは、ジャイアントパンダと同じ中国の高山地域に生息する動物です。
また、施設内にはパンダの足跡や爪痕、糞のレプリカなど、生態を学べる展示もあります。
2026年2月10日から3月1日には、パンダのもりの観覧通路を開放する取り組みも行われました。加えて、同年10月には「パンダのもりの仲間たちとつくる!パンダのもりスタンプラリー」が開催され、パンダと同じ地域に暮らす動物への理解を深める企画が実施されています。
つまり、パンダのもりは単純に役割を終えた施設ではありません。パンダの生態や生息環境を伝える展示として、新しい楽しみ方が生まれています。
パンダ返還後に注目したい東園の歴史もう一つ注目したいのが、東園の旧パンダ舎です。
2026年7月の公式発表によると、東園のパンダ舎では、2023年2月にシャンシャンの展示が終了して以降、ジャイアントパンダの飼育展示は行われていませんでした。
施設の老朽化に伴い、2026年8月17日から2027年2月予定で解体工事が実施されることになりました。
この施設には、1972年に来園したカンカンとランランをはじめ、シャンシャンまで計13頭のパンダが暮らしてきた歴史があります。
パンダがいなくなった現在だからこそ、上野動物園が積み重ねてきた飼育・繁殖研究の歴史を振り返る価値があります。
【保全活動の舞台裏】上野動物園が希少動物を飼育する本当の理由
上野動物園を単なる観光施設として見ると、アイアイやオガサワラオオコウモリは珍しい動物という印象にとどまります。
しかし、同園の取り組みを調べると、希少種の飼育展示には、絶滅を防ぐための研究や繁殖技術の蓄積という重要な目的があることが分かります。
アイアイの繁殖実績は2023年時点で20回上野動物園は、アイアイの繁殖に長年取り組んできました。
東京都の公式発表によると、取り組みの歴史は次のとおりです。
- 1999年:マダガスカル国立チンバザザ動物園との共同研究を開始
- 2001年:マダガスカルからアイアイ2頭が来園
- 2008年:マダガスカル野生動植物グループ(MFG)の活動に参画
- 2023年1月3日:アイアイの子どもが誕生
- 2023年5月14日:別のメスの子どもが誕生
2023年6月8日の公式発表では、アイアイの飼育下繁殖実績は計20回に達していました。
同日時点の国内飼育数は11頭で、日本国内で飼育している施設は上野動物園のみとされています。
繁殖実績の背景にあるのは、単に飼育環境を整えるだけではありません。マダガスカルの現地施設との研究協力や、野生動物の保護活動との連携が積み重ねられてきました。
環境省から希少種保全の認定を受けた動物園上野動物園は、2022年8月12日付で環境省の「認定希少種保全動植物園等」制度における認定を受けています。
この制度は、希少な野生動植物の保護や増殖に取り組む施設を認定するものです。
認定対象には、国内希少野生動植物種12種、国際希少野生動植物種41種が含まれています。
その中には、次のような動物がいます。
- アイアイ
- オガサワラオオコウモリ
- アカガシラカラスバト
- ライチョウ
- コウノトリ
- シセンレッサーパンダ
- スマトラトラ
- ニシゴリラ
- ホウシャガメ
こうした動物の保全では、飼育下での繁殖だけでなく、野生で暮らせる環境を守ることも欠かせません。
都立動物園・水族園では、野生生物保全プロジェクトを通じて、生息地の調査、外部機関との連携、研究、普及啓発などに取り組んでいます。
希少動物を見られることには、どんな意味がある?動物園で希少種を展示する意義は、大きく3つあります。
1. 生物多様性を知る機会になる
アイアイやオガサワラオオコウモリのように、特定の島や地域にしか生息しない動物を知ることで、世界の生態系の多様性を理解できます。
2. 繁殖・飼育技術を次世代につなげる
絶滅危惧種は、個体数が少ないため繁殖が難しい場合があります。長年の飼育経験や研究データを蓄積することは、将来の保全活動にも役立ちます。
3. 野生動物と人間の共存を考えるきっかけになる
オガサワラオオコウモリのように、保護が必要である一方、農作物への食害が問題となる動物もいます。
動物園は、動物の姿を見せるだけでなく、人間の暮らしと野生生物の関係を伝える役割も担っています。
上野動物園で珍しい動物を見る際には、外見だけでなく、その動物がなぜ希少になったのか、どのような保全活動が行われているのかにも注目すると、見学の意味が大きく変わります。
【よくある質問】上野動物園にしかいない動物に関するFAQ
Q1:上野動物園にしかいない動物は何ですか?
A1:代表的なのはアイアイです。東京都の2023年6月の公式発表では、日本国内でアイアイを飼育している施設は上野動物園のみとされています。2026年の飼育状況を確認する際は、JAZAの飼育動物検索も参考になります。
Q2:アイアイは上野動物園のどこにいますか?
A2:西園の「アイアイのすむ森」です。マダガスカル原産のキツネザルなどと一緒に展示されています。夜行性のため、昼間は暗い環境で過ごしている姿を観察することになります。
Q3:オガサワラオオコウモリはどこで見られますか?
A3:西園の小獣館1階です。2025年2月26日に45年ぶりの一般公開が始まりました。小笠原諸島固有の希少種で、現在の公式展示案内にも掲載されています。
Q4:ハシビロコウは現在も見られますか?
A4:西園で展示されています。2026年9月には繁殖を目的とした非公開施設への移動計画が発表され、10月23日に移動延期が告知されました。移動後は2羽の展示を予定しているため、来園前に最新情報を確認してください。
Q5:マヌルネコはどこにいますか?
A5:西園の小獣館です。低い位置についた耳や丸い瞳孔、厚い毛に覆われた体が特徴です。
Q6:上野動物園にパンダはまだいますか?
A6:2026年11月現在、ジャイアントパンダは飼育されていません。シャオシャオとレイレイは2026年1月28日に中国へ返還されました。パンダのもりでは、現在レッサーパンダやキジ類などが展示されています。
Q7:上野動物園には何種類の動物がいますか?
A7:公式サイトによると、約250種・約3,000点です。ただし、飼育している動物が常にすべて公開されているわけではありません。健康管理や施設の事情で展示が休止される場合があります。
2026年の上野動物園で、国内唯一という希少性を重視して動物を探すなら、まず訪れたいのは西園のアイアイのすむ森です。
アイアイは日本国内で飼育する施設が上野動物園のみと公表されており、長年の繁殖実績と国際的な保全活動を持つ特別な動物です。
加えて、小獣館ではオガサワラオオコウモリやマヌルネコ、西園の鳥たちではハシビロコウなど、個性的な動物を観察できます。
パンダの返還によって上野動物園の見どころがなくなったわけではありません。むしろ、希少種の保全や動物の生態を学べる展示に目を向けることで、これまでとは違った楽しみ方ができます。
【プロの結論】
上野動物園を訪れる価値は、珍しい動物を何種類見られるかだけでは決まりません。
- 国内唯一の飼育動物を見たいならアイアイ
- 日本固有の希少種を知りたいならオガサワラオオコウモリ
- 独特な行動や姿を観察したいならハシビロコウ
- 個性的な哺乳類が好きならマヌルネコやハダカデバネズミ
- パンダの歴史を知りたいならパンダのもり
このように目的を決めて回ると、限られた時間でも充実した見学になります。
なお、動物の展示状況は健康管理や繁殖計画によって変わります。特に希少動物を目的に訪れる場合は、当日の公式発表と展示休止情報を確認してから出かけるのがおすすめです。
2026年の上野動物園は、パンダだけでは語り尽くせない、希少な生き物とその保全活動に出会える動物園です。
記事情報基準日:2026年11月5日