2026年の安田記念では、JRA公式サイトに出走馬17頭すべての調教映像が掲載された。馬番1番から10番、11番から17番までに分けて視聴できるほか、全頭版の動画も公開されている。
JRA公式YouTubeチャンネルの動画は、2026年6月5日に公開された。各馬の追い切りを確認する際には、単純な時計だけでなく、走りのリズムやフォーム、併せ馬での反応を組み合わせて見ることが大切だ。
注目4頭の動画を確認する時間JRA公式動画では、次の時間帯から各馬の映像を確認できる。
| 注目馬 | 動画の開始時間 | 見たいポイント |
|---|---|---|
| レーベンスティール | 0:11 | 美浦ウッドでのフォームと余力 |
| ステレンボッシュ | 3:17 | ストライドと終いの反応 |
| ガイアフォース | 8:21 | 坂路での脚さばきと推進力 |
| パンジャタワー | 9:38 | 折り合いと直線での伸び |
動画の時間はJRA公式チャンネルの全頭版に基づく。
調教動画を見るときの3つのチェック項目1. 走行フォームとリズム
首を自然に使えているか、前脚と後脚の動きがかみ合っているかを確認する。時計が速くても、走りに硬さが見える場合は慎重に判断したい。
2. 併せ馬での反応
相手を追いかけているのか、並んで走っているのか、追いついてから余裕があるのかによって意味が異なる。先着という結果だけで評価を決めないことが重要だ。
3. 最終追い切りの負荷
最終追い切りは、必ずしも強く追う必要はない。1週前に十分な負荷をかけていれば、当週は馬なりで整える調整も合理的だ。
今回の安田記念は、特にガイアフォースとパンジャタワーのように、1週前に負荷をかけて最終追い切りで状態を整えるパターンが注目された。
【安田記念2026追い切り評価】全17頭の1週前・最終時計を徹底比較

今回の調教評価では、1週前追い切りと最終追い切りの変化を重視した。
美浦ウッドでは長めからの負荷と終いの伸び、栗東CWでは全体時計と併せ馬の反応、坂路では800mの全体時計とラスト200mの動きに注目する。
なお、時計は調教コース、馬場状態、追い方が異なるため、異なるコースの数字を単純に順位付けすることはできない。
以下は、各馬の調教記録を整理した全頭比較である。時計は競馬情報各社の調教記録を基にしており、JRA公式も自動計測以外の調教タイムについて競馬ブック提供データであると注記している。
安田記念2026・全頭追い切り比較表時計の表記:坂路は800m、ウッド・CWは原則として6Fまたは掲載された距離。最後の数字はラスト1F。馬場状態や調教内容によって条件は異なる。
調教時計:2026年6月3~4日前後の最終追い切りおよび1週前の記録。総合評価は調教内容に対する編集上の評価であり、実戦結果とは別の指標。出走馬と着順はJRA公式記録に基づく。
時計の比較から見える4つのポイント- 1週前の負荷が目立った馬: ガイアフォース、オフトレイル、パンジャタワー。
- 終いの数字が目立った馬: シャンパンカラー、レーベンスティール、ルクソールカフェ。
- 最終追い切りを軽めにまとめた馬: ガイアフォース、ワールズエンド。
- ウッドコースで継続的に調整した馬: ステレンボッシュ、シックスペンス、レーベンスティール。
ここで見落としたくないのは、最終追い切りの時計が遅くなった馬を、一律に評価を下げる必要はないという点だ。1週前に強い負荷をかけ、レース直前は疲労を残さないように調整する方法もある。
【注目馬4頭を深掘り】ガイアフォース・パンジャタワー・ステレンボッシュ・レーベンスティール
全頭の時計を比較したうえで、検索需要の高い4頭をさらに掘り下げる。
ガイアフォース追い切り評価:1週前の坂路50秒3が際立つガイアフォースの調整過程で特に目を引いたのは、1週前の栗東坂路で記録した50秒3-36秒4-23秒7-11秒8という時計だ。
横山武史騎手が騎乗し、併せ馬では相手を0.6秒追走。最後は0.2秒先着した。単に時計が速かっただけでなく、追走する形からしっかり加速できたことが評価材料になる。
管理する杉山晴紀調教師も、1週前の時計と動きに手応えを示していた。
最終追い切りは栗東坂路で54秒9-39秒7-26秒0-13秒2。馬なりで、1週前とは対照的に軽くまとめた。
この変化には明確な理由がある。1週前に十分な負荷をかけていたため、最終追い切りでは無理をせず状態を整えることを優先したのだ。
JRA-VANの調教情報でも、5月中旬の帰厩から計6本の追い切りを消化したことが紹介されている。調教量の面でも不足はなかった。
編集部評価:今回の調教過程で最も説得力のある仕上がりの一頭。
実戦では横山武史騎手とのコンビで2着同着。推定上がり3ハロンは33秒0で、出走馬中最速だった。追い切りで確認できた末脚の質が、実戦でも発揮された形だ。
パンジャタワー追い切り評価:栗東CWでの入念な調整が光るパンジャタワーは、今回の調整過程で十分な時間を確保できたことが大きな特徴だった。
1週前追い切りは栗東CWで6F80秒5-65秒4-51秒1-36秒1-11秒2。松山弘平騎手が騎乗し、セイウンハーデスを追走してクビ差先着した。
最終追い切りも松山騎手が騎乗。栗東CWで82秒8-67秒1-51秒6-36秒3-11秒2を馬なりで記録した。
特筆すべきは、ラスト1Fが1週前と最終追い切りで同じ11秒2だったことだ。
強く追わずに同水準の終いを維持できた点は、仕上がりを判断するうえで好材料だった。
JRA-VANの調教情報によると、5月3日からレース週まで週2本ずつ、計10本の追い切りを消化。栗東への帰厩もレースの1か月以上前で、調整期間を十分に確保していた。
また、橋口慎介調教師は、NHKマイルカップを勝った時期から成長している一方、現在はスプリンター寄りになってきているという見解を示していた。
つまり、今回のテーマは単純なスピード強化ではなく、マイルの距離を意識した折り合いと持続力だった。
実戦では5着。勝ち馬との差は0秒1だった。上位争いに加わったことからも、調教で見せた状態の良さは実戦につながっていた。
編集部評価:調教量、終いの安定感、距離を意識した調整の3点で高評価。
ステレンボッシュ追い切り評価:美浦ウッドで安定した動きステレンボッシュは、美浦ウッドで一貫した調整を行った。
1週前追い切りは5F66秒2-51秒6-37秒3-11秒1。最終追い切りは65秒2-50秒0-36秒1-11秒3だった。
1週前から最終追い切りにかけて全体時計は詰まり、ラスト1Fも11秒台を維持している。
特に注目したいのは、最終追い切りで馬なりのまま動けていた点だ。強い負荷をかけて時計を出したというより、状態を維持しながら自然な反応を確認する内容だった。
宮田敬介調教師は、前走後の立ち上げが順調だったことに加え、最終追い切りでも引き続き良い動きだったと評価していた。
ただし、陣営が意識していたのは距離適性だった。ステレンボッシュにとって東京芝1600mは、能力だけでなく、道中の流れに合わせて脚を温存できるかが問われる条件だった。
実際のレースでは10着。追い切りの動きが良かったことと、マイルGⅠで上位に食い込むことは別問題だった。
編集部評価:状態面は良好。ただし距離への対応力を別軸で考える必要があった。
レーベンスティール追い切り評価:美浦ウッドでの意欲的な調整レーベンスティールは、1週前追い切りの美浦ウッドで6F81秒3-65秒2-50秒2-36秒1-10秒9を記録した。
シックスペンスを0.9秒追走し、馬なりで併入。ラスト1F10秒9という数字は目を引く。
最終追い切りは6F80秒3-65秒2-51秒4-37秒7-11秒9。前週より終いの時計はかかっているが、調教時の馬場状態も異なっていた。
注目したいのは、田中博康調教師がマイルへの対応を意識して調整を進めていた点だ。
レーベンスティールは中距離でも実績を残してきた馬。今回は単にスピードを引き出すのではなく、1600mの流れに対応できるよう、中間の調整内容を工夫していた。
JRA-VANによると、5月12日の帰厩後、ウッドで計6本の追い切りを実施。さらに坂路でも800m60秒を切る時計を8本記録するなど、入念な乗り込みが行われていた。
実戦では7着。上位との差は0秒5だった。
追い切り時計の優秀さは否定できないが、マイルのGⅠでは調教の瞬発力に加え、レース中に脚を温存できるかという課題も残った。
編集部評価:調教量と動きは高評価。実戦では距離への対応と展開がポイントだった。
【東京芝1600m適性】坂路・美浦ウッド・栗東CWで見るべき調教ポイント
安田記念の追い切りを評価するとき、忘れてはいけないのが東京芝1600mというコースの特性だ。
JRAのコース紹介によると、東京競馬場の芝コースは左回りで、直線距離は525.9m。高低差は2.7mある。
また、東京芝1600mは直線に向いてからも上り坂が待ち受ける。単純な最高速度だけではなく、坂を越えてからも脚を持続できる能力が必要になる。
坂路調教評価で重視したいこと坂路調教では、800mの全体時計とラスト200mの数字を確認する。
例えばガイアフォースは1週前に50秒3という全体時計を記録したうえ、最後も11秒8でまとめた。
一方、ワールズエンドは最終追い切りで55秒8-39秒5-25秒3-12秒6という内容だった。
両馬の時計には差があるが、ワールズエンドはレース間隔や調整方針を踏まえ、軽めの内容にしていた。
実際、ワールズエンドはレースで逃げ粘り、2着同着を確保した。
この比較からも、坂路の時計が遅いことだけで評価を下げる危険性が分かる。
美浦ウッド追い切りで見るべきこと美浦ウッドでは、6Fからの全体時計、ラスト2Fの加速、併せ馬での手応えを確認したい。
今回のレーベンスティールは1週前にラスト1F10秒9を記録。シックスペンスも11秒0と鋭い時計を残していた。
ただし、ウッドチップの状態や走行位置によって時計は変化する。
特に雨の影響を受けた馬場では、同じ馬でも通常時とは異なる数字になる。最終追い切りの時計が前週より遅くなっても、すぐに状態下降と判断するべきではない。
栗東CW調教時計で見るべきこと栗東CWでは、長めの距離から負荷をかけた際の動きが重要になる。
今回のパンジャタワーは1週前に6F80秒5、ラスト1F11秒2を記録。オフトレイルも6F77秒5という速い全体時計を出していた。
一方、時計だけを比較するとオフトレイルの方が優秀に見えるが、パンジャタワーも併せ馬で先着し、最終追い切りでもラスト1F11秒2を維持していた。
結果はパンジャタワー5着、オフトレイル6着。
両馬の着順は接近しており、調教時計だけで優劣を断定できないことが分かる。
東京マイル向きの調教とは?東京芝1600mで注目したいポイントを整理すると、次のようになる。
- 長い直線を意識した持続的な末脚。
- 直線の上り坂に対応するための推進力。
- 前半の流れに対応できるスピードと折り合い。
- 最後までフォームを崩さない走行バランス。
特に重要なのは、ラスト1Fだけ速い馬よりも、道中から終いまで余力を残して走れる馬を見極めることだ。
【追い切り評価と実際の着順を検証】2026年安田記念で分かったこと
2026年6月7日の安田記念は、曇り・良馬場で行われた。
勝利したのは、武豊騎手騎乗の8番人気シックスペンス。勝ち時計は1分32秒1だった。
2着はワールズエンドとガイアフォースの同着。4着セイウンハーデス、5着パンジャタワー、6着オフトレイルと続いた。
JRA公式のレース回顧では、ワールズエンドが逃げ、シックスペンスが2番手で追走。直線で各馬が迫る激しい追い比べとなり、最後にシックスペンスが抜け出した展開が紹介されている。
上位馬の追い切りとレース内容シックスペンス:調教の安定感に実戦での工夫が加わった
1週前の美浦ウッドで11秒0、最終追い切りで11秒2。大きく崩れない調整過程だった。
加えて、今回初めてブリンカーを装着。陣営がレースへの集中力を意識していたことも要点だった。
武豊騎手は急きょ騎乗が決まった初コンビで、逃げ馬の後ろを確保。絶好のポジションから抜け出し、GⅠ初制覇を達成した。
ガイアフォース:1週前の負荷が最後の伸びにつながった
坂路での50秒3という好時計に加え、最終追い切りを馬なりでまとめた調整が印象的だった。
実戦では推定上がり33秒0を記録。2着同着まで追い上げた。
ワールズエンド:時計よりも状態維持を優先した調整
最終追い切りは坂路55秒8。目立つ時計ではなかったが、実戦では逃げて最後まで粘り込んだ。
この馬の結果は、追い切りの時計が速いほど好走するという単純な考え方に疑問を投げかける。
パンジャタワー:長い調整期間を生かした仕上げ
1週前と最終追い切りのラスト1Fはともに11秒2。安定した動きでレースに臨み、5着に入った。
追い切り評価で起こりやすい3つの誤解誤解1:最終追い切りの時計が速い馬が必ず強い
最終追い切りは、仕上げの最終確認という側面もある。1週前に強い負荷をかけた馬が当週に軽くすることは珍しくない。
誤解2:坂路とウッドの時計を直接比較できる
坂路800mとウッド6Fでは、距離も走行環境も異なる。単純に数字を並べて優劣を決めることは適切ではない。
誤解3:調教評価が高ければ必ず馬券圏内に入る
競馬では、枠順、展開、位置取り、馬場、騎手の判断など複数の要素が結果を左右する。
今回のステレンボッシュやレーベンスティールのように、調教内容が良好でも上位争いに届かないケースはある。
一方、ワールズエンドのように派手な時計がなくても、実戦で高いパフォーマンスを発揮する馬もいる。
【プロの結論】追い切り評価は時計・動き・適性の3軸で判断する今回の安田記念から得られる最も大きな教訓は、追い切りの時計だけを独立した評価基準にしないことだ。
調教時計は馬の能力を測る一つの材料にすぎない。
1週前にどれだけ負荷をかけたか、最終追い切りでどのような反応を示したか、そして東京芝1600mの舞台に合う走りができるかを総合的に見る必要がある。
実際、シックスペンスの勝利には調教だけでなく、初ブリンカーと武豊騎手の位置取り判断も影響した。
追い切りから分かるのは、あくまでレースに向けた準備の質。その準備を実戦で生かせるかどうかまで考えることが、精度の高い競馬分析につながる。
【安田記念追い切り】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:安田記念2026の最終追い切りで注目された馬は?
A1:ガイアフォース、パンジャタワー、レーベンスティール、ステレンボッシュなどが注目された。特にガイアフォースは1週前の栗東坂路で50秒3を記録し、パンジャタワーは栗東CWでラスト1F11秒2を維持した。
Q2:安田記念2026の追い切り動画はどこで見られる?
A2:JRA公式サイトの2026年安田記念「調教動画ほか」ページで確認できる。JRA公式YouTubeチャンネルでは全頭版の調教映像も公開された。
Q3:東京芝1600mでは坂路とウッドのどちらを重視すべき?
A3:どちらか一方に限定する必要はない。坂路では全体的な負荷と終いの反応、美浦ウッドや栗東CWでは長めからの持続力と加速を確認したい。馬ごとの調整方針に合わせて評価することが大切だ。
2026年の安田記念は、シックスペンスが武豊騎手との初コンビでGⅠ初制覇を飾った。ガイアフォースとワールズエンドが2着同着、セイウンハーデスが4着、パンジャタワーが5着と、上位は非常に接戦だった。
追い切りを振り返ると、ガイアフォースの坂路50秒3、パンジャタワーのCWでの安定した終い、レーベンスティールの美浦ウッドでの意欲的な乗り込みなど、それぞれに評価できる材料があった。
一方、ワールズエンドのように時計以上の実戦パフォーマンスを見せた馬もいる。
今後のGⅠでも、追い切り評価を行う際は次の3点を意識したい。
1. 1週前追い切り: 十分な負荷をかけられているか。
2. 最終追い切り: 疲労を残さず、反応と状態を整えられているか。
3. コース適性: 追い切りで見せた動きが実際の競馬場でも生きるか。
JRA公式調教動画と調教時計を組み合わせ、数字の裏側にある調整意図まで読み取る。それが、単なる時計比較では見えない競走馬の仕上がりを判断するための重要な視点となる。
参考資料・情報源
- JRA「2026年安田記念」出馬表・レース結果・調教動画
- JRA公式チャンネル「【調教動画】2026年 安田記念」
- JRA-VAN「安田記念2026 追い切り/調教情報」
- 競馬の魅力「安田記念2026 追い切り・コメント」
- JRA「東京競馬場 コース紹介」
※本記事は2026年11月5日時点の記録に基づく、2026年6月開催の安田記念の回顧・調教分析である。