2026年のプロ野球ドラフト会議で、巨人が獲得した選手は合計11人。内訳は支配下6人、育成5人だった。
日本野球機構(NPB)の公式指名選手一覧によると、支配下では投手4人、内野手2人を指名。育成では捕手2人、内野手2人、外野手1人という構成になった。
特に目を引くのは、支配下の上位4人中3人が投手で、しかも高校生だった点だ。将来の先発投手候補を複数確保しながら、内野の若返りにも取り組んだ指名と整理できる。
今回の指名を大きく分類すると、次のようになる。
- 支配下:投手4人、内野手2人
- 育成:捕手2人、内野手2人、外野手1人
- 合計:投手4人、捕手2人、内野手4人、外野手1人
単純な人数だけでなく、支配下と育成で異なる役割を持たせた点が今回の特徴だ。
【支配下6選手を詳しく解説】織田翔希・平田玲翔らの注目ポイント

2026年ドラフトで最大の話題を集めた選手が、1位指名の織田翔希だ。
横浜高校の右腕で、最速157キロを記録した高校生屈指の投手。2026年7月24日の神奈川県大会準決勝では、自己最速を4キロ更新する157キロを計測した。
巨人が評価したのは、その圧倒的な球速を含む将来性だ。ただし、今回の1位指名には通常のドラフトとは異なる事情がある。
織田はドラフト前の10月15日に、NPBを経由せずアメリカで挑戦する意向を公表していた。それにもかかわらず巨人が単独1位指名に踏み切ったため、会場でも大きな驚きが広がった。
2位・平田玲翔(大分商業高校/投手)2位指名は大分商業高校の平田玲翔。
織田に続いて高校生投手を獲得したことで、巨人が将来の投手陣を意識していたことがうかがえる。
1位の織田とは異なる高校の投手を上位で確保したことも注目点だ。複数の高校生投手を獲得することで、数年後を見据えた投手育成の選択肢を広げた。
3位・池田聖摩(横浜高校/内野手)3位は横浜高校の内野手、池田聖摩。
池田は右投左打の内野手で、遊撃守備におけるグラブさばきや強肩が評価されている。侍ジャパンU-15代表として出場した大会では、投手として最優秀防御率のタイトルも獲得した経歴を持つ。
2025年春の甲子園では打率.313を記録し、横浜高校の全国制覇にも貢献した。
投手を続けて指名した後、野手の1人目として池田を獲得したことは、今回のドラフトの構成を考えるうえでも重要だ。
4位・杉本真滉(智辯学園高校/投手)4位は智辯学園高校の杉本真滉。
ここで巨人は再び高校生投手を指名した。1位の織田、2位の平田に続く高校生投手の獲得であり、支配下の投手補強を将来性重視で進めたことが分かる。
投手の人数を確保するだけでなく、異なる高校の選手を集めて育成競争を促すという意味でも注目したい指名だ。
5位・伊藤櫂人(中央大学/内野手)5位は中央大学の伊藤櫂人。
ここで初めて大学生の野手を支配下で獲得した。高校生中心だった上位指名に、大学野球で経験を積んだ内野手を加えた形だ。
中央大学の公式発表によると、伊藤は文学部4年生で、2026年10月22日に巨人から5位指名を受けた。
指名後の記者会見では、次のように抱負を語っている。
「ジャイアンツにはOBがたくさん活躍している。先輩たちに負けないように頑張りたい」
大学で培った経験をプロの舞台でどう生かすか。支配下指名の大学生野手として期待が集まる。
6位・松平快聖(神奈川大学/投手)6位は神奈川大学の投手、松平快聖。
高校生投手を中心に構成された支配下指名の最後に、大学生投手を加えた。
今回の支配下6人を見れば、投手4人のうち高校生が3人、大学生が1人。野手2人のうち高校生が1人、大学生が1人というバランスになっている。
高校生の成長を待つだけでなく、大学で経験を積んだ選手も組み合わせた構成だ。
【巨人の育成ドラフト5選手】谷渕瑛仁・柳井球汰らの顔ぶれ
支配下指名と並んで見逃せないのが育成ドラフトだ。
巨人は育成で5人を指名した。捕手を2人確保したほか、内野手と外野手も獲得している。
育成1位・谷渕瑛仁(大阪桐蔭高校/捕手)大阪桐蔭高校から指名された捕手。
今回の育成指名では最初に名前が呼ばれた選手であり、捕手の選手層を厚くするための獲得として注目される。
育成2位・柳井球汰(宇部工業高校/内野手)宇部工業高校の内野手。
高校生の育成選手として、今後の成長とプロでの適応が注目される。
育成3位・嶋武仁(北越高校/外野手)北越高校から指名された外野手。
今回の育成5人の中で、外野手として指名された唯一の選手だ。将来の外野陣の選択肢を広げる存在として期待される。
育成4位・松田陸斗(マツゲン箕島/内野手)マツゲン箕島から指名された内野手。
高校生だけでなく、社会人野球で経験を積んだ選手も育成枠で獲得した点が特徴的だ。
育成5位・関蓮太郎(川崎市立向丘中学校/捕手)今回の育成指名の最後に名前を呼ばれたのが関蓮太郎。
川崎市立向丘中学校所属の捕手で、今回の11人の中では最も若い段階からプロの育成環境に入る選手として注目される。
【全11人の関係性と指名一覧】守備位置・所属先を総整理
NPB公式の指名記録を基準に、支配下と育成をまとめた一覧がこちらだ。
| 区分・順位 | 選手名 | 守備位置 | 指名時の所属 |
|---|---|---|---|
| 支配下1位 | 織田翔希 | 投手 | 横浜高校 |
| 支配下2位 | 平田玲翔 | 投手 | 大分商業高校 |
| 支配下3位 | 池田聖摩 | 内野手 | 横浜高校 |
| 支配下4位 | 杉本真滉 | 投手 | 智辯学園高校 |
| 支配下5位 | 伊藤櫂人 | 内野手 | 中央大学 |
| 支配下6位 | 松平快聖 | 投手 | 神奈川大学 |
| 育成1位 | 谷渕瑛仁 | 捕手 | 大阪桐蔭高校 |
| 育成2位 | 柳井球汰 | 内野手 | 宇部工業高校 |
| 育成3位 | 嶋武仁 | 外野手 | 北越高校 |
| 育成4位 | 松田陸斗 | 内野手 | マツゲン箕島 |
| 育成5位 | 関蓮太郎 | 捕手 | 川崎市立向丘中学校 |
この一覧から読み取れるのは、支配下と育成で補強の役割が分かれていることだ。
支配下では投手を中心に将来の戦力候補を確保。育成では捕手を2人指名し、内野と外野にも選手を配置した。
なお、育成選手は支配下選手とは契約上の位置づけが異なる。育成で指名されたからといって、直ちに一軍戦力として計算できるわけではない。育成契約から支配下登録を目指す過程も、今後の注目ポイントになる。
【巨人のドラフト評価・補強ポイント】2026年のチーム成績から見える課題
今回の指名を評価するには、巨人がどのようなシーズンを送ったのかを振り返る必要がある。
NPBの2026年度公式記録によると、巨人はレギュラーシーズンを76勝64敗3分、勝率.543の2位で終えた。
投手陣はチーム防御率2.80でリーグ2位。一方、打撃面ではチーム打率.234、本塁打103本で、いずれもリーグ4位だった。
つまり、投手力を維持しながら、打撃力をどのように底上げするかが次のシーズンに向けた課題となる。
補強ポイント1:将来の先発投手候補を確保支配下6人のうち4人が投手という構成は、将来の投手陣を見据えた指名と考えられる。
特に織田、平田、杉本という高校生投手を獲得した点は、数年単位で投手層を形成する狙いとして理解できる。
ただし、織田については米国挑戦の意向があるため、指名したことと実際に入団することは分けて考える必要がある。
補強ポイント2:長打力と打線の底上げ2026年の巨人は99盗塁を記録し、機動力ではリーグトップだった。
一方で、チーム打率.234、本塁打103本という数字は、攻撃力の改善余地を示している。
今回の支配下指名では内野手を2人獲得したものの、外野手の指名はなかった。また、クリーンアップを担う即戦力の長距離打者を支配下で獲得したわけでもない。
したがって、2027年以降の打線強化という観点では、今回のドラフトだけで課題が解消したとは考えにくい。
補強ポイント3:捕手を含むファームの選手層育成では谷渕瑛仁と関蓮太郎という2人の捕手を指名した。
捕手は投手との連携や試合運びにも関わる重要なポジションだ。若い捕手を複数育成することは、将来のチーム編成に選択肢を増やす意味がある。
柳井、嶋、松田と合わせ、育成5人の守備位置が分散していることも特徴だ。
一軍の即戦力を補うというより、ファームを含めた長期的な選手層の整備という視点で評価したい。
【2026年巨人ドラフトの評価】最大の焦点は織田翔希の入団交渉
今回のドラフトで、最も評価が分かれる要点は間違いなく織田翔希の1位指名だ。
米国挑戦を表明した選手をなぜ1位指名したのか織田はドラフト会議前からアメリカでの挑戦を希望していた。
巨人はその意向を把握したうえで1位指名に踏み切った。日刊スポーツの報道では、球団が織田の能力を高く評価し、指名をめぐる議論を重ねた末に決断した経緯が伝えられている。
この指名は、1985年に早稲田大学進学を表明していた桑田真澄を巨人が1位指名したケースを想起させる。
ただし、過去に指名選手が方針転換して入団した事例があるからといって、今回も同じ結果になるとは限らない。
2026年11月6日時点の織田の最新状況織田をめぐる状況は、ドラフト会議後も動いている。
| 日付 | 動き |
|---|---|
| 10月15日 | 米国挑戦の意向を公表 |
| 10月22日 | 巨人がドラフト1位で指名 |
| 11月4日 | MLB球団との面談を開始。レンジャーズが訪問 |
| 11月5日 | フィリーズ、メッツとの面談が報道された |
| 11月6日 | 米球団との交渉が続く段階 |
日刊スポーツの11月5日付報道によると、フィリーズとメッツが織田と面談し、前日のレンジャーズに続いて複数のMLB球団が獲得に向けて動いている。
一方、巨人との交渉日程はまだ決まっていないと報じられている。
つまり、巨人が交渉権を獲得したことと、織田の入団が決まったことは全く別の話だ。ここを混同してはいけない。
メディアによるドラフト評価も分かれている週刊ベースボールONLINEのドラフト評価では、巨人はD評価となった。
主な論点は、米国挑戦を表明した織田を1位指名したことによる入団リスクと、即戦力の強打者を獲得できなかった点だ。
一方で、平田や杉本など将来の投手陣を担う可能性のある高校生を獲得したことは、長期的な視点では評価できる。
今回のドラフトは、素材の魅力だけを見れば期待できる一方、交渉の成否や野手の補強不足を考えると、評価が難しい内容だった。
【プロの結論】今回のドラフトは将来への投資と現実的な課題が共存今回の巨人の指名を評価する際には、次の3点を分けて考えるべきだ。
1. 選手の能力と将来性: 織田の157キロ、池田の守備力など、将来性のある選手を確保した。
2. 入団の実現性: 織田の米国挑戦という不確定要素が残っている。
3. チームの即戦力補強: 打率と本塁打の改善につながる野手の獲得は限定的だった。
個人的な編成評価としては、投手の将来性と育成枠の充実は評価できる一方、打線の課題を解決するドラフトにはなっていない。
ドラフトの成功・失敗は、指名直後の評価だけで決まるものではない。3年後、5年後に何人が一軍で役割を担えるかが、本当の評価基準になる。
【今後の注目点】2027年以降の巨人を左右する3つのポイント
1. 織田翔希の進路決定最大の焦点は、織田がアメリカと日本のどちらを選ぶかだ。
巨人が獲得した交渉権を実際の入団につなげられるかどうかで、今回のドラフト全体の評価も大きく変わる。
2. 平田・杉本ら高校生投手の成長高校生投手はプロ入り後、体力や技術を含めた段階的な成長が必要になる。
平田と杉本がどのようにプロの環境に適応し、将来の一軍投手へ成長していくかは、中長期的な注目材料だ。
3. 育成選手から支配下登録への競争谷渕、柳井、嶋、松田、関の5人には、まずプロの環境に適応し、ファームで経験を積むことが求められる。
育成選手の中から支配下登録を勝ち取る選手が現れれば、今回のドラフトはさらに大きな意味を持つ。
【読売ジャイアンツの2026年ドラフト】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:巨人の2026年ドラフト指名選手は全部で何人?
A1:合計11人です。支配下6人、育成5人を指名しました。
Q2:巨人のドラフト1位・織田翔希はどこの高校出身?
A2:神奈川県の横浜高校出身です。最速157キロを記録した右投手で、ドラフト前には米国挑戦の意向を表明していました。
Q3:巨人の2026年育成ドラフト指名選手は誰?
A3:谷渕瑛仁、柳井球汰、嶋武仁、松田陸斗、関蓮太郎の5人です。
Q4:巨人の2026年ドラフトは投手と野手のどちらが多い?
A4:支配下では投手4人、野手2人です。育成を含めると投手4人、捕手2人、内野手4人、外野手1人となります。
Q5:巨人の2026年ドラフトで最大の注目点は?
A5:織田翔希の入団交渉です。本人が米国挑戦を希望しており、2026年11月6日時点ではMLB球団との面談が進んでいます。
読売ジャイアンツの2026年ドラフトは、支配下6人、育成5人の合計11人を指名する結果となった。
1位の織田翔希を筆頭に、平田玲翔、池田聖摩、杉本真滉ら高校生を中心に将来性のある選手を確保。伊藤櫂人と松平快聖という大学生も加え、投手陣と内野陣の将来を見据えた構成になった。
育成では谷渕瑛仁と関蓮太郎の捕手2人を含む5人を指名し、ファームの選手層にも手を打った。
一方で、チーム打率と本塁打数の改善につながる即戦力野手の獲得は限定的だった。加えて、織田の米国挑戦という大きな問題も残っている。
今回のドラフトを本当に成功だったと判断できるのは、指名選手が入団し、巨人の戦力として結果を残してからだ。2027年以降、11人がどのような成長を見せるのか。特に織田の進路と若手投手の育成が、今回のドラフトの評価を左右することになる。