横顔が綺麗な人には、どのような共通点があるのでしょうか。鼻筋がすっと通っている、唇が自然に引き締まっている、顎から首にかけてのラインが滑らかなど、魅力的な横顔には複数の要素が関係しています。なかでも、美しさを判断する目安として知られているのが、鼻先と顎先を結ぶ「Eライン(エステティックライン)」です。
ただし、Eラインの内側に唇が収まっていれば、誰もが美しい横顔になるわけではありません。日本人と欧米人では骨格や鼻、唇の位置関係に違いがあり、年齢や性別、表情、姿勢によっても横顔の印象は変化します。2026年の美容・歯科情報を理解するうえでも、一つの数値にとらわれず、顔全体の調和を見ることが大切です。ここでは、横顔美人の条件からセルフチェック、髪型やメイク、姿勢による見せ方まで詳しく解説します。
【基本を解説】横顔が綺麗な人に共通する7つの特徴とは?

横顔が綺麗な人を観察すると、鼻の高さや顎の形だけでなく、顔の各パーツがどのようにつながっているかが印象を左右していることが分かります。
正面から見た美しさでは目や鼻、口の配置や左右のバランスが注目されます。一方、横顔では顔の奥行きや立体感、鼻から唇、顎へと続く輪郭が目立ちます。ここでは代表的な7つの特徴を整理します。
1.鼻筋から鼻先まで自然な立体感がある横顔の印象を大きく左右するのが鼻です。鼻筋が額から自然につながり、鼻先まで滑らかなラインを形成していると、顔に立体感が生まれます。
ただし、鼻が高ければ高いほど横顔が綺麗になるわけではありません。鼻根部の高さ、鼻先の向き、鼻の長さ、顎との距離感など、複数の要素が関係します。
例えば、鼻だけが前方に強く突出している場合、顔全体のバランスによっては鼻の存在感が際立ちます。反対に、鼻の高さが控えめでも、唇や顎との位置関係が整っていれば、穏やかで上品な横顔に見えることがあります。
2.唇が自然な位置にあり、口元が突出していない横顔美人の特徴として、口元の自然な収まりも挙げられます。
上下の唇が前方に大きく突出していると、鼻先から顎先にかけての輪郭が変わり、口元に視線が集まりやすくなります。一方、唇が過度に後退している場合も、顔全体が平坦な印象になることがあります。
重要なのは、唇が単純に内側にあるかどうかではなく、鼻や顎との関係が自然であることです。
また、口を閉じる際に顎先へ力が入り、梅干しのような凹凸が生じる場合は、歯並びや噛み合わせ、口唇の使い方が関係している可能性もあります。
3.顎先に適度な前方への立体感がある顎は横顔の輪郭を完成させる重要なパーツです。
顎先が適度に前方へ位置していると、鼻や唇とのバランスが取りやすくなります。反対に、顎が後方に引っ込んでいると、鼻や口元が相対的に突出して見えることがあります。
ただし、顎が長いことや尖っていることが美しさの絶対条件ではありません。顎先の形状、下顎の大きさ、顔の縦方向の比率などを総合的に見る必要があります。
4.フェイスラインから首までの境界が自然顎先から耳の下に向かう下顎の輪郭が滑らかで、さらに顎下から首へと自然につながっていることも、横顔の美しさに関係します。
この部分は、骨格だけでなく皮下脂肪、皮膚の状態、筋肉、頭の位置によっても印象が変化します。
顎下がすっきり見える人は、顔と首の境界が比較的分かりやすく、横顔にメリハリが生まれます。ただし、体格や年齢による個人差も大きいため、輪郭の細さだけを美しさの基準にする必要はありません。
5.額から鼻筋への移行が自然額から鼻の付け根にかけてのラインも、横顔の印象を左右します。
額と鼻筋のつながりが自然だと、顔全体に統一感が生まれます。鼻根部の高さや角度が顔立ちと調和していることがポイントです。
鼻筋だけを切り離して見るのではなく、額、眉間、鼻先までを一続きの立体として捉えると、横顔のバランスを理解しやすくなります。
6.口を閉じたときの表情が自然美しい横顔は、無表情のときだけで決まるものではありません。
口を閉じたときに唇へ過度な力が入っていないか、顎先に不自然な緊張が生じていないかも印象に関係します。
自然に口を閉じられる人は、表情全体が柔らかく見えやすくなります。口元の力みは、横顔だけでなく正面から見た表情にも影響します。
7.首と頭の位置が整っている意外と見落とされがちなのが、頭と首の位置関係です。
頭が前に出ていると、顎下の皮膚が折れたり、首と顎の境界が曖昧になったりする場合があります。反対に、顎を過度に引くと二重顎のように見えることもあります。
自然に背筋を伸ばし、視線を水平に保った状態では、骨格本来の横顔が確認しやすくなります。
【Eラインを解説】横顔美人の理想的なバランスと日本人の基準
横顔の美しさを語る際に頻繁に登場するEライン。美容情報や歯科矯正の解説でも使われる言葉ですが、その意味を正しく理解している人は意外と多くありません。
Eラインとは?鼻先と顎先を結ぶ美的基準Eラインは「Esthetic Line(エステティックライン)」の略称です。1957年に矯正歯科医のロバート・リケッツが提唱した、顔の側面における軟組織のバランスを評価するための基準です。
具体的には、鼻の最も前方にある鼻尖と、顎の軟組織上の最も前方にあるオトガイを結んだ直線を指します。
この線と上下の唇の位置関係を調べることで、口元が相対的に前に出ているか、後ろに位置しているかを評価できます。
従来のリケッツの分析では、成人の目安として上唇がEラインより約4mm後方、下唇が約2mm後方に位置する数値が紹介されています。ただし、これは万人に適用できる美容上の合格ラインではありません。鼻の高さや顎の突出度、年齢、民族的な骨格の違いによって解釈が変わります。(Rickettsの分析を整理した軟組織分析レビュー)
Eラインの理想的なバランスは日本人と欧米人で異なる日本人の横顔を評価するときに注意したいのが、欧米人を対象に作られた基準をそのまま当てはめないことです。
日本人成人211人を対象とした2000年の研究では、日本人の軟組織の計測値と白人成人の基準値との間に統計的な違いが認められました。研究では、民族集団ごとの基準値は診断の参考になる一方、治療目標として機械的に扱うべきではないと指摘されています。(American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics、2000年)
また、日本臨床矯正歯科医会の解説では、日本人成人の目安として、上唇がEライン上または少し内側、下唇がほぼライン上に位置する状態が紹介されています。
つまり、日本人の場合は唇がEラインに少し触れていても、それだけで横顔のバランスが悪いとは判断できません。
横顔の美しさを左右する要素の関係一覧それぞれのパーツが単独で美しいかどうかよりも、パーツ同士がどのような位置関係にあるかが重要です。代表的な評価要素をまとめました。
| 要素 | 関係するパーツ | 横顔への影響 | チェックするポイント |
|---|---|---|---|
| Eライン | 鼻先・上下の唇・顎先 | 口元の突出感や後退感 | 唇と基準線の距離 |
| 鼻筋 | 額・鼻根・鼻先 | 顔の立体感や奥行き | 鼻の高さと顎との調和 |
| 口元 | 上唇・下唇・前歯 | 口元の突出感や表情 | 自然に口を閉じられるか |
| 顎先 | 下顎骨・オトガイ | 横顔の輪郭と立体感 | 鼻や唇との前後関係 |
| フェイスライン | 下顎・顎下・首 | 輪郭のシャープさ | 顎から首へのつながり |
| 頭部の姿勢 | 頭・首・肩 | 顎下や首の見え方 | 自然な頭位を保てているか |
Eラインには分かりやすいという利点がありますが、鼻と顎の形状に大きく影響されるという弱点もあります。
例えば、鼻が高い人と低い人では、同じ位置に唇があってもEラインとの距離が変わります。また、顎が後退している人では、唇が相対的に前に出ているように評価される可能性があります。
そのため、矯正歯科ではEラインだけでなく、骨格、歯の傾斜、上下顎の位置関係、唇の厚みなども確認します。
横顔の美しさを考える際も、一本の線に顔を合わせるのではなく、顔全体の立体的な調和を優先することが大切です。
【日本人の骨格を分析】横顔美人の顔立ちと鼻・唇・顎の違い
横顔の印象には、遺伝的な骨格の特徴や軟組織の厚みが関係しています。日本人の横顔を考える場合、欧米の美容基準との違いを理解することが欠かせません。
日本人の横顔にはどのような特徴がある?日本人成人の顔面計測を扱った研究では、欧米系の対象者と比較して、唇の突出度、鼻の突出度、顎の位置などに集団としての平均的な差が報告されています。
2015年に公表された日本人の頭部X線規格写真の基準と審美的な横顔の好みを扱うシステマティックレビューでも、日本人と白人集団の間で骨格や軟組織の特徴に違いがあることが整理されています。
ただし、こうした結果は集団の平均値を比較したものであり、日本人全員に同じ顔立ちが当てはまるわけではありません。個人差は大きく、同じ日本人でも鼻の高さ、顎の形、唇の厚みはさまざまです。
鼻の高さと顎の位置はセットで見る鼻が高いと、横顔に立体感が生まれやすくなります。しかし、鼻だけが目立つと顔全体のバランスが崩れて見える場合もあります。
反対に、鼻の高さが控えめでも、顎先との距離や唇の位置関係が調和していれば、自然で整った横顔になります。
特に注目したいのは、鼻先から唇、顎先へと視線を移したときに、輪郭が不自然に途切れないことです。
口元の突出は歯並びや骨格とも関係する口元が前に出て見える原因には、上下の顎の位置関係、前歯の傾斜、歯列の状態、唇の厚みなどがあります。
一般に、上顎前突では上の前歯や上顎が前方に位置することで口元が突出して見えることがあります。また、上下顎前突では上下の歯列や口元全体が前方に位置する場合があります。
一方、下顎が後退している場合は、口元そのものが強く突出していなくても、相対的に唇が前に出ているように見えることがあります。
公益社団法人日本臨床矯正歯科医会も、歯並びや顎の位置とEラインとの関係を説明しています。歯列矯正によって唇の位置や口元の印象が変化するケースはありますが、変化の程度は個々の骨格や治療計画によって異なります。
横顔美人の共通点はパーツの大きさではなく調和横顔の美しさを比較する際には、鼻が高い、顎が小さい、唇が薄いといった単純な特徴だけで判断しないことが重要です。
例えば、鼻が控えめでも顎と唇のバランスが整っていれば、柔らかい印象の横顔になります。顎に適度な存在感がある人は、凛とした印象を与えることもあります。
つまり、横顔美人の共通点は、特定の顔型に統一されることではありません。個々の骨格の特徴を生かしながら、鼻、唇、顎、フェイスラインが一つのまとまりを形成していることです。
【自宅でできる】横顔をセルフチェックする方法と写真の撮り方
自分の横顔を正確に把握するには、鏡だけでなく、写真を活用する方法もあります。ただし、撮影角度や頭の傾きによって見え方が変わるため、できるだけ条件を統一が必要です。
方法1:鏡で鼻・唇・顎の位置関係を確認するまずは鏡の前で真横を向き、顔の輪郭を確認します。
見る要点は次のとおりです。
- 額から鼻筋にかけてのラインが自然につながっているか。
- 鼻先と顎先を結んだとき、唇がどの位置にあるか。
- 口を自然に閉じたとき、唇や顎に力が入りすぎていないか。
- 顎先から首にかけての輪郭がどのようにつながっているか。
- 頭を前に突き出したり、顎を過度に引いたりしていないか。
鏡を見る際は、意識的に顎を前に出したり引いたりせず、普段の自然な姿勢を保ちましょう。
方法2:スマートフォンで横顔の写真を撮るスマートフォンで横顔を撮影するときは、カメラを顔の高さに合わせ、顔から適度な距離を取ります。
極端な広角撮影や近距離撮影は、鼻や顎の大きさ、顔の奥行きを実際とは違って見せる可能性があります。
できるだけ同じ場所、同じ距離、同じ照明条件で撮影すると、時間を置いて比較するときにも役立ちます。
方法3:自然な頭位で撮影する横顔の写真では、頭の位置が非常に重要です。
顎を上げると鼻や顎の位置関係が変わり、顎を引きすぎると顎下の輪郭が変化します。視線を自然に水平へ向け、首や肩に余計な力を入れずに撮影しましょう。
2025年に公表された顔面側貌写真の再現性に関する研究では、自然頭位と調整された頭位の撮影方法について検証され、撮影者の技術や訓練が測定の再現性に関係することが示されました。セルフ撮影でも、頭の位置を毎回そろえることが大切です。
方法4:正面と横顔の両方を比較する横顔だけで自分の顔を評価すると、特定のパーツに意識が集中しやすくなります。
正面写真も一緒に確認し、鼻や顎の立体感、顔の左右差、口元の印象などを総合的に見てみましょう。
また、無表情の写真だけでなく、自然に微笑んだときの横顔も撮影すると、表情による違いが分かります。
写真はあくまで外見を確認するための参考資料です。医療的な骨格分析や噛み合わせの診断に代わるものではありません。
【美容・ファッション】横顔を綺麗に見せる髪型とメイクのポイント
骨格そのものを変えなくても、髪型やメイクの工夫によって横顔の印象は変わります。特に、顔周りの髪の流れや鼻筋の陰影、顎周辺の見せ方は、横顔の印象づくりに役立ちます。
横顔を美しく見せるおすすめの髪型1.耳かけスタイル
片側の髪を耳にかけると、頬から顎にかけての輪郭が見えやすくなります。フェイスラインを自然に見せたい人や、清潔感のある印象を演出したい人に向いています。
2.低めのポニーテール
髪を後ろでまとめることで、首筋や顎下のラインが見えやすくなります。高い位置で強く引き上げるよりも、低めにまとめることで柔らかい印象をつくれます。
3.レイヤーカット
顔周りにレイヤーを入れると、頬や顎の輪郭に沿った自然な動きが生まれます。輪郭を適度にカバーしながら、横から見たときの髪の立体感も演出できます。
4.前髪を流したスタイル
斜めに流す前髪は、額から鼻筋への視線を自然につなげやすい髪型です。顔の縦方向の印象を調整したい場合にも取り入れやすいでしょう。
ただし、髪型による見え方は顔型や髪質によって異なります。美容師に横顔の写真を見せながら相談すると、顔周りの長さやボリュームを調整しやすくなります。
横顔美人に見せるメイクのコツ鼻筋のハイライト:鼻根から鼻筋にかけて控えめに光を入れると、立体感を演出できます。鼻先まで強く光らせると不自然になる場合があるため、肌質や顔立ちに合わせて調整しましょう。
ノーズシャドウ:鼻筋の両側に薄く影を入れると、鼻の輪郭が引き締まって見えます。濃い色を広範囲に入れると境界が目立つため、少量ずつなじませるのがポイントです。
リップメイク:唇の輪郭を自然に整え、肌やメイク全体に調和する色を選ぶことで、口元に統一感が生まれます。過度に輪郭を描き足すよりも、元の唇の形を生かした仕上がりがおすすめです。
フェイスラインのシェーディング:顎下やフェイスラインに薄く陰影を加えることで、輪郭に立体感を与えられます。首との境界が不自然にならないよう、丁寧になじませましょう。
横顔の印象を変える服装やアクセサリー横顔の美しさは顔だけでなく、首元や肩の見せ方にも左右されます。
首元が開いたトップスや、縦方向のラインを意識したアクセサリーは、首筋をすっきりと見せる演出に役立ちます。
また、大ぶりのイヤリングやピアスは耳周辺に視線を集めるため、髪型との組み合わせによって横顔の印象を変えられます。
大切なのは、顔の特徴を無理に隠すことではなく、自分の骨格に合った見せ方を選ぶことです。
【横顔を整える方法】姿勢・歯列矯正・美容医療の違いと注意点
横顔を綺麗にしたいと考えたとき、まず取り入れたいのが姿勢の見直しです。一方、口元の突出や顎の位置に骨格的な原因がある場合は、歯科や医療機関での専門的な相談が必要になることもあります。
姿勢を整えると横顔の見え方が変わる頭が前方に出る姿勢では、首の位置や顎下の皮膚の状態が変わり、横顔がすっきり見えにくくなる場合があります。
日常生活では、次の点を意識してみましょう。
- スマートフォンを見るときに、頭だけを大きく前へ傾けない。
- 座るときは背中を自然に伸ばし、肩の力を抜く。
- パソコンの画面を目線に近い高さへ調整する。
- 顎を無理に引いたり、前に突き出したりしない。
- 長時間同じ姿勢を続けず、適度に身体を動かす。
姿勢を整えることは、写真や日常の見た目を自然にするうえで役立ちます。ただし、姿勢を改善するだけで成人の鼻や顎の骨格が変化するわけではありません。
歯列矯正で口元の突出感が変わることはある?歯並びや噛み合わせが横顔に影響している場合、矯正歯科治療によって口元の印象が変わる可能性があります。
例えば、前歯の突出が大きいケースでは、治療計画に応じて歯の位置を調整することで、唇の位置関係や口元の突出感が変化することがあります。
ただし、歯列矯正は単にEラインへ唇を近づけるための施術ではありません。歯の機能、噛み合わせ、顎の骨格、口元の軟組織などを総合的に評価して治療方針を決めます。
特に、骨格的な問題が大きい場合は、矯正歯科だけでなく顎矯正手術を含めた治療が検討されるケースもあります。
美容医療を検討するときの判断基準鼻や顎、フェイスラインの形状を変えたい場合、美容医療という選択肢もあります。しかし、Eラインから外れているという理由だけで施術を決めることはおすすめできません。
施術を検討する場合は、次のポイントを確認しましょう。
- 自分が変えたいのは鼻、顎、口元、フェイスラインのどの部分か。
- 悩みの原因が骨格なのか、軟組織なのか、歯並びなのか。
- 施術によって期待できる変化と限界は何か。
- ダウンタイム、合併症、修正の可能性はどうか。
- 担当医が顔全体のバランスを踏まえて説明しているか。
特に外科的な施術では、変化の大きさだけでなく、身体への負担や長期的な影響も考慮する必要があります。
横顔を整える方法の比較それぞれの方法は目的や作用する部分が異なります。自分の悩みに合った方法を選ぶことが重要です。
- 姿勢改善:頭や首の位置を整え、自然な横顔を見せたい人に向いている。
- 髪型・メイク:すぐに印象を変えたい人や、骨格を変えずに見せ方を工夫したい人に向いている。
- 歯列矯正:歯並びや噛み合わせ、歯の位置が口元に影響している人に向いている。
- 美容医療:特定の部位の形状について専門医と十分に相談し、医学的な適応やリスクを理解したうえで検討する方法。
なお、顔を強く押すマッサージや自己流の顎のトレーニングで、骨格そのものを恒久的に変えられるという確かな根拠はありません。過度な刺激は肌や顎関節への負担になる可能性があるため、無理な方法は避けましょう。
【誤解を検証】横顔美人の条件に関するよくある思い込み
横顔の美容情報には、分かりやすさを優先した説明も多く見られます。しかし、実際の研究結果や歯科医療の考え方と照らし合わせると、必ずしも正しくない理解もあります。
誤解1:Eラインの内側に唇があれば必ず美人これは正確ではありません。
Eラインは鼻と顎を基準にした口元の位置関係を評価する指標です。鼻が高い人と顎が後退している人では、同じ唇の位置でも評価が異なります。
また、唇が大きく後退していれば美しいというわけでもありません。口元が平坦に見えたり、顔全体の立体感が弱く感じられたりする場合もあります。
誤解2:日本人の横顔には欧米人と同じ数値が理想これも誤解の一つです。
日本人を対象とした2000年の研究や2015年のシステマティックレビューでは、集団による骨格や軟組織の違いが整理されています。
加えて、2023年に公表された複数地域の一般人を対象とする横顔の好みに関する研究では、評価する地域によって好まれる鼻や唇の組み合わせが異なりました。日本の評価者では、研究で設定されたプロフィールのうち、元の唇と比較的前方に位置する鼻を組み合わせたものが最も好まれたという結果も報告されています。(Journal of the World Federation of Orthodontists、2023年)
この結果からも、世界共通の単一の横顔美人像を設定することには限界があります。
誤解3:鼻が高ければ横顔は必ず綺麗鼻の高さは横顔の立体感に関係しますが、それだけで美しさが決まるわけではありません。
鼻先の向き、鼻の長さ、額とのつながり、顎先の位置などによって、全体の印象は変わります。
鼻が高くても顎とのバランスが取れていなければ、顔全体の調和が崩れて見えることがあります。
誤解4:横顔は写真の1枚だけで正確に判断できる写真にはレンズ、撮影距離、照明、頭の位置など、さまざまな条件が影響します。
1998年に公表された顔面写真の測定再現性に関する研究でも、撮影日による測定値の変動が確認され、項目によって再現性に差があることが報告されました。
したがって、SNSの写真や一度の自撮りだけで自分の横顔を評価するのは適切ではありません。複数の条件をそろえた写真で確認することが大切です。
【プロの結論】本当に美しい横顔は一つの黄金比では決まらない横顔の美しさを専門的に考えるなら、最も大切なのは、個々のパーツの位置関係と顔全体の調和です。
鼻が高いこと、顎が尖っていること、唇がEラインより内側にあることは、それぞれ一つの特徴にすぎません。どれか一つを理想化しても、必ずしも美しい横顔にはつながりません。
加えて、2023年の国際的な研究が示したように、横顔の好みには地域や評価者の属性による違いがあります。医学的な平均値と、本人や周囲が感じる美しさも必ずしも一致しません。
自分の横顔を整えたいときは、まず姿勢や撮影方法、髪型やメイクなど、身体への負担が少ない方法から取り入れるのが現実的です。口元や顎の形状に機能的な問題がある場合には、Eラインだけを目標にせず、矯正歯科医や専門医に相談することが適切です。
横顔が綺麗な人に関するよくある質問(FAQ)
Q1:横顔が綺麗な人の一番の特徴は何ですか?
A1:鼻・唇・顎の位置関係と、フェイスラインの自然なつながりです。特定のパーツが大きいことよりも、顔全体の立体的なバランスが重要です。
Q2:Eラインに唇が触れていると横顔は綺麗ではないのでしょうか?
A2:そのようなことはありません。日本人成人では、上唇がEライン上または少し内側、下唇がほぼライン上に位置する状態も一つの目安として紹介されています。鼻や顎の形状にも左右されるため、唇が線に触れているだけで美しさを判断することはできません。
Q3:日本人の横顔美人にはどのような特徴がありますか?
A3:鼻、唇、顎のバランスが自然で、口元から顎にかけての輪郭が滑らかに見えることが特徴の一つです。ただし、日本人の顔立ちにも大きな個人差があり、全員に共通する骨格や数値はありません。
Q4:自分の横顔が綺麗かどうか簡単にチェックする方法は?
A4:鏡やスマートフォンで真横から顔を確認する方法があります。鼻先と顎先の位置関係、唇の突出感、顎から首へのラインを見てみましょう。撮影時はカメラの高さや距離、頭の位置をそろえることが大切です。
Q5:横顔を綺麗に見せる髪型は何ですか?
A5:耳かけスタイル、低めのポニーテール、レイヤーカット、斜めに流した前髪などがおすすめです。顔周りや首筋の見え方を調整できるため、自分の輪郭や髪質に合わせて選びましょう。
Q6:姿勢を改善すると横顔も変わりますか?
A6:頭が前に出た姿勢を見直すと、顎下や首の見え方が変わり、横顔がすっきり見えることがあります。ただし、姿勢改善だけで鼻や顎の骨格そのものが変わるわけではありません。
Q7:歯列矯正でEラインを整えることはできますか?
A7:歯並びや前歯の位置が口元の突出に関係している場合、矯正治療によって唇の位置や横顔の印象が変化する可能性があります。ただし、骨格や歯の状態によって結果は異なるため、専門医による診断が必要です。
横顔が綺麗な人には、鼻筋の自然な立体感、唇の適切な位置、顎先のバランス、滑らかなフェイスラインなど、複数の共通点があります。
なかでもEラインは、横顔の口元を確認するための代表的な指標です。しかし、欧米人を対象とした基準と日本人の骨格には違いがあり、同じ数値を全員に当てはめることはできません。
また、横顔の印象は骨格だけで決まるものではありません。姿勢、表情、髪型、メイク、撮影角度なども関係しています。
2026年に横顔の美しさを考えるうえで大切なのは、SNSや美容情報で紹介される一つの理想像に自分を無理に合わせないことです。まずは自然な姿勢で自分の横顔を確認し、髪型やメイクなど取り入れやすい工夫から始めてみましょう。
口元や顎の位置に気になる点がある場合は、Eラインの数値だけで判断せず、歯並びや骨格も含めて専門家に相談することが、自分らしい美しい横顔を目指すための確かな第一歩になります。
参考にした主な研究・専門資料- RickettsのEラインを含む軟組織分析のレビュー。
- American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics(2000年):日本人成人211人の軟組織基準。
- 日本人の頭部X線規格写真と横顔の審美的評価に関するシステマティックレビュー(2015年)。
- Journal of the World Federation of Orthodontists(2023年):7地域における横顔の好みの比較研究。
- Dental Press Journal of Orthodontics(2025年):横顔写真の頭位と再現性に関する研究。
- 公益社団法人日本臨床矯正歯科医会:Eラインと歯並び・口元の関係についての解説。