みかじめとは、暴力団が縄張りとする地域で営業する飲食店や風俗店などに対し、営業を認める見返りや用心棒代などの名目で金品を要求する行為、または要求される金品そのものを指す言葉です。「あいさつ料」「ショバ代」「付き合い料」などと呼ばれることもあり、暴力団の代表的な資金獲得手段の一つとして知られています。
2026年現在も、みかじめ料の要求や徴収をめぐる事件は各地で発生しています。警察庁の最新公表統計では、2025年中に暴力団対策法に基づいて出された中止命令のうち、みかじめ料要求に関するものは55件でした。暴力団構成員等の減少が続く一方、飲食店への継続的な金銭要求や、広告費・看板掲載料などに名目を変えた徴収も問題になっています。
【基本知識】みかじめとは?みかじめ料の意味と用心棒代との違い

みかじめとは、暴力団が特定の地域を自分たちの縄張りとして位置付け、その区域で営業する事業者に対して金銭や物品などを要求する行為に関連する言葉です。
一般的には、毎月一定額を支払わせる金銭要求を指すことが多く、飲食店、居酒屋、スナック、キャバクラ、風俗店などが対象として挙げられます。
みかじめ料とは何かみかじめ料とは、暴力団が縄張り内で営業する事業者に対して、営業を認める見返りや地域でのトラブルへの対応などを名目に要求する金品です。
東京弁護士会の民事介入暴力対策特別委員会も、みかじめ料について、営業を営むことを容認する対価や、守料・用心棒代的な意味を持たせて支払わせる金品として説明しています。
本質的な問題は、通常の商取引とは異なり、暴力団の威力や威圧的な立場を背景に、事業者が自由な意思で拒否しにくい状況を作って金品を要求する点にあります。
用心棒代・あいさつ料・ショバ代との違いみかじめ料と似た言葉には、用心棒代、あいさつ料、ショバ代などがあります。これらは似た金銭要求を指す場合がありますが、名目や要求の目的には違いがあります。
- みかじめ料:その地域で営業することを認める見返りとして要求される金品。
- 用心棒代:客とのトラブルや店舗内外の紛争を解決する、あるいは営業を守るという名目で要求される金品。
- あいさつ料:新規出店や営業開始時などに、地域へのあいさつや付き合いを名目として要求される金品。
- ショバ代:営業場所を使用する対価のように見せかけて要求される金品。
- カスリ:暴力団などの資金獲得に関連して使われる俗称の一つ。
重要なのは、呼び方が違っても、暴力団の威力を示して不当に金品を要求する行為であれば、暴力団対策法などによる規制の対象になり得ることです。
たとえば「用心棒代ではなく、単なる付き合い料だ」「広告費として支払ってほしい」と説明されても、それだけで適法な取引になるわけではありません。
【語源と仕組み】みかじめ料の由来と暴力団による要求の実態
みかじめという言葉の由来みかじめ料は「見ヶ〆料」「見かじめ料」などと表記されることがあります。
小学館のデジタル大辞泉によると、語源は明確に確定しておらず、いくつかの説が伝えられています。
- 毎月3日に取り立てる説:毎月の決まった日に金銭を徴収する習慣から生まれたという説。
- 3日以内に支払わせる説:要求してから3日以内に支払わなければ締め上げるという説明に由来する説。
- 管理・監督に関連する説:「見ヶ〆」という表記から、見張りや管理、取り締まりなどの意味に関連付ける説。
ただし、いずれか一つが確定した語源というわけではありません。「三日締め」という説明は広く紹介されていますが、確定した歴史的事実として扱うことはできません。
みかじめ料を要求する仕組みみかじめ料の徴収は、暴力団側が営業地域での影響力を背景に事業者へ接近することから始まる場合があります。
最初から露骨に金銭を要求するのではなく、地域の人間関係や営業上の不安に付け込んで、継続的な金銭の支払いを求めるケースもあります。
代表的な要求の形は次のとおりです。
- 新規開店時に地域へのあいさつを求める。
- 毎月の付き合いや営業協力を名目に金銭を要求する。
- 客とのトラブルを解決するという名目で用心棒代を要求する。
- 広告費、看板掲載料、店舗経営料などの名目で金銭を徴収する。
- おしぼり、観葉植物、正月用品などの購入やリース契約を求める。
警視庁が公開している暴力団への対応事例でも、料理店経営者に対して毎月5万円の付き合い料を要求した事例が紹介されています。警察署長が中止命令を出した結果、要求行為や嫌がらせがなくなったとされています。
飲食店・風俗店が狙われやすい背景飲食店や風俗店は、繁華街や歓楽街に集中して営業する傾向があります。営業時間が深夜に及ぶ店舗もあり、客とのトラブルや従業員の安全など、経営者が不安を抱えやすい事情があります。
こうした不安を利用し、「この地域で営業するなら付き合いが必要」「何かあったときに面倒を見る」といった説明で金銭を要求することが、みかじめ料の典型的な構造です。
また、暴力団側にとっては、一店舗から得る金額が少額でも、複数の店舗から継続的に徴収すれば資金源になります。徴収をめぐる取引を装うことで、外部から実態が見えにくくなる問題もあります。
【2026年最新】みかじめ料の相場・金額と現在の実態を統計・事件から検証
みかじめ料には、全国共通の公定価格や法律で定められた相場はありません。店舗の立地、営業形態、要求する側の事情などによって金額は異なります。
したがって、インターネット上で見かける「月額いくらが一般的」という情報を、全国共通の相場として受け取るのは適切ではありません。実際の事件で確認された金額を比較することが、実態を理解する手掛かりになります。
2025年の警察庁統計で確認できるみかじめ料要求警察庁が2026年4月に公表した「令和7年における組織犯罪の情勢」によると、2025年中の暴力団対策法に基づく中止命令は754件でした。
このうち、暴力団対策法第9条に定める暴力的要求行為に関するものは529件で、内訳を見ると、みかじめ料要求が55件、用心棒料等の要求が176件となっています。
また、同年の再発防止命令は全体で48件。このうち、暴力的要求行為に関するものは32件で、みかじめ料要求に対するものは6件でした。
これらは警察による行政命令の件数であり、被害店舗の総数や実際に徴収された金額を示す統計ではありません。しかし、2025年にもみかじめ料要求が具体的な行政処分の対象になっていたことを示しています。
2026年に報道された具体的な事例2026年には、北海道、埼玉県、山口県などで、飲食店からのみかじめ料徴収をめぐる事件や行政命令が報じられました。
主な事例を整理すると、次のとおりです。
| 時期・地域 | 確認された内容 | 金額・行政措置など |
|---|---|---|
| 2025年・全国統計 | みかじめ料要求に対する中止命令 | 55件 |
| 2026年6月・北海道旭川市 | 繁華街の10店舗以上に対する継続的な要求 | 毎月約2万円。6月24日に暴力団トップへ再発防止命令 |
| 2026年10月・埼玉県川口市 | 飲食店3店舗からの集金や正月飾り物代の徴収 | みかじめ料は1万~3万円、正月飾り物代は1万~2万円。10月13日に再発防止命令 |
| 2026年10月・山口県山口市 | 湯田温泉の飲食店経営者から店舗経営料・看板掲載料名目で徴収した疑い | 13回で計約43万5,000円。10月21日に暴力団関係者ら3人を逮捕 |
北海道の旭川市では、2026年6月24日、北海道旭川方面公安委員会が指定暴力団山口組系の旭導会会長に対して、みかじめ料や用心棒料を要求することを禁じる再発防止命令を出しました。
北海道の報道によると、組員は旭川市内の繁華街にある10店舗以上の飲食店経営者に対し、毎月約2万円を要求していたとされています。なかには2011年ごろから継続して要求されていた事例もありました。
2026年2月には、北海道暴力団排除推進条例違反の疑いで同会の幹部が逮捕されており、その捜査過程で継続的な金銭要求の実態が明らかになったと報じられています。
埼玉県川口市では第三者を介した集金も発覚2026年10月19日付の埼玉新聞によると、川口市内の飲食店からみかじめ料などを集金させていたとして、住吉会傘下組織の組長と男性会社員に対し、10月13日に再発防止命令が出されました。
報道によると、組長は知人男性に飲食店から金銭を集めるよう要求しており、川口市内の3店舗から、みかじめ料として1万~3万円、正月飾り物代として1万~2万円を集金していたとされています。
注目されるのは、暴力団員本人が直接店舗を訪れるだけでなく、第三者を介して金銭を集める構造が確認された点です。要求する側と実際に集金する側が異なる場合もあるため、事業者は名義や肩書だけで判断しないことが必要です。
山口市の湯田温泉では看板掲載料などの名目で徴収した疑い2026年10月21日、TNCテレビ西日本などは、山口市の湯田温泉で飲食店を経営する男性から、みかじめ料を脅し取った疑いで、特定危険指定暴力団工藤会系の組員ら3人が逮捕されたと報じました。
警察によると、2024年8月から2025年6月にかけて、店舗経営料と看板掲載料の名目で13回にわたり、計約43万5,000円を徴収した疑いが持たれています。報道では、それぞれ月3万円ずつ支払わせていたとされています。
警察は、受け取った現金が工藤会の資金になっていた可能性も含めて調べていると報じられました。逮捕された3人の認否は明らかにされていません。
暴力団の勢力が減少しても、みかじめ料問題はなくなっていない警察庁の2025年末時点の統計では、暴力団構成員等の人数は1万7,600人となり、過去最少を記録しました。構成員等の検挙人員も7,335人で、前年から11.1%減少しています。
しかし、人数の減少と不当要求の消滅は同じ意味ではありません。2025年にはみかじめ料要求に対する中止命令が55件出され、2026年にも複数の地域で徴収をめぐる事件や再発防止命令が報じられています。
また、警察庁の組織犯罪情勢では、匿名・流動型犯罪グループと暴力団の関係についても分析されています。繁華街などで活動するグループが暴力団に資金を供与し、その威力を利用して資金獲得活動を行う実態も指摘されています。
2026年11月4日時点では、2026年の通年確定統計はまだ公表されていません。したがって、現状を判断するには、2025年の最新年間統計と2026年に発生した個別事例の両方を見る必要があります。
【法律・罰則】暴対法第9条と暴力団排除条例による規制
みかじめ料の要求は、単なる迷惑行為ではありません。暴力団対策法や各都道府県の暴力団排除条例によって規制されている不当要求行為です。
暴力団対策法第9条第4号でみかじめ料の要求を禁止正式名称を「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」という暴力団対策法では、第9条に暴力的要求行為の禁止が定められています。
同条第4号は、指定暴力団員が所属する組織の威力を示して、縄張内で営業する者に対し、その営業を営むことを容認する対価として金品等の供与を要求する行為を禁止しています。
つまり、「この地域で営業するなら毎月金銭を支払え」「営業を続けたいなら付き合いをしろ」といった要求が、法律上のみかじめ料要求に該当する代表的なケースです。
また、第5号では用心棒料等の要求行為も禁止されています。用心棒代のほか、日常業務用の物品購入や興行の入場券・パーティ券などを不当に要求する行為も規制の対象です。
これらは第9条に定められた27類型の暴力的要求行為の一部です。違反が認められる場合、公安委員会などによる中止命令や再発防止命令の対象となります。
暴力団排除条例による利益供与の禁止暴力団排除条例は、各都道府県が暴力団の活動を排除するために制定している条例です。全国で施行されており、事業者による暴力団への利益供与などを規制しています。
たとえば東京都暴力団排除条例では、事業者が暴力団の威力を利用する対価として利益を供与することや、暴力団の活動を助長し、運営に資することを知りながら利益を供与することを禁止しています。
ここでいう利益供与は、現金の支払いだけではありません。物品の提供やサービス、財産上の利益なども対象になり得ます。
暴力団排除特別強化地域では支払う側も処罰対象になり得る特に注意したいのが、繁華街などを指定する「暴力団排除特別強化地域」の制度です。
東京都では、2019年10月1日に施行された条例改正によって、指定地域における特定営業者と客引き等を行う者について、暴力団員から用心棒の役務を受けることや、みかじめ料・用心棒料として利益を供与することなどが禁止されました。
対象となる特定営業には、一般飲食店、居酒屋、スナック、風俗営業、性風俗関連特殊営業、ナイトクラブなどが含まれます。
東京都の制度では、指定地域における禁止行為に違反した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が定められています。これは東京都の特定の規制に関する罰則であり、全国の事業者に一律に適用されるものではありません。
また、事業者が自主的に警察へ申告し、暴力団との関係を遮断する場合には、東京都暴力団排除条例第33条第3項の自首減免規定が設けられています。過去に支払っていた事業者が関係を断ち切るための制度的な仕組みです。
支払った側は必ず逮捕されるのかみかじめ料を支払った事業者が、全国どこでも自動的に処罰されるわけではありません。
支払った地域、営業形態、相手との関係、利益供与の目的や認識、適用される条例などによって法的な判断は異なります。
一方、特別強化地域などでは、事業者側の利益供与も禁止・処罰の対象になる場合があります。そのため、要求に応じてしまった場合も、自己判断で隠したり、今後の支払いを続けたりせず、速やかに警察や弁護士に相談が必要です。
【見分け方と対処法】みかじめ料を要求されたらどう断るべきか
みかじめ料の要求は、必ずしも暴力的な言動から始まるわけではありません。営業上の協力や地域への付き合いを装った要求もあるため、金銭の名目だけで判断しないことが大切です。
みかじめ料を見分ける4つのチェックポイント次のような状況が複数見られる場合は、不当要求の可能性を考える必要があります。
- 営業の対価として定期的な支払いを求める:具体的な商品やサービスの提供がないのに、毎月の付き合い料や営業協力費を要求される。
- 縄張りや地域の影響力を強調する:この地域で商売を続けるには必要だと説明される。
- 用心棒やトラブル解決を持ちかける:客との問題や他店との揉め事を解決する代わりに金銭を求められる。
- 名目を変えて支払いを要求する:看板掲載料、広告費、おしぼり代、観葉植物のリース料、正月用品代などを不自然な条件で求められる。
ここで重要なのは、人物の服装や外見だけで暴力団員かどうかを判断しないことです。相手が名乗る肩書や所属だけでなく、要求の内容、支払いの目的、取引の実態を確認する必要があります。
また、正当な広告契約や商品購入、リース契約までがすべてみかじめ料になるわけではありません。通常の商取引と、不当な威力を背景にした利益要求は区別して考える必要があります。
要求されたときに取るべき5つの対応みかじめ料を要求された場合、最優先すべきなのは経営者や従業員の安全です。相手を刺激して無理にその場で決着を付けようとする必要はありません。
- 一人で対応しない:可能であれば複数人で対応し、責任者以外の従業員が個別に約束しない体制を整える。
- その場で契約や支払いを約束しない:即答や口約束を避け、金銭の支払い、契約書への署名、押印などはしない。
- 要求の内容を記録する:日時、場所、相手の特徴、要求された金額、名目、発言内容、連絡先などを記録する。
- 警察に早期相談する:要求があった段階で警察署や警察相談窓口に相談し、必要な対応を確認する。
- 組織として関係を遮断する:経営者だけでなく従業員全員に対応方針を共有し、個人的な付き合いや独自の支払いを防ぐ。
警視庁の対応指針では、不当な要求には曖昧な返答をせず、明確に断ることが基本とされています。
たとえば、身の安全が確保され、落ち着いて対応できる状況であれば、次のような意思表示が考えられます。
- 「そのような金銭の支払いには応じられません」
- 「会社として不当な要求には応じない方針です」
- 「契約や金銭の問題については、警察や専門家に相談して対応します」
ただし、これらの言葉を無理にその場で使う必要はありません。相手が威圧的な態度を取ったり、危害を加えるおそれがあったりする場合は、安全な場所へ移動し、警察へ連絡してください。
特に避けたいのは、「今回だけなら払う」「来月から考える」「一度だけ協力する」といった一時しのぎの約束です。警視庁の相談事例では、いったん金銭を支払うと要求が繰り返される可能性があることも指摘されています。
すでに支払ってしまった場合の対応過去にみかじめ料を支払ったことがある場合でも、相談を諦める必要はありません。
まずは、これまでの支払い履歴や要求の内容を整理してください。振込記録、領収書、請求書、メッセージ、電話の履歴、契約書などは、関係を確認するための重要な資料になります。
現金で支払った場合も、支払った日時や金額、相手、支払いを求められた経緯などを、覚えている範囲で記録しておくと役立ちます。
過去の支払いを止めたい場合は、相手に単独で返金や関係解消を迫るのではなく、警察、暴力追放運動推進センター、民事介入暴力に詳しい弁護士などと相談しながら進めることが重要です。
【警察・相談窓口】みかじめ料の被害を相談できる機関
みかじめ料を要求された場合、相談先は警察だけではありません。暴力団問題を専門に扱う暴力追放運動推進センターや、民事介入暴力に詳しい弁護士にも相談できます。
1. 警察署・警察相談専用電話「#9110」暴力団から金銭を要求された場合は、最寄りの警察署や都道府県警察本部の組織犯罪対策担当部署に相談できます。
緊急の事件・事故ではないものの、暴力団からの要求や嫌がらせについて相談したい場合は、全国共通の警察相談専用電話「#9110」が利用できます。
一方、目の前で脅迫や暴力が行われている、身の危険が迫っている、店舗への押しかけや破壊行為が発生しているなど、緊急性が高い場合は110番してください。
2. 全国暴力追放運動推進センター・各都道府県の暴追センター暴力追放運動推進センターは、暴力団に関する不当要求や被害について相談できる専門機関です。
相談内容に応じて、警察による援助や弁護士会などの関係機関への引き継ぎを受けられる場合があります。
みかじめ料の要求を断りたい事業者や、過去の支払いを止めて暴力団との関係を遮断したい経営者にとって、重要な相談先です。
3. 民事介入暴力に詳しい弁護士民事介入暴力とは、暴力団などの反社会的勢力が民事上の取引や紛争に介入し、威力や威圧を利用して不当な利益を得ようとする行為を指します。
弁護士に相談することで、過去の支払いに関する法的問題、契約の扱い、損害回復の可能性、関係遮断に向けた対応などについて助言を受けられます。
東京弁護士会には民事介入暴力対策特別委員会があり、みかじめ料を徴収された事業者や、支払いを断ったことで嫌がらせを受けている事業者への支援を行っています。
相談時に準備しておきたい情報警察や専門機関に相談するときは、次の情報を整理しておくと状況を説明しやすくなります。
- 要求を受けた日時と場所
- 相手の氏名や名乗った所属、分かる範囲の特徴
- 要求された金額と支払いの頻度
- 金銭を要求された名目や理由
- 相手から受けた脅迫や嫌がらせの内容
- 過去に支払った金額や振込記録
- 電話、メッセージ、請求書などの関連資料
これらをすべて用意してから相談する必要はありません。資料が不足していても、まず相談することが大切です。
【プロの結論】みかじめ料問題で知っておきたい本質と判断基準
みかじめ料問題の本質は、単に金銭を要求されることではありません。事業者が営業を続けるために必要な安全や地域での自由を、暴力団の威力によって制限され、継続的な金銭負担を強いられる構造にあります。
誤解してはいけない3つのポイント第一に、少額なら問題がないという考え方は誤りです。
月額数万円程度の要求でも、暴力団の威力を示して不当に金品を要求する行為であれば、暴力団対策法の規制対象になり得ます。金額の大小だけで違法性は判断できません。
第二に、広告費や商品購入の名目なら合法というわけではありません。
契約書や領収書が存在していても、実際には営業を認める対価として要求されていたり、暴力団の威力を利用する目的で利益を供与していたりすれば、法的な問題が生じる可能性があります。
第三に、暴力団員が直接集金に来るとは限りません。
2026年の埼玉県川口市の事例でも、第三者を介した集金が報じられています。相手が一般の会社員や事業者を名乗っていても、金銭要求の背景や目的を確認する必要があります。
事業者が判断するときの3つの基準- 正当な対価があるか:提供される商品やサービスの内容、料金、契約条件が具体的で合理的か。
- 自由に断れるか:契約を拒否した場合に営業妨害や嫌がらせを示唆されていないか。
- 支払い先と目的が明確か:誰に何の対価として支払うのか、暴力団の活動や運営に資するものではないか。
一つでも不自然な点があれば、経営者だけで判断せず、警察や弁護士に相談することが望まれます。
暴力団排除は、個々の事業者だけに負担を押し付ける問題ではありません。警察、行政、暴追センター、弁護士会、地域の事業者が連携し、金銭要求に応じなくても安全に営業を続けられる環境を整えることが必要です。
【みかじめとは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:みかじめとは簡単にいうと何ですか?
A1:暴力団が縄張り内で営業する飲食店や風俗店などに対し、営業を認める見返りや用心棒代などの名目で金品を要求することです。要求される金品をみかじめ料と呼びます。
Q2:みかじめ料の相場はいくらですか?
A2:全国共通の相場はありません。2026年の報道では、旭川市で毎月約2万円を要求した事例や、山口市で店舗経営料・看板掲載料として徴収した疑いのある事例などが確認されています。金額だけで違法性を判断することはできません。
Q3:みかじめ料は暴対法で禁止されていますか?
A3:はい。暴力団対策法第9条第4号では、指定暴力団員が組織の威力を示し、縄張内で営業する者に対して営業を認める対価として金品を要求する行為を禁止しています。
Q4:みかじめ料を支払った飲食店も逮捕されますか?
A4:全国一律に支払った側が自動的に処罰されるわけではありません。ただし、暴力団排除特別強化地域などでは、事業者側の利益供与も禁止され、罰則が適用される場合があります。支払いの経緯や地域の条例によって判断が異なるため、警察や弁護士への相談が必要です。
Q5:みかじめ料を要求されたら、どう断ればよいですか?
A5:安全を確保したうえで、不当な要求には応じない意思を明確にすることが基本です。一人で対応せず、支払いの約束や署名・押印を避け、要求内容を記録して警察に相談してください。身の危険を感じる場合は110番を優先します。
Q6:みかじめ料の相談は警察のどこにすればよいですか?
A6:緊急性のない相談は警察相談専用電話「#9110」、緊急時は110番を利用できます。また、各都道府県の暴力追放運動推進センターや民事介入暴力に詳しい弁護士にも相談できます。
Q7:すでにみかじめ料を支払っている場合でも関係を断てますか?
A7:関係を断つための相談や支援を受けられます。過去の支払い記録や要求内容を整理し、警察や暴追センター、弁護士に相談してください。東京都では自主申告による刑の任意的減免制度も設けられています。
みかじめとは、暴力団が縄張り内で営業する飲食店や風俗店などに対し、営業の対価や用心棒代、あいさつ料などの名目で金品を要求する行為に関連する言葉です。要求される金品はみかじめ料と呼ばれ、暴力団の資金源となっています。
2026年現在も、北海道旭川市、埼玉県川口市、山口県山口市などで、みかじめ料の要求や徴収をめぐる事例が報じられています。警察庁の2025年統計でも、みかじめ料要求に対する中止命令は55件確認されました。
法律面では、暴力団対策法第9条第4号がみかじめ料要求を禁止しているほか、各都道府県の暴力団排除条例によって利益供与も規制されています。特定の地域では、支払った事業者側も処罰対象となる場合があります。
もしみかじめ料を要求されたら、恐怖から安易に支払いや約束をせず、一人で問題を抱え込まないことが大切です。警察の「#9110」、緊急時の110番、暴力追放運動推進センター、弁護士などの専門機関を活用してください。
暴力団との関係を断ち切ることは、店舗の経営を守るだけでなく、地域社会の安全と健全な経済活動を守ることにもつながります。正しい法律知識と早期相談を通じて、不当な金銭要求に屈しない環境を整えていくことが大切です。
主な根拠資料: 警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」、e-Gov法令検索、東京都・警視庁の暴力団排除条例資料、東京弁護士会、2026年のTNCテレビ西日本・埼玉新聞・北海道放送の報道。