2026年9月16日に行われた第20回アジア競技大会の男子バスケットボール準々決勝。日本はチャイニーズ・タイペイを相手に85-78で勝利し、3大会ぶりのベスト4進出を果たした。
会場は愛知国際アリーナ。2023年の杭州大会では同じ準々決勝で台湾に66-85と敗れていただけに、日本にとっては雪辱を果たす一戦でもあった。
試合展開:守備でリードを築き、終盤の反撃をしのぐ試合の要点は、序盤から日本が守備で台湾の攻撃を制限したことだった。
- 第1クォーター: 日本16-9台湾。日本が相手の攻撃を抑えて先行。
- 前半終了: 日本44-32台湾。日本が12点リード。
- 第3クォーター終了: 日本68-49台湾。最大19点差まで拡大。
- 最終クォーター: 台湾がフルコートプレスで追い上げるも、日本が逃げ切った。
日本は試合序盤、3ポイントシュートの成功率が上がらず、速攻から簡単に得点する展開も作れなかった。
それでも、ディフェンスで相手にタフショットを打たせ、リバウンドを確保することで試合の主導権を維持した。
第4クォーターには台湾が激しいプレッシャーを仕掛け、点差を7点まで縮める場面もあった。しかし、日本は前半から築いたリードを守り切った。
勝利を支えた黒川虎徹の活躍23得点

両チーム最多得点
ドライブ、ピック&ロール、3ポイントシュートを組み合わせ、日本の攻撃を牽引した。
黒川は第2クォーターに攻撃のリズムを作り、アレックス・カークのスクリーンを利用したプレーや自らのドライブで得点を重ねた。
日本バスケットボール協会(JBA)の大会レポートによると、黒川は韓国戦での反省を生かし、40分間ディフェンスに集中できたことを勝因として挙げている。
また、吉本泰輔ヘッドコーチが採用したタイムシェアも効果を発揮した。特定の選手に出場時間が偏らないようにし、終盤まで運動量と守備強度を維持したのである。
【過去の対戦成績】2025年の90-64、80-73から2026年85-78までを比較
日本と台湾の男子代表は、2025年11月から2026年9月までに、主要大会で3度対戦している。
結果は日本の3連勝。ただし、試合内容はそれぞれ異なっていた。
日本対台湾の主要試合結果一覧以下は2023年のアジア大会も含めた、直近の主要な対戦経緯である。
出典:JOC、JBA、FIBAの大会記録。スコアは各試合の最終結果。
2025年11月28日:日本90-64台湾2025年11月28日、神戸のGLION ARENA KOBEで行われたFIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window1。
日本は台湾を26点差で下した。
特に前半の内容が際立っていた。第1クォーターを23-10、第2クォーターを22-12とし、前半終了時点で45-22。台湾の得点を22点に抑え込んだ。
渡邊雄太は20得点を記録。ジョシュ・ホーキンソンも12リバウンド、8アシストを記録し、得点だけでなくリバウンドとゲームメークの両面で貢献した。
日本は序盤から攻守のバランスを保ち、ホームでの初戦を快勝で飾った。
2025年12月1日:台湾73-80日本3日後の再戦は、台湾のホームである新荘体育館で行われた。
初戦とは異なり、日本は台湾の反撃を受ける展開となった。
第1クォーターは台湾が22-17で先行。日本は第2クォーターに25点を挙げて逆転したものの、第3クォーター終了時点では57-57の同点だった。
勝負を分けたのは最終クォーター。日本は23点を挙げ、台湾を16点に抑えて80-73で勝利した。
個人記録では西田優大が18得点、ホーキンソンが11リバウンド、齋藤拓実が4アシストを記録。台湾ではジャスティン・ルーが19得点を挙げた。
初戦のような大差ではなかったが、敵地で競り合いを制した点に、日本代表の対応力が表れている。
【ボックススコア分析】得点・リバウンド・アシストで見る日台の違い
バスケットボールでは、最終スコアだけではチームの強さを十分に判断できない。
得点力に加えて、リバウンドによる攻撃機会の確保、アシストによるチームプレーの質も重要になる。
2026年9月16日の主要スタッツ| 項目 | 日本代表 | 台湾代表 |
|---|---|---|
| 最多得点 | 黒川虎徹・23点 | 陳盈駿・20点 |
| リバウンド | カーク・8本 | ブランドン・ギルベック・10本 |
| アシスト | 小川敦也・7本 | ギルベック、マヌ・各4本 |
| 最終スコア | 85点 | 78点 |
2026年の準々決勝では、黒川の得点力が目立った一方、攻撃を支えたのは複数の選手による連携だった。
特に注目したいのが次の3人である。
- 黒川虎徹: ピック&ロールからの攻撃とドライブで得点機会を創出。
- 小川敦也: ボール運びとアシストで攻撃を組み立てる役割を担った。
- アレックス・カーク: インサイドでの存在感とスクリーンによって味方の攻撃を支えた。
台湾はギルベックを中心にリバウンドで対抗。さらにガード陣へのプレッシャーを強め、日本の速攻を抑えようとした。
それでも日本は選手交代を効果的に使い、特定の選手に負荷が集中することを避けた。
この試合では、カークの出場時間を第3クォーターまでで18分に抑え、日本の最長出場時間も約24分半だった。一方、台湾は30分を超えてプレーした選手が4人いた。
長い大会日程を考えると、こうした選手起用の違いは見逃せない。
【両代表の力関係】日本が3連勝できた理由と台湾の強み
日本と台湾の試合を評価するとき、単純に「日本の方が強い」という結論だけでは不十分だ。
2023年の杭州アジア大会では、台湾が日本を85-66で破っている。当時の試合では台湾が第1クォーターから28-12と主導権を握り、日本は3ポイントシュート32本中5本の成功にとどまった。
リバウンドでも35-54と台湾が大きく上回っていた。
その後の対戦では日本が勝利を重ねているが、注目すべきなのは勝ち方の変化である。
日本代表の強み1. 守備の組織力: 相手の攻撃の起点にプレッシャーをかけ、簡単なシュートを許さない。
2. 選手層と交代策: 出場時間を分散し、試合終盤まで強度を維持する。
3. ガード陣の判断力: 黒川や小川を中心に、スクリーンを生かした攻撃を組み立てる。
4. インサイドの活用: カークらの高さを使い、ペイントエリアで優位を作る。
1. インサイドの強さ: ギルベックを中心にリバウンドで優位を狙える。
2. ガード陣の攻撃力: 陳盈駿らが得点とゲームメークを担う。
3. 守備への適応力: 日本の速い展開を研究し、ガードへのプレッシャーを強める。
4. 粘り強さ: 2026年の準々決勝でも最終クォーターに追い上げを見せた。
日本代表のアジア大会は、台湾戦の勝利で終わったわけではない。
9月18日の準決勝では中国を97-77で下し、決勝へ進出。9月20日の決勝では韓国に57-67で敗れたものの、64年ぶりの決勝進出と銀メダル獲得を達成した。
JBAの大会総括でも、若手中心のチームが大会を通じて成長したことが成果として取り上げられている。
この経緯からも、2026年の台湾戦は単なる1勝ではなく、日本代表が守備とチーム連携を強化してきたことを示す試合だった。
【今後の日程】FIBAワールドカップ2027アジア予選と日本代表の次戦
2026年11月5日現在、日本男子代表の次の大きな目標は、2027年のFIBAバスケットボールワールドカップ出場権獲得だ。
2025年11月に始まったアジア地区予選は、1次ラウンドを経て2次ラウンドに進んでいる。
日本は1次ラウンドのグループBを4勝2敗で突破。2026年8月のWindow4でもサウジアラビアとカタールに連勝した。
日本代表の次の試合| 日程 | 対戦カード | 大会 |
|---|---|---|
| 2026年11月26日 | レバノン対日本 | W杯アジア2次予選 |
| 2026年11月29日 | カタール対日本 | W杯アジア2次予選 |
| 2027年2月26日 | 日本対サウジアラビア | W杯アジア2次予選 |
| 2027年3月1日 | 日本対レバノン | W杯アジア2次予選 |
FIBAの2次ラウンド順位表では、日本はレバノンと並ぶ6勝2敗。中国が5勝3敗で続いている。
| 順位 | チーム | 勝敗 |
|---|---|---|
| 1位 | 日本 | 6勝2敗 |
| 2位 | レバノン | 6勝2敗 |
| 3位 | 中国 | 5勝3敗 |
| 4位 | 韓国 | 4勝4敗 |
| 5位 | カタール | 4勝4敗 |
| 6位 | サウジアラビア | 3勝5敗 |
FIBA公式の2次ラウンド順位表。勝敗が同じチームの順位は勝ち点等を含む大会規定による。
次のWindow5は11月26日のレバノン戦、29日のカタール戦。いずれもアウェーでの試合となる。
なお、JBAは9月のメディアブリーフィングで、レバノンへの渡航をめぐる安全面の課題についてFIBAと協議し、選手の安全を優先して対応する考えを示していた。開催地や運営上の変更については、その後の公式発表も確認したい。
日本代表の次の目標は、ワールドカップ出場権の確保。台湾との次回対戦については、2026年11月5日時点で新たな試合日程は確認できない。
【日本対台湾バスケ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の日本対台湾バスケの試合結果は?
A1:2026年9月16日のアジア大会男子準々決勝で、日本がチャイニーズ・タイペイに85-78で勝利しました。黒川虎徹が両チーム最多の23得点を記録しています。
Q2:2025年の日本対台湾の試合結果は?
A2:FIBAワールドカップ2027アジア地区予選では、2025年11月28日に日本が90-64で勝利。12月1日の台湾ホームゲームでも80-73で勝ち、日本が2連勝しました。
Q3:日本と台湾の直近の対戦成績は?
A3:2025年11月28日、12月1日、2026年9月16日の直近3試合は日本の3連勝です。ただし、2023年のアジア大会準々決勝では日本が66-85で敗れています。
Q4:2026年の日本対台湾戦で最多得点を記録した選手は?
A4:日本の黒川虎徹選手です。23得点を挙げ、攻撃の中心として勝利に貢献しました。台湾は陳盈駿選手の20得点がチーム最多でした。
Q5:日本代表の次のバスケの試合はいつ?
A5:2026年11月26日のレバノン戦と、11月29日のカタール戦がFIBAワールドカップ2027アジア2次予選のWindow5として予定されています。
Q6:日本対台湾の次回対戦はいつ?
A6:2026年11月5日時点では、男子5人制の次回対戦日程は公表されていません。今後のFIBA公式日程とJBAの代表活動発表が確認先になります。
2026年の日本対台湾バスケは、日本代表が85-78で勝利した。
2025年のFIBAワールドカップ2027アジア地区予選でも90-64、80-73と連勝しており、直近3試合では日本が優位に立っている。
ただし、2023年のアジア大会では台湾が85-66で勝利しており、両代表の対戦は一方的なものではない。
今回の3試合から読み取れる要点は次の3つだ。
- 日本の勝利を支えているのは、個人の得点力だけでなく組織的なディフェンス。
- 台湾はインサイドの強さとガード陣の攻撃力を持ち、終盤まで試合を諦めない。
- 日本の選手層とタイムシェアは、国際大会の連戦を戦ううえで大きな武器になる。
アジア大会で銀メダルを獲得した男子日本代表は、次のFIBAワールドカップ2027アジア予選へと進む。台湾との対戦で見せた守備力とチームワークを、レバノンやカタールとの試合でも発揮できるかが注目される。
日本対台湾の85-78は、2025年から続く日本の好調を示す結果であると同時に、2027年ワールドカップへ向けた日本代表の現在地を考えるうえでも重要な一戦だった。