日本ハムの2026年シーズンを評価するうえで、まず確認したいのがパ・リーグの最終順位だ。
日本野球機構(NPB)の公式記録によると、優勝したソフトバンクは91勝49敗3分、勝率.650。日本ハムは78勝62敗3分、勝率.557だった。
日本ハムは勝ち越し16を記録したものの、首位とは13.0ゲーム差。2位の埼玉西武ライオンズとも11.5ゲーム差で、2位との差も1.5ゲームあった。
2026年パ・リーグ最終順位| 順位 | 球団 | 勝敗 | 勝率 | 首位との差 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | ソフトバンク | 91勝49敗3分 | .650 | - |
| 2位 | 西武 | 79勝60敗4分 | .568 | 11.5 |
| 3位 | 日本ハム | 78勝62敗3分 | .557 | 13.0 |
| 4位 | オリックス | 65勝76敗2分 | .461 | 26.5 |
| 5位 | ロッテ | 63勝77敗3分 | .450 | 28.0 |
| 6位 | 楽天 | 58勝84敗1分 | .408 | 34.0 |
注:NPB公表の2026年レギュラーシーズン最終成績。
ここで見逃せないのは、日本ハムが4位以下には一定の差をつけている一方、優勝したソフトバンクには大きく離されたことだ。
2025年の日本ハムは83勝57敗3分、勝率.593で2位だった。2024年も75勝60敗8分で2位。3年連続のAクラス入りを果たしているが、2026年は前年より5勝少なく、順位もひとつ下げた。
つまり、チームが弱体化して最下位争いに戻ったわけではない。優勝を争える位置に近づきながら、最後の一段を越えられなかったシーズンと見るのが適切だ。
【成績を徹底比較】177本塁打でもソフトバンクに及ばなかった理由

2026年の日本ハムを象徴する数字が、リーグ最多の177本塁打だ。
ソフトバンクの162本を15本上回り、長打力ではリーグトップの成績を残した。
ところが、得点数を見ると状況は逆転する。日本ハムが591得点だったのに対し、ソフトバンクは707得点。日本ハムは本塁打で上回りながら、総得点では116点も下回った。
NPBの公式チーム打撃・投手成績をもとに、両球団の数字を整理すると次のようになる。
2026年 日本ハムとソフトバンクの比較
日本ハム・本塁打
177本
ソフトバンク・本塁打
162本
日本ハム・得点
591点
ソフトバンク・得点
707点
得点差
116点
ソフトバンクが日本ハムを上回った得点数
本塁打数と得点数は必ずしも比例しない
この数字から読み取れるのは、日本ハムの打線に長打力があっても、得点を積み上げる総合力ではソフトバンクに差をつけられていたということだ。
具体的には、両球団の打率と出塁率にも違いがある。
| 指標 | 日本ハム | ソフトバンク |
|---|---|---|
| 打率 | .248 | .261 |
| 出塁率 | .311 | .336 |
| 本塁打 | 177 | 162 |
| 安打 | 1,190 | 1,268 |
| 四球 | 391 | 512 |
| 得点 | 591 | 707 |
特に出塁率の.025差は注目したい。
四球の数もソフトバンクが121個多い。安打も78本多く、攻撃機会を作る力に違いがあった。
本塁打は一振りで試合を動かす魅力的な武器だ。しかし、走者がいない場面でのソロ本塁打と、複数の走者を置いた状態での長打では、同じ1本でも得点への影響が違う。
日本ハムが2027年に優勝を狙うなら、本塁打数を維持するだけでなく、四球や単打で出塁し、長打を得点につなげる攻撃の組み立てが必要になる。
主軸の活躍は明確な収穫個人の成績に目を向けると、打線には大きな武器がある。
フランミル・レイエスは2026年に打率.313、32本塁打、82打点を記録。パ・リーグの首位打者に輝いた。
水野達稀も打率.289、11本塁打、58打点を残しており、打線を支える存在となった。
このような中心選手の成績を考えれば、2027年に打線を一から作り直す必要があるとは限らない。主軸の力を生かしながら、出塁率と得点圏での攻撃を改善できるかが焦点になる。
【最大の敗因】ソフトバンクとの対戦成績5勝18敗2分が示す現実
2026年の日本ハムが優勝を逃した理由を考えるとき、最も重い意味を持つのがソフトバンクとの直接対決だ。
NPBの公式対戦成績では、日本ハムはソフトバンクに対して5勝18敗2分。25試合で18敗を喫した。
ホームでは4勝7敗2分、ビジターでは1勝11敗。特に敵地での苦戦が際立っている。
直接対決の数字はさらに厳しい週刊ベースボールが2026年9月27日時点の両球団の対戦データとして掲載した数字を見ると、単なる勝敗以上の差が浮かび上がる。
| 対戦指標 | ソフトバンク | 日本ハム |
|---|---|---|
| 打率 | .291 | .235 |
| 本塁打 | 31 | 31 |
| 打点 | 146 | 85 |
| 盗塁 | 16 | 5 |
| 三振 | 205 | 240 |
| 防御率 | 3.04 | 5.70 |
| 先発防御率 | 3.22 | 5.90 |
| 救援防御率 | 2.74 | 5.42 |
最も注目したいのは、両球団の本塁打数がともに31本だった点だ。
日本ハムもソフトバンクも同じだけ本塁打を打っている。それにもかかわらず、打点ではソフトバンクが146、日本ハムが85と61点もの差がついた。
加えて、日本ハムの対戦防御率は5.70。ソフトバンクの3.04と比べても大きく開いている。
つまり、相手の主力打者を抑えきれず、こちらの打線も走者を得点につなげきれない展開が続いていたことが、対戦成績から読み取れる。
直接対決で負け越すと優勝争いは厳しくなるプロ野球のペナントレースは143試合の積み重ねだ。
同一リーグのライバルとの対戦は、順位を左右する重要な機会になる。特に優勝候補との直接対決で大きく負け越すと、相手との差を縮めるチャンスを自ら減らしてしまう。
2026年の日本ハムは、ほかの球団との対戦では勝ち越しを積み重ねたものの、ソフトバンクとの対戦で大きくつまずいた。
2027年に同じ構図を繰り返さないためには、ソフトバンク戦の勝率改善が欠かせない。ホームだけでなく、敵地でも先発投手が試合を作り、救援陣がリードを守れるかが重要になる。
【投手力の課題】防御率3.38は優勝チームとの差を埋められるか
日本ハムの2026年のチーム防御率は3.38だった。
この数字はパ・リーグで3番目に良い成績であり、投手陣全体が崩壊していたわけではない。
ただし、優勝したソフトバンクは2.88、2位の西武は2.87。上位2球団はいずれも2点台の防御率を記録している。
失点数を比較しても、日本ハムの529失点に対し、ソフトバンクは452失点。77点の差がある。
個人投手の成績には明るい材料もある日本ハムの投手陣には、2027年の優勝争いを期待させる実績も存在する。
| 選手 | 2026年の主な成績 |
|---|---|
| 北山亘基 | 防御率2.56、13勝、勝率.813 |
| 伊藤大海 | 159奪三振 |
| 柳川大晟 | 30セーブ |
| 島本浩也 | ホールドポイント24 |
北山亘基は防御率と勝利数の両面で安定した結果を残し、勝率.813も記録した。
伊藤大海は159奪三振を挙げ、奪三振能力の高さを示した。柳川大晟も30セーブを記録しており、終盤を任せられる投手がいることは大きい。
一方、チーム全体では防御率3.38にとどまった。個人の好成績をシーズン全体の勝利につなげるには、先発陣の安定性に加え、救援陣の負担を分散させる選手層も必要になる。
2027年に改善したい投手陣のポイント優勝を目指すうえで重要なのは、単にエース級の投手を増やすことだけではない。
- 先発ローテーションの安定: 主力投手に過度な負担が集中しない体制を整える。
- 救援陣の継投: 接戦で失点を防ぎ、終盤のリードを守る。
- 上位球団への対応: ソフトバンクの強力打線に対しても試合を作れる投手運用を確立する。
- 失点の抑制: 2026年の529失点から、上位球団に近い水準まで改善する。
特にソフトバンク戦の対戦防御率5.70は見過ごせない。チーム全体の防御率だけでなく、優勝を争う相手に対してどれだけ失点を抑えられるかが問われる。
【プロの結論】日本ハムの2027年優勝の可能性を左右する3つの条件
2027年の日本ハムには、優勝を狙えるだけの基礎戦力がある。
2026年に78勝を挙げ、リーグ最多の177本塁打を記録したことは大きな強みだ。レイエスの首位打者獲得、北山の13勝、伊藤の159奪三振など、個人レベルでもリーグ上位の実績がそろっている。
ただし、2026年の13ゲーム差を考えると、現状維持だけで優勝できると考えるのは難しい。
条件1:ソフトバンクとの直接対決を立て直す最優先課題は5勝18敗2分という対戦成績の改善だ。
同じリーグで優勝を争う相手に対して、毎年のように大きく負け越す状態では、シーズン終盤に首位へ追いつくことは難しい。
特に敵地での1勝11敗という数字は改善の余地が大きい。先発陣の対策、打線の組み立て、救援投手の使い方など、対戦相手を意識した戦略が求められる。
条件2:長打力を得点力に変える177本塁打という数字は、2027年も維持したい武器だ。
しかし、ソフトバンクより15本多く本塁打を打ちながら、116得点少なかった事実は重い。
打率.248、出塁率.311という数字を改善し、走者をためてから主軸が打つ展開を増やしたい。
本塁打数だけで打線を評価するのではなく、得点数や出塁率まで含めて攻撃力を判断する必要がある。
条件3:チーム防御率を上位球団に近づける2026年の防御率3.38は、パ・リーグ3位の成績だった。
しかし、ソフトバンクと西武は2.8台。優勝を狙うなら、この差を縮めることが重要だ。
北山や伊藤といった主力投手の働きに加え、先発ローテーションの厚みと救援陣の安定が必要になる。
攻撃力だけで優勝を目指すのではなく、接戦を勝ち切れる投手陣を整えることが、2027年の順位を左右する。
日本ハムの歴代リーグ優勝回数は7回球団の歴史を振り返ると、日本ハムはこれまでにパ・リーグで7回優勝している。
NPBの公式球団記録に掲載されている優勝年は次のとおりだ。
| 優勝年 | 球団の歴史 |
|---|---|
| 1962年 | 東映フライヤーズ時代 |
| 1981年 | 日本ハム・ファイターズ時代 |
| 2006年 | 北海道移転後 |
| 2007年 | 連覇 |
| 2009年 | リーグ優勝 |
| 2012年 | リーグ優勝 |
| 2016年 | 直近のリーグ優勝 |
1962年の前身球団時代を含めた通算7回で、日本シリーズ優勝は3回。最後にリーグ優勝を果たしたのは2016年だ。
2026年時点では、その優勝から10年が経過した。
2024年、2025年と2年連続で2位に入り、2026年も3位を確保したことを考えれば、優勝争いに戻れるチーム基盤はできつつある。
2027年に必要なのは、過去の優勝実績に期待することではなく、2026年に数字として表れた弱点を改善することだ。
【日ハムの優勝の可能性】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本ハムは2027年にパ・リーグ優勝できる可能性がありますか?
A1:優勝の可能性は十分にある。2026年は78勝62敗3分で3位となり、177本塁打というリーグ最多の長打力も示した。ただし、ソフトバンクとの直接対決やチーム防御率、得点効率の改善が必要になる。具体的な優勝確率を算出できるだけの2027年の戦力情報はまだそろっていない。
Q2:日本ハムが2026年に優勝を逃した最大の理由は何ですか?
A2:大きな要因はソフトバンクとの直接対決で5勝18敗2分と大きく負け越したことだ。対戦時の日本ハムの防御率は5.70で、ソフトバンクの3.04を大きく下回った。また、チーム全体でも本塁打はリーグ最多だった一方、得点数ではソフトバンクに116点及ばなかった。
Q3:日本ハムの歴代パ・リーグ優勝回数は何回ですか?
A3:前身の東映フライヤーズ時代を含めて7回。優勝年は1962年、1981年、2006年、2007年、2009年、2012年、2016年。日本シリーズ優勝は3回で、直近のリーグ優勝は2016年となっている。
2026年の北海道日本ハムファイターズは、78勝62敗3分、パ・リーグ3位という成績でシーズンを終えた。
リーグ最多の177本塁打、レイエスの首位打者獲得、北山亘基の13勝など、優勝を目指すうえで評価できる材料は多い。
一方で、首位ソフトバンクとの13ゲーム差、直接対決の5勝18敗2分、チーム防御率3.38、そして得点数の116点差は、明確な改善課題として残った。
2027年の優勝を実現するために必要なのは、次の3点に集約できる。
1. ソフトバンクとの直接対決で勝ち越せるチームになること。
2. 177本塁打の長打力を、より多くの得点に結びつけること。
3. 投手陣全体の安定性を高め、失点を減らすこと。
日本ハムは2024年、2025年に続いて2026年もAクラスを確保しており、上位を争う力は示している。
2027年の優勝を占う最大の要点は、打線の破壊力を維持しながら、ソフトバンクに対抗できる投打の総合力を身につけられるかどうかだ。
10年ぶりのリーグ制覇へ。2026年に残した課題を克服できれば、日本ハムが再びパ・リーグの頂点を狙うシーズンになる可能性は十分にある。