2026年11月現在、シカゴ・カブスの日本人選手をめぐる最大の注目要点は、鈴木誠也と今永昇太の2人がシーズンを終え、そろってフリーエージェント(FA)市場に入ったことだ。鈴木誠也は2026年に打率.270、26本塁打、86打点を記録。今永昇太も11勝10敗、防御率3.77、174回1/3を投げるなど、先発ローテーションを支えた。
一方、カブスと日本人選手の関係は2022年に始まったものではない。最初に所属した福留孝介をはじめ、ダルビッシュ有、上原浩治、和田毅、藤川球児、川崎宗則、田口壮、高橋尚成らが、それぞれ異なる時代にシカゴでプレーしてきた。2026年シーズン終了時点で、カブスのメジャー公式戦に出場した日本出身選手は合計10人となる。
【2026年最新】カブス日本人選手は鈴木誠也と今永昇太の2人

2026年シーズンにカブスのユニホームを着てプレーした日本人選手は、外野手・指名打者の鈴木誠也と、左腕先発投手の今永昇太だ。
2人は同じ日本出身選手でも、チームにおける役割は大きく異なる。鈴木は中軸打者として得点を生み出す役割を担い、今永は先発ローテーションの一角として試合を組み立ててきた。
鈴木誠也:2026年は26本塁打、打率.270を記録鈴木誠也は1994年生まれ。広島東洋カープで実績を積み、2022年にカブスへ加入した。
メジャー1年目から打撃力を発揮し、2023年には打率.285、20本塁打、74打点を記録。2024年も21本塁打、73打点を挙げ、長打力と出塁能力を兼ね備えた打者として存在感を高めた。
2025年には32本塁打、103打点をマーク。日本人野手としての長打力を示すシーズンとなった。
そして2026年のレギュラーシーズン成績は次のとおりだ。
- 試合数:143試合
- 打率:.270
- 安打:147本
- 本塁打:26本
- 打点:86
- 出塁率:.368
- 長打率:.473
- OPS:.841
特に注目したいのは、打率だけでなく出塁率.368、OPS.841を記録している点だ。単純に本塁打を量産するだけではなく、四球なども含めて攻撃機会を広げられる打者として評価できる。
2025年の32本塁打から2026年は26本塁打へ減少したものの、打率は.245から.270に上昇した。長打力を維持しながら、打撃の安定感も示したシーズンだった。
今永昇太:2026年は11勝、防御率3.77今永昇太は1993年生まれ。横浜DeNAベイスターズでエースとして活躍した後、2024年にカブスへ移籍した。
メジャー1年目の2024年は、29試合に先発して15勝3敗、防御率2.91を記録。オールスターにも選出され、ナショナルリーグの新人王投票でも上位に入った。
2025年は故障による離脱もあり、9勝8敗、防御率3.73。2026年は再びシーズンを通して先発ローテーションを担った。
- 登板:32試合
- 先発:32試合
- 勝敗:11勝10敗
- 防御率:3.77
- 投球回:174回1/3
- 奪三振:174
- WHIP:1.10
2026年の評価要点は、32試合すべてで先発し、174回1/3を消化したことだ。先発投手に求められるのは勝ち星だけではない。シーズンを通じてローテーションを守り、ブルペンへの負担を抑える能力も重要になる。
一方、被本塁打は35本に達しており、長打を許す場面への対応は今後の課題として残った。防御率3.77という数字だけでなく、投球回数や被本塁打も含めて評価する必要がある。
【歴代10人を一覧】カブス日本人選手の在籍期間と成績
カブスに所属した日本出身選手の歴史は、2008年の福留孝介から始まる。2013年以降は投手の所属が続き、2018年にはダルビッシュ有、2022年には鈴木誠也、2024年には今永昇太が加わった。
以下は、メジャー公式戦に出場した日本出身選手10人の一覧だ。成績はカブス在籍時の数字を中心にまとめている。
| 選手 | 在籍期間 | ポジション | カブスでの主な実績 |
|---|---|---|---|
| 福留孝介 | 2008~2011年 | 外野手 | 513試合、OPS.772。新人年にオールスター先発出場 |
| 田口壮 | 2009年 | 外野手 | 6試合、11打数3安打、打率.273 |
| 藤川球児 | 2013~2014年 | 救援投手 | 2年間で25回、防御率5.04 |
| 高橋尚成 | 2013年 | 左投手 | メジャー公式戦3試合、3回、防御率6.00 |
| 和田毅 | 2014~2015年 | 先発投手 | 21試合、5勝5敗、防御率3.36 |
| 川崎宗則 | 2016年 | 内野手 | 14試合、打率.333、7安打 |
| 上原浩治 | 2017年 | 救援投手 | 49試合、43回、防御率3.98 |
| ダルビッシュ有 | 2018~2020年 | 先発投手 | 51試合、15勝14敗、防御率3.60。2020年にサイ・ヤング賞投票2位 |
| 鈴木誠也 | 2022~2026年 | 外野手・DH | 2026年は打率.270、26本塁打、86打点 |
| 今永昇太 | 2024~2026年 | 先発投手 | 2026年は11勝10敗、防御率3.77、174回1/3 |
この一覧から分かるのは、カブスの日本人選手には野手と投手の両方が存在するものの、歴史的には投手の比重が大きかったことだ。
また、在籍期間にも大きな差がある。福留やダルビッシュのように複数シーズンにわたって主力を担った選手もいれば、田口や高橋のように短期間の出場にとどまった選手もいる。
【歴代選手を深掘り】福留孝介・ダルビッシュ有・上原浩治らの功績
福留孝介:カブス初の日本出身選手カブスの日本人選手の歴史を語るうえで、福留孝介は欠かせない存在だ。
2008年、福留は中日ドラゴンズからカブスへ移籍。3月31日の開幕戦でメジャーデビューを果たした。
その試合では9回に同点となる3ラン本塁打を放ち、鮮烈なデビューを飾った。新人ながらオールスターゲームの先発メンバーにも選ばれている。
カブス在籍中は513試合に出場し、OPS.772を記録。2011年途中にはクリーブランド・インディアンスへトレードされた。
福留の功績は個人成績だけではない。カブスにおける日本人選手の先駆者として、後に続く選手たちへの道を切り開いた点にも意味がある。
ダルビッシュ有:2020年の圧巻のシーズンダルビッシュ有は2018年から2020年までカブスに在籍した。
加入初年度は故障もあり、登板機会が限られた。しかし、2019年には31試合に先発して奪三振229を記録。徐々に本来の力を取り戻していった。
そして2020年は、12試合の先発で8勝3敗、防御率2.01、93奪三振という好成績を残した。
この活躍によってナショナルリーグのサイ・ヤング賞投票で2位に入った。短縮シーズンだったとはいえ、リーグを代表する投手として評価されたシーズンである。
カブス在籍時代のダルビッシュを象徴するのは、故障からの復調と、2020年に完成度を高めた投球だ。
上原浩治:42歳でカブスのブルペンを支える上原浩治は2017年にカブスへ加入した。
レッドソックスなどで実績を積んだ後の移籍であり、カブスでは42歳のベテラン救援投手としてブルペンを支えた。
2017年の登板成績は49試合、43イニング、防御率3.98。3勝4敗、2セーブ、14ホールドを記録している。
メジャーで培った経験を生かし、年齢を重ねても第一線で投げ続けたことが特徴だ。同年は上原にとってメジャー最後のシーズンにもなった。
和田毅:限られた登板機会で示した実力和田毅は2014年から2015年にカブスでプレーした。
日本では福岡ソフトバンクホークスなどで活躍し、メジャー挑戦後は故障に苦しんだものの、健康な状態で登板した試合では実力を示した。
カブスでの通算成績は21試合、5勝5敗、防御率3.36。21試合のうち20試合が先発だった。
故障によってメジャーでのキャリアを十分に伸ばせなかった点は惜しまれるが、限られた登板数の中でも安定した投球を見せた。
藤川球児:トミー・ジョン手術に苦しんだ挑戦藤川球児は阪神タイガースの守護神として活躍した後、2013年にカブスへ加入した。
日本では圧倒的な奪三振能力を誇った投手だが、メジャーでは右肘の故障に悩まされた。2013年にはトミー・ジョン手術を受け、シーズンの大部分を欠場。2014年に復帰した。
カブスでの2年間は25イニング、防御率5.04。日本で見せたような圧倒的な成績を残すことはできなかった。
この事例は、NPBで優れた実績を残した投手であっても、環境の違いや身体的な問題によってMLBでの結果が左右されることを示している。
川崎宗則・田口壮・高橋尚成:短期間でも記録に残る3人川崎宗則は2016年、カブスで14試合に出場して打率.333を記録した。出場機会は限られたが、2016年のワールドシリーズ優勝チームの一員となり、チャンピオンリングを獲得している。
ただし、川崎はポストシーズンの試合には出場していない。ワールドシリーズの優勝リングを獲得したことと、実際にポストシーズンでプレーしたことは区別する必要がある。
田口壮は2009年にカブスで6試合に出場。11打数3安打、打率.273だった。MLBではセントルイス・カージナルスでの在籍期間の方が長く、カブスはメジャー最後の所属球団となった。
高橋尚成は2013年にカブスとマイナー契約を結び、開幕時のメジャー登録を勝ち取った。メジャー公式戦での登板は3試合、投球回は3回、防御率6.00。カブスでの出場は短期間に限られた。
【2026年オフ最新】鈴木誠也と今永昇太のFA、契約と残留の可能性
2026年のカブス日本人選手をめぐる最大の話題は、2人の去就だ。
2026年10月にレギュラーシーズンが終了し、鈴木と今永はともにFA市場へ移った。両選手ともカブスとの再契約は選択肢に残るが、2027年にどのユニホームを着るかはまだ決まっていない。
鈴木誠也:1年2315万ドルのクオリファイング・オファー鈴木はカブスと結んでいた5年総額8500万ドルの契約を2026年シーズンで終えた。
2026年11月2日、カブスは鈴木に対して1年2315万ドルのクオリファイング・オファー(QO)を提示した。
QOは、一定の条件を満たしたFA選手に対して、所属球団が提示できる1年契約だ。鈴木には2026年11月17日までに受諾するかどうかを判断する期限が設けられている。
選択肢は大きく2つある。
- QOを受諾する:2027年もカブスに残り、提示された年俸でプレーする。
- QOを拒否する:FA市場で複数球団と交渉し、カブスを含めた新たな契約を探る。
鈴木は2026年に26本塁打、86打点、OPS.841を記録している。右打ちの長距離打者としての価値に加え、外野と指名打者の両方で起用できる点も評価材料になる。
2026年オフのFA市場では有力な野手の一人として扱われており、今後の契約条件やカブス側の再契約への姿勢が注目される。
今永昇太:2026年の1年契約を終えてFA市場へ今永の契約事情は鈴木とは異なる。
今永は2024年にカブスと契約した当初、複数年契約と球団・選手双方のオプションを組み合わせた契約形態だった。
2025年オフ、カブスは2026~2028年を対象とする球団側のオプションを行使せず、今永も2026年の選手側オプションを選択しなかった。
その後、カブスが提示した2026年の1年2202万5000ドルのQOを今永が受諾。これによって2026年シーズンのカブス残留が決まった。
つまり、今永は2026年を1年契約でプレーした後、再びFA市場に入る仕組みだった。2026年シーズン終了後は、カブス以外の球団とも交渉できる立場となっている。
今永の評価を左右するのは、2024年の好成績だけではない。2026年に32試合先発、174回1/3を投げた安定感は大きな材料だ。一方、被本塁打35本という課題もあり、獲得を検討する球団は長期的な投球の安定性を慎重に見極めると考えられる。
カブス残留か移籍か、判断材料は何か鈴木と今永のFAを考える際、単純に「カブスで活躍したから残留する」と決めつけることはできない。
球団側にとっては、2027年以降の戦力構成、年俸総額、他のFA選手との優先順位が重要になる。
選手側にとっても、契約年数、年俸、出場機会、起用法、チームの競争力などが判断材料になる。
鈴木の場合は、打撃成績と守備・指名打者としての起用のバランスがポイントだ。今永の場合は、先発としての投球回数、故障リスク、被本塁打の改善可能性が契約評価に影響する。
2026年11月5日時点では、両者の新契約は確定していない。FAという事実と、移籍が決定したという情報は混同しないことが大切だ。
【プロの結論】カブス日本人選手の歴史から見える成功の条件と誤解
カブスの日本人選手の歴史を振り返ると、MLBでの成功には単純な実績比較では見えない特徴がある。
日本での実績とMLBでの成功は必ずしも一致しない福留はメジャー1年目にオールスター先発出場を果たし、ダルビッシュは2020年にサイ・ヤング賞投票2位となった。一方、日本で圧倒的な実績を残した藤川球児は故障に苦しみ、MLBでの成績は期待を下回った。
この違いを生むのは、ボールやマウンド、移動距離、登板間隔、対戦相手の特徴など、日米の野球環境の差だ。
また、先発投手と救援投手、野手では適応に必要な能力も異なる。NPB時代の成績だけを根拠にMLBでの活躍を予測するのは難しい。
日本人選手の評価では在籍期間と出場機会を分けて考えるカブスの日本人選手を調べる際に注意したいのが、所属した事実と主力として活躍した事実を同じように扱わないことだ。
例えば、福留は513試合に出場した一方、田口は6試合、高橋尚成は3試合だった。川崎は2016年の優勝チームに所属したが、ポストシーズンの試合には出場していない。
こうした違いを踏まえると、歴代選手の評価では次の3点を確認するとよい。
- 在籍期間:何年から何年まで所属したのか。
- 公式戦出場実績:実際に何試合に出場し、どの程度の役割を担ったのか。
- チームへの貢献:個人成績だけでなく、ポストシーズンや優勝への貢献があったのか。
鈴木と今永は、過去の日本人選手と比べても長期的にチームの戦力を担った存在だ。
鈴木は5シーズンにわたりカブスの打線を支え、通算113本塁打を記録。今永も2024年から3シーズンにわたり先発投手として起用され、2026年終了時点でMLB通算35勝を挙げている。
特に重要なのは、2人が単なる日本市場向けの話題性だけでなく、実際の試合で戦力として起用されてきたことだ。
日本人選手の獲得は、球団にとって競技面と商業面の両方で意味を持つ。ただし、最終的に契約を決めるのは選手の実力、チーム編成、年俸、将来性といった具体的な条件である。
2027年以降のカブスに日本人選手が残るかどうかは、今回のFA交渉によって大きく変わる。鈴木と今永の選択は、カブスの次のチーム作りを占う重要な局面となっている。
カブス日本人選手に関するよくある質問(FAQ)
Q1:カブスに所属した日本人選手は歴代何人いますか?
A1:2026年シーズン終了時点で、メジャー公式戦に出場した日本出身選手は合計10人です。福留孝介、田口壮、藤川球児、高橋尚成、和田毅、川崎宗則、上原浩治、ダルビッシュ有、鈴木誠也、今永昇太が該当します。
Q2:2026年のカブス日本人選手の成績は?
A2:鈴木誠也は143試合で打率.270、26本塁打、86打点、OPS.841を記録しました。今永昇太は32試合に先発し、11勝10敗、防御率3.77、174回1/3、174奪三振という成績でした。
Q3:鈴木誠也と今永昇太は2026年オフにFAになりますか?
A3:はい。2026年シーズン終了後、2人ともFA市場に入っています。鈴木にはカブスから1年2315万ドルのクオリファイング・オファーが提示され、回答期限は11月17日です。今永は2025年オフに受諾した1年契約を終え、再びFAとなりました。
Q4:カブスで最初にプレーした日本人選手は誰ですか?
A4:福留孝介です。2008年にメジャーデビューし、開幕戦で同点3ラン本塁打を放ちました。カブスにおける日本出身選手の歴史を切り開いた存在です。
Q5:ダルビッシュ有はカブスでどのような成績を残しましたか?
A5:2018~2020年の3シーズンに在籍し、通算15勝14敗、防御率3.60を記録しました。特に2020年は8勝3敗、防御率2.01と活躍し、ナショナルリーグのサイ・ヤング賞投票で2位に入りました。
カブスの日本人選手の歴史は、2008年の福留孝介から始まり、ダルビッシュ有、上原浩治、和田毅らを経て、鈴木誠也と今永昇太へとつながってきた。2026年終了時点でメジャー公式戦に出場した日本出身選手は10人となる。
2026年の成績では、鈴木が打率.270、26本塁打、86打点を記録し、今永は11勝10敗、防御率3.77で32試合に先発した。2人ともチームにとって重要な戦力だったことは間違いない。
そして2026年11月5日現在、両選手はFA市場に入っている。鈴木には2315万ドルのQOが提示され、今永は1年契約を終えて次の契約を探す段階だ。
今後の動向を判断するうえでは、鈴木のQO回答期限である11月17日、今永の先発投手としての市場評価、そしてカブスの2027年に向けたチーム編成が重要になる。
日本人選手の歴史を振り返るだけでなく、現在の成績と契約事情を合わせて見ることで、カブスが日本人選手に何を求め、今後どのようなチームを作ろうとしているのかが見えてくる。鈴木誠也と今永昇太の去就は、2026年オフのMLB市場における大きな注目材料だ。
主な事実確認資料: MLB公式選手成績・カブス歴代日本人選手特集、2026年FA関連報道、カブス公式発表。