第58回全日本大学駅伝は2026年11月1日、愛知県の熱田神宮西門前から三重県の伊勢神宮内宮宇治橋前まで、全8区間・106.8kmで開催された。
東洋大学は2大会ぶり33回目の出場。全国の地区代表校やシード校が競う大会で、最終的に5時間19分51秒、総合15位となった。
東洋大学公式サイトの大会結果によると、チームは8人で襷をつないだものの、次回大会のシード権には届かなかった。大学側も大会結果の報告でシード権を逃したことを公表し、1月の箱根駅伝に向けて再出発する姿勢を示している。
2026年の総合順位とシード権ライン今大会でシード権を獲得できるのは総合8位まで。東洋大学の順位を左右したのは、上位校とのタイム差だけでなく、シード権を争う大学との終盤の競り合いだった。
| 順位 | 大学 | 総合タイム |
|---|---|---|
| 1位 | 早稲田大学 | 5時間03分31秒 |
| 2位 | 國學院大學 | 5時間07分05秒 |
| 3位 | 創価大学 | 5時間09分28秒 |
| 4位 | 青山学院大学 | 5時間10分16秒 |
| 5位 | 中央大学 | 5時間11分29秒 |
| 6位 | 駒澤大学 | 5時間11分29秒 |
| 7位 | 大東文化大学 | 5時間11分32秒 |
| 8位 | 帝京大学 | 5時間12分02秒 |
| 9位 | 順天堂大学 | 5時間12分20秒 |
| 10位 | 日本大学 | 5時間14分03秒 |
| 11位 | 東海大学 | 5時間15分34秒 |
| 12位 | 神奈川大学 | 5時間15分49秒 |
| 13位 | 中央学院大学 | 5時間16分25秒 |
| 14位 | 山梨学院大学 | 5時間16分40秒 |
| 15位 | 東洋大学 | 5時間19分51秒 |
出典:2026年11月1日付の日刊スポーツ大会結果。オープン参加チームを除く大学順位。
シード権を獲得した8位帝京大学とのタイム差は7分49秒。14位山梨学院大学にも3分11秒届かなかった。
つまり、東洋大学が目指すべきだったのは、単純に総合順位を1つ上げることではない。シード権を争う上位8校との間に生じたタイム差を、序盤から終盤までの各区間で少しずつ縮める必要があった。
箱根駅伝予選会で総合1位を獲得したチームだけに、今回の15位という結果は大きな課題を残すものとなった。
【区間エントリー・全記録】林柚杏から薄根大河まで8選手のタイムと順位

東洋大学の全日本大学駅伝2026では、1区に1年生の林柚杏、3区に主力の松井海斗、4区に宮崎優、最終8区に主将の薄根大河が配置された。
以下は東洋大学公式サイトが発表した8選手の区間記録と順位。走行順位は各選手が襷を受け継いだ後の通過順位、区間順位は担当区間だけの成績を示す。
東洋大学の区間タイム・区間順位一覧出典:東洋大学公式サイト「第58回全日本大学駅伝対校選手権大会 第15位」。記録は同大学発表の速報値。
1区9.5kmを任されたのは、総合情報学部1年の林柚杏。区間タイムは28分01秒、区間順位・通過順位ともに17位だった。
大学駅伝の主要大会で最初に襷を受け持つ1区は、後続の選手がどの位置でレースを進められるかを左右する重要な区間だ。林は1年生ながら東洋大学の先頭を任されたが、17位での襷リレーとなり、上位争いに加わるには厳しいスタートとなった。
一方で、全国規模の大会で経験を積んだことは、今後のチーム編成を考えるうえで注目したいポイントでもある。
2区・内堀勇:区間21位で順位を1つ下げる2区11.1kmを走ったのは3年の内堀勇。タイムは33分20秒、区間21位だった。
通過順位は17位から18位へと1つ後退。1区の遅れを取り戻すことができず、東洋大学は序盤で苦しい位置に置かれた。
2区は11.1kmと長い距離を担当する区間であり、後半の勝負に向けてチームの流れを整える役割も担う。ここで順位を維持できなかったことが、後続の主力選手に追い上げを求める展開につながった。
3区・松井海斗:区間9位で4つ順位を上げる3区11.9kmには、3年の松井海斗が登場。区間タイム34分27秒で区間9位に入り、通過順位を18位から14位へと4つ上げた。
ここが東洋大学の反撃の始まりだった。序盤に広がった順位の遅れを少しずつ取り戻し、チームを14位まで押し上げた点は評価できる。
松井は箱根駅伝予選会でも個人36位、1時間02分55秒を記録している。チームの主力として期待される選手が、全日本でも区間上位に食い込んだことは、箱根駅伝に向けた明るい材料だ。
4区・宮崎優:区間3位の好走で12位に浮上今回の東洋大学で最も目を引いたのが、4区11.8kmを走った3年の宮崎優だ。
33分20秒で区間3位。松井がつないだ流れをさらに加速させ、通過順位を14位から12位へと2つ上げた。
宮崎は10月17日の箱根駅伝予選会でも1時間01分05秒を記録し、日本人トップの総合4位でフィニッシュしていた。チームの総合1位通過を支えた中心選手の一人であり、今回も高い走力を示した。
特に注目したいのは、宮崎が当初の区間エントリーでは4区ではなく補欠に登録されていた点だ。大会当日のメンバー変更で4区に起用され、その期待に応える走りを披露した。
事前のエントリー情報と実際の出走選手を混同しないことも、今回の東洋大学の記録を正しく理解するポイントになる。
5区・迎暖人:区間10位で12位をキープ5区12.4kmは3年の迎暖人が担当。36分36秒、区間10位で走り、通過順位は12位を維持した。
3区と4区で上げた順位を維持できたことは、チームにとって重要だった。区間10位という結果も、全体の中では上位に位置する成績である。
ただし、シード権を狙うためには12位からさらに上位へ進む必要があった。中盤で順位を維持するだけでなく、前との差を縮める走りが求められる展開だった。
6区・倉本晃羽:4年生が区間11位で粘る6区12.8kmには4年の倉本晃羽が出走。38分14秒で区間11位となり、通過順位は引き続き12位だった。
中盤を大きく崩さずに走り切った点は評価できる。迎から受け取った襷を12位のまま次につなぎ、終盤の勝負に望みを残した。
しかし、7区は17.6km、8区は19.7kmという長距離区間。ここからは、単純なスピードだけでなく、長い距離を安定して走る持久力とレース後半の対応力が問われることになった。
7区・馬場大翔:区間15位で14位に後退7区17.6kmを任されたのは4年の馬場大翔。54分04秒で区間15位となった。
通過順位は12位から14位へ2つ後退。ここまで維持してきた12位の位置を守ることができず、最終8区を前に順位を落とした。
馬場は箱根駅伝予選会では1時間02分49秒で個人29位。予選会での安定した走りを考えると、今回の長距離区間では、さらに上位を狙う走力を発揮することが課題として残った。
8区・薄根大河:主将が最終区間を走り総合15位最終8区19.7kmは、4年で主将の薄根大河が担当した。区間タイムは1時間01分49秒、区間23位。通過順位は14位から15位となった。
最長区間を任された主将にとって、最後まで襷をつなぐ責任は大きい。薄根は走り切ったものの、区間順位では苦戦し、東洋大学は総合15位でフィニッシュした。
箱根駅伝予選会では個人47位、1時間03分05秒を記録していた薄根。チームを率いる主将として、全日本の経験を箱根でどう生かすかが注目される。
今回の結果は、特定の選手だけに責任を求めるものではない。8区間それぞれの結果を積み重ねた先に総合順位があり、序盤の遅れと終盤の順位低下が重なったことが15位という結果につながった。
【順位推移を検証】東洋大学はなぜ15位まで後退したのか
東洋大学のレースを評価する際には、最終順位だけでなく、各区間終了時点の通過順位を見る必要がある。
今回の順位推移は、序盤の苦戦、中盤の反撃、終盤の後退という3つの局面に分けられる。
1区から2区:17位から18位へ林柚杏が17位でスタートし、内堀勇の2区終了時には18位となった。
序盤の2区間で上位争いから離れたことは、後続にとって負担の大きい展開だった。松井や宮崎のような主力が追い上げる必要が生じ、前半から積極的に順位を上げるレースになった。
3区から4区:18位から12位へ3区の松井海斗が4つ、4区の宮崎優が2つ順位を上げ、東洋大学は12位まで浮上した。
特に4区の宮崎は区間3位。シード権争いに向けて反撃の足場を築いた走りだった。
この段階では、さらに順位を上げる可能性を残していた。序盤の遅れを中盤で取り返すという点では、チームの力を示す場面でもあった。
5区から6区:12位を維持迎暖人と倉本晃羽は、それぞれ区間10位、11位。通過順位は12位のままだった。
大崩れはしなかったものの、前を走るチームとの差を大きく縮めるまでには至らなかった。上位8校との差を考えれば、この中盤の2区間でもう一段の上積みが欲しかったところだ。
7区から8区:12位から15位へレース終盤は、馬場大翔が区間15位、薄根大河が区間23位。通過順位は12位から14位、そして15位へと下がった。
17.6kmと19.7kmという長距離区間が続くため、後半に向けた持久力やペース配分が結果を左右する。東洋大学は最後の2区間で順位を守り切れず、最終的にシード圏内から大きく離れることになった。
順位推移は東洋大学公式発表の各区間走行順位に基づく。
今回の結果から、箱根駅伝に向けて注目したい課題は次の3点だ。
1. 序盤の安定感を高めること
1区・2区で順位を落とすと、後続の選手が追い上げる展開になる。最初から上位集団に近い位置で襷をつなぐことが重要だ。
2. 中盤の好走をチーム全体の順位につなげること
松井と宮崎が好走した一方、5区・6区では順位を維持するにとどまった。中盤でさらに前を追う力が必要になる。
3. 長距離区間で順位を守ること
7区・8区の順位低下は、今回の結果を考えるうえで見逃せない。終盤まで安定したペースを保てる選手層の厚さが求められる。
この3つは、全日本だけでなく、往路・復路に分かれて長距離を走る箱根駅伝にも直結するテーマだ。
【出場メンバーと背景】2026年の東洋大学はどんなチームだった?
今回の東洋大学を理解するには、全日本大学駅伝だけでなく、2026年の箱根駅伝と10月の予選会まで振り返る必要がある。
東洋大学は2026年1月の第102回箱根駅伝で総合14位となり、21年ぶりにシード権を失った。その後、10月17日の第103回箱根駅伝予選会に出場し、総合1位で本大会への復帰を決めた。
つまり、2026年は箱根駅伝のシード権を失った状態から、予選会を突破し、全日本大学駅伝に臨むという再建の過程にあった。
主要選手の役割と大会での実績| 選手 | 学年 | 全日本での役割 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|
| 林柚杏 | 1年 | 1区 | 1年生で主要大会のスタートを担当 |
| 内堀勇 | 3年 | 2区 | 序盤の長距離区間を担当 |
| 松井海斗 | 3年 | 3区 | 区間9位の好走 |
| 宮崎優 | 3年 | 4区 | 区間3位、予選会日本人トップ |
| 迎暖人 | 3年 | 5区 | 中盤を担当 |
| 倉本晃羽 | 4年 | 6区 | 4年生として中盤を支える |
| 馬場大翔 | 4年 | 7区 | 長距離区間を担当 |
| 薄根大河 | 4年 | 8区 | 主将として最終区間を担当 |
8人のうち、3年生が4人、4年生が3人、1年生が1人という構成だった。中堅・上級生を中心にしながら、1年生も主要区間を任されている。
また、薄根大河が主将を務め、4年生の倉本晃羽や馬場大翔とともにチームの後半を担った点も特徴的だ。
箱根駅伝予選会では総合1位の好成績東洋大学公式サイトによると、10月17日の第103回箱根駅伝予選会では、上位10人の合計タイム10時間31分30秒で総合1位を獲得した。
個人順位では宮崎優が1時間01分05秒で総合4位、日本人選手トップ。馬場大翔が29位、内堀勇が30位、松井海斗が36位、薄根大河が47位と、今回の全日本に出場した選手も上位に名を連ねていた。
予選会での総合1位と全日本での15位。この2つの結果には、競技形式の違いが表れている。
箱根駅伝予選会は、複数の選手が個人として走り、その上位10人の合計タイムでチーム順位を競う。一方、全日本大学駅伝は8区間を襷でつなぐチーム競技だ。
予選会で個人の走力が高いことと、駅伝で全区間を安定してつなぐことは同じではない。今回の東洋大学の結果は、個人の力をチーム全体の総合力へと結びつける難しさを示した。
事前の区間エントリーと当日変更にも注目2026年10月30日に発表された東洋大学の区間エントリーでは、4区に1年生の世利雄太が登録され、宮崎優は補欠だった。
しかし、実際のレースでは宮崎が4区に出走。予選会で日本人トップの走りを見せた選手を、勝負区間に投入する形となった。
これは、全日本大学駅伝の区間エントリーを調べる読者にとって要点だ。大会前の登録メンバーと、当日実際に走った選手は必ずしも一致しない。
最終的な結果を確認する際は、事前のオーダー表だけでなく、大会後に発表された公式記録を基準にする必要がある。
【箱根駅伝2027最新情報】東洋大学は総合1位で本戦出場を決定
全日本大学駅伝でシード権を逃した東洋大学だが、2027年1月の箱根駅伝への出場はすでに決定している。
第103回東京箱根間往復大学駅伝競走は、2027年1月2日・3日に開催予定。東洋大学は2026年10月17日の予選会で総合1位となり、本戦への出場権を獲得した。
今回の全日本の結果によって箱根駅伝の出場権を失うわけではない。全日本大学駅伝のシード権と箱根駅伝の出場資格は別の制度であり、東洋大学は箱根路で再び上位を目指すことになる。
箱根駅伝2027で注目したい選手宮崎優:チームの得点源となる存在
予選会で日本人トップ、全日本で4区区間3位という結果を残した宮崎は、東洋大学の中心選手として注目される。箱根駅伝でも、その安定した走力をどのように発揮するかが焦点になる。
松井海斗:全日本で示した追い上げ力
3区で区間9位を記録した松井は、序盤の流れを変えられる選手の一人だ。全日本で見せた走りを箱根の長い距離でどう生かすかに期待が集まる。
内堀勇:序盤の安定感を取り戻せるか
全日本では2区区間21位。箱根駅伝に向けて、序盤から安定した走りを発揮できるかがポイントになる。
馬場大翔・倉本晃羽・薄根大河:4年生の経験をどう生かすか
今回の全日本で長い距離を担当した4年生3人は、チームの経験を支える存在だ。箱根駅伝に向けて、終盤まで安定した走りを見せられるかが注目される。
全日本15位から箱根で巻き返すための条件箱根駅伝で上位を狙うには、今回の全日本で明らかになった課題を具体的な改善につなげる必要がある。
- 1区・2区で流れを作り、後続に大きな順位差を残さない。
- 中盤で主力選手が好走した際、その勢いをチーム全体で維持する。
- 長距離区間でペースを崩さず、終盤まで安定した順位を保つ。
- 主力選手だけでなく、控え選手も含めて出走できる選手層を厚くする。
ただし、2026年11月5日時点では箱根駅伝2027の最終的な区間エントリーは発表されていない。宮崎や松井らがどの区間を担当するかは、今後の調整と正式発表を待つ必要がある。
全日本の15位という結果をそのまま箱根駅伝の順位に結びつけることはできない。距離も区間構成も異なるため、今回の経験をどう修正に生かすかが重要になる。
【プロの結論】東洋大学の15位は立て直しの出発点になるか
今回の全日本大学駅伝で東洋大学が残した5時間19分51秒、総合15位という結果は、シード権を目指していたチームにとって厳しいものだった。
しかし、レースを細かく見ると、単にチーム全体の力が不足していたと評価するのは適切ではない。
松井海斗の3区区間9位、宮崎優の4区区間3位は、上位を狙うための力を持つ選手がいることを示した。5区・6区も12位を維持しており、中盤までの立て直しには一定の成果があった。
問題は、その勢いを最後まで維持できなかったことにある。特に7区と8区で順位を落とした点は、チームとして改善すべき明確な材料だ。
また、10月の箱根駅伝予選会では総合1位を獲得している。個人の走力やチームの基礎体力が失われたわけではなく、襷をつなぐ駅伝での総合力をどう高めるかが問われている。
2027年の箱根駅伝は、東洋大学にとって単なる出場大会ではない。2026年1月に失ったシード権を取り戻し、鉄紺のチームが再び上位争いに加わるための大切な舞台となる。
【全日本大学駅伝の東洋大学】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の全日本大学駅伝で東洋大学は何位でしたか?
A1:総合15位です。総合タイムは5時間19分51秒で、次回大会のシード権を逃しました。
Q2:東洋大学の全日本大学駅伝2026で最も区間順位が良かった選手は誰ですか?
A2:4区を走った宮崎優です。33分20秒で区間3位を記録しました。
Q3:林柚杏の全日本大学駅伝2026の結果は?
A3:1区9.5kmを28分01秒で走り、区間17位、通過順位17位でした。
Q4:東洋大学は全日本大学駅伝でシード権を獲得できましたか?
A4:獲得できませんでした。シード権は総合8位までに与えられますが、東洋大学は15位でした。8位帝京大学との差は7分49秒です。
Q5:東洋大学の箱根駅伝2027への出場は決まっていますか?
A5:決まっています。2026年10月17日の第103回箱根駅伝予選会で総合1位となり、2027年1月2日・3日の本戦出場権を獲得しました。
Q6:宮崎優は当初から4区にエントリーされていましたか?
A6:いいえ。当初は補欠登録でしたが、大会当日のメンバー変更によって4区に出走しました。結果は区間3位です。
東洋大学は2026年11月1日の全日本大学駅伝で、総合15位、5時間19分51秒という結果に終わった。林柚杏と内堀勇が序盤で苦戦した一方、松井海斗と宮崎優が中盤で順位を押し上げた。
しかし、7区の馬場大翔、8区の薄根大河が順位を落とし、シード権獲得には届かなかった。今回のレースで明確になったのは、序盤の安定感、中盤の追い上げ、終盤の持久力を一体化させる必要性だ。
一方、箱根駅伝2027への出場権は予選会総合1位で獲得済み。宮崎優や松井海斗らの走力を生かし、チーム全体の駅伝力を高められるかが今後の焦点となる。
全日本大学駅伝の15位は、東洋大学にとって悔しい結果だった。ただし、箱根駅伝への挑戦はまだ続いている。鉄紺の襷が2027年の箱根路でどのような走りを見せるのか、引き続き注目したい。