林安可のNPB初年度は、期待された長距離砲としての能力を部分的に示した一方、日本の投手への適応と故障による出場機会の減少が課題として残った。
NPB公式の2026年シーズン終了時の個人成績は以下のとおりだ。
2026年の一軍打撃成績| 項目 | 成績 |
|---|---|
| 所属 | 埼玉西武ライオンズ |
| 背番号 | 73 |
| 出場試合 | 76試合 |
| 打席 | 262 |
| 打数 | 236 |
| 安打 | 52 |
| 二塁打 | 14 |
| 本塁打 | 8 |
| 打点 | 29 |
| 得点 | 20 |
| 打率 | .220 |
| 出塁率 | .294 |
| 長打率 | .381 |
| OPS | .675 |
| 三振 | 65 |
| 四球 | 18 |
| 盗塁 | 0 |
出典:NPB公式個人年度別成績、パ・リーグ.com。2026年シーズン終了時。
打率.220は期待を下回ったのかまず注目したいのは、打率.220という数字だ。
台湾時代の2025年には打率.318を記録していたため、日本での打率低下は明確な適応課題を示している。
特に出塁率.294という数字は、打率だけでなく出塁面でも改善の余地があることを示す。
三振65に対して四球18という内訳からも、打席での対応力を高める必要がある。
ただし、8本塁打という数字も見逃せない。
76試合で8本塁打を放っており、長打を生み出す能力そのものが失われたわけではない。14本の二塁打も記録している。
つまり、林安可の2026年は「長打力が通用しなかった」というより、長打力を安定した打撃成績に結び付ける段階まで到達できなかったシーズンと評価できる。
二軍では打率.317、8本塁打を記録興味深いのは、一軍と二軍の成績に差があることだ。
2026年の二軍成績は以下のとおり。
- 出場:18試合
- 打率:.317
- 安打:19
- 本塁打:8
- 打点:19
- 出塁率:.373
- 長打率:.800
- OPS:1.173
少ない出場試合数ではあるものの、二軍では長打力と打撃成績の両方が際立った。
この数字は、一軍の投手に対する対応と、打者としての本来の能力を分けて考える必要性を示している。
二軍で打てることと一軍で同じ結果を残せることは別問題だ。しかし、8本塁打を記録した事実は、2027年の巻き返しを期待する材料になる。
NPB初年度の評価は?2026年の林安可を評価するなら、次の3点が重要だ。
1. 長打力:8本塁打、14二塁打を記録し、パワーの片鱗を見せた。
2. 打撃の安定性:打率.220、出塁率.294と、継続的に出塁する能力には課題が残った。
3. 稼働率:76試合にとどまり、故障によってシーズン終盤の戦力として貢献できなかった。
NPBでの1年目を成功と評価するには物足りない。一方で、実績のある台湾の強打者が日本の野球に適応する過程として、改善の余地は十分に残されている。
【膝の故障とシーズン終盤の離脱】8月の抹消から9月の再負傷まで

2026年の林安可を振り返るうえで、避けて通れないのが膝の故障だ。
実際には、8月の左膝痛と9月の自打球による右膝の負傷という、異なる出来事が続いた。
8月9日:左膝の痛みで一軍登録抹消8月9日、西武は林安可を出場選手登録から抹消した。
球団側が発表した理由は左膝の痛みだった。
当時の林安可は59試合に出場し、打率.228、6本塁打、22打点を記録していた。
特に7月は14試合で打率.311、4本塁打、14安打をマーク。調子を上げていたタイミングでの離脱だった。
台湾の中央通信社も、7月に好調だった林安可が左膝痛によって登録抹消されたことを報じている。
8月25日:一軍復帰、4番として再出発8月21日には二軍で故障後初出場を果たし、いきなり3ラン本塁打を放った。
そして8月25日に一軍へ復帰。
北海道日本ハムファイターズ戦では4番・左翼で先発出場し、3打数1安打、1四球を記録した。
復帰後には長打も生まれ、再び西武打線の中軸を担う姿が期待された。
9月15日:自打球が右膝に当たり途中交代しかし、9月15日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦で再びアクシデントが発生した。
9回の打席で自打球が右膝付近に当たり、林安可は痛みを訴えて途中交代。試合後には病院で検査を受けることになったと台湾メディアが報じた。
8月の左膝痛とは別の出来事であり、左右の膝に負担が重なる形となった。
9月22日、23日には試合に出場したものの、24日に一軍登録を抹消された。
クライマックスシリーズにも出場できず10月11日の台湾・中央通信社の報道によると、西武は林安可を宮崎で開催されるフェニックス・リーグの参加選手に加えた。
一軍のポストシーズン登録メンバーには入らず、実戦を通じて調整する形となった。
9月23日が最後の実戦出場となり、2026年シーズンは悔いの残る終わり方となった。
10月20日:本人が帰国時に語った1年目の総括10月20日、西武は林安可の帰国を発表した。
球団を通じて本人は次のようにコメントしている。
「多くのことを学び、成長できた1年でした」
また、故障の影響で最後までチームと一緒に戦えなかった悔しさにも触れ、来季はさらに良い結果を残して優勝に貢献したいという意欲を示した。
このコメントから読み取れるのは、本人が2026年を単なる不本意なシーズンとしてではなく、日本で得た経験を次につなげる1年として捉えていることだ。
打撃面の課題だけでなく、コンディション管理も2027年の重要なテーマになる。
【2027年の展望】林安可が西武で飛躍するための3つの課題
2027年は、林安可にとって日本での2年目となる。
2026年は76試合にとどまったが、台湾時代に本塁打王と打点王を獲得した実績は変わらない。さらに二軍ではOPS1.173という成績も残している。
西武が期待する長距離打者として本領を発揮するには、以下の3つがポイントになる。
1. 日本の投手への対応力を高める最大の課題は打率と出塁率の改善だ。
2026年の打率.220、出塁率.294という数字を考えると、単純に本塁打数を増やすだけでは十分ではない。
65三振、18四球という数字からも、打席での選球やコンタクトの精度を高めることが求められる。
台湾時代の2025年に見せた打率.318のような安定感を、日本でも再現できるかが注目点だ。
2. 年間を通して出場できる身体を取り戻す2026年の出場は76試合だった。
8月の左膝痛に加え、9月には右膝に自打球が当たるアクシデントも発生した。
故障の経過を踏まえると、オフの回復と春季キャンプでのコンディション調整が重要になる。
特に長距離打者は、打席でのスイングだけでなく、守備や走塁も含めてシーズンを通じた身体の管理が必要だ。
2027年は、出場試合数を増やせるかどうかも評価の大きな基準になる。
3. 西武の中軸を任される打者へ林安可は台湾時代に本塁打王・打点王を獲得した実績があり、西武もその長打力を評価して獲得した。
2026年には4番で起用された試合もあり、チームが中軸候補として期待していることがうかがえる。
ただし、2027年の打順や起用法は確定していない。
打率、出塁率、長打率のバランスを改善し、故障なく試合に出続けられれば、外野や指名打者としての起用価値は高まる。
2027年に注目したい評価基準| 評価項目 | 2026年実績 | 2027年の注目点 |
|---|---|---|
| 打率 | .220 | 安定したコンタクト |
| 本塁打 | 8本 | 長打力の発揮 |
| 打点 | 29打点 | 得点圏での勝負強さ |
| 出塁率 | .294 | 選球眼の改善 |
| OPS | .675 | 総合的な打撃力 |
| 出場試合 | 76試合 | 年間を通した稼働 |
| コンディション | 膝の故障 | 再発防止と回復 |
2027年の具体的な成績目標や打順は球団から公表されていない。まずは故障からの回復を優先し、年間を通じて安定した出場機会を確保できるかが焦点となる。
【林安可に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:林安可の読み方は?
A1:リン・アンコー。英語表記はLIN AN-KOで、1997年5月19日生まれの台湾出身の外野手です。
Q2:林安可の2026年の成績は?
A2:埼玉西武ライオンズで76試合に出場し、打率.220、8本塁打、29打点を記録しました。出塁率は.294、OPSは.675です。
Q3:林安可はなぜ試合に出られなくなった?
A3:8月9日に左膝痛で一軍登録を抹消され、8月25日に復帰しました。その後、9月15日に自打球が右膝に当たって途中交代し、9月24日に再び登録抹消となりました。
Q4:林安可の背番号はいくつ?
A4:埼玉西武ライオンズでの背番号は73です。統一ライオンズ時代は77番でした。
Q5:林安可の年俸はいくら?
A5:日刊スポーツの報道では推定年俸1億5000万円、2年契約とされています。球団は正式な年俸を公表していません。
Q6:林安可は台湾時代にどのような成績を残した?
A6:2020年に32本塁打、99打点で本塁打王・打点王を獲得し、新人王にも選ばれました。2025年には打率.318、23本塁打、73打点を記録しています。
Q7:林安可は2027年も西武でプレーする?
A7:報道された2年契約を前提とすれば2027年は契約2年目に当たります。来季の具体的な起用法や成績目標は、今後の球団発表や春季キャンプの状況が注目されます。
林安可の2026年は、台湾球界で実績を残した強打者が日本野球への適応に取り組んだ1年だった。
76試合、打率.220、8本塁打、29打点という成績は、西武が獲得時に期待した水準に届いたとは言い難い。一方、二軍での打率.317、8本塁打や、一軍復帰後の長打を見ると、持ち味であるパワーには引き続き期待できる。
特に見逃せないのが、左膝痛による8月の離脱と、9月の右膝への自打球という故障の経緯だ。シーズン終盤にチームとともに戦えなかった悔しさは、本人も帰国時のコメントで明かしている。
2027年に求められるのは、単なる本塁打数の増加ではない。
- 日本の投手に対応して打率・出塁率を改善すること
- 台湾時代に培った長打力を一軍で発揮すること
- 膝の状態を整えて年間を通じて出場すること
この3点がそろえば、林安可の評価は大きく変わる可能性がある。
背番号73の2年目は、台湾の本塁打王がNPBでも主軸打者になれるのかを問われるシーズンだ。 西武の優勝を目指す戦いの中で、林安可がどのような成長を見せるのか、2027年の開幕から注目したい。