嵐が国立競技場で行ったライブは、旧国立競技場で15公演、新国立競技場で1公演の合計16公演だ。
この数字には、単純な公演回数以上の意味がある。旧国立競技場での6年連続開催という記録を築いた後、競技場の建て替えを経て、新しい施設でもアーティスト初の単独公演を実現したからだ。
日本スポーツ振興センター(JSC)は2019年11月の公式発表で、嵐を「国立競技場で最も多く音楽の単独公演を行ったアーティスト」と紹介している。2019年時点で既に旧競技場での実績が高く評価されていたことが分かる。
16公演の内訳- 旧国立競技場:2008~2013年の15公演
- 新国立競技場:2020年の「アラフェス2020」1公演
- 合計:16公演
ここで注意したいのは、2020年のアラフェスが無観客の配信公演だった点だ。旧競技場の15公演は観客を入れたコンサートであり、2020年の1公演とは開催形態が異なる。
また、2019年12月21日の新国立競技場オープニングイベントにも嵐は出演しているが、これはDREAMS COME TRUEとともに参加した合同イベントであり、2020年の単独公演とは別の出来事だ。通算16公演という数字に、このオープニングイベントを加えることはできない。
【旧国立競技場で2008~2013年、6年連続・全15公演を達成】

嵐が旧国立競技場に初めて立ったのは、2008年9月5日と6日。
その後、2013年まで毎年公演を重ねた。各年の公演数を合計すると15公演になる。
日刊スポーツが2020年11月に掲載した国立競技場公演の振り返りでは、各年の開催日程や演出の特徴が詳しく紹介されている。
嵐の国立競技場ライブ歴代一覧出典:日刊スポーツの開催記録・当時の公演報道。
2008年:国立競技場での初ライブ2008年9月5日・6日、嵐は「ARASHI AROUND ASIA 2008」として旧国立競技場に初登場した。
日刊スポーツによると、この2日間の公演には約7万人が来場。ステージには11トントラック270台分の機材が搬入され、ツアー全体の製作費は約10億円に達した。
当時の嵐にとって、この公演は大規模な野外ライブへの挑戦だった。国立競技場というスポーツの象徴的な場所を、音楽ライブの舞台としても印象づける最初の機会となった。
2009年:デビュー10周年の3日間連続公演2009年8月28~30日には「ARASHI Anniversary Tour 5×10」を開催。
国立競技場では初めてとなる3日間連続公演が実現した。
日刊スポーツの記事によると、ステージ上空約30メートルから登場し、約200メートルにわたるフライング演出も披露。シングル曲31曲を歌唱するなど、10周年を象徴する大規模な内容だった。
単に会場を埋めるだけでなく、広大な競技場全体をライブ空間として活用する演出が際立った年でもある。
2010年:国立史上初の4日間開催2010年は8月21日・22日、9月3日・4日の計4公演。
同じ年に4日間の公演を行ったのは、当時の国立競技場では初めてだった。
「ARASHI 10-11 TOUR Scene~君と僕の見ている風景~」では、高さ15メートルから流れ落ちる滝の演出を取り入れた。
国立競技場という巨大な屋外空間を生かした演出が、嵐のライブの特徴として定着していった時期だ。
2011年:台風による変更を乗り越えた公演2011年9月の「Beautiful World」では、台風の影響によって当初の日程から変更が生じた。
公演開始時には秒速9メートルの風が吹いており、安全面を考慮して高さ約80メートルからのフライング演出を中止。
それでも約3時間半にわたり、アンコール2回を含む41曲を披露した。
屋外の大型ライブでは天候が演出や進行に大きく影響する。その難しさを示した公演でもあった。
2012・2013年:アラフェスでファンとの関係を深める2012年には「アラフェス NATIONAL STADIUM 2012」を開催。
アラフェスは、嵐とファンが一緒に作る音楽イベントというコンセプトを持つ公演だった。ファンからのリクエストを選曲に反映したことが大きな特徴だ。
日刊スポーツによれば、2012年のリクエスト応募総数は27万1097通。シングル曲の人気上位10曲もすべて披露された。
2013年9月21日・22日には2回目のアラフェスを開催。
東京オリンピックに向けた改修工事が控えていたため、これが旧国立競技場での最後の公演となった。
初公演以来の聖火点灯や、1日当たり2500発の花火など、会場の歴史を意識した演出も盛り込まれた。
【なぜ嵐は国立競技場で6年連続開催できたのか?】
国立競技場は、一般的なコンサートホールやドームとは異なる性格を持つ会場だ。
陸上競技やサッカーなどのスポーツ大会を開催する施設であり、大規模なコンサートには会場運営、音響、搬入、警備、近隣への配慮など、多くの調整が必要になる。
嵐の6年連続開催を考えるうえでは、次の3つの要素が重要だ。
1. 大規模な観客動員を実現できる人気2008年の初公演で約7万人を動員した実績は、国立競技場でライブを開催するアーティストとしての存在感を示した。
2009年には3日間連続、2010年には4日間開催へと規模が拡大している。
単発の話題性だけではなく、複数日にわたって観客を集められる人気があったことが、継続開催の大きな背景にある。
2. 国立競技場ならではの演出力嵐のライブでは、フライング、噴水、花火、風船など、広い会場を生かした演出が展開された。
特に2010年の滝の演出や、2013年の花火は、屋外の大規模会場ならではの見せ場だった。
観客がどの位置から見てもライブの世界観を感じられるよう、巨大な会場全体をステージとして扱う発想が特徴的だった。
3. 会場とアーティストの歴史的な結びつき2019年11月、日本スポーツ振興センターは嵐について、国立競技場で最も多く音楽の単独公演を行ったアーティストと説明した。
加えて、同年12月21日の新国立競技場オープニングイベントへの出演も決定。
旧競技場で積み重ねた実績が、新競技場のスタートを飾る出演者としての起用にもつながった。
つまり、6年連続開催は人気だけで説明できる記録ではない。観客動員力、巨大会場での演出実績、施設との長年の関係が重なった結果だった。
【新国立競技場で初の単独アーティスト公演!アラフェス2020の舞台裏】
旧国立競技場での最後の公演から約7年。
嵐は新しく生まれ変わった国立競技場で、再びライブを行うことになった。
その公演が「アラフェス2020 at NATIONAL STADIUM」だ。
2019年11月:新競技場での公演を発表2019年11月3日、嵐はデビュー20周年の節目に、新国立競技場でのコンサート開催を発表した。
当初の予定は2020年5月15日・16日の2日間。
日本スポーツ振興センターの発表でも、嵐が竣工後初となる単独アーティスト公演を行う予定であることが明らかにされていた。
なお、2019年12月21日にはDREAMS COME TRUEとともにオープニングイベントへ出演している。これは新競技場での合同イベントであり、単独コンサートとは区別する必要がある。
2020年4月:新型コロナウイルスの影響で延期しかし、2020年に入ると状況が大きく変わる。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月14日、5月15日・16日に予定されていた公演の延期が発表された。
当時は大規模イベントの開催が難しくなり、観客を集めるライブの実施にも大きな制約が生じていた。
新国立競技場での単独アーティスト初公演という歴史的な機会も、予定どおりには実現できなくなった。
2020年9月:無観客配信での開催を決定9月15日、嵐は「アラフェス2020」を無観客配信形式で開催すると発表した。
この決定について、メンバーの松本潤は、感染拡大を防止し、ファンとスタッフの安全を守るためだと説明した。
直接ファンと会えないことへの残念な思いを示しながらも、配信ならファンクラブ会員が同じ条件で視聴できるという考えも伝えていた。
つまり、無観客開催は演出上の選択ではなく、当時の感染状況と安全面を考慮した判断だった。
2020年11月3日:デビュー記念日に配信2020年11月3日、ついに「アラフェス2020 at NATIONAL STADIUM」が配信された。
この日は嵐のデビュー記念日。新国立競技場でのアーティスト初の単独ライブが実現した日でもある。
オリコンのライブレポートによると、公演は2部構成で実施された。
- PART1:嵐ファンクラブ会員限定配信
- PART2:一般視聴者も参加できる配信
客席には約7万本のライトが設置され、無観客でありながら観客がいるかのような空間を演出した。
加えて、高さ約40メートルのウォーターキャノン、5万個の風船、2500発の花火など、大規模な演出が取り入れられた。
ドローン撮影やAR演出、オーケストラのリモート出演など、映像配信ならではの技術も活用された。
観客がいないという制約を、映像表現の可能性へと転換した公演だった。
【アラフェス2020の見どころは?旧国立との違いとファンとの絆】
アラフェス2020を振り返る際に注目したいのは、単に新しい競技場でライブを開催したことだけではない。
2012年、2013年に旧国立競技場で開催されたアラフェスの精神を、新しい競技場でも引き継いだことにある。
ファン投票で作るセットリストアラフェスの大きな特徴は、ファンからのリクエストを選曲に反映することだ。
2020年の公演でも、シングル曲、カップリング曲、アルバム曲を対象としたファン投票が行われ、そのランキングをもとに構成された。
単に最新のヒット曲を並べるのではなく、ファンそれぞれが思い入れを持つ楽曲をライブに取り入れる。
この仕組みが、通常のツアーとは異なるアラフェスの魅力を生み出していた。
無観客でも客席を空白にしなかった演出無観客公演でありながら、客席にはライトが設置され、会場全体が光に包まれた。
通常のライブでは、観客の歓声やペンライトが会場の一体感を生み出す。
2020年はその環境を再現することが難しかったが、客席のライトやカメラワーク、映像技術によって、会場全体を使ったライブ演出が実現した。
オリコンのライブレポートでは、メンバーが客席の一つひとつに目を向け、ファンに呼びかける姿も紹介されている。
旧国立と新国立をつなぐメンバーの思いオリコンの報道では、大野智が新しい国立競技場について、以前の楽屋や裏動線を思い出し、旧競技場と比較していたことも紹介されている。
施設は新しくなっても、メンバーにとってはかつて何度も立った場所だった。
旧国立での思い出と、新しい会場での挑戦が同じ公演の中に存在していたことは、アラフェス2020ならではの見どころだった。
【2026年5月31日に活動終了した嵐。国立16公演は何を残したのか】
嵐は2020年12月31日をもってグループとしての活動を休止した。
その後、2025年5月に5人で再び集まり、ファンへ直接感謝を伝えるためのコンサートツアーを開催する方針を発表した。
同時に、このツアーをもって嵐としての活動を終了することも明らかにしていた。
2026年のラストツアー「We are ARASHI」2026年には「ARASHI LIVE TOUR 2026 We are ARASHI」を開催。
札幌、東京、名古屋、福岡、大阪の5大ドームを巡り、最終公演は5月31日の東京ドーム公演となった。
FAMILY CLUB onlineの公式配信ページでも、5月31日の東京ドーム公演がツアー最終公演として案内されている。
そして同日、嵐はグループとしての活動を終了した。
2026年11月現在、国立競技場での16公演は、活動を終えたグループの歴史を振り返るうえでも重要な記録となっている。
国立競技場の記録を振り返る3つの視点1. 旧国立競技場での6年連続開催
2008年から2013年まで、毎年ライブを開催したことは、嵐の人気と大規模ライブの実現力を示す実績だ。
2. 新国立競技場への帰還
旧競技場の最後のライブから約7年を経て、2020年に新競技場で単独公演を実現した。会場の建て替えをまたいで記録をつないだ点が特徴的だ。
3. 無観客配信という新しいライブの形
2020年は新型コロナウイルスの影響で観客を入れられなかった。しかし、配信技術や大規模な演出を組み合わせ、ファンとのつながりを維持した。
この3つを合わせて見ることで、16公演という数字の背景がより鮮明になる。
【プロの結論】嵐の国立競技場16公演は、単なる開催回数ではない嵐の国立競技場公演を評価する際、最も大切なのは数字を正しく分けて考えることだ。
旧国立競技場の15公演は、6年連続で観客を集めた有観客ライブの記録。そして新国立競技場の1公演は、コロナ禍の無観客配信という特殊な条件のもとで実現した記録だ。
この2つは開催環境こそ違うが、同じ場所でファンと音楽を共有し続けようとした嵐の歴史を象徴している。
また、2019年のオープニングイベント出演と2020年の単独公演を混同しないことも重要だ。正確な記録を理解するには、旧競技場、新競技場、合同イベント、単独公演を区別する必要がある。
2026年に活動を終えた今、嵐の国立競技場ライブは、単なる過去の人気イベントではなく、日本の大規模音楽ライブの歴史を振り返るうえで欠かせない実績となっている。
【嵐と国立競技場に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:嵐は国立競技場で何回ライブをしましたか?
旧国立競技場で15公演、新国立競技場で1公演の合計16公演です。2019年のオープニングイベント出演は、この単独公演16回には含まれません。
Q2:嵐が国立競技場で6年連続ライブをしたのは何年から何年までですか?
2008年から2013年までです。毎年開催し、旧国立競技場で合計15公演を実施しました。
Q3:旧国立競技場で最も公演数が多かった年はいつですか?
2010年です。8月21日・22日と9月3日・4日の計4公演を開催しました。
Q4:アラフェス2020はなぜ無観客だったのですか?
新型コロナウイルスの感染拡大を防止し、ファンとスタッフの安全を守るためです。当初予定されていた2020年5月15日・16日の公演は延期され、最終的に11月3日に無観客配信で実施されました。
Q5:新国立競技場で初めて単独ライブをしたアーティストは誰ですか?
嵐です。2020年11月3日の「アラフェス2020 at NATIONAL STADIUM」が、新国立競技場でのアーティスト初の単独公演となりました。
Q6:嵐は2026年も活動していますか?
2026年5月31日の東京ドーム公演をもって、グループとしての活動を終了しています。最後のツアーは「We are ARASHI」でした。
嵐と国立競技場の歴史を振り返ると、2008年の初公演から2020年のアラフェスまで、長い年月をかけて築かれた特別な関係が見えてくる。
- 2008~2013年:旧国立競技場で6年連続開催
- 旧競技場での公演数:全15公演
- 2019年:新国立競技場オープニングイベントに出演
- 2020年11月3日:新国立競技場で初の単独アーティスト公演を実現
- 国立競技場での単独公演:通算16公演
- 2026年5月31日:グループとしての活動を終了
特に印象深いのは、旧競技場での最後のアラフェスから約7年後、新しい国立競技場に再び戻ってきたことだ。
当初の予定から延期され、無観客配信という形に変わっても、5人は約束していた新しい国立競技場でのライブを実現した。
2026年の活動終了を経て振り返ると、国立競技場での16公演は、嵐がファンとともに歩んだ時間を象徴する記録である。旧国立の15公演と新国立の1公演。その一つひとつに、時代の変化と5人の挑戦が刻まれている。