葛西紀明選手は、2026年11月現在、土屋ホームスキー部に所属する現役スキージャンプ選手です。チーム公式プロフィールにも「選手兼監督」と記載されており、競技者と指導者の両方の役割を担っています。
1972年6月6日生まれで、北海道上川郡下川町の出身。小学3年生でスキージャンプを始め、長年にわたって国内外の大会で活躍してきました。
2009年には土屋ホームの監督に就任。自身も競技を続けながらチームを率いるプレイングマネージャーとして活動しています。
2026年現在のプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 葛西紀明 |
| 生年月日 | 1972年6月6日 |
| 年齢 | 54歳(2026年11月現在) |
| 出身地 | 北海道上川郡下川町 |
| 所属 | 土屋ホームスキー部 |
| 役職 | 選手兼監督 |
| 競技 | スキージャンプ |
| ジャンプ開始 | 小学3年生 |
| 監督就任 | 2009年 |
| 今後の目標 | 2030年冬季五輪への挑戦 |
特筆すべきは、50代になっても競技者としての立場を手放していないことです。
チームの若手選手を指導するだけでなく、自らも大会に出場し、結果を残そうとしています。
これは単に長く競技を続けているという話ではありません。選手として実際にスタート台に立つことで、指導者としての経験と現役選手としての感覚を両立させている点に、葛西選手の特徴があります。
【2026年の大会成績】TVh杯2位、大倉山サマージャンプでは6位!

2026年の葛西紀明選手の成績を確認すると、54歳になっても上位争いに加わる場面がある一方、順位が安定しない大会も見られます。
特に注目されたのが、2026年1月31日に札幌市の大倉山ジャンプ競技場で開催された第37回TVh杯ジャンプ大会です。
2026年TVh杯で惜しくも優勝を逃すこの大会で葛西選手は、1回目に130メートルのジャンプを成功させ、112.8ポイントでトップに立ちました。
3連覇が期待される展開でしたが、2回目は126メートル。合計219.7ポイントとなり、最終的には小林朔太郎選手に逆転されて2位となりました。
優勝を逃したものの、53歳で1回目のトップを獲得したことは大きな話題になりました。
試合後、葛西選手は3連覇を逃した悔しさを口にしています。
2026年の主要大会成績一覧2026年の大会結果を、所属するTEAM TSUCHIYAの公式記録や全日本スキー連盟の競技データをもとに整理しました。
※NH=ノーマルヒル、LH=ラージヒル。大会ごとに競技条件や種目が異なります。
54歳で大倉山サマージャンプ6位の好成績夏の大会でも葛西選手は存在感を示しました。
2026年8月1日の第27回札幌市長杯大倉山サマージャンプ大会では、1回目117メートル、2回目125メートルを記録。合計202.9ポイントで10位でした。
翌8月2日の大成建設チャレンジカップでは、さらに順位を上げます。
- 1回目:135.0メートル
- 2回目:132.5メートル
- 合計:227.0ポイント
- 最終順位:6位
この6位は、葛西選手にとって2026年夏の大会で最高順位となりました。
特に1回目の135メートルは、ヒルサイズ137メートルに迫る大ジャンプです。
試合後には、若手選手や五輪メダリストの二階堂蓮選手を上回ったことにも触れ、手応えを語りました。
この結果は、54歳になっても競技力を発揮できることを示す象徴的な出来事でした。
一方、11月1日の全日本スキー選手権ラージヒルでは13位。1回目は130メートルを飛び4位につけたものの、2回目は98メートルとなり順位を落としています。
この結果からも、現在の葛西選手は高い飛躍を見せる力を保ちながら、2本をそろえる安定性が課題になっていることがうかがえます。
【世界記録の全貌】冬季五輪8大会連続出場とW杯579試合の偉業
葛西紀明選手が「レジェンド」と呼ばれる理由は、単なる長い競技生活ではありません。
オリンピック、ワールドカップ、世界選手権という世界最高峰の舞台で、他の選手が簡単には到達できない記録を残してきたことにあります。
冬季オリンピック8大会連続出場葛西選手は、1992年のアルベールビル冬季五輪から2018年の平昌冬季五輪まで、8大会連続で出場しました。
出場した大会は次のとおりです。
- 1992年:アルベールビル
- 1994年:リレハンメル
- 1998年:長野
- 2002年:ソルトレークシティ
- 2006年:トリノ
- 2010年:バンクーバー
- 2014年:ソチ
- 2018年:平昌
この8大会連続出場は、冬季オリンピックの出場回数に関するギネス世界記録として認定されています。
20年以上にわたって五輪代表の舞台に立ち続けたことは、競技者としての実力だけでなく、長期的なコンディション管理と競技への適応力を示しています。
ソチ五輪の銀メダルと銅メダル葛西選手の競技人生を語るうえで欠かせないのが、2014年ソチ冬季五輪です。
当時41歳だった葛西選手は、ラージヒル個人で銀メダルを獲得。さらに団体戦でも銅メダルを手にしました。
特に個人銀メダルは、長年の挑戦が実を結んだ大きな成果でした。
また、1994年リレハンメル冬季五輪でも団体銀メダルを獲得しています。
つまり、葛西選手の五輪メダル実績は以下の3つです。
- 1994年リレハンメル:団体銀メダル
- 2014年ソチ:ラージヒル個人銀メダル
- 2014年ソチ:団体銅メダル
ソチ大会では個人と団体の両方でメダルを獲得し、世界的な評価を確かなものにしました。
ワールドカップ個人579試合出場葛西選手のもう一つの大記録が、FISスキージャンプ・ワールドカップ個人579試合出場です。
ギネス世界記録の公式ページによると、この記録は2025年2月16日に札幌で達成されました。
1988年12月17日の初出場から、36年以上にわたって世界最高峰の大会に出場し続けた結果です。
加えて、ギネス世界記録の記録ページには、579試合のほかにも次の実績が掲載されています。
- ワールドカップ通算優勝:17回
- ワールドカップ個人表彰台:63回
- ワールドカップ団体戦出場:73回
ここで注意したいのは、579という数字はワールドカップの個人戦出場回数であることです。団体戦の出場数を単純に足した数字ではありません。
また、ギネス世界記録の公式発表では、葛西選手は冬季五輪最多出場やワールドカップ最年長優勝など、複数の記録を保持しています。
長く競技を続けただけでなく、長期間にわたって世界レベルの試合に出場できる実力を維持してきた点が、記録の本質です。
【葛西紀明が引退しない理由】60歳まで現役を目指す原動力とは?
54歳になった葛西選手が、なぜ引退を選ばないのか。
その理由は、本人のインタビューから大きく3つに整理できます。
1. ジャンプ競技への尽きない探究心ギネス世界記録公式メディアのインタビューで、葛西選手はスキージャンプの魅力について語っています。
難しいからこそ、できないからこそ、続けたくなるんです。
ジャンプは、何十年競技を続けても簡単に完成するものではありません。
踏み切り、空中姿勢、飛距離、着地。さまざまな要素が重なり、わずかな違いが結果を左右します。
葛西選手にとって、まだ改善できる部分があること自体が競技を続ける理由になっています。
完成した技術に満足するのではなく、より良いジャンプを追求する。その姿勢が長い現役生活を支えています。
2. 応援してくれる人たちへの思い2026年の『女性自身』のインタビューでは、葛西選手が競技を続ける原動力について語っています。
本人が大切にしているのは、応援してくれる人たちの存在です。
ヒーローでいたいんです。応援してくれている人にとっての
ソチ五輪で銀メダルを獲得した後、葛西選手はメダルの色だけでは測れない応援の価値を実感したといいます。
また、同インタビューでは次のような言葉も紹介されています。
でも、やめてしまったらただの人。行き着くところまで行きたいと思っています。
この言葉からは、競技を続けることが本人の自己実現だけでなく、応援してくれる人たちに挑戦する姿を届けることにもつながっていると分かります。
3. 60歳を超えても飛び続けたいという目標葛西選手は以前から、還暦まで現役を続ける目標を公言しています。
2024年2月のTBSのインタビューでは、60歳になってもジャンプを続けることについて、世界の人々を驚かせたいという思いを語りました。
また、2026年の『女性自身』のインタビューでも、60歳まで現役を続けることを一つの目標として挙げています。
この目標には、自分自身の挑戦だけでなく、競技人生の可能性を広げたいという意味もあります。
かつてスキージャンプ選手の現役生活は、30代半ばまでが一つの目安とされていました。
葛西選手は、岡部孝信さんや原田雅彦さんら先輩選手が現役を続けた姿にも刺激を受け、自分自身も年齢による限界を押し広げてきました。
今度は自分が、後に続く選手に新たな道を示そうとしているのです。
ただし、60歳まで競技を続けるという目標は、60歳まで必ず大会に出場するという保証ではありません。体調や競技成績を踏まえながら、本人が挑戦を続けていく意思を示したものです。
【2030年冬季五輪への挑戦】57歳で9度目の出場は実現するのか?
2026年の葛西選手にとって、大きな転機となったのがミラノ・コルティナ冬季五輪の代表争いです。
ミラノ・コルティナ五輪は出場ならず葛西選手は2026年1月、2大会ぶり9度目となる冬季五輪出場を目指していました。
しかし、1月18日に札幌・大倉山で行われたワールドカップ第18戦の予選で112メートル、56位という結果に終わり、本戦進出を逃しました。
この結果により、ミラノ・コルティナ五輪への出場は実現しませんでした。
本人も五輪出場が難しい状況を理解していたと報じられています。
それでも、葛西選手は試合後に現役続行を宣言しました。
2030年フランス・アルプス五輪を目指す次の大きな目標は、2030年に開催されるフランス・アルプス冬季五輪です。
葛西選手は2026年1月の取材で、4年後の大会を目指す意向を明言しました。
2030年2月の大会時点では57歳です。
加えて、2026年3月にJ-WAVEで放送された村上佳菜子さんとの対談でも、次の五輪について質問され、出場したいという意思を改めて示しています。
五輪をテレビで観戦する立場になった悔しさもあり、現役選手として現地で戦いたいという気持ちが強くなったようです。
2030年五輪出場に向けた3つの課題57歳での五輪出場を実現するためには、越えなければならない壁があります。
① 国内大会での安定した成績
2026年のTVh杯2位や大倉山サマージャンプ6位は好材料です。
ただし、11月1日の全日本選手権では13位。好成績を継続し、代表争いに加わるだけの実力を示す必要があります。
② 国際大会での競争力
国内大会で結果を残すだけでは、五輪出場は確定しません。ワールドカップなど国際大会で競争力を示し、日本代表の選考に食い込むことが必要です。
2026年1月の五輪代表争いでは、予選突破に苦戦したことが大きな課題として表面化しました。
③ 年齢に合わせた身体管理
長く現役を続けるには、体力だけでなく、筋力、柔軟性、体重管理、回復力などを総合的に維持する必要があります。
葛西選手自身も、50代になってから減量が難しくなったことや、身体の変化に合わせてトレーニング方法を調整していることを過去のインタビューで明かしています。
若い頃と同じ方法を繰り返すのではなく、その時々の身体に合わせて競技への取り組み方を変えることが重要です。
2030年の代表入りが決まっているわけではありません。しかし、2026年の国内大会で上位に入る力を示していることは、挑戦を続けるうえでの明るい材料です。
【葛西スキー・ジャンプ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:葛西紀明は2026年現在も現役ですか?
A1:はい。2026年11月現在も現役です。土屋ホームスキー部の選手兼監督として活動し、54歳で国内大会にも出場しています。
Q2:葛西紀明は2026年のTVh杯で優勝しましたか?
A2:優勝ではなく2位です。2026年1月31日の第37回TVh杯では、1回目130メートル、2回目126メートルを飛び、合計219.7ポイントで2位になりました。
Q3:葛西紀明のワールドカップ579試合とは何ですか?
A3:FISスキージャンプ・ワールドカップの個人戦に579回出場した記録です。2025年2月16日に達成され、ギネス世界記録に認定されています。
Q4:葛西紀明はミラノ・コルティナ五輪に出場しましたか?
A4:いいえ。2026年1月のワールドカップ予選で56位となり、本戦進出を逃したため、五輪出場は実現しませんでした。
Q5:葛西紀明は2030年の冬季五輪を目指していますか?
A5:はい。本人は2026年1月に現役続行と2030年五輪への挑戦を表明しています。大会時には57歳になる予定です。
Q6:葛西紀明は60歳まで現役を続ける予定ですか?
A6:60歳まで競技を続けることを目標にしています。本人は60歳を超えてもジャンプを続けたいという意欲を過去のインタビューで語っています。ただし、具体的な引退時期は確定していません。
葛西紀明選手は、2026年11月現在も54歳で現役を続けるスキージャンプ界のレジェンドです。
1992年アルベールビルから2018年平昌までの冬季五輪8大会連続出場、ソチ五輪の個人銀・団体銅メダル、ワールドカップ個人579試合出場など、その実績は世界的にも特別なものです。
2026年はTVh杯2位、大倉山サマージャンプ6位などの好成績を残しました。一方で、ミラノ・コルティナ五輪への出場は叶わず、全日本選手権でも順位を落とす大会がありました。
それでも葛西選手は引退を選びませんでした。
2030年フランス・アルプス五輪への挑戦、そして60歳まで現役を続けるという目標。
その背景にあるのは、ジャンプ競技への尽きない探究心、応援してくれる人たちへの思い、そして年齢を理由に可能性を閉ざしたくないという強い意志です。
今後、葛西紀明選手の動向を追う際には、単に年齢や過去のギネス記録だけを見るのではなく、国内大会での順位、国際大会への復帰、2本のジャンプの安定性に注目したいところです。
57歳で再び五輪の舞台に立つことができるのか。54歳の現在も続く挑戦から目が離せません。