2026年のダルビッシュ有は、右肘の回復を最優先にしたシーズンを過ごしました。開幕前から公式戦に出場できないことが決まっており、3月25日(日本時間26日)にはパドレスの制限リストに登録されています。
大きな転機となったのは、2026年8月26日(日本時間27日)のブルペン投球です。本拠地ペトコ・パークでチームメートやコーチら約12人に見守られながら、マウンドからボールを投げました。
MLB公式サイトによると、この日は右肘の手術後、2度目となる本格的なブルペン投球でした。
本人も自身のSNSで動画を公開し、リハビリについて次のように報告しています。
昨年受けた右肘の手術からのリハビリを細々と続けています。 チームに帯同していないのにサポートしてくださるパドレス、チームスタッフのおかげでマウンドからの投球を再開出来るまで来られました。
加えて、投球の状態についても「今のところは順調」と説明しました。
この投稿から読み取れるのは、投球動作を再び行える段階まで回復していること、そして本人がリハビリを継続していることです。
ただし、ブルペンで投げられることと、メジャーの公式戦で先発できることは同じではありません。球速、投球数、連投への耐性、実戦形式での状態など、復帰までには複数の段階があります。
10月29日付のMLB公式負傷者情報でも、ダルビッシュはブルペン投球まで進んだ一方、2027年に復帰するかどうかは不透明とされています。
2026年の成績はどうなった?2026年はシーズンを通じて登板がありませんでした。
これは成績不振によるローテーション落ちでも、球団から戦力外になったことでもありません。2025年秋に受けた右肘手術の影響で、長期離脱が必要になったためです。
2025年の最終成績は以下のとおりです。
| 項目 | 2025年の成績 |
|---|---|
| 先発登板 | 15試合 |
| 勝敗 | 5勝5敗 |
| 防御率 | 5.38 |
| 投球回 | 72回 |
| 奪三振 | 68 |
2025年は右肘の炎症などで離脱を経験し、シーズンを通して本来の投球を取り戻すことが課題となっていました。最終的に手術を選択した背景には、短期間の復帰よりも長期的な回復を優先する必要性がありました。
【右肘手術の真相】トミー・ジョン手術とは何が違う?

ダルビッシュ有の現在を理解するうえで欠かせないのが、2025年10月に受けた右肘の手術です。
今回の手術では、右肘の内側側副靱帯(UCL)の修復にインターナルブレースを使用し、屈筋腱の修復も行われました。
手術はテキサス州アーリントンで、キース・マイスター医師によって実施されています。
球団が示した当初の離脱見込みは12〜15カ月でした。2026年シーズンを全休することになったのも、この長い回復期間を考慮した判断です。
2025年の手術と2015年のトミー・ジョン手術ここで注意したいのが、今回の手術と過去のトミー・ジョン手術を混同しないことです。
ダルビッシュは2015年、テキサス・レンジャーズ在籍時に右肘のトミー・ジョン手術を受けています。このときはシーズンを全休しました。
一方、2025年の手術についてMLB公式サイトは、インターナルブレースを用いたUCL修復術と屈筋腱修復として説明しています。
どちらも右肘の靱帯に関係する手術ですが、同じ術式を繰り返したという説明は正確ではありません。
| 比較項目 | 2015年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 所属球団 | テキサス・レンジャーズ | サンディエゴ・パドレス |
| 手術 | トミー・ジョン手術 | UCL修復・インターナルブレース |
| 関連する部位 | 右肘の内側側副靱帯 | 右肘の内側側副靱帯・屈筋腱 |
| シーズンへの影響 | 2015年シーズン全休 | 2026年シーズン全休 |
| その後 | 2016年に復帰 | 2027年の復帰は未確定 |
投手の肘は、単にボールを投げるだけでも大きな負担がかかります。
特に先発投手の場合、試合での投球に耐えられる状態を取り戻すには、通常のキャッチボールや軽いブルペン投球だけでは不十分です。
ダルビッシュの場合は、UCLだけでなく屈筋腱の修復も必要でした。
そのため、リハビリでは肘の状態を確認しながら、段階的に投球負荷を高めていく必要があります。
40歳という年齢も考慮すべき要素です。若い投手と同じ回復スピードを前提に復帰日を決めることはできません。
今回のブルペン投球は大きな前進ですが、それだけで以前と同じ球威やスタミナが戻ったと判断することはできないのです。
【ダルビッシュ有の経歴と2026年までの時系列】復帰を左右する出来事
ダルビッシュ有は日本ハムで実績を積み、2012年からメジャーリーグに挑戦しました。
レンジャーズ、ドジャース、カブス、パドレスという4球団でプレーし、長年にわたってメジャーを代表する日本人投手の一人として活躍してきました。
MLB公式サイトによると、2025年までのメジャー通算成績は115勝93敗、防御率3.65、2075奪三振です。日本プロ野球での93勝を加えた日米通算208勝も大きな実績です。
主要な出来事と関係者の関係性| 時期 | 出来事・関係者 | 現状と意味 |
|---|---|---|
| 2015年 | レンジャーズ時代 | 右肘のトミー・ジョン手術 |
| 2016年 | MLB復帰 | メジャーで再び登板 |
| 2023年2月 | パドレスと契約 | 6年総額1億800万ドルの契約 |
| 2025年10月 | 右肘手術 | UCL修復と屈筋腱修復 |
| 2025年11月 | 本人・球団 | 2026年シーズン全休を発表 |
| 2026年1月 | ダルビッシュ本人 | 引退は未決定とSNSで説明 |
| 2026年3月 | パドレス | 制限リスト入り |
| 2026年8月 | ダルビッシュ本人 | 術後2度目のブルペン投球 |
| 2026年10月 | A・J・プレラーGM | 本人と今後について話し合う意向 |
| 2026年11月5日 | 現在 | 2027年の復帰・引退ともに未確定 |
この年表で重要なのは、2026年に入ってからの動きが、単なる治療経過だけではないことです。
本人と球団の間では、今後の契約や現役続行についても話し合いが必要になっています。
特に2026年1月の発言と、10月の球団幹部の発言を比較すると、復帰をめぐる判断がどこまで進んでいるかが見えてきます。
【2027年復帰はいつ?】クレイグ・スタメン監督の発言と復帰条件
ダルビッシュ有の復帰時期として注目されるのが2027年シーズンです。
2026年8月のブルペン投球後、パドレスのクレイグ・スタメン監督は本人の状態について前向きな見通しを示しました。
「復帰できそうには見える。あとは本人が復帰したいと思うかどうかだ」
これはMLB公式サイトが伝えた監督のコメントです。
注目したいのは、監督が身体的な回復の可能性と、本人の意思を分けて話している点です。
つまり、球団側は復帰できる可能性を認識しているものの、本人が再び競技生活に戻ると決めたわけではありません。
2027年の復帰を判断する3つのポイント1.右肘が実戦の負荷に耐えられるか
ブルペンでの投球を継続できても、公式戦では投球数や登板間隔が大きな負担になります。
リハビリの進展だけでなく、投球後の肘の状態を継続的に確認することが欠かせません。
2.先発投手としての調整ができるか
ダルビッシュは長年、先発投手として実績を残してきました。
しかし、復帰する場合には、先発として以前の投球回数をこなせるかという問題があります。
本人の身体的な状態によっては、登板間隔や役割を見直す必要も出てくるでしょう。
3.本人が再び勝負する意思を持てるか
スタメン監督のコメントでも、この点が強調されています。
ダルビッシュは単に投げられる状態になれば復帰するという考えではなく、心身ともに試合で投げられると感じた段階で、もう一度勝負する意思を示してきました。
パドレスGMも2027年の計画を明言せず2026年10月14日(日本時間15日)、A・J・プレラー編成本部長はシーズン総括会見でダルビッシュの今後について言及しました。
日刊スポーツの報道によると、プレラーGMは本人と数週間以内に話し合う意向を明らかにしています。
特に、身体面だけでなく精神面の状態や本人の考えを確認したいという姿勢を示しました。
また、ダルビッシュが2026年に無給となる制限リスト入りを選択したことについても、球団への大きな貢献として評価しています。
したがって、2027年の春季キャンプで復帰する可能性は残されていますが、開幕ローテーション入りや復帰登板の日付は決まっていません。
2027年復帰は現実的な選択肢ではあるものの、確定した復帰予定ではないというのが現在の状況です。
【引退説の真相】ダルビッシュ有は現役引退を決めたのか?
2026年のダルビッシュをめぐるニュースで、特に注目を集めたのが引退報道です。
2026年1月、現地メディアが引退の意向を球団に伝えたと報じました。
しかし、その後ダルビッシュ本人がSNSで説明し、引退を決めたという報道を否定しています。
2026年1月の本人の説明2026年1月24日(日本時間25日)、本人は引退報道について次のように投稿しました。
パドレスとは昨年から契約破棄する方向で話をしていますが引退はまだ決めていません。 自分としてはしっかりリハビリをやり抜き、心身ともに試合で投げられるなと思えばまた一から勝負したいなと考えています。
この発言には、2つの重要な意味があります。
1つ目は、契約を解除する方向で球団と話し合っていたこと。
2つ目は、引退を決めたわけではなく、リハビリ後の状態を見て現役続行を判断する考えだったことです。
本人は英語での投稿でも、再び投げられないと感じたときには引退を発表すると説明していました。
つまり、当時の本人の考えは「引退決定」ではなく「回復後に判断する」というものでした。
10月には再び引退の可能性が報じられるその後、状況はさらに複雑になっています。
MLB公式サイトは2026年10月16日の記事で、ダルビッシュが引退をなお検討していると報じました。
また、パドレスのプレラーGMも本人と話し合い、今後の意思を確認したいと説明しています。
この2つの情報を合わせると、2026年1月の段階では引退を否定していたものの、11月5日現在は現役続行が確定していない状態です。
引退説と事実を比較| ネット上で注目される情報 | 確認できる事実 |
|---|---|
| ダルビッシュは引退した | 引退の正式発表は確認されていない |
| 1月に引退を決断した | 本人は当時、引退は未決定と説明 |
| パドレスを退団した | 契約上の保有関係は継続 |
| ブルペン投球を再開したので復帰決定 | 復帰の意思や日程は未確定 |
| 2027年に必ず復帰する | 球団も本人の最終判断を待っている |
ここで重要なのは、引退の検討と引退の正式発表は別のものだという点です。
また、契約解除に向けた協議も、現役引退そのものを意味するわけではありません。
ダルビッシュがどのような形で野球人生を続けるのか、あるいは区切りをつけるのかは、本人の判断が明らかになるまで分からない状況です。
【契約内容とパドレスの対応】2028年まで契約が残る理由
ダルビッシュ有は2023年2月、サンディエゴ・パドレスと6年総額1億800万ドルの契約を結びました。
契約期間は2028年までです。
2026年8月のMLB公式報道では、残り2年の契約総額は3000万ドルとされています。つまり、2027年と2028年の契約が残っている状態です。
制限リスト入りで何が変わった?2026年3月25日、ダルビッシュはパドレスの制限リストに登録されました。
この措置には、通常の負傷者リストとは異なる特徴があります。
制限リストに登録された選手は、球団との契約上の保有関係を維持する一方、球団に給与を支払う義務がなくなります。
今回の登録は、ダルビッシュがチームから離れて自身のペースでリハビリを進めるため、球団と合意した措置でした。
MLB公式サイトによれば、2026年の年俸は1500万ドルが予定されていましたが、制限リスト入りによって球団の支払い義務がなくなっています。
これは単純な退団や契約解除とは異なります。
球団は引き続き契約上の権利を持っており、ダルビッシュが復帰する可能性も残されています。
パドレスにとってダルビッシュの復帰は重要なのかパドレスは2027年に向けて先発ローテーションの再編を進める必要があります。
2026年10月のシーズン総括でも、プレラーGMは投手陣の構築を重要課題として挙げました。
マイケル・キングのFA動向やニック・ピベッタの契約問題、ジョー・マスグローブの起用方法など、先発陣には複数の検討事項があります。
その中で、ダルビッシュが復帰するかどうかはチームの戦力構想にも影響します。
球団としては、経験豊富な投手が再び戦力になる可能性を残しておきたいところです。
一方、40歳で大きな右肘手術から復帰する選手を、最初からローテーションの柱として計算するのは難しいでしょう。
復帰できるかどうかだけでなく、どの程度の投球が可能なのか、どのような起用方法が適切なのかも判断材料になります。
【プロの結論】ダルビッシュ有の今後を見極める要点
2026年11月5日時点の情報を整理すると、ダルビッシュ有の現在は、現役引退でも完全復帰でもなく、次のキャリアを判断するための準備段階にあります。
注目すべき要点は次の3つです。
第一に、ブルペン投球再開は確かな前進であること。
2026年8月の投球再開は、長いリハビリの中で大きな節目でした。ただし、実戦復帰にはさらなる調整が必要です。
第二に、2027年復帰の可能性は残っていること。
手術からの回復は進んでおり、監督も復帰の可能性に言及しています。しかし、本人の意思と身体の状態が一致することが条件になります。
第三に、引退説はまだ決着していないこと。
2026年1月には本人が引退を否定しましたが、10月にはMLB公式サイトが引退を検討している状況を報じました。最終判断はまだ明らかになっていません。
今後のニュースを追う際は、次の情報を区別して確認することが大切です。
- ブルペン投球の継続:リハビリの進展
- 実戦形式の投球:復帰に向けた次の段階
- 春季キャンプ参加:球団との具体的な調整
- 本人の現役続行発表:進退に関する正式な意思表示
- 契約解除の合意:球団との契約関係に関する決定
ブルペン投球の動画だけで復帰決定と判断したり、引退報道だけで現役生活の終了と考えたりするのは早計です。
【ダルビッシュ有の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ダルビッシュ有は2026年に引退したのですか?
A1:2026年11月5日現在、引退の正式発表は確認されていません。1月には本人が引退を否定しましたが、10月には引退を検討しているとの報道もあり、現役続行の判断は未確定です。
Q2:ダルビッシュ有の復帰時期はいつですか?
A2:2027年が復帰の候補となっています。ただし、具体的な登板日や春季キャンプへの参加予定は確定していません。
Q3:ダルビッシュ有はブルペン投球を再開しましたか?
A3:はい。2026年8月26日(日本時間27日)、ペトコ・パークで右肘手術後2度目となる本格的なブルペン投球を行いました。
Q4:今回の右肘手術は2度目のトミー・ジョン手術ですか?
A4:厳密には異なります。2015年にはトミー・ジョン手術を受けていますが、2025年の手術はインターナルブレースを用いたUCL修復と屈筋腱の修復です。
Q5:ダルビッシュ有のパドレスとの契約はいつまでですか?
A5:2028年までです。2026年8月のMLB公式報道では、残り2年・総額3000万ドルとされています。ただし、2026年は制限リスト入りによって球団からの給与支払い義務がなくなっています。
Q6:クレイグ・スタメン監督は復帰について何と話しましたか?
A6:2026年8月、監督は「復帰できそうには見える。あとは本人が復帰したいと思うかどうかだ」とコメントしました。身体的な回復への期待を示しながら、本人の意思を尊重する姿勢を明らかにしています。
2026年11月5日現在、ダルビッシュ有は右肘手術後のリハビリを継続しており、2026年シーズンは全休しました。
8月には術後2度目のブルペン投球を行い、回復に向けて前進していることを自身のSNSでも報告しています。
一方、2027年の復帰は確定しておらず、現役引退についても本人の最終決断は公表されていません。
パドレスとの契約は2028年まで残っており、球団幹部も本人との話し合いを重視しています。
日米通算208勝、メジャー通算2075奪三振という実績を持つダルビッシュが、再びマウンドに立つ姿を見られるのか。それとも、自身の野球人生に新たな区切りをつけるのか。
今後は、本人による進退の発表、右肘のリハビリ状況、パドレスとの契約協議が大きな焦点になります。長年にわたって第一線で戦ってきた投手だからこそ、最後の判断も本人が納得できる形になることが期待されます。