2026年現在、岐阜県立岐阜商業高校(県岐阜商)の硬式野球部を率いているのは、藤井潤作(ふじい・じゅんさく)監督です。2024年秋に鍛治舎巧前監督から指揮を引き継ぎ、就任1年目となる2025年夏には、第107回全国高校野球選手権大会で16年ぶりのベスト4進出を達成しました。
藤井監督は、市立岐阜商業高校、朝日大学を経て社会人野球でプレーし、都市対抗野球にも出場した経歴の持ち主です。その後、教員に転身して岐阜県内の公立高校で指導経験を重ね、母校ではない県岐阜商の監督に就任しました。2026年には春季東海大会優勝も経験しており、チームは新たな成長段階に入っています。
【2026年最新】県岐阜商の監督は藤井潤作氏!現在の指導体制を解説

県岐阜商の野球部監督を務める藤井潤作氏は、2024年秋に就任した指導者です。前任の鍛治舎巧氏が築いた強豪校としての基盤を受け継ぎながら、選手自身が考えて判断する野球を重視しています。
2026年7月30日に公開されたNTT東日本の地域共創メディア「Lumiarch」のインタビューでも、藤井監督は県岐阜商の監督として登場しています。加えて、同年10月の秋季東海大会でもチームを指揮しており、2026年11月時点で監督交代があったという発表は確認されていません。
藤井潤作監督のプロフィール- 氏名:藤井潤作(ふじい・じゅんさく)
- 出身:岐阜県
- 出身高校:市立岐阜商業高校
- 出身大学:朝日大学
- 社会人野球:一光(愛知)の野球部でプレー
- 指導経歴:県立岐南商業、土岐商業、東濃実業など
- 県岐阜商監督就任:2024年秋
- 代表的な実績:2025年夏の甲子園ベスト4
藤井監督の特徴は、選手としての競技経験だけでなく、会社員から教員へとキャリアを転換した異色の経歴にあります。
また、県岐阜商の卒業生ではありません。自身の出身校である市立岐阜商業とは異なる伝統校を率いる立場になったことも、監督としての個性を考えるうえで興味深い点です。
【異色の経歴】藤井潤作の出身校・朝日大学・社会人野球時代を時系列で整理
藤井潤作監督の経歴で特に注目されるのが、社会人野球から教員へ転身したキャリアです。
市立岐阜商業高校を卒業後、朝日大学に進学。その後は愛知県の社会人野球チーム・一光でプレーし、都市対抗野球にも出場しました。
社会人野球で競技に取り組んだ経験は、現在のチームづくりにもつながっています。高校生を指導する立場になる前に、社会人としての組織運営や競争の厳しさを経験してきた人物です。
33歳で会社を辞め、教員を目指した転機藤井監督が特に大きな決断をしたのは、33歳のときです。
2025年3月発行の県岐商の学校広報誌「県岐商だより」第86号に掲載された本人の寄稿によると、約12年間勤めた会社を退職し、教員を目指して大学で教職課程を学び直しました。
その後、県立岐南商業高校で講師として2年間勤務。教員採用試験に合格し、38歳で土岐商業高校に赴任しています。
一般的な新卒教員とは異なる経歴ですが、社会人野球で培った経験を高校生の育成に生かすため、公立高校の指導者になる道を選んだことが分かります。
藤井潤作監督の経歴・転換点一覧| 時期 | 経歴・出来事 | ポイント |
|---|---|---|
| 高校時代 | 市立岐阜商業高校 | 岐阜県の公立商業高校で野球を経験 |
| 大学時代 | 朝日大学 | 大学野球を経験 |
| 社会人時代 | 一光(愛知) | 社会人野球、都市対抗野球への出場経験 |
| 33歳 | 会社を退職して大学で教職課程を履修 | 教員へのキャリア転換 |
| 教員転身後 | 県立岐南商業高校 | 講師として2年間勤務 |
| 38歳 | 土岐商業高校に赴任 | 教員としての初任校 |
| その後 | 東濃実業高校 | 9年間勤務し、監督として指導経験を積む |
| 2024年4月 | 県岐阜商へ転任 | 母校ではない伝統校に再び赴任 |
| 2024年秋 | 県岐阜商監督に就任 | 鍛治舎巧前監督から指揮を引き継ぐ |
| 2025年夏 | 第107回全国高校野球選手権大会 | 就任1年目でベスト4 |
| 2026年 | 春季東海大会優勝 | 新体制での実績を積み重ねる |
この経歴で見逃せないのは、藤井監督が県岐阜商に戻る以前にも同校の指導に携わっていたことです。
2026年7月のNTT東日本のインタビューでは、約17年前に県岐阜商の副部長として甲子園に出場した経験を本人が語っています。つまり、監督就任はまったく新しい学校との出会いではなく、過去に関わった伝統校へ指導者として戻る形でもありました。
【監督交代の真相】鍛治舎巧前監督から藤井潤作監督へ引き継がれたもの
県岐阜商の監督交代が発表されたのは2024年8月28日です。
2018年3月から約6年5カ月にわたってチームを率いてきた鍛治舎巧氏が、同年8月末をもって退任しました。母校の再建を託された鍛治舎氏は、春夏合わせて4度の甲子園出場を実現した指導者です。
鍛治舎巧前監督が築いた強豪校の基盤鍛治舎氏は県岐阜商出身で、早稲田大学、松下電器(現パナソニック)などを経て指導者としてのキャリアを築きました。
秀岳館高校では甲子園3季連続ベスト4という実績を残し、2018年に母校へ復帰。低迷していたチームの再建に取り組みました。
岐阜新聞の2024年8月の報道では、鍛治舎氏の指導の特徴として、具体的な数値目標の設定、複数投手による継投体制、低反発バットへの対応を意識した打撃強化などが紹介されています。
単に選手個人の能力に頼るのではなく、チーム全体の戦力を底上げする仕組みを整えたことが、在任中の成果につながりました。
2024年8月の退任会見で語られた思い鍛治舎氏は退任会見で、次のように語っています。
「いい形で引き継ぎができるところまでこぎつけた。有意義で楽しい6年半だった」
退任の背景には、創部100周年という節目と後任のめどが立ったことがありました。
また、鍛治舎氏は後任の藤井監督について、選手に寄り添って支える指導ができる人物として信頼を示しています。新監督に安心して任せられるという判断が、予定より早い交代につながりました。
県岐阜商の歴代監督と指導者のつながり県岐阜商は長い歴史を持つ伝統校であり、監督交代も単なる人事異動ではありません。母校のOBや地域の野球関係者がチームを支えてきた歴史があります。
2025年の創部100周年関連の報道では、藤田明宏氏が、工藤昌義氏や鍵谷英一郎氏、鹿野浩史氏ら母校出身の指導者たちと切磋琢磨してきた時代を振り返っています。
こうした指導者のつながりは、県岐阜商が長年にわたり岐阜県の高校野球を支えてきた背景の一つです。
鍛治舎氏から藤井氏への交代は、従来の強化路線をすべて捨てるものではなく、築かれた基盤を次の世代へつなぐ転換だったと捉えられます。
【2025年夏の甲子園】藤井潤作監督が就任1年目でベスト4を達成した理由
藤井監督の名前が全国的に知られるきっかけとなったのが、2025年夏の第107回全国高校野球選手権大会です。
県岐阜商は岐阜大会を勝ち抜き、3年ぶり31回目の夏の甲子園出場を決めました。そして本大会では、強豪校を次々と破り、16年ぶりとなるベスト4進出を果たします。
2025年夏の甲子園・全試合結果- 1回戦:県岐阜商 6-3 日大山形
- 2回戦:県岐阜商 4-3 東海大熊本星翔
- 3回戦:県岐阜商 3-1 明豊
- 準々決勝:県岐阜商 8-7 横浜
- 準決勝:県岐阜商 2-4 日大三
特に大きな注目を集めたのが、準々決勝の横浜高校戦です。
優勝候補として注目されていた横浜を相手に、県岐阜商は8-7で勝利。接戦を制して準決勝へ進みました。準決勝では日大三に2-4で敗れたものの、就任1年目で全国4強という結果は大きなインパクトを残しました。
岐阜県が2025年8月29日に公表した大会結果報告資料でも、県岐阜商の16年ぶりのベスト4進出が紹介されています。9月4日には藤井監督と選手らが県庁を訪れ、大会結果を報告しました。
公立高校としての挑戦が注目された理由2025年の県岐阜商は、公立高校で唯一のベスト4進出校としても注目されました。
Numberの2025年8月20日付の記事によれば、甲子園のベンチ入りメンバー20人のうち18人が岐阜県出身でした。県外から選手を集める私立強豪校とは異なるチーム構成で、地元の選手を中心に全国の舞台を勝ち上がった点が特徴です。
藤井監督自身も、市立岐阜商業出身の公立高校で野球をしてきた経験から、公立校で全国制覇することを目標に掲げています。
藤井監督が選手の成長を強調した理由2025年8月22日付の岐阜新聞の報道では、日大三との準決勝後、藤井監督が選手たちの成長をたたえた様子が伝えられています。
「僕の力ではない。彼らの成長に助けられた」
監督自身の手腕を前面に出すのではなく、選手たちの成長を結果の中心に置いた発言です。
2025年の快進撃は、藤井監督が新たに作ったチームだけで実現したものではありません。鍛治舎前監督が残した育成基盤、選手たちが積み重ねてきた経験、そして新監督の判断が組み合わさった成果と考えられます。
【指導方針を分析】藤井潤作監督が大切にする「考える野球」と人間形成
藤井監督の指導方針を理解するうえで重要なのが、選手自身に考えさせる姿勢です。
2026年7月30日に公開されたNTT東日本のインタビューでは、藤井監督が守備シフトなどの判断を選手に任せることもあると明かしています。
監督がすべて指示するのではなく、選手に判断させる藤井監督は、野球を頭を使うスポーツと捉えています。試合中の状況を見て、選手が自分で判断し、仲間に指示を出す経験を重視しているのです。
「自分で考えること」を大切にしてほしい。
選手がなぜその判断をしたのかを知ることも、藤井監督が重視しているポイントです。
こうした指導は、試合での瞬間的な判断力を鍛えるだけではありません。卒業後に大学や社会人野球へ進んだ際、自分で状況を分析して行動できる選手を育てる狙いがあります。
勝利だけでなく社会的成功と人間的成功を目指す藤井監督は、選手たちに野球で結果を残すことだけを求めているわけではありません。
2026年のインタビューでは、選手に対して「社会的成功と人間的成功の2つを追え」と伝えていることも明らかにしています。
野球でレギュラーを獲得することや、プロ野球選手になることは社会的成功の一例です。一方、人としてどうあるべきかを考え、周囲に配慮して行動できることも同じように大切だという考え方です。
そのため、日常生活での自転車の乗り方や立ち居振る舞いにも目を配っています。選手には、県岐阜商の看板を背負っているという自覚を持ってほしいという思いがあります。
公立高校を支えるOB会と地域の協力県岐阜商の強さを考える際、グラウンドの外にある支援体制も見逃せません。
2026年のNTT東日本の取材によると、県岐阜商には学生寮がなく、遠方から通う選手は学校近くで下宿生活を送っています。食事面では地域の飲食店や保護者が協力し、OB会もトレーニング器具の整備などを支援してきました。
つまり、チームを支えているのは監督と選手だけではありません。卒業生、保護者、地域住民、地元の飲食店などが関わる仕組みが存在しています。
こうした環境は、私立強豪校とは異なる公立高校ならではの強みです。地域に根差した選手育成と、応援されるチームづくりが藤井監督の指導方針を支えています。
【2026年最新戦績】県岐阜商の野球部は現在どこまで強い?
2025年の甲子園ベスト4によって大きな注目を集めた県岐阜商ですが、2026年も全国レベルで戦える力を示しています。
特に注目したいのは、2026年春季東海大会での優勝です。一方、夏と秋には課題も見られ、全国大会で再び上位進出を果たすためのチームづくりが続いています。
2026年春季東海大会で優勝スポーツナビの2026年大会記録によると、県岐阜商は春季東海大会で次の3試合を勝ち抜きました。
- 1回戦:県岐阜商 3-0 昴学園
- 準決勝:県岐阜商 10-0 知徳
- 決勝:県岐阜商 6-4 享栄
決勝では愛知県の強豪・享栄を破り、東海地区の頂点に立ちました。2025年夏の躍進が一度限りの結果ではなく、翌年にも競争力を維持していることを示す実績です。
2026年夏は岐阜大会準決勝で敗退2026年夏の岐阜大会では、県岐阜商は準々決勝で中津商を2-1で下しました。しかし、準決勝では大垣日大に3-6で敗れ、甲子園出場はなりませんでした。
前年の甲子園ベスト4という実績があるだけに、連続出場への期待も高まっていましたが、岐阜県内の競争も厳しさを増しています。
2026年秋季東海大会は延長11回の惜敗秋季岐阜大会では、県岐阜商は大垣商などを破って準決勝に進出。大垣日大には3-6で敗れたものの、3位決定戦で関商工に11-0で勝利し、東海大会への出場権を獲得しました。
そして2026年10月17日の秋季東海大会1回戦では、常葉大菊川と対戦。試合は延長11回タイブレークにもつれ込み、県岐阜商は6-7でサヨナラ負けを喫しました。
高校野球ドットコムの試合レポートによると、藤井監督は試合前に相手投手を分析し、得点の見込みと失点を抑える目標を設定して試合に臨んでいました。9回には一塁走者の動きを利用したディレードスチールで同点に追いつくなど、采配面でも見どころがありました。
2026年11月時点で整理できる主な戦績は次のとおりです。
- 春季岐阜大会:準優勝
- 春季東海大会:優勝
- 夏季岐阜大会:準決勝敗退
- 秋季岐阜大会:3位
- 秋季東海大会:1回戦敗退
2026年の県岐阜商を評価する際は、2025年の甲子園ベスト4という過去の実績だけで判断しないことが大切です。
注目したい要点は次の3つです。
- 投手陣の継続的な育成:複数投手を育て、長い大会日程を戦える投手運用を確立できるか。
- 接戦での守備と判断力:2026年秋の常葉大菊川戦のような接戦で、最後の局面を勝ち切れるか。
- 地域密着型のチームづくり:岐阜県出身選手を中心に、OBや地域の支援を生かした育成を継続できるか。
藤井監督の指導方針は、短期的な勝利だけではなく、選手が自分で考え、成長することを重視しています。2025年の快進撃を再現するだけでなく、その経験を次の世代へ伝えられるかが、今後のチームを評価する重要な基準になります。
【よくある質問】県岐阜商の監督に関するFAQ
Q1:2026年現在、県岐阜商の野球部監督は誰ですか?
A1:2026年11月現在、県岐阜商の硬式野球部監督は藤井潤作氏です。2024年秋に鍛治舎巧前監督から指揮を引き継ぎ、2025年夏の甲子園ベスト4、2026年春季東海大会優勝などの実績を残しています。
Q2:藤井潤作監督の出身高校と大学はどこですか?
A2:出身高校は市立岐阜商業高校、出身大学は朝日大学です。卒業後は社会人野球チームの一光でプレーし、都市対抗野球にも出場。その後、教員免許を取得して岐阜県内の公立高校で指導者としての経験を積みました。
Q3:鍛治舎巧前監督が退任したのはいつですか?
A3:2024年8月末です。2018年3月から約6年5カ月にわたって県岐阜商を率い、春夏合わせて4度の甲子園出場を実現しました。創部100周年を迎える節目と後任のめどが立ったことなどが退任の背景にあります。
Q4:藤井潤作監督は就任1年目に甲子園でどんな成績を残しましたか?
A4:2025年夏の第107回全国高校野球選手権大会でベスト4に進出しました。準々決勝では横浜高校を8-7で破り、準決勝では日大三に2-4で敗れました。県岐阜商にとって16年ぶりのベスト4進出でした。
Q5:藤井潤作監督の指導方針はどのようなものですか?
A5:選手自身が考えて判断する野球を重視しています。守備シフトなどの判断を選手に任せることもあり、野球の技術だけでなく、人間的な成長や日常生活での礼儀、地域に応援される姿勢も大切にしています。
Q6:県岐阜商は2026年も甲子園に出場しましたか?
A6:2026年夏は岐阜大会準決勝で大垣日大に3-6で敗れ、甲子園出場はありませんでした。ただし、春季東海大会では優勝しており、全国レベルの実力を維持しています。
2026年現在、県岐阜商の硬式野球部を率いているのは藤井潤作監督です。
市立岐阜商業高校、朝日大学、社会人野球チーム・一光という経歴を持ち、33歳で会社を辞めて教員を目指した異色の指導者でもあります。土岐商業や東濃実業での経験を経て、2024年秋に鍛治舎巧前監督から伝統校の指揮を引き継ぎました。
そして2025年夏、就任1年目で甲子園ベスト4という結果を残しました。2026年春季東海大会でも優勝し、指導者としての実績をさらに積み重ねています。
一方で、2026年夏の県大会準決勝敗退や秋季東海大会での惜敗からは、強豪校として勝ち続ける難しさも見えてきます。
藤井監督が目指すのは、試合に勝つだけのチームではありません。選手自身が考えて行動し、野球を通じて人間として成長し、地域から応援される存在になることです。
1925年に創部された県岐阜商硬式野球部は、2025年に創部100周年を迎えました。鍛治舎前監督が築いた基盤を受け継ぎ、藤井監督が次の100年に向けてどのようなチームをつくるのか。2027年以降の岐阜県大会、東海大会、そして甲子園への再挑戦にも注目が集まります。
主な根拠資料: 岐阜県立岐阜商業高校「県岐商だより」第86号、岐阜県の大会結果発表、岐阜新聞、NTT東日本「Lumiarch」(2026年7月30日)、スポーツナビ、 高校野球ドットコム(2026年10月18日)。