ホーム スポーツ 【注目選手のFA動向】森下暢仁・坂倉将吾・髙橋光成ら5人の決断

【注目選手のFA動向】森下暢仁・坂倉将吾・髙橋光成ら5人の決断

黒田 宗一郎 黒田 宗一郎 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
目次

2026年11月6日時点で、FA権を行使し、申請書類の提出まで確認されている選手は7人。広島からは森下暢仁、坂倉将吾、床田寛樹の3人が名を連ね、オリックスからも宗佑磨、中川圭太が行使を表明した。

ここでは検索需要の高い5選手を中心に、行使の理由、他球団の獲得調査、残留の可能性を整理する。

1.森下暢仁(広島)国内FA権・Aランクとみられる


森下暢仁
11月4日行使表明
29歳・右投手・広島東洋カープ
- FA権:国内FA
- 推定ランク:A
- 獲得調査:巨人、DeNA、ソフトバンクなど
- 残留:宣言残留を球団が容認

2026年のFA市場で最も注目を集める投手の一人が森下だ。

2020年に新人王を獲得し、プロ7年間で通算60勝、防御率2.84を記録。安定した先発能力と大舞台での経験を兼ね備える。

11月4日、マツダスタジアムの球団事務所にFA申請書類を提出。自身の評価を他球団から聞きたいという意向を示した。

広島東洋カープ公式サイトでは、本人のコメントとして次の内容が公表された。

自分の評価を聞きたいという思いがあります。

森下は同時に、残留するか移籍するかについても決め切れていないと説明している。

報道では巨人、DeNA、ソフトバンクが獲得調査を進めている。広島も複数年契約などを提示して慰留しているとされる。

注目すべきなのは、国内FA権の行使であり、海外FA権の行使ではない点だ。今回の制度上、海外FA権を持たない森下が国内移籍を選択肢として比較する構図になっている。

森下にとっては契約条件だけでなく、先発ローテーションの中でどのような役割を担えるか、長期的に成長できる環境かどうかも判断材料になる。

2.坂倉将吾(広島)国内FA権・Bランクとみられる


坂倉将吾
11月5日行使表明
28歳・捕手・広島東洋カープ
- FA権:国内FA
- 推定ランク:B
- 獲得調査:ロッテ、西武など
- 残留:広島が宣言残留を容認

坂倉は2026年11月5日、国内FA権の行使を表明した。

2016年ドラフト4位で広島に入団し、2021年に打率.315を記録。2022年には全試合出場を達成し、以降はチームの中心打者として活躍してきた。

2026年シーズンは140試合に出場し、打率.251、15本塁打、74打点を記録。特に74打点はチームトップだった。

今季は捕手だけでなく、一塁や三塁でも起用されている。打撃力と複数ポジションへの対応力が評価されるポイントだ。

FA行使を決めた理由について、本人は他球団からの評価を聞きたいという考えを示した。

獲得に関心を示していると報じられているのは、地元千葉に本拠地を置くロッテや西武。特にロッテは11月11日の交渉解禁日に交渉を始める方針と報じられている。

一方、広島も坂倉を必要な戦力と位置付け、宣言後の残留交渉を続ける構えだ。

坂倉の去就は、広島の捕手・内野手の編成だけでなく、ロッテや西武の攻撃力強化にも関係する。

3.髙橋光成(西武)海外FA権・Aランクとみられる


髙橋光成
11月2日行使表明
29歳・右投手・埼玉西武ライオンズ
- FA権:海外FA
- 推定ランク:A
- 注目先:MLB、DeNA、ソフトバンクなど
- 最大の焦点:メジャー挑戦

髙橋光成のFAは、国内球団への移籍だけでは語れない。

2025年オフにはポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を目指したものの、最終的に西武に残留。複数球団からオファーがあったと報じられている。

2026年は22試合に登板し、9勝を記録。シーズン中に海外FA権の取得条件を満たした。

11月2日、西武球団が海外FA権の行使を正式発表。本人も申請書類を提出した。

今回の要点は、海外FA権によってMLBとNPBの両方を選択肢にできることだ。

国内ではDeNAやソフトバンクが関心を示していると報じられているが、メジャー挑戦が優先される可能性がある。

西武にとっては、先発ローテーションの柱を維持できるかという問題でもある。髙橋の選択は、球団の2027年シーズンに向けた投手編成にも大きく影響する。

4.小島和哉(ロッテ)国内FA権・Bランクとみられる


小島和哉
11月2日行使表明
30歳・左投手・千葉ロッテマリーンズ
- FA権:国内FA
- 推定ランク:B
- 獲得調査:阪神、DeNAなど
- 残留:選択肢として残す

小島はロッテの先発ローテーションを長く支えてきた左腕だ。

2018年ドラフト3位で早稲田大学から入団。2020年から7年連続で100イニング以上を投げ、2021年から2025年までは5年連続で規定投球回に到達した。

2026年シーズンは20試合に登板し、6勝9敗、防御率3.53。

11月2日に国内FA権の行使を発表した。

球団を通じて公表されたコメントでは、他球団からの評価を直接聞き、自分を客観的に見つめ直したいという考えを説明している。

一方で、ロッテへの愛着も強調し、宣言残留も選択肢として残している。

獲得調査では阪神などが名前に挙がる。先発投手の補強を必要とする球団にとって、継続して一定の投球回を期待できる小島は魅力的な存在だ。

ロッテがどのような条件で慰留するのか、他球団がどのような役割を提示するのかが焦点となる。

5.宗佑磨(オリックス)国内FA権・Cランクとみられる


宗佑磨
11月2日申請・3日表明
30歳・内野手・オリックス
- FA権:国内FA
- 推定ランク:C
- 獲得調査:DeNAなど
- 残留:オリックスも慰留

宗は今回のFA市場で、獲得球団にとって補償面の負担が比較的小さいとみられる選手だ。

2014年ドラフト2位でオリックスに入団。2021年から3年連続でベストナインとゴールデングラブ賞を受賞し、チームのリーグ3連覇や2022年の日本一に貢献した。

2026年シーズンは自己最多の14本塁打、65打点を記録。守備力に加えて打撃面でも存在感を示した。

11月2日に申請書類を提出し、3日に国内FA権の行使を正式に表明した。

報道では、年俸推定6,200万円でCランクとみられ、DeNAなどが獲得に関心を示している。

Cランクの大きな利点は、通常の年俸ランクに基づく人的補償・金銭補償が発生しないことだ。

オリックスも長期契約や年俸増額を含めて慰留を進めていると報じられている。

本人は他球団の評価を聞きたいという意向を示す一方、これまで育ててもらった球団への感謝も口にしている。

宗のFAは、補償の負担を抑えながら守備力と打撃力を補強したい球団にとって、注目度の高い案件となっている。

そのほかのFA行使表明・残留情報

11月6日時点の動向を整理すると、次のようになる。

- 床田寛樹(広島):11月6日に国内FA権の行使を表明。広島は宣言残留を認める方針。
- 中川圭太(オリックス):11月5日に国内FA権の行使を表明。阪神などが獲得調査。
- 太田光(楽天):10月27日に国内FA権を行使する意向を表明。ただし、同日時点で申請書類の提出は確認されていない。

一方、残留を決めた選手もいる。

- 伏見寅威(阪神):11月6日に海外FA権を行使せず残留を発表。
- 西川遥輝(日本ハム):11月5日に残留を表明。
- 玉井大翔(日本ハム):11月5日に残留を表明。
- 木浪聖也(阪神):11月4日に残留を発表。
- 田嶋大樹(オリックス):11月1日に残留を表明。
- 岩崎優(阪神):10月30日に残留を発表。
- 熊谷敬宥(阪神):10月31日に残留を発表。

特に広島は森下、坂倉、床田の3選手が相次いでFA権を行使した。球団の戦力維持という観点でも、今オフの大きな焦点になっている。

【FAランクと補償制度改定】人的補償撤廃はいつから?

faプロ野球

2026年のFA市場を理解するうえで欠かせないのが、10月30日に発表された補償制度の見直しだ。

従来、Aランク・Bランクの選手が国内FA移籍すると、移籍元球団には金銭補償や人的補償が発生する仕組みだった。

今回の改定では、選手の移籍を妨げる要因の一つとされてきた人的補償を段階的に廃止する方向が決まった。

FAランクは何で決まる?

FAランクは、移籍する選手の実力や成績だけで決まるものではない。

基準になるのは、旧所属球団における日本人選手の年俸順位だ。外国人選手は順位の計算から除外される。

2026年オフに適用される従来の区分は次のとおり。

ランク 球団内の年俸順位 2026年の補償
Aランク 1~3位 必要
Bランク 4~10位 必要
Cランク 11位以下 不要

なお、NPBは各選手の年俸ランクを公式発表していない。報道されているA・B・Cの区分は推定であり、実際の契約額や球団内順位と異なる可能性がある。

人的補償と金銭補償の仕組み

2026年オフにおいて、35歳以上の特例に該当しない選手が国内FA移籍する場合、従来の補償制度が基本となる。

初めてFA権を行使する選手の場合、補償内容は以下のように整理できる。

ランク 人的補償を選ぶ場合 金銭のみの場合
Aランク 選手1人+年俸の50% 年俸の80%
Bランク 選手1人+年俸の40% 年俸の60%
Cランク 補償なし 補償なし

人的補償とは、FA選手を獲得した球団が提出するプロテクト名簿から外れた支配下選手の中から、旧所属球団が1人を獲得できる仕組みだ。

獲得球団は原則28人の選手をプロテクトする。

これまでFA補強の際には、誰をプロテクトするかという問題がファンや球団関係者の関心を集めてきた。

2026年10月30日に決まった制度改定の内容

NPB・選手会が合意

今回の改定で特に重要なのは、次の3点だ。

① 2026年オフから35歳以上は補償不要

FA権行使の翌年4月1日時点で35歳以上となる選手が移籍する場合、A・B・Cのランクに関係なく、旧所属球団への人的補償と金銭補償が不要となる。

2026年オフではDeNAの筒香嘉智が対象として報じられている。

② 2027年・2028年オフから人的補償を廃止

人的補償に代わって、翌年のドラフト指名権または金銭による補償が導入される。

ランク ドラフト指名権を選ぶ場合 金銭を選ぶ場合
A 2巡目 年俸の80~130%
B(4~7位) 3巡目 年俸の60~100%
B(8位) なし 年俸の60%
C 補償なし 補償なし

旧所属球団がドラフト指名権か金銭補償かを選択する仕組みになる。

③ BランクとCランクの区分を変更

2027年オフ以降は、Aランクが1~3位、Bランクが4~8位、Cランクが9位以下となる。

従来のBランク4~10位から2人がCランクに移るため、補償の対象外となる選手が増える。

新制度は2027年・2028年オフの2年間を対象とし、2029年シーズンオフに運用状況を踏まえて見直しを検討する。

この合意について日本プロ野球選手会も2026年10月30日に公式発表している。

2026年のFA移籍では人的補償がなくなるのか?

ここは誤解しやすいポイントだ。

2026年オフから、すべてのFA移籍で人的補償がなくなるわけではない。

2026年オフは、35歳以上の特例対象者を除いて従来の人的補償制度が基本的に適用される。

人的補償そのものが廃止されるのは2027年オフからだ。

そのため、森下、坂倉、小島、宗などの移籍を考える場合も、年俸ランクと補償の有無を分けて考える必要がある。

制度改定の発表日だけを見て「今年から人的補償はゼロ」と理解するのは間違いだ。

【宣言残留は可能?】FA移籍で誤解されやすい5つのポイント

FA宣言をめぐっては、ファンの間でも誤解されやすいポイントがいくつかある。

1.FA宣言したら必ず移籍する?

これは間違いだ。

FA宣言は、他球団と交渉する権利を行使する手続きであり、移籍先を確定するものではない。

宣言した後に元の球団と契約を結び直すこともできる。これが「宣言残留」だ。

森下、坂倉、床田については、広島が宣言残留を認める方針を示している。

小島についても、ロッテへの残留を選択肢に含めている。

2.FA権を取得したらすぐに他球団と交渉できる?

これも誤解だ。

権利を取得しただけでは他球団との契約交渉はできない。

正式なFA宣言選手として公示された翌日から交渉が解禁される。2026年は11月11日からだ。

3.Aランクなら必ず人的補償が発生する?

必ずではない。

2026年オフからは、翌年4月1日時点で35歳以上の選手はランクにかかわらず補償不要となる。

また、A・Bランクでも旧所属球団が金銭補償のみを選択する場合は人的補償が発生しない。

4.Cランクは選手の実力が低いという意味?

違う。

Cランクは旧所属球団内の年俸順位による分類であって、選手の実力や将来性を示す評価ではない。

宗佑磨のように、実績や守備力、打撃力を評価されている選手でも、年俸順位によってCランクになることがある。

補償負担がないため、獲得を検討する球団にとっては交渉しやすい条件となる。

5.海外FA権を行使したら必ずメジャーに移籍する?

こちらも違う。

海外FA権は、海外球団と契約できる権利であると同時に、国内球団とも交渉できる権利だ。

髙橋光成の場合、メジャー挑戦が注目されているが、国内球団との交渉も制度上可能となる。

FA権の種類と実際の移籍先は、別々に考える必要がある。

【プロの結論】2026年FA市場を動かす3つの判断基準

2026年のFA市場は、有資格者105人という人数だけで判断できない。

移籍を左右するのは、選手本人のキャリア選択、獲得球団の編成事情、補償制度という3つの要素だ。

判断基準1:選手が求める役割と将来性

森下暢仁や小島和哉のような先発投手は、契約金額だけでなく、先発ローテーションでどのような役割を与えられるかが重要になる。

一方、坂倉将吾は捕手登録でありながら一塁・三塁でも出場できる。獲得球団のポジション事情によって評価が変わる可能性がある。

宗佑磨については、内野守備の安定性と打撃力をどう評価するかが焦点となる。

髙橋光成はさらに特殊で、国内移籍とMLB挑戦の双方が選択肢にある。

判断基準2:補償を含めた球団側の獲得コスト

FA選手の獲得では、契約年数や年俸だけを比較しても十分ではない。

Aランク・Bランクの選手を獲得する場合、補償も考慮しなければならない。

その意味では、宗のようにCランクと推定される選手は、獲得球団にとって魅力的な条件を持つ。

ただし、補償が不要だからといって、必ず移籍交渉が成立するわけではない。選手本人が求める条件と球団の提示条件が一致する必要がある。

判断基準3:宣言残留を含めた選択肢の広さ

FA市場では、宣言した選手がすべて移籍するという見方を捨てる必要がある。

今回の広島のように、FA宣言後の残留を認める球団もある。

他球団の評価を確認したうえで、元の球団に残るという決断も選手にとって合理的な選択肢になる。

ファンが注目すべきなのは、FA宣言のニュースだけでなく、その後の契約交渉、球団の慰留姿勢、選手本人の発言だ。

2026年は補償制度の過渡期でもある。今オフの移籍結果は、2027年以降のFA市場を考えるうえでも重要な材料になる。

【fa プロ野球】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年のプロ野球FA宣言期限はいつですか?

A1:2026年11月9日(月)です。FA宣言選手は11月10日15時に公示され、他球団との交渉は11月11日(水)から解禁されます。

Q2:2026年のFA有資格者は何人ですか?

A2:NPBの公示によると合計105人です。国内FA権保有者が36人、海外FA権保有者が69人です。10月21日にオリックスの石川亮が追加され、105人となりました。

Q3:森下暢仁や坂倉将吾は広島に残留できますか?

A3:可能です。広島はFA宣言後の残留を認める方針です。両選手とも他球団の評価を聞いたうえで進路を判断することになります。

Q4:髙橋光成はメジャーに移籍するのですか?

A4:海外FA権を行使しました。メジャー挑戦が注目されていますが、国内球団との交渉も可能です。移籍先はまだ確定していません。

Q5:人的補償は2026年から完全になくなりますか?

A5:いいえ。2026年オフは翌年4月1日時点で35歳以上の選手が補償不要となる特例が適用されます。人的補償そのものの廃止とドラフト指名権による新制度は2027年オフからです。

2026年のプロ野球FA戦線は、105人の有資格者を中心に大きく動いている。

森下暢仁、坂倉将吾、髙橋光成、小島和哉、宗佑磨らの動向は、各球団の2027年シーズンの戦力を左右する重要なテーマだ。

今後の注目日程は以下の3つ。

- 11月9日:FA宣言申請期限
- 11月10日:FA宣言選手の公示
- 11月11日:他球団との交渉解禁

加えて、人的補償制度の見直しによって、2027年以降のFA市場も大きく変わる見通しとなった。

今オフは従来制度を基本としながら、35歳以上の選手に補償免除の特例が適用される過渡期だ。

FAは選手が長年の実績によって獲得した権利であり、必ずしも移籍だけが正解ではない。残留、国内移籍、海外挑戦という選択肢の中から、選手がどのような野球人生を選ぶのか。

11月11日の交渉解禁以降、契約条件と各球団の編成方針が具体化することで、2026年オフのFA戦線はさらに大きな局面を迎える。

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コンテンツディレクター 黒田 宗一郎
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