健康診断の血液検査で「悪玉コレステロールが高い」と指摘されたことはありませんか。悪玉コレステロールとは、一般にLDLコレステロール(LDL-C)と呼ばれる血液中の脂質の一種です。体内の細胞にコレステロールを届ける役割を担っていますが、血液中に増えすぎると血管の壁に蓄積し、動脈硬化を進行させる原因になります。
2026年現在、日本で脂質異常症を評価する際の基本的な診断基準は、日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」などに基づいています。LDLコレステロールの基準値だけでなく、HDLコレステロール、中性脂肪、non-HDLコレステロールとの関係も理解することが大切です。この記事では、高くなる原因から食事・運動による改善方法、医療機関を受診する目安、治療の考え方まで詳しく解説します。
【基本知識】悪玉コレステロールとは?LDLの働きと善玉との違い

悪玉コレステロールとは、LDL(Low Density Lipoprotein:低比重リポ蛋白)に含まれるコレステロールのことです。医学的にはLDLコレステロール、またはLDL-Cと表記されます。
コレステロール自体は、人間の生命活動に欠かせない脂質です。細胞膜の材料になるほか、男性ホルモンや女性ホルモンなどのステロイドホルモン、ビタミンD、胆汁酸の原料にもなります。
ただし、コレステロールは水に溶けにくいため、そのまま血液中を移動できません。リポ蛋白という粒子に取り込まれ、血液の流れに乗って全身に運ばれます。
LDLコレステロールの役割は全身への運搬LDLは主に肝臓から各組織へコレステロールを届ける役割を持っています。細胞の新陳代謝やホルモンの生成に必要な材料を供給するため、本来は身体に必要な存在です。
しかし、血液中のLDLコレステロールが過剰になると、血管の内側に入り込み、動脈硬化を促進する要因になります。このため、一般的に「悪玉」という呼び方が使われています。
HDLコレステロールは善玉と呼ばれる一方、HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれます。HDL(High Density Lipoprotein:高比重リポ蛋白)は、全身の細胞や血管壁に余ったコレステロールを回収し、肝臓に運ぶ働きを持っています。
LDLがコレステロールを全身に届ける役割を担うのに対し、HDLは余分なコレステロールを回収する役割を担うという違いがあります。
ただし、コレステロールという物質そのものに善悪があるわけではありません。問題になるのは、それを運ぶリポ蛋白の種類と血液中の量、そして身体全体の脂質代謝のバランスです。
悪玉・善玉・中性脂肪の違い- LDLコレステロール:肝臓から全身の細胞へコレステロールを運ぶ。過剰になると動脈硬化のリスクを高める。
- HDLコレステロール:余分なコレステロールを回収して肝臓へ運ぶ。
- 中性脂肪:身体を動かすエネルギー源として蓄えられる脂質。増えすぎると脂質異常症や動脈硬化のリスクに関係する。
- 総コレステロール:血液中の各リポ蛋白に含まれるコレステロールを合計した指標。
これらはそれぞれ異なる役割を持っているため、健康診断ではLDLだけでなく、HDLや中性脂肪も合わせて確認する必要があります。
【基準値一覧】悪玉コレステロールは何mg/dLから高い?
悪玉コレステロールの数値を判断する際には、日本動脈硬化学会が定める脂質異常症の診断基準が参考になります。
2026年11月時点で一般的に参照される「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」では、LDLコレステロール140mg/dL以上を高LDLコレステロール血症、120〜139mg/dLを境界域高LDLコレステロール血症としています。
脂質異常症の診断基準一覧| 検査項目 | 基準値 | 判定・意味 |
|---|---|---|
| LDLコレステロール | 140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
| LDLコレステロール | 120〜139mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症 |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満 | 低HDLコレステロール血症 |
| 中性脂肪(空腹時) | 150mg/dL以上 | 高トリグリセライド血症 |
| 中性脂肪(随時) | 175mg/dL以上 | 高トリグリセライド血症 |
| non-HDLコレステロール | 170mg/dL以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
| non-HDLコレステロール | 150〜169mg/dL | 境界域高non-HDLコレステロール血症 |
※単位はすべてmg/dL。日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」に基づく診断基準です。空腹時は原則として10時間以上の絶食を指します。
LDLコレステロール120〜139mg/dLは危険なのか120〜139mg/dLは境界域に該当します。直ちに薬物治療が必要という意味ではありませんが、糖尿病、慢性腎臓病、末梢動脈疾患、高血圧、喫煙などの危険因子がある場合には、慎重な評価が必要です。
特に、糖尿病や慢性腎臓病などを抱えている人は、同じLDL値でも動脈硬化性疾患の発症リスクが高くなることがあります。
総コレステロールだけでは判断できない総コレステロールは、血液中に存在するコレステロールの総量を表します。しかし、総コレステロールが高いからといって、必ずしも悪玉コレステロールが高いとは限りません。
例えば、HDLコレステロールが高いことによって総コレステロールが高くなっているケースもあります。そのため、総コレステロールだけで判断せず、LDLとHDLの内訳を確認が必要です。
non-HDLコレステロールとはnon-HDLコレステロールは、総コレステロールからHDLコレステロールを差し引いて算出する数値です。
non-HDLコレステロール=総コレステロール-HDLコレステロール
LDLだけでなく、レムナントなど動脈硬化を促進する可能性のあるリポ蛋白に含まれるコレステロールも反映します。
中性脂肪が400mg/dL以上の場合や食後の採血では、LDLコレステロールの計算値が正確でなくなることがあります。そのような場合には、non-HDLコレステロールや直接法によるLDL測定が役立ちます。
【原因を解説】悪玉コレステロールが高くなるのはなぜ?
悪玉コレステロールが高くなる原因は、食べ過ぎや運動不足だけではありません。遺伝的な体質、加齢、ホルモンの変化、病気、服用している薬など、複数の要因が関係します。
1. 飽和脂肪酸を多く含む食品の摂りすぎLDLコレステロールを高める食事要因として、特に注意したいのが飽和脂肪酸です。
飽和脂肪酸を多く含む食品には、次のようなものがあります。
- 牛肉や豚肉の脂身
- 鶏肉の皮
- バターやラード
- 生クリームや脂肪分の多い乳製品
- 洋菓子や菓子パン
- パーム油やヤシ油を多く使用した加工食品
飽和脂肪酸を多く摂取すると、肝臓でのコレステロール代謝に影響し、血液中のLDLコレステロールが増えることがあります。
食事を見直す場合、単純に油をすべて減らすのではなく、飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に置き換えることがポイントです。
2. 遺伝的な体質家族にコレステロール値が高い人がいる場合、遺伝的な体質が影響している可能性があります。
代表的な疾患が家族性高コレステロール血症(FH)です。LDLを肝臓などの細胞に取り込む仕組みが生まれつき十分に働かず、若い頃からLDLコレステロールが高くなりやすい特徴があります。
この場合、食事や運動を改善しても数値が十分に下がらないことがあります。生活習慣だけの問題だと考えて放置しないことが大切です。
3. 加齢や女性ホルモンの変化年齢を重ねるにつれて、脂質の代謝やホルモンの分泌は変化します。
女性の場合、閉経前後には女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下し、LDLコレステロールが上昇することがあります。
これまで食生活に大きな変化がなかった人でも、40代後半から50代以降に数値が上がるケースがあるのは、こうした身体の変化も関係しています。
4. 運動不足や肥満身体活動が少ない生活は、脂質代謝の悪化につながります。特に内臓脂肪が増えると、中性脂肪が上昇したり、HDLコレステロールが低下したりすることがあります。
運動不足そのものがLDL上昇の唯一の原因というわけではありませんが、肥満やインスリン抵抗性などを通じて脂質異常症のリスクを高めます。
5. 病気や薬の影響生活習慣とは別に、特定の病気によってコレステロール値が上昇することもあります。
- 甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンが不足し、コレステロールの代謝が低下する。
- ネフローゼ症候群:腎臓の機能障害によって尿中にタンパク質が大量に失われ、脂質が増加する。
- 糖尿病:脂質代謝に異常が生じ、LDLや中性脂肪などに影響する。
- 肝臓・胆道の病気:胆汁の生成や排泄に異常が起き、コレステロール値が変化することがある。
また、薬剤の種類によっては脂質の数値に影響する場合があります。服薬中の人は、自己判断で薬を中止せず、医師に相談してください。
【健康リスク】悪玉コレステロールと動脈硬化の関係とは?
悪玉コレステロールが問題視される最大の理由は、動脈硬化を進行させることです。
動脈硬化とは、血管の壁が厚くなったり硬くなったりして、血液の通り道が狭くなる状態です。進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気につながる可能性があります。
LDLが血管に蓄積する仕組み血液中のLDLコレステロールが多い状態が続くと、LDL粒子が動脈の壁に入り込み、そこで炎症反応などを引き起こします。
その結果、マクロファージと呼ばれる免疫細胞が脂質を取り込み、泡沫細胞となって蓄積します。こうした変化が進むと、血管壁にプラークと呼ばれる隆起が形成されます。
プラークが大きくなれば血管が狭くなり、さらにプラークが破綻すると血栓ができて血管を塞ぐことがあります。
動脈硬化が引き起こす代表的な病気- 狭心症:心臓に血液を送る冠動脈が狭くなり、心筋への血流が不足する。
- 心筋梗塞:冠動脈が血栓などで塞がれ、心筋への血液供給が途絶える。
- 脳梗塞:脳の血管が詰まり、脳組織に十分な血液が届かなくなる。
- 末梢動脈疾患:主に脚の動脈が狭くなり、歩行時の痛みや血流障害が起こる。
脂質異常症の厄介な特徴は、通常、自覚症状がほとんどないことです。
LDLコレステロールが高くても、頭痛やめまい、疲労感などの分かりやすい症状が現れるとは限りません。本人が気づかないうちに動脈硬化が進行している可能性があります。
そのため、職場の定期健康診断や特定健康診査などで血液検査を受け、数値の変化を把握が必要です。
また、HDLコレステロールが高いからといって、LDLの高値が帳消しになるわけではありません。善玉と悪玉のバランスだけでなく、それぞれの絶対値やほかの危険因子を総合的に確認する必要があります。
【改善方法】悪玉コレステロールを下げる食事と運動の実践法
悪玉コレステロールを改善するには、日々の食生活と身体活動を見直すことが基本です。極端な食事制限や激しい運動を始める必要はありません。続けられる方法を選び、数値の変化を確認しながら改善していきましょう。
1. 飽和脂肪酸を減らす食事改善で優先したいのは、肉の脂身やバターなどに多く含まれる飽和脂肪酸を減らすことです。
例えば、脂身の多い肉を赤身肉や魚に置き換える、バターを使う頻度を減らす、揚げ物や洋菓子を食べる回数を見直すといった方法があります。
脂質をすべて排除する必要はありません。オリーブ油や菜種油、大豆製品、魚などから不飽和脂肪酸を適度に摂取することがポイントです。
2. 食物繊維を積極的に摂る食物繊維は、LDLコレステロールの改善に役立つ栄養素です。特に水溶性食物繊維は、腸内で胆汁酸などの排泄に関わり、コレステロール代謝に影響します。
日常の食事には、次のような食品を取り入れるとよいでしょう。
- 納豆や豆腐などの大豆製品
- オートミールや大麦、玄米
- ブロッコリーやオクラなどの野菜
- わかめや昆布などの海藻
- しいたけやえのきなどのきのこ類
- りんごなどの果物
サバ、イワシ、サンマなどの青魚には、EPAやDHAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸が含まれています。これらは特に中性脂肪の改善に役立つ栄養素です。
また、大豆製品には植物性タンパク質や不飽和脂肪酸が含まれています。肉料理ばかりに偏らず、魚や豆腐、納豆などを組み合わせることが望まれます。
4. 卵や肉を極端に禁止する必要はないコレステロールを含む食品をすべて避ければよい、という考え方は正確ではありません。
食事から摂取するコレステロールの影響には個人差があり、体内で合成されるコレステロールの割合も大きいためです。
特に重視したいのは、飽和脂肪酸の摂取量と食事全体のバランスです。卵や肉を一律に禁止するのではなく、医師や管理栄養士の指導に合わせて適量を調整しましょう。
5. 有酸素運動を習慣にする悪玉コレステロールの改善には、ウォーキングや自転車、水泳などの有酸素運動が役立ちます。
厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」では、中強度以上の有酸素運動を中心に、毎日合計30分以上を目標とする運動習慣が紹介されています。少なくとも週3日以上を目安にし、短時間の運動を複数回に分けて合計する方法もあります。
具体的には、次のような取り組みが考えられます。
- 通勤時に一駅分歩く。
- 昼休みに10〜15分程度のウォーキングをする。
- 休日に30分程度の散歩をする。
- エレベーターより階段を選ぶ。
- 自宅で軽いステップ運動を取り入れる。
運動による血中脂質の改善には継続が必要です。1回だけ激しく運動しても、持続的な改善は期待できません。数カ月単位で習慣化することが大切です。
6. 適正体重を維持し、禁煙する肥満や内臓脂肪の蓄積は、中性脂肪の増加やHDLコレステロールの低下などに関係します。食事量や間食を見直し、無理のない範囲で体重を管理しましょう。
喫煙は血管の健康に悪影響を及ぼし、動脈硬化性疾患のリスクを高めます。脂質の数値だけに注目するのではなく、禁煙や受動喫煙の回避も重要です。
なお、LDLコレステロールが高い人と中性脂肪が高い人では、食事改善の重点が異なります。中性脂肪が高い場合には、糖質やアルコールの摂取量を見直すことも重要です。
【受診・治療の目安】家族性高コレステロール血症と薬物療法も確認
生活習慣の改善は重要ですが、すべての人が食事や運動だけで十分に改善できるわけではありません。数値の高さや動脈硬化のリスクによっては、医療機関での検査や薬物療法が必要です。
LDLコレステロール140mg/dL以上なら医療機関に相談健康診断でLDLコレステロール140mg/dL以上を指摘された場合は、内科などの医療機関に相談しましょう。
特に180mg/dL以上の場合は、家族性高コレステロール血症などの可能性も考慮する必要があります。高値を放置せず、早めに原因を調べることが大切です。
また、LDLが140mg/dL未満であっても、糖尿病や高血圧、慢性腎臓病、心筋梗塞の既往などがある場合には、より厳格な管理が必要になることがあります。
家族性高コレステロール血症(FH)とは家族性高コレステロール血症(FH)は、遺伝的な要因によってLDLコレステロールが高くなりやすい病気です。
一般的な生活習慣による脂質異常症と異なり、食事や運動に気をつけていてもLDLコレステロールが高い状態になりやすい特徴があります。
成人の診断では、主に次の項目が確認されます。
- 未治療時のLDLコレステロールが180mg/dL以上。
- アキレス腱肥厚や皮膚結節性黄色腫などの腱・皮膚の所見がある。
- 家族に家族性高コレステロール血症の人、または若年で冠動脈疾患を発症した人がいる。
原則として、ほかの原発性・続発性脂質異常症を除外したうえで、これらの項目を組み合わせて診断します。成人では、上記のうち2項目以上が診断の目安です。
アキレス腱が太くなっている、家族に若い頃からコレステロール値が高い人がいる、若年で心筋梗塞や狭心症を発症した親族がいるといった場合は、医師に伝えましょう。
日本動脈硬化学会は2025年に成人の家族性高コレステロール血症診療ガイドラインのフォーカスアップデートを公表しています。これは主にホモ接合体に対する薬物治療の項目を更新したものです。
薬物療法ではどのような薬を使う?食事や運動による改善だけでは管理目標に届かない場合や、動脈硬化性疾患のリスクが高い場合には薬物療法が検討されます。
代表的な薬には、次のようなものがあります。
- スタチン:肝臓でのコレステロール合成を抑え、LDLコレステロールを低下させる。
- エゼチミブ:小腸でのコレステロール吸収を抑える。
- PCSK9阻害薬:LDL受容体の働きを保ち、血液中のLDLコレステロールを強力に低下させる。
薬剤の選択は、LDL値や年齢、既往歴、合併症、治療への反応などを踏まえて医師が判断します。薬を服用している場合は、数値が改善したからといって自己判断で中止しないでください。
治療目標は全員同じではないここで注意したいのが、脂質異常症の診断基準と治療目標値は異なるという点です。
日本動脈硬化学会の2022年版ガイドラインでは、動脈硬化性疾患の既往がない人の一次予防について、危険因子などを評価してリスクを分類し、次のようなLDL管理目標を設定しています。
- 低リスク:160mg/dL未満
- 中リスク:140mg/dL未満
- 高リスク:120mg/dL未満
糖尿病に細小血管症や末梢動脈疾患などを合併する場合には、さらに低い100mg/dL未満を目標として考慮することがあります。
すでに冠動脈疾患やアテローム血栓性脳梗塞の既往がある二次予防では、原則として100mg/dL未満が目標となり、特にリスクが高い患者では70mg/dL未満を検討する場合もあります。
つまり、LDLコレステロールが130mg/dLの人でも、健康状態によって治療の必要性は異なります。健康診断の数値だけで自己判断せず、全身のリスクを含めて評価することが大切です。
【よくある質問】悪玉コレステロールに関するFAQ
Q1:悪玉コレステロールは何mg/dLから高いと判断されますか?
A1:日本動脈硬化学会の診断基準では、LDLコレステロール140mg/dL以上が高LDLコレステロール血症です。120〜139mg/dLは境界域に該当します。ただし、治療目標は個人の健康状態や動脈硬化のリスクによって異なります。
Q2:悪玉コレステロールが高いと、どのような症状が出ますか?
A2:通常、自覚症状はほとんどありません。数値が高くても体調に変化がない場合が多く、健康診断の血液検査で初めて分かることがあります。
Q3:悪玉コレステロールを下げる食べ物は何ですか?
A3:納豆、大豆製品、野菜、海藻、きのこ、玄米、大麦など、食物繊維を含む食品がおすすめです。青魚などを取り入れ、肉の脂身やバター、生クリームなど飽和脂肪酸の多い食品を控えることも大切です。
Q4:悪玉コレステロールは運動だけで下げられますか?
A4:運動は脂質代謝の改善に役立ちますが、運動だけで十分に下がるとは限りません。食事改善や体重管理と組み合わせることが基本です。遺伝的な要因などがある場合には薬物療法が必要になることもあります。
Q5:悪玉コレステロールが高いとき、卵は食べてはいけませんか?
A5:必ずしも卵を全面的に禁止する必要はありません。食事中のコレステロールが血液中の数値に与える影響には個人差があります。飽和脂肪酸の摂取量や食事全体のバランスも含めて調整しましょう。
Q6:悪玉コレステロールが180mg/dL以上の場合はどうすればよいですか?
A6:早めに医療機関を受診してください。家族性高コレステロール血症の可能性を含めて原因を調べる必要があります。特に家族に若年で心筋梗塞や狭心症を発症した人がいる場合は、診察時に伝えましょう。
Q7:善玉コレステロールが高ければ悪玉コレステロールが高くても問題ありませんか?
A7:問題がないとはいえません。HDLコレステロールが高くても、LDLコレステロールによる動脈硬化のリスクがなくなるわけではありません。それぞれの数値を個別に確認することが大切です。
悪玉コレステロールとは、LDLに含まれるコレステロールのことで、全身の細胞に必要な脂質を運ぶ役割を持っています。しかし、血液中に増えすぎると血管壁に蓄積し、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの発症リスクを高める可能性があります。
日本動脈硬化学会の診断基準では、LDLコレステロール140mg/dL以上が高LDLコレステロール血症に該当します。ただし、診断基準と治療目標は異なり、年齢や糖尿病、高血圧、喫煙歴、心血管疾患の既往などによって適切な管理方法は変わります。
日常生活では、飽和脂肪酸を控え、魚や大豆、野菜、海藻などを取り入れた食事を心がけましょう。ウォーキングなどの有酸素運動を継続し、適正体重を維持することも大切です。
また、LDLコレステロールが著しく高い場合や、家族に若年で心臓病を発症した人がいる場合には、家族性高コレステロール血症の可能性も考慮する必要があります。
最も大切なのは、健康診断の数値を放置せず、自分の動脈硬化リスクに合った管理を続けることです。食事や運動だけで改善しない場合には医療機関で相談し、必要に応じて適切な治療を受けましょう。
主な根拠資料(2026年11月時点)
- 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
- 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版」
- 日本動脈硬化学会「成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン フォーカスアップデート2025」
- 厚生労働省「健康づくりサポートネット(e-ヘルスネット)」
- 日本動脈硬化学会「コレステロール摂取に関するQ&A」「健康診断で異常を言われたら?」
基準値・診断について:
食事・運動・治療について:
家族性高コレステロール血症について: