2026年現在も名作ミステリーとして語り継がれる『オリエント急行殺人事件』。アガサ・クリスティの原作小説をもとに、1974年の映画、2015年のフジテレビドラマ、2017年のハリウッド映画など、さまざまな映像作品が制作されてきました。なかでも2017年版は、ケネス・ブラナー、ジョニー・デップ、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ミシェル・ファイファー、デイジー・リドリー、ウィレム・デフォーら、世界的な俳優が集結した豪華キャストで知られています。
日本語吹替版では、名探偵ポアロを草刈正雄、ラチェットを平田広明が担当。さらに2015年の日本版では野村萬斎、松嶋菜々子、二宮和也が出演し、1974年版ではアルバート・フィニーやショーン・コネリー、イングリッド・バーグマンらが名演を披露しました。それぞれの作品の出演者、役柄、吹替声優、キャスティングの違いを整理します。
【2017年映画】オリエント急行殺人事件のキャスト一覧と役柄

2017年公開の映画『オリエント急行殺人事件』は、ケネス・ブラナーが監督と主演を兼任したミステリー作品です。
日本では2017年12月8日に劇場公開され、上映時間は約113分。20世紀スタジオの公式作品情報でも、ケネス・ブラナーを中心としたオールスターキャストが紹介されています。
物語の中心となるのは、豪華寝台列車オリエント急行で発生した殺人事件です。乗客のアメリカ人大富豪ラチェットが殺害され、列車に乗り合わせていた名探偵エルキュール・ポアロが捜査を開始します。
乗客全員が容疑者となる状況で、俳優たちが演じる個性的な人物の証言や人間関係が、謎解きの鍵を握ります。
2017年映画の主要キャストと役名ケネス・ブラナー(エルキュール・ポアロ)
本作の主人公であるベルギー出身の名探偵ポアロを演じています。
ケネス・ブラナーは出演だけでなく監督も担当。原作の名探偵を演じると同時に、作品全体の演出も手がけました。
特徴的な口ひげや几帳面な性格、鋭い観察力など、ポアロの人物像を独自の解釈で表現しています。
ジョニー・デップ(エドワード・ラチェット)
殺人事件の被害者となるアメリカ人大富豪ラチェット役です。
物語の発端となる重要人物で、ポアロに身辺警護を依頼しますが、事件が起きる前に断られています。
ジョニー・デップの出演は、本作のキャスティングにおける大きな注目ポイントでした。
ミシェル・ファイファー(キャロライン・ハバード夫人)
列車に乗り合わせたアメリカ人女性、ハバード夫人を演じています。
おしゃべりで存在感があり、事件についても独特の証言をする人物です。物語の緊張感のなかに、ユーモラスな要素をもたらします。
ペネロペ・クルス(ピラール・エストラバドス)
慈善活動に携わる宣教師ピラールを演じています。
信仰心を持つ人物として描かれ、乗客たちの複雑な事情のなかで重要な役割を担います。
ジュディ・デンチ(ドラゴミロフ公爵夫人)
ロシア貴族のドラゴミロフ公爵夫人を演じています。
威厳と気品を備えた人物で、列車内でもひときわ強い存在感を放ちます。英国を代表する名優ジュディ・デンチの演技も見どころです。
デイジー・リドリー(メアリ・デブナム)
家庭教師として列車に乗り合わせた女性を演じています。
冷静で知的な印象を持つ人物ですが、事件が進むにつれて彼女の背景にも注目が集まります。
ウィレム・デフォー(ゲアハルト・ハードマン)
列車の乗客の一人で、ポアロの捜査対象となる人物です。
独特の風貌と存在感を持つウィレム・デフォーが、物語のミステリアスな雰囲気を支えています。
そのほかの2017年映画の出演者主要人物以外にも、実力派俳優が多数出演しています。
- トム・ベイトマン:ブーク
- ジョシュ・ギャッド:ヘクター・マックイーン
- デレク・ジャコビ:エドワード・ヘンリー・マスターマン
- レスリー・オドム・ジュニア:ドクター・アーバスノット
- マーワン・ケンザリ:ピエール・ミシェル
- オリヴィア・コールマン:ヒルデガルデ・シュミット
- ルーシー・ボイントン:エレナ・アンドレニ伯爵夫人
- マヌエル・ガルシア=ルルフォ:マルケス
- セルゲイ・ポルーニン:ルドルフ・アンドレニ伯爵
- ミランダ・レイゾン:ソニア・アームストロング
2017年版の特徴は、出演者それぞれの知名度だけでなく、役柄の個性に合わせて多様な演技経験を持つ俳優を配置していることです。
【日本語吹替声優】草刈正雄・平田広明ら豪華声優陣を一覧で紹介
2017年版の日本語吹替では、俳優のイメージと日本語の声の表現を組み合わせたキャスティングが採用されています。
とくに注目したいのが、ケネス・ブラナー演じるポアロを草刈正雄、ジョニー・デップ演じるラチェットを平田広明が担当している点です。
映画の日本語吹替版は2017年12月8日に公開され、翻訳は野口尊子、演出は杉本理子、日本語版制作はACクリエイトが担当しました。
2017年映画の日本語吹替キャスト一覧以下は、吹替キングダムの出演者情報をもとに整理した主要な配役です。
2017年版の日本語吹替で、特に注目されるのが草刈正雄のポアロです。
ポアロは、鋭い観察眼と論理的な思考を武器に事件を解決する名探偵です。一方で、細かなことにもこだわる几帳面な性格や独特の話し方も人物像を形作っています。
草刈正雄は俳優として長年活躍してきた人物であり、海外俳優の演技を日本語で表現する吹替でも存在感を発揮しています。
平田広明が担当するジョニー・デップの声ラチェット役の平田広明も、吹替キャストのなかで見逃せない存在です。
平田広明は、海外映画の吹替やアニメーションなど幅広い分野で知られる声優です。ジョニー・デップの出演作でもおなじみの声として認識している人も多いでしょう。
本作では、事件の被害者となるラチェットの複雑な人物像を、日本語吹替で表現しています。
また、ブーク役の中村悠一、ドラゴミロフ公爵夫人役の山村紅葉など、異なるジャンルで活躍する出演者がそろっていることも特徴です。
【2015年フジテレビ版】野村萬斎・松嶋菜々子・二宮和也らのキャスト
2015年には、フジテレビ開局55周年特別企画として、日本版『オリエント急行殺人事件』が放送されました。
脚本を担当したのは三谷幸喜。舞台を昭和初期の日本に移し、オリエント急行に相当する列車を架空の豪華寝台列車「特急東洋」に変更しています。
原作のポアロに相当する名探偵・勝呂武尊を演じたのは野村萬斎です。
放送は2015年1月11日・12日の2夜連続。第1夜では原作に沿った物語を映像化し、第2夜では犯人側の視点から事件の背景を再構築するという独自の構成が採用されました。
2015年ドラマの出演者と役名フジテレビ公式の出演者情報に掲載された主なキャストは以下のとおりです。
- 野村萬斎:勝呂武尊(名探偵)
- 松嶋菜々子:馬場舞子(家庭教師)
- 二宮和也:幕内平太(藤堂の秘書)
- 杏:安藤伯爵夫人(外交官夫人)
- 玉木宏:安藤伯爵(外交官)
- 沢村一樹:能登巌大佐(陸軍大佐)
- 池松壮亮:羽佐間才助(万年筆の販売員)
- 八木亜希子:呉田その子(教会で働く女性)
- 青木さやか:昼出川澄子(轟侯爵夫人のメイド)
- 藤本隆宏:保土田民雄(輸入車のセールスマン)
- 富司純子:羽鳥夫人
- 高橋克実:莫(鉄道省の重役)
- 笹野高史:須田(外科医)
- 小林隆:益田悦男(藤堂の執事)
- 草笛光子:轟侯爵夫人
- 西田敏行:三木武一(特急東洋の車掌)
- 佐藤浩市:藤堂修(実業家)
2015年版が2017年映画と大きく異なるのは、単に日本人俳優に置き換えた作品ではないことです。
舞台を昭和初期の日本に移し、登場人物の名前や職業、列車の設定を日本の文化や時代背景に合わせて変更しています。
加えて、第2夜では第1夜で描かれた事件を別の視点から見直す構成を採用しました。
この仕掛けによって、視聴者は同じ事件を異なる立場から理解できます。
野村萬斎の独特な存在感、松嶋菜々子や二宮和也らの共演、三谷幸喜らしい群像劇の構成が、日本版ならではの見どころです。
【1974年映画版】アルバート・フィニーやショーン・コネリーら歴代キャスト
1974年公開の映画『オリエント急行殺人事件』は、シドニー・ルメット監督による名作です。
主演はアルバート・フィニー。加えて、ショーン・コネリー、イングリッド・バーグマン、ローレン・バコール、アンソニー・パーキンス、ヴァネッサ・レッドグレイヴなど、映画史に名を残す俳優たちが出演しました。
アメリカ映画協会(AFI)の映画カタログにも、作品の出演者や制作情報が記録されています。
1974年映画の主要キャスト- アルバート・フィニー:エルキュール・ポアロ
- ローレン・バコール:ハバード夫人
- リチャード・ウィドマーク:ラチェット
- イングリッド・バーグマン:グレタ・オルソン
- ヴァネッサ・レッドグレイヴ:メアリ・デブナム
- ショーン・コネリー:アーバスノット大佐
- アンソニー・パーキンス:ヘクター・マックイーン
- ジャクリーン・ビセット:アンドレニ伯爵夫人
- ウェンディ・ヒラー:ドラゴミロフ公爵夫人
- ジョン・ギールグッド:ベドーズ
- マーティン・バルサム:ビアンキ
- マイケル・ヨーク:アンドレニ伯爵
1974年版を語るうえで欠かせないのが、イングリッド・バーグマンの存在です。
彼女はグレタ・オルソン役を演じ、この作品でアカデミー賞助演女優賞を受賞しました。
AFIの記録によれば、本作はアカデミー賞の複数部門にもノミネートされています。
豪華キャストの競演だけでなく、俳優個人の演技が高く評価された作品でもあります。
2017年版のキャストと比較すると、1974年版はクラシック映画らしい重厚な演技と、当時の映画界を代表するスターの存在感が際立っています。
【歴代キャスト比較】1974年・2015年・2017年は何が違う?
3作品を比較すると、同じアガサ・クリスティの原作を題材にしながらも、制作時代や映像化の方向性によってキャスティングに明確な違いがあります。
ポアロ役の違いが作品の印象を左右する最も分かりやすい比較要点は、名探偵ポアロの描かれ方です。
- 1974年版:アルバート・フィニー
原作の人物像を意識した、クラシックな名探偵の表現が特徴です。
- 2017年版:ケネス・ブラナー
監督と主演を兼任し、現代的な映像表現のなかでポアロを描いています。
- 2015年版:野村萬斎
ポアロ本人ではなく、日本版の名探偵・勝呂武尊として登場します。昭和初期の日本という設定に合わせた人物造形です。
作品ごとのキャスティングの違い1974年版は、映画史に名を残す国際的な名優による群像劇。
2015年版は、日本のテレビドラマを代表する俳優陣による三谷幸喜流の再構成。
2017年版は、ハリウッドのスター俳優を集結させた豪華なミステリー映画。
このように整理すると、単純に出演者の知名度だけで優劣を決めることはできません。
同じ登場人物でも配役が変わる理由興味深いのは、同じ人物でも映画化によって演じる俳優が異なることです。
例えば、ラチェット役は1974年版ではリチャード・ウィドマーク、2017年版ではジョニー・デップが担当しました。
また、ハバード夫人は1974年版ではローレン・バコール、2017年版ではミシェル・ファイファーが演じています。
加えて、2017年版のピラール・エストラバドスは、1974年版のグレタ・オルソンとは人物設定にも違いがあります。
原作の登場人物をそのまま再現するだけではなく、映像化する時代や脚本の解釈に応じて人物像が調整されているのです。
原作はアガサ・クリスティの1934年発表作品原作小説『オリエント急行の殺人』は、アガサ・クリスティが1934年に発表した長編推理小説です。
名探偵エルキュール・ポアロが、雪で立ち往生した列車内で起きた殺人事件を捜査するという設定は、ミステリー史に残る名場面として知られています。
この作品の面白さは、単に犯人を当てることだけではありません。
乗客それぞれの証言、事件との関係、そしてポアロが最後に提示する推理の意味が、物語全体の印象を決定づけます。
だからこそ、映画やドラマによって俳優や演出が変わっても、繰り返し映像化されてきました。
【プロの結論】初めて見るならどの作品がおすすめ?
3作品は、それぞれ異なる楽しみ方ができます。選ぶ際には、俳優の好みだけでなく、どのようなミステリーを楽しみたいかを基準にするとよいでしょう。
2017年版がおすすめの人- ジョニー・デップやケネス・ブラナーが好きな人
- 豪華な海外俳優の共演を楽しみたい人
- 美術や衣装、列車の映像表現を重視する人
- 日本語吹替で気軽に楽しみたい人
2017年版は、映像の華やかさとスター俳優の競演が魅力です。草刈正雄や平田広明らによる日本語吹替も選択肢になります。
1974年版がおすすめの人- クラシック映画が好きな人
- アルバート・フィニーやショーン・コネリーの演技を見たい人
- イングリッド・バーグマンら往年の名優に興味がある人
- 原作の時代に近い雰囲気を味わいたい人
1974年版は、名優たちの演技をじっくり楽しみたい人に向いています。
2015年版がおすすめの人- 野村萬斎の演技が好きな人
- 松嶋菜々子や二宮和也らの共演を見たい人
- 三谷幸喜の脚本が好きな人
- 日本を舞台にしたミステリーに興味がある人
とくに第2夜の構成は、原作の物語を知っている人にも新しい視点を与えてくれます。
作品選びで最も大切なのは、キャストだけでなく、原作をどのような視点で映像化したかを比較することです。 同じ事件でも、演じる俳優や舞台設定によって、登場人物の印象は大きく変わります。
【オリエント急行殺人事件のキャスト】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2017年映画でポアロを演じている俳優は誰ですか?
A1:ケネス・ブラナーです。監督も兼任しており、日本語吹替版では草刈正雄が声を担当しています。
Q2:2017年映画のジョニー・デップは何役ですか?
A2:エドワード・ラチェット役です。列車内で殺害されるアメリカ人大富豪を演じています。日本語吹替は平田広明です。
Q3:2017年映画のペネロペ・クルスは何役ですか?
A3:ピラール・エストラバドス役です。日本語吹替は高橋理恵子が担当しています。
Q4:2017年映画の日本語吹替でジュディ・デンチの声を担当したのは誰ですか?
A4:山村紅葉です。ジュディ・デンチが演じるドラゴミロフ公爵夫人を担当しています。
Q5:2015年のフジテレビ版でポアロに相当する役を演じたのは誰ですか?
A5:野村萬斎です。名探偵・勝呂武尊という日本版オリジナルの人物を演じました。
Q6:1974年映画版のポアロ役は誰ですか?
A6:アルバート・フィニーです。1974年版はシドニー・ルメット監督作品で、イングリッド・バーグマンやショーン・コネリーらも出演しています。
Q7:2017年映画と1974年映画ではキャストが同じですか?
A7:異なります。例えば、ポアロ役は1974年版がアルバート・フィニー、2017年版がケネス・ブラナーです。ラチェット役も1974年版はリチャード・ウィドマーク、2017年版はジョニー・デップが演じています。
『オリエント急行殺人事件』は、アガサ・クリスティの名作をもとに、時代や国によって異なる魅力を生み出してきたミステリー作品です。
2017年映画は、ケネス・ブラナーを中心にジョニー・デップ、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ミシェル・ファイファー、デイジー・リドリー、ウィレム・デフォーらが出演する豪華なキャスティングが魅力です。日本語吹替では草刈正雄、平田広明をはじめとする出演者が作品を支えています。
一方、2015年のフジテレビ版は野村萬斎、松嶋菜々子、二宮和也らが出演し、三谷幸喜による大胆な日本版アレンジが特徴です。1974年版はアルバート・フィニー、イングリッド・バーグマン、ショーン・コネリーら往年の名優による演技が光ります。
2017年版の豪華キャスト、1974年版のクラシックな名演、2015年版の日本独自の再構成。
3作品を見比べれば、同じ物語でもキャストや演出によって印象が変わることが分かります。出演者をきっかけに作品を選び、それぞれのポアロ像や事件の描き方を比較することも、この名作ミステリーを楽しむ方法の一つです。