2026年の東京で治安が悪いとされる地域はどこなのか。警視庁が公表した2025年の刑法犯認知件数と、東京都の住民基本台帳人口を組み合わせて検証すると、人口1,000人あたりの犯罪発生率が最も高いのは千代田区、犯罪認知件数が最も多いのは新宿区という結果になる。さらに渋谷区、豊島区、港区、台東区など、繁華街や商業エリアを抱える区が上位に並ぶ。
ただし、犯罪件数が多い地域と、実際に住民が犯罪被害に遭いやすい地域は必ずしも一致しない。2026年11月時点で確認できる最新の公表状況、昼間人口と夜間人口の違い、犯罪の種類、町丁別データまで掘り下げ、東京23区の治安の実態と安全な街選びの判断基準を整理する。
【結論】東京23区で治安が悪いランキング2026!犯罪発生率トップ7は?

2026年に公表された最新の年間確定資料を基準にすると、東京23区で犯罪発生率が高い地域は、千代田区、新宿区、渋谷区、豊島区、港区、台東区、中央区の順となる。
ここで使用する犯罪発生率は、2025年の刑法犯認知件数を2026年1月1日現在の住民基本台帳人口で割り、人口1,000人あたりに換算した数値だ。つまり、2025年の犯罪状況を2026年の人口で比較する参考指標である。
警視庁の「東京の犯罪(令和7年版)」によると、2025年の東京都全体の刑法犯認知件数は99,349件。2024年の94,752件から4.9%増加した。犯罪の内訳では窃盗犯が6割以上を占めている。
ランキングを見る際は、犯罪件数と人口あたりの発生率を分けて考える必要がある。千代田区は犯罪件数だけなら23区中14番目だが、人口が比較的少ないため、人口あたりでは突出して1位になる。一方、新宿区は件数と発生率の両方で上位に位置している。
なお、2026年の年間犯罪件数は11月時点ではまだ確定していない。以下の23区ランキングは、2025年の年間データを2026年に公表された人口資料と組み合わせた比較である。
【2025年確定データ】東京23区の治安ランキング全23区を一覧比較
ここでは、人口1,000人あたりの刑法犯認知件数が多い順に23区を並べた。単純な犯罪件数だけでは見えない地域差を把握できる。
人口1,000人あたりの犯罪発生率ランキング| 順位 | 東京23区 | 2025年認知件数 | 人口1,000人あたり |
|---|---|---|---|
| 1位 | 千代田区 | 2,965件 | 42.88件 |
| 2位 | 新宿区 | 6,977件 | 19.65件 |
| 3位 | 渋谷区 | 4,272件 | 18.50件 |
| 4位 | 豊島区 | 4,021件 | 13.58件 |
| 5位 | 港区 | 3,544件 | 13.13件 |
| 6位 | 台東区 | 2,793件 | 12.84件 |
| 7位 | 中央区 | 2,147件 | 11.24件 |
| 8位 | 葛飾区 | 3,309件 | 7.00件 |
| 9位 | 墨田区 | 1,992件 | 6.90件 |
| 10位 | 北区 | 2,442件 | 6.65件 |
| 11位 | 足立区 | 4,617件 | 6.56件 |
| 12位 | 荒川区 | 1,451件 | 6.46件 |
| 13位 | 江東区 | 3,456件 | 6.36件 |
| 14位 | 江戸川区 | 4,375件 | 6.27件 |
| 15位 | 中野区 | 2,135件 | 6.21件 |
| 16位 | 板橋区 | 3,492件 | 5.98件 |
| 17位 | 文京区 | 1,329件 | 5.61件 |
| 18位 | 大田区 | 4,121件 | 5.53件 |
| 19位 | 品川区 | 2,225件 | 5.35件 |
| 20位 | 世田谷区 | 4,599件 | 4.95件 |
| 21位 | 練馬区 | 3,672件 | 4.89件 |
| 22位 | 目黒区 | 1,380件 | 4.88件 |
| 23位 | 杉並区 | 2,547件 | 4.37件 |
出典:警視庁「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」、東京都「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」。人口は2026年1月1日現在。犯罪発生率は認知件数÷人口×1,000で算出。
件数ランキングでは新宿区・足立区・世田谷区が上位犯罪認知件数そのものを比較すると、順位は大きく変わる。
- 1位:新宿区(6,977件)
- 2位:足立区(4,617件)
- 3位:世田谷区(4,599件)
- 4位:江戸川区(4,375件)
- 5位:渋谷区(4,272件)
世田谷区は認知件数では3位だが、人口1,000人あたりでは4.95件で20位。人口規模が大きいことが件数に影響している。
反対に、千代田区は人口あたりでは圧倒的な1位だが、認知件数は2,965件にとどまる。この違いこそ、東京の治安ランキングを正しく読むための要点だ。
【地域別の実態】千代田区・新宿区・渋谷区の治安が悪い理由
犯罪発生率の上位3区には、それぞれ異なる都市構造がある。単に危険な地域が集中しているという説明だけでは、実際の数字を理解できない。
1位・千代田区:昼間人口と夜間人口の差が突出千代田区の犯罪発生率は人口1,000人あたり42.88件。2位の新宿区の約2.2倍に達する。
しかし、この数値には千代田区特有の人口構造が大きく関係している。
2020年国勢調査によると、千代田区の夜間人口は66,680人に対し、昼間人口は903,780人。昼間人口は夜間人口の約13.6倍に達する。
大手町、丸の内、霞が関などのオフィス街には、通勤・通学する人が多数集まる。さらに買い物や観光などの来訪者も加わるため、実際に活動している人の数と住民人口には大きな開きがある。
それにもかかわらず、人口1,000人あたりの指標は住民人口を分母にする。その結果、犯罪が発生した場所を基準にした件数が、住民人口に対して大きく見える構造になっている。
千代田区の42.88件という数値を、そのまま住宅地の危険度と解釈するのは適切ではない。
2位・新宿区:23区最多の犯罪認知件数新宿区は2025年に6,977件の刑法犯が認知され、23区で最多となった。2024年の6,025件から952件増加し、前年比15.8%増という結果だ。
新宿駅周辺には大型商業施設、飲食店、歓楽街、観光スポットが集積している。歌舞伎町や新宿三丁目など、昼夜を問わず人の移動が多いエリアを抱えていることも地域特性の一つだ。
人が集中する場所では、自転車盗、万引き、置引きなどの窃盗被害に加え、暴行や傷害といった粗暴犯への注意も必要になる。
一方、新宿区のすべてが同じ状況というわけではない。繁華街と住宅地では、犯罪の種類や発生する時間帯、周辺環境が異なる。新宿区への転居を検討するなら、区全体の数値だけでなく、実際に住む町丁のデータを調べることが大切だ。
3位・渋谷区:商業・観光・夜間の人流が集中渋谷区の2025年刑法犯認知件数は4,272件。前年の3,849件から423件増加し、前年比11.0%増となった。
人口1,000人あたりの発生率は18.50件で、23区中3位。渋谷駅周辺を中心に、商業施設、飲食店、イベント会場、観光客が集まる場所が広がっている。
人通りの多さは防犯面でプラスに働く場合もあるが、混雑によって周囲への注意が散漫になり、窃盗やトラブルが起こる機会も増える。
渋谷区の治安を判断するときは、駅前の繁華街と、代官山・広尾などの住宅エリアを同じものとして扱わないことが重要だ。
4位以下の区にも異なる特徴がある豊島区は池袋駅周辺を中心に商業施設や飲食店が集中し、人口1,000人あたり13.58件。港区は六本木、新橋、赤坂などのビジネス・飲食エリアを抱え、13.13件となっている。
台東区も浅草や上野などの観光・商業エリアがあり、12.84件。中央区は銀座、日本橋などの商業地を抱え、11.24件だった。
これらの地域に共通するのは、住民以外の人も多く訪れる都市機能の集積だ。犯罪件数の高さだけで地域住民の生活環境を評価するのではなく、どのような犯罪がどこで発生しているかを確認したい。
【犯罪の中身を検証】東京で発生している犯罪は何が多い?
治安を考えるうえで、刑法犯認知件数の総数だけを見るのは不十分だ。強盗や暴行と、自転車盗や万引きでは、住民が受ける影響も防犯対策も異なる。
2025年の東京都では窃盗犯が6割以上警視庁の2025年統計では、刑法犯認知件数99,349件のうち、窃盗犯が最も大きな割合を占めた。
特に日常生活で注意したい犯罪は次のとおりだ。
- 自転車盗:2025年の東京都内で26,952件。無施錠による被害が61.3%を占めた。
- 万引き:東京都内で11,966件。
- 特殊詐欺:4,350件。被害総額は約282億円。
- 強盗:258件。そのうち侵入強盗は50件。
また、侵入窃盗では空き巣が30.4%を占めた。自転車盗については、被害の46.7%が住宅の敷地内から発生している。
こうした数字から分かるのは、繁華街だけでなく、日常的に利用する駐輪場や住宅の敷地内でも防犯意識が必要だということだ。
犯罪発生率が高くても住宅への侵入被害が多いとは限らない千代田区は人口あたりの犯罪発生率が非常に高いが、侵入窃盗57件のうち、住宅への空き巣は1件だった。
一方、新宿区は侵入窃盗184件、空き巣39件。渋谷区は侵入窃盗99件、空き巣21件だった。
千代田区の侵入窃盗には事務所や店舗などの被害も含まれる。つまり、同じ侵入窃盗という分類でも、住宅への侵入と事業所への侵入では意味が異なる。
住まいの安全を重視する人は、総犯罪発生率に加え、空き巣、忍込み、居空きなど住宅を対象とする犯罪を個別に確認するべきだ。
【2026年最新情報】警視庁犯罪統計と町丁別犯罪データの確認方法
2026年11月時点では、2025年の年間統計に加えて、2026年の月別累計データも公表されている。ここでは、最新情報をどう読み分けるかを整理する。
2026年1~9月の犯罪情勢は前年同期を上回る警察庁が2026年10月16日に公表した1~9月の犯罪統計資料は暫定値で、全国の刑法犯認知件数は588,015件。前年同期の574,924件から2.3%増加した。
東京都の認知件数は81,302件で、前年同期より8,081件、11.0%増加したと報じられている。全国の増加分の6割強を東京都が占める結果となった。
ただし、この数字は東京都全体の1~9月の集計であり、23区だけのランキングではない。2025年の年間件数と2026年の9か月間の件数を直接比較して、区の順位が上がった、下がったと判断することはできない。
警視庁の「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」は2026年10月15日に更新され、令和8年9月累計のデータが掲載された。2026年の地域別動向を確認する際は、この最新の月累計資料を参照する必要がある。
警視庁犯罪情報マップで確認したいポイント区全体のランキングよりも、実際の住まいに近い範囲を確認したい場合は、警視庁犯罪情報マップが役立つ。
町丁別の犯罪データとあわせて確認することで、地域のどの場所に犯罪が集中しているかを具体的に把握しやすくなる。
特にチェックしたいのは次の4項目だ。
- 発生場所:自宅、最寄り駅、通勤・通学路の周辺に犯罪が集中していないか。
- 罪種:自転車盗、侵入窃盗、粗暴犯など、どの種類が多いか。
- 発生時期:直近数か月だけでなく、過去の年間データと比較して増減を確認する。
- 町丁ごとの差:同じ区内でも駅前、繁華街、住宅街で状況が異ならないか。
例えば新宿区という大きな単位で判断するのではなく、住む予定の町丁や、毎日通る駅までの道を確認する。これだけでも、実際の生活に即した防犯判断に近づく。
【治安が良い区との比較】東京で安全な街を選ぶ基準とは?
犯罪発生率の低さを重視するなら、2025年のデータでは杉並区、目黒区、練馬区、世田谷区、品川区、文京区、大田区などが比較的低い水準にある。
23区全体の人口1,000人あたりの平均は7.54件。それに対して、以下の3区は特に低い。
- 杉並区:4.37件。23区で最も低い。
- 目黒区:4.88件。
- 練馬区:4.89件。
これらの区は、千代田区や新宿区などと比べると、人口に対する犯罪認知件数が少ない。ただし、区内のすべての町丁が同じ安全性を持つわけではない。
治安を重視した住まい選びで確認したい5つの条件1. 最寄り駅から自宅までの夜道
昼間の人通りだけでなく、帰宅時間帯の明るさ、街灯の設置状況、見通しの悪い場所の有無を確認する。
2. 住宅周辺の犯罪種類
総件数よりも、空き巣、侵入窃盗、自転車盗など、自分の生活に関係する犯罪が発生しているかを優先して調べる。
3. 建物の防犯設備
オートロック、防犯カメラ、モニター付きインターホン、共用部の照明、玄関や窓の施錠設備などを確認する。
4. 周辺施設と時間帯
飲食店や繁華街の近くは利便性が高い反面、深夜の騒音や酔客とのトラブルが発生する可能性もある。駅からの距離だけでなく、夜間の周辺環境を確認したい。
5. 町丁別データの推移
単年の件数だけで決めず、前年との比較や複数年の傾向を見る。特定の犯罪が継続して発生している地域なのか、一時的な増加なのかを見極める。
治安を最優先にするなら、犯罪発生率が低い区を候補にしつつ、最終的には住む予定の建物と周辺環境を現地で確認する方法が現実的だ。
【東京治安悪いランキング2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:東京で一番治安が悪い区はどこですか?
A1:2025年の刑法犯認知件数を2026年1月1日の人口で割った発生率では、千代田区が人口1,000人あたり42.88件で1位。犯罪認知件数そのものでは新宿区が6,977件で最多となっている。比較する指標によって順位は異なる。
Q2:足立区は東京で最も治安が悪い地域ですか?
A2:足立区は2025年の犯罪認知件数が4,617件で23区中2位だが、人口1,000人あたりでは6.56件で11位。件数だけで区全体の危険度を判断することはできない。
Q3:東京で治安が良い区はどこですか?
A3:2025年の人口1,000人あたりの刑法犯認知件数では、杉並区が4.37件、目黒区が4.88件、練馬区が4.89件で低い水準にある。ただし、同じ区内でも町丁によって状況は異なる。
Q4:千代田区の犯罪発生率が高いのはなぜですか?
A4:住民人口に対して通勤・通学・買い物などで訪れる人が非常に多いことが大きな要因。2020年国勢調査では昼間人口903,780人、夜間人口66,680人だった。住民人口を分母にする発生率では、昼間の犯罪活動が大きく反映される。
Q5:2026年の東京23区の最新犯罪ランキングは確定していますか?
A5:2026年の年間ランキングはまだ確定していない。2026年11月時点では、2025年の年間データと、2026年9月までの月累計データを区別して確認する必要がある。
2026年に確認できる最新の年間データでは、人口1,000人あたりの刑法犯認知件数が最も多いのは千代田区で42.88件。続いて新宿区19.65件、渋谷区18.50件だった。一方、犯罪認知件数そのものでは新宿区が6,977件で最多となっている。
この違いが示すのは、犯罪件数と実際の生活環境における安全性は同じ指標では測れないということだ。特に千代田区のように昼間人口と夜間人口の差が大きい地域では、人口あたりの数字だけで判断すると実態を見誤る可能性がある。
住む場所を選ぶ際には、区単位のランキングを最初の参考情報として利用し、その後に町丁別犯罪データ、罪種別の内訳、夜間の街の様子、建物の防犯設備を確認したい。
東京の治安を正確に判断するために必要なのは、単純な順位ではなく、どこで、どのような犯罪が、どの時間帯に発生しているのかという具体的な情報だ。数字と現地の環境を組み合わせることが、後悔しない街選びにつながる。
主な統計資料
- 警視庁「東京の犯罪(令和7年版)」「警視庁の統計(令和7年)」
- 警視庁「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」(2026年10月15日更新)
- 東京都「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」(2026年1月)
- 警察庁「犯罪統計資料(令和8年1~9月分)」