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治安のいい国ランキング2026|163カ国比較、日本10位の理由と安全の実態

黒田 宗一郎 黒田 宗一郎 • 更新: • 公開: • 読了約 21 分
目次

2026年6月、経済平和研究所(IEP)が「世界平和度指数(Global Peace Index/GPI)2026」を発表した。世界163カ国・地域を対象に、社会の安全性、国内外の紛争、軍事化の状況を分析した国際ランキングだ。今回も首位はアイスランドで、19年連続の世界1位を維持。ニュージーランド、スイスが続き、日本は前年から3ランク上昇して10位に入った。

一方、世界全体では平和度の悪化が12年連続となり、紛争や軍事的緊張が各国の安全環境に影響を与えている。ランキング上位だから旅行中も犯罪に遭わない、順位が低いから国内のどこでも危険という単純な話ではない。2026年の最新データをもとに、世界で安全性が高い国の特徴、日本の評価、治安のいい国と悪い国の違い、海外旅行で失敗しない安全性の見極め方を整理する。

【2026年最新】治安のいい国ランキングTOP10!世界163カ国の順位を発表

治安のいい国ランキング

2026年の世界平和度指数で上位に入ったのは、欧州とオセアニアを中心とする国々だ。

特に注目したいのは、アイスランドが長期間にわたり首位を維持していること、そして日本がトップ10に復帰したことだ。

IEPが2026年6月に公表した「Global Peace Index 2026」の総合ランキングは次のとおり。

出典:Institute for Economics & Peace「Global Peace Index 2026」。スコアは小さいほど平和度が高い。

順位 国名 GPIスコア 評価の特徴・注目点 1位 アイスランド 1.161 常備軍を持たず、犯罪率の低さと社会的結束が強み 2位 ニュージーランド 1.343 国内外の紛争が少なく、社会の安全性も高評価 3位 スイス 1.363 社会の安全性が高く、国内外の紛争指標も安定 4位 スロベニア 1.369 社会の安全性の改善が順位を押し上げた 5位 アイルランド 1.371 国内外の紛争が少ない点が評価されている 6位 オーストリア 1.421 総合的に高い平和度を維持 7位 ポルトガル 1.427 3つの評価分野で安定した成績 8位 シンガポール 1.435 社会の安全性と軍事化の両分野で高評価 9位 フィンランド 1.478 社会の安全性と紛争の少なさが強み 10位 日本 1.489 前年13位から3ランク上昇

1位アイスランドから10位日本まで、ランキングの特徴

ランキングを見ると、上位10カ国のうち7カ国が西欧・中欧に位置している。

この地域は2026年も世界で最も平和度の高い地域と評価された。一方で、欧州の軍事支出増加などによって、地域全体の平和度は前年比0.6%悪化している。

オセアニアからはニュージーランドが2位に入り、アジアからはシンガポールと日本がトップ10にランクインした。

また、前年のランキングと比較すると、日本は13位から10位、スロベニアは6位から4位、ニュージーランドは3位から2位へと順位を上げている。

ランキングの数字はどう読むべきか

GPIスコアは1から5までの尺度で表され、数値が低いほど平和度が高い。

例えば、アイスランドの1.161と日本の1.489を比較すると、アイスランドのほうが総合的に平和な状態にあると評価されている。

ただし、スコアの差がそのまま犯罪発生率の差になるわけではない。軍事力、紛争、政治的安定性なども評価対象だからだ。

この点を理解すると、ランキング上位の国がなぜ評価されているのか、より正確に読み解ける。

【ランキングの決め方】世界平和度指数GPIの3つの評価基準とは?

治安のいい国を正しく比較するには、ランキングを作成する指標そのものを理解する必要がある。

2026年版の世界平和度指数は、オーストラリア・シドニーに本部を置く経済平和研究所(IEP)が発表した。同研究所は2007年から世界平和度指数を公表しており、2026年版は第20回目に当たる。

対象は163の独立国・地域で、世界人口の約99.7%をカバーする。評価には23の定性的・定量的指標が使用されている。

① 社会の安全性と治安(Societal Safety and Security)

最初の評価分野は、一般市民が安心して生活できる社会かどうかだ。

主な評価項目は次のとおり。

- 社会における犯罪への認識
- 殺人発生率
- 暴力犯罪の水準
- テロの影響
- 暴力的なデモの発生状況
- 政治的不安定性
- 警察・国内治安要員の状況
- 受刑者の割合
- 難民や国内避難民の状況
- 近隣諸国との関係

特に興味深いのは、犯罪統計だけでなく、住民が感じている安全性も評価していることだ。

例えば、IEPはギャラップの世論調査を利用し、「自分が住んでいる地域で夜間に一人で歩いても安全だと感じるか」という質問への回答を指標の一つにしている。

つまり、実際の犯罪発生状況と住民の安心感を組み合わせているのだ。

② 継続中の国内外紛争(Ongoing Domestic and International Conflict)

2番目は、国内外でどの程度の紛争が発生しているかという評価だ。

主な項目は次のとおり。

- 国内紛争の件数と継続期間
- 国内紛争による死者数
- 国外での武力紛争への関与
- 国外紛争による死者数
- 国内紛争の激しさ

犯罪率が低い国でも、隣国との軍事衝突や国内の武力紛争が続いていれば、総合的な平和度は低く評価される。

2026年版では、スーダンの内戦、ウクライナでの長期的な戦闘、ミャンマーの国内紛争などが国際社会の不安定化を示す要因として取り上げられた。

③ 軍事化(Militarisation)

3番目は、国の軍事的な規模や兵器保有状況を評価する分野だ。

具体的には、以下の項目が含まれる。

- GDPに占める軍事支出の割合
- 人口当たりの軍人・軍事要員数
- 主要兵器の輸入量
- 主要兵器の輸出量
- 国連平和維持活動への資金拠出
- 核兵器・重兵器の保有能力

ここで重要なのは、軍事力が大きい国ほど必ずしも国内犯罪が多いという意味ではないことだ。

GPIは、軍事的な緊張や武器の拡散が国内外の平和に及ぼす影響を評価している。

そのため、社会の安全性が高い国でも、防衛費の増加や軍事的な緊張によって総合順位が下がる場合がある。

【日本の治安は世界10位】前年13位から順位が上がった理由と課題

2026年の日本は、世界平和度指数で10位となった。

前年の13位から3ランク上昇し、アジア太平洋地域でもニュージーランドに次ぐ3位に位置している。

日本が世界的に高い平和度を維持していることを示す結果だが、今回の順位上昇には指標ごとの変化が関係している。

日本の順位上昇を支えたのは紛争分野の改善

IEPの2026年版報告書によると、日本の総合スコアは前年比で1.5%改善した。

特に改善したのが、継続中の紛争に関する評価分野だ。

同分野は前年比6.3%改善し、国内紛争の激しさを示す指標も25%改善した。

一方で、軍事化の分野は3.6%悪化している。

その背景として報告書が挙げているのが、日本の防衛力整備だ。

2025年には約550億米ドル規模の過去最大の防衛予算が承認され、陸・海・空の各自衛隊を統合的に運用するための統合作戦司令部も発足した。

つまり、日本の順位上昇は単純に犯罪が減ったからという説明ではなく、紛争関連指標の改善と軍事化指標の悪化が同時に起きた結果なのである。

日本の治安を評価するときに注意したいこと

日本は世界10位という高い評価を得ているが、国内のすべての地域で犯罪やトラブルが発生しないわけではない。

旅行者や居住者にとっての安全性を考える場合、次のような問題も別に確認する必要がある。

- 住宅侵入や窃盗などの一般犯罪
- 特定地域における犯罪発生状況
- 詐欺や悪質商法
- 暴力事件や繁華街でのトラブル
- 自然災害や交通事故

GPIの総合順位だけで、こうした個別のリスクを判断することはできない。

日本の10位という結果は、社会の安全性だけでなく、紛争や軍事化まで含めた国家全体の平和度を評価した数字として受け止める必要がある。

【世界1位アイスランドの実態】なぜ19年連続で最も平和な国なのか?

世界で一番安全な国として名前が挙がるアイスランド。

2026年版GPIでは1.161というスコアを記録し、19年連続で世界1位を維持した。

単に犯罪が少ないだけではなく、社会の仕組みや国の安全保障のあり方にも特徴がある。

常備軍を持たず、犯罪率も低い社会

IEPはアイスランドの高い評価を支える要因として、主に3つを挙げている。

1. 常備軍を持たないこと
2. 犯罪率が非常に低いこと
3. 社会的な結束が強いこと

特に注目したいのは、軍事的な対立や国内の暴力的な衝突が少ないことだ。

アイスランドは軍事力の規模を背景に安全を維持するタイプの国とは異なり、国内の安定性や社会的な信頼関係が平和度を支える構造になっている。

2026年版では、総合的な平和度が前年比2%改善。社会の安全性の分野も4%改善した。

なかでも暴力的なデモに関する指標が42.9%改善したことが、今回の評価を押し上げた。

2位ニュージーランドはアジア太平洋地域の首位

ニュージーランドは2026年に2位となり、アジア太平洋地域で最も平和な国という評価を維持した。

総合スコアは1.343。前年比0.4%改善している。

IEPによれば、改善の中心となったのは軍事化の分野だ。兵器輸入の減少などを背景に、この分野が3.3%改善した。

また、国内外の紛争に関する指標でも世界的に高い評価を受けている。

旅行先として考える場合も、国全体の平和度は参考になる。ただし、都市ごとの犯罪状況や自然環境、交通事情などは別に確認したい。

3位スイスは社会の安全性の高さが強み

スイスは2026年に3位。総合スコアは1.363だった。

前年の2位から1ランク下がったものの、依然として世界トップクラスの平和度を維持している。

IEPの分析では、社会の安全性の分野で地域内でも特に強い評価を受けている。国内外の紛争に関する評価も安定している。

この結果は、国家間の紛争が少ないことと、市民生活の安全性が高いことの両方が、総合評価に関係することを示している。

上位国に共通する特徴とは?

アイスランド、ニュージーランド、スイスの3カ国には、異なる国家体制や地理的条件がある。

それでも、共通しているのは、社会の安定性が高く、国内外の紛争による影響が比較的小さいことだ。

治安のいい国を考える際には、警察の数や刑罰の厳しさだけでなく、社会全体がどれほど安定しているかという視点が欠かせない。

【治安の悪い国との比較】2026年の最下位はロシア、紛争が順位に与える影響

2026年のGPIで最も平和度が低かったのはロシアだった。

最下位の国々には、長期的な武力紛争や政治的不安定性を抱える国が並んでいる。

2026年の平和度ワースト5
順位 国名
159位 イスラエル
160位 ウクライナ
161位 コンゴ民主共和国
162位 スーダン
163位 ロシア

これらの国々は、それぞれ異なる政治的・軍事的背景を持っている。

例えば、スーダンでは内戦が長期化し、ウクライナではロシアとの戦争が続いている。コンゴ民主共和国でも武装勢力による不安定な状況が続いている。

イスラエルも周辺地域の軍事的緊張や紛争の影響を受けている。

こうした状況では、一般犯罪の発生率だけでは国全体の安全性を評価できない。

世界全体の平和度は12年連続で悪化

2026年版GPIが示した特に重要な数字は、世界全体の平和度が前年比0.7%悪化したことだ。

IEPの分析によると、163カ国・地域のうち99カ国で平和度が悪化し、改善したのは62カ国だった。

また、世界では国家を当事者とする活動中の紛争が61件確認され、第二次世界大戦後で最も多い水準となった。

2025年の紛争による死者数は18万1,000人を超え、軍事支出も実質ベースで前年比2.9%増加。世界の軍事支出は約2兆9,000億米ドルに達した。

加えて、軍事費のGDP比率に関する指標は3年連続で悪化し、97カ国で相対的な防衛支出が増加している。

治安のいい国と悪い国を分ける本当の要因

ランキング上位と下位を比較すると、単純な経済力だけでは平和度を説明できないことが分かる。

重要なのは、次のような要素がどの程度安定しているかだ。

- 国内で大規模な武力衝突が起きていないか
- 隣国との外交関係が安定しているか
- 政治的な混乱や暴力的な抗議活動が少ないか
- 市民が日常生活で安全を感じられるか
- 軍事的緊張や武器の拡散が進んでいないか

つまり、治安の悪化は犯罪の増加だけでなく、政治や国際関係の不安定化によっても起こる。

世界平和度指数は、こうした複数の問題を一つの指標にまとめたランキングなのである。

【海外旅行で安全な国を選ぶ方法】ランキングだけでは分からない5つの注意点

海外旅行の行き先を選ぶ際、治安のいい国ランキングは有力な判断材料になる。

ただし、GPIの順位だけで旅行先を決めるのはおすすめできない。

旅行者が実際に遭遇する危険には、国全体の紛争状況とは別の要素があるからだ。

① 国全体ではなく都市・地域別の治安を確認する

同じ国でも、首都や観光地、地方都市では犯罪の種類や発生状況が異なる。

例えば、世界ランキング上位の国であっても、観光客が集まる場所では窃盗や置き引きなどに注意が必要だ。

国単位の評価を、そのまま訪問予定の地域に当てはめないことが大切だ。

② 外務省の海外安全情報を確認する

日本人旅行者が確認しておきたいのが、外務省の「海外安全ホームページ」だ。

外務省の危険情報は、現地の治安情勢を総合的に判断し、日本人の生命や身体に対する脅威を重視して発出される。

危険情報には次の4段階がある。

レベル 意味
レベル1 十分注意してください
レベル2 不要不急の渡航は止めてください
レベル3 渡航は止めてください
レベル4 退避してください。渡航は止めてください

重要なのは、危険情報が出ていない国でも危険がないとは限らないことだ。

また、外務省自身も危険情報のレベルは、犯罪や事故の発生頻度を単純比較した統計ランキングではないと説明している。

危険情報だけでなく、スポット情報や安全対策基礎データも確認したい。

③ 観光客を狙った犯罪の種類を調べる

海外旅行では、旅行者特有の犯罪リスクがある。

代表的なものは次のとおり。

- スリや置き引き
- クレジットカードの不正利用
- 観光客を狙った詐欺
- タクシー料金の不当請求
- 夜間の路上でのトラブル

GPIはこうした個別の犯罪手口を旅行者目線で網羅するランキングではない。

旅行前には、渡航先の日本大使館・総領事館が発信する情報も参考にしたい。

④ 夜間の移動や交通事情も考慮する

昼間は安全に感じられる場所でも、夜間は状況が変わる場合がある。

公共交通機関の運行時間、タクシーの利用方法、宿泊先から駅までの距離なども確認しておくと安心だ。

特に一人旅では、夜遅くの移動を減らせる宿泊先を選ぶことも有効な対策になる。

⑤ 「たびレジ」に登録する

外務省の海外旅行登録サービス「たびレジ」は、3カ月未満の海外旅行や出張を予定する人が利用できる無料サービスだ。

登録すると、渡航先の大使館や総領事館から海外安全情報を受け取れるほか、現地で緊急事態が起きた際の安否確認や支援にもつながる。

旅行先を決めた段階で登録しておけば、出発前から現地の情報を確認できる。

ランキング上位国はどんな旅行者に向いている?

国ごとの特徴を踏まえると、旅行先選びでは次のような考え方ができる。

国 検討したい旅行者 確認したいポイント
アイスランド 自然や景観を楽しみたい人 自然環境、移動手段、気象条件
ニュージーランド 自然観光や長期旅行を楽しみたい人 地域間の移動、道路事情
スイス 都市観光や自然観光を組み合わせたい人 交通費、滞在地域の状況
シンガポール 都市観光や短期旅行を考えている人 現地法令、持ち込み禁止品
日本 国内旅行を検討する外国人旅行者 地域ごとの災害・交通情報

安全性の高さは旅行先を決める大切な要素だが、費用、移動のしやすさ、言語、医療体制なども合わせて考えたい。

【よくある質問】治安のいい国ランキング2026に関するFAQ

Q1:2026年に世界で一番治安がいい国はどこですか?

2026年の世界平和度指数では、アイスランドが1位です。常備軍を持たないこと、犯罪率の低さ、社会的な結束の強さなどが評価を支えています。19年連続で世界首位を維持しています。

Q2:日本の治安は世界ランキング何位ですか?

2026年の世界平和度指数では、日本は10位です。前年の13位から3ランク上昇しました。総合スコアは1.489で、アジア太平洋地域ではニュージーランドに次ぐ3位です。

Q3:治安のいい国ランキングで2位と3位はどこですか?

2位はニュージーランドでスコア1.343、3位はスイスでスコア1.363です。いずれも国内外の紛争が少なく、社会の安定性が高く評価されています。

Q4:世界平和度指数と犯罪率ランキングは同じですか?

同じではありません。世界平和度指数は犯罪だけでなく、紛争や軍事化など23の指標を使って国全体の平和度を評価しています。犯罪率だけで順位を決めるランキングとは目的も評価方法も異なります。

Q5:治安のいい国なら海外旅行でも安全ですか?

必ずしもそうではありません。国全体の平和度が高くても、観光地でのスリや詐欺、交通事故などのリスクは存在します。外務省の海外安全情報や現地の最新情報を確認することが大切です。

Q6:2026年の世界で最も治安が悪い国はどこですか?

世界平和度指数の最下位はロシアで163位です。続いてスーダンが162位、コンゴ民主共和国が161位、ウクライナが160位、イスラエルが159位となっています。

2026年の世界平和度指数では、アイスランドが19年連続で1位となり、ニュージーランド、スイスが続いた。日本も前年の13位から10位へと上昇し、世界的に高い平和度を持つ国として評価されている。

一方、世界全体では平和度の悪化が12年連続となり、武力紛争や軍事支出の増加が大きな課題になっている。

今回のランキングから分かる要点は、治安の良さは犯罪率だけでは決まらないということだ。

社会の安定性、政治的な状況、国内外の紛争、軍事化など、複数の要素が重なって国全体の安全性を形作っている。

海外旅行で安全な国を選ぶなら、GPIの総合順位を参考にしながら、訪問する都市や地域の状況、外務省の危険情報、現地の犯罪傾向まで確認したい。

世界1位という肩書だけで安心するのではなく、何が評価され、どのような危険が残っているのかを知ること。それが2026年の海外旅行や長期滞在で失敗しないための判断基準になる。

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グルメ・レシピ担当。材料と手順は必ず再現検証し、出典を明記します。

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