第103回箱根駅伝の関東学生連合は、関東学生陸上競技連盟が定めた新しい選考制度に基づき、合計16人で編成される。
この制度は、2025年6月19日に関東学生陸上競技連盟が発表した改革によって、第102回大会から導入されたものだ。従来のように予選会の個人成績だけで16人を選ぶ方式ではなく、大学単位の選考と個人単位の選考を組み合わせている。
① チーム枠10人:予選会11~20位の大学から選出予選会で本戦出場を逃した大学のうち、総合順位11~20位に入った10大学には、それぞれ1人分の選出枠が与えられる。
特徴は、予選会の個人順位だけで選手が決まるわけではない点だ。各大学が自校の選手から代表者を選ぶため、予選会後も大学内で箱根駅伝出場を目指す競争が続く。
第103回大会では、国士舘大学が11位、武蔵野学院大学が12位となり、チーム枠を獲得した。10大学の対象校はすでに決定しているが、各校から誰が出場するかは12月10日のチームエントリーで発表される予定だ。
② 個人枠6人:予選会21位以下から個人成績で選出残る6人は、予選会総合21位以下の大学に所属する選手から選ばれる。
条件は、各大学1人までという制限のもと、個人順位の上位6人に入ること。大学全体の順位が低くても、個人で優れた成績を残せば箱根駅伝への道が開ける。
この仕組みがあるため、予選会で大学としては上位に入れなかったチームにも、個人の実力で箱根路に進める可能性が残されている。
③ 出場経験にも上限がある選考では過去の箱根駅伝本大会への出走経験も考慮される。
- 本大会での出走経験がない選手:対象になり得る。
- 本大会で1回出走した選手:対象になり得る。
- 本大会で2回以上出走した選手:選考対象外。
- 外国人留学生選手:選考対象外。
ここでいう出走経験は、単独大学のチームだけでなく、連合チームで走った経験も含む。第102回大会から従来の出走上限が1回から2回に緩和されたため、過去に1度箱根路を経験した選手にも再びチャンスが生まれた。
関東学連が公表した制度変更の理由は、選手の多様性を確保しながら、箱根駅伝の経験を大学に持ち帰って競技力向上につなげることにある。
【2026年最新】第103回箱根駅伝の関東学生連合メンバー一覧

2026年10月22日付の関東学生陸上競技連盟の公式資料では、チーム枠の対象となる10大学と、個人枠で選出された6選手が掲載されている。
したがって、11月6日現在、個人枠の6人は決定済み。一方、チーム枠の10人については、大学名までが公表され、選手名の発表は待たれている状況だ。
チーム枠の対象大学10校2026年10月17日に開催された第103回箱根駅伝予選会の結果、以下の10大学がチーム枠を獲得した。
チーム枠・対象大学
{#each [{n:"11位",u:"国士舘大学"},{n:"12位",u:"武蔵野学院大学"},{n:"13位",u:"立教大学"},{n:"14位",u:"明治大学"},{n:"15位",u:"東京国際大学"},{n:"16位",u:"駿河台大学"},{n:"17位",u:"麗澤大学"},{n:"18位",u:"筑波大学"},{n:"19位",u:"拓殖大学"},{n:"20位",u:"日本薬科大学"}] as item}
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選手名は2026年12月10日のチームエントリーで発表予定。
特に注目されるのが、国士舘大学と武蔵野学院大学だ。
国士舘大学は予選会11位で、10位の法政大学とは1分46秒差。あと一歩で本戦出場を逃しただけに、チーム枠から箱根路に進む選手への期待も高まる。
武蔵野学院大学も12位でチーム枠を確保した。予選会で大学としての本戦出場権は得られなかったものの、関東学生連合の一員として大学の存在を示す機会を得た。
個人枠の選出選手6人個人枠では、慶應義塾大学の成沢翔英をはじめ、6大学から1人ずつが選ばれた。
第103回・個人枠選手27位
成沢翔英
慶應義塾大学・3年
1時間02分48秒
61位
木村楓斗
流通経済大学・4年
1時間03分18秒
69位
尾島樹
上武大学・3年
1時間03分34秒
79位
有川紘樹
一橋大学・4年
1時間03分43秒
88位
橋本将汰
立正大学・4年
1時間03分49秒
109位
髙橋歩夢
明治学院大学・4年
1時間04分00秒
順位・記録は2026年10月17日の予選会個人成績。関東学連公式資料に基づく。
今回の個人枠で象徴的なのが、成沢翔英の選出だ。慶應義塾大学は予選会30位だったが、成沢は個人27位という成績を残した。大学の総合順位とは別に、個人の走力で箱根駅伝への切符をつかんだ形となる。
流通経済大学の木村楓斗も個人61位で選出。大学の総合順位は22位で、チームとして本戦出場権を獲得できなかった中、個人枠で箱根路への道を切り開いた。
また、一橋大学の有川紘樹と立正大学の橋本将汰は、それぞれの大学にとって初の関東学生連合選出となる。大学の歴史に新しい記録を刻む可能性がある点でも注目したい。
この6人の大学別順位、個人順位、記録は、関東学連の公式選手・スタッフ一覧と月刊陸上競技の報道で確認できる。
16人の選考対象を一覧で比較チーム枠と個人枠では、選考の基準が異なる。以下の一覧で両者の違いを整理した。
注:チーム枠の大学順位は予選会総合順位。個人枠の順位・記録は予選会個人成績。個人枠の大学順位はチーム順位を示す。
【第103回予選会を検証】2026年の結果と関東学生連合への影響
第103回箱根駅伝予選会は、2026年10月17日に東京都立川市で開催された。
各大学から最大12人が出走し、ハーフマラソンの21.0975kmを走る。大学の総合順位は、上位10人の合計タイムで決定する。上位10校が翌年1月の本戦に進出する仕組みだ。
2026年の予選会では東洋大学が10時間31分30秒でトップ。中央学院大学、東海大学が続き、10位の法政大学までが本戦出場権を獲得した。
本戦出場を決めた上位10大学
2026年10月17日・予選会結果
{#each [{n:1,u:"東洋大学",t:"10:31:30"},{n:2,u:"中央学院大学",t:"10:33:31"},{n:3,u:"東海大学",t:"10:33:41"},{n:4,u:"専修大学",t:"10:33:42"},{n:5,u:"東京農業大学",t:"10:34:33"},{n:6,u:"山梨学院大学",t:"10:35:18"},{n:7,u:"大東文化大学",t:"10:35:23"},{n:8,u:"神奈川大学",t:"10:36:48"},{n:9,u:"日本体育大学",t:"10:39:52"},{n:10,u:"法政大学",t:"10:40:08"}] as item}
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一方、11位の国士舘大学は10時間41分54秒で、10位の法政大学との差は1分46秒だった。わずかな時間差が、本戦出場と関東学生連合のチーム枠という異なる道を分けた。
予選会の11~20位は次の通りだ。
- 11位:国士舘大学
- 12位:武蔵野学院大学
- 13位:立教大学
- 14位:明治大学
- 15位:東京国際大学
- 16位:駿河台大学
- 17位:麗澤大学
- 18位:筑波大学
- 19位:拓殖大学
- 20位:日本薬科大学
この10校が、そのまま関東学生連合のチーム枠対象校となった。
見落とされやすい個人枠の選考条件ここで押さえておきたいのが、個人枠は大学の総合順位がつくことを必須条件としていない点だ。
実際、2025年の第102回大会予選会後には、関東学連がテレビ中継の選考方法に関する説明を訂正した経緯がある。
大学の完走者が10人に達せず、チームとして総合順位がつかなかった場合でも、個人順位などの条件を満たせば個人枠の選考対象になる。大学の総合順位と個人の出場資格は、別々に判断されるということだ。
この点は、箱根駅伝の出場資格を理解するうえで非常に重要だ。大学の成績だけで選手の可能性を判断すると、個人枠の制度を正しく理解できない。
【オープン参加とは?】総合順位・区間記録の扱いと学連選抜との違い
関東学生連合を理解するうえで、もう一つ欠かせないのが「オープン参加」という制度だ。
関東学生連合は、一般の大学チームと同じコースを走り、同じようにたすきをつなぐ。しかし、大会の正式な大学別順位には加算されない。
オープン参加の記録はどう扱われる?選手が走ったタイムは計測され、区間タイムや総合タイムも公表される。ただし、それらは参考記録として扱われる。
オープン参加の記録上の扱い
総合順位
参考扱い
総合タイム
参考記録
区間順位・区間タイム
参考扱い
大学別の正式順位
順位対象外
シード権
獲得対象外
つまり、関東学生連合が他大学より速いタイムでゴールしても、その結果によって大学別の順位が入れ替わったり、翌年のシード権を獲得したりすることはない。
ただし、参考順位にも競技的な価値はある。通常の大学チームと比較して何位相当の走りだったのか、どの区間で好記録を残したのかは、選手の実力を評価する重要な材料になる。
東京箱根間往復大学駅伝競走の公式サイトでも、関東学生連合のタイムは参考扱いとして整理されている。
学連選抜と関東学生連合は別のチーム?「学連選抜」と「関東学生連合」は、一般的には同じ系譜の選抜チームを指す言葉だ。
以前は「関東学連選抜チーム」という名称が使用されていたが、2015年の第91回大会から「関東学生連合チーム」という現在の名称になった。
ただし、名称だけでなく、大会における順位の扱いも時代によって変わっている。
- 2003~2006年:関東学連選抜として参加。基本的にオープン参加。
- 2007~2013年:正式参加となり、チーム順位が認められた。
- 2014年:関東学生連合は編成されなかった。
- 2015年以降:関東学生連合の名称でオープン参加に戻った。
- 2024年:第100回大会では関東学生連合は編成されなかった。
なお、第80回大会では関東学連選抜に代わって日本学連選抜が参加しており、こちらは別の選抜チームだ。単に「学連選抜」と呼ぶ場合は、どの大会のどのチームを指すのか確認すると混乱しにくい。
2008年の第84回大会では、当時正式参加だった関東学連選抜が総合4位に入った。現在のオープン参加とは記録の制度が異なるため、歴代順位を単純に比較することはできない。
【歴代成績を分析】関東学生連合の仕組みが変わった理由と2027年の注目点
関東学生連合は、箱根駅伝に出場できなかった選手に、大学の枠を超えて本戦を経験する機会を提供するために設けられた。
その役割は、単に予選会で好成績を残した選手を集めることだけではない。異なる大学の選手が一つのチームとして走り、そこで得た経験を母校に持ち帰ることにも意義がある。
2026年までの主な歴代成績近年の関東学生連合の成績を見ると、参考順位ながら、大学チームと競り合える実力を持つ選手が集まっていることが分かる。
近年の総合成績
第102回・2026年10:57:35
16位相当・参考記録
第101回・2025年11:06:53
参考記録
第99回・2023年11:17:13
参考記録
第98回・2022年11:00:25
参考記録
関東学生連合の公式大会記録に基づく。
特に2026年の第102回大会は、総合10時間57分35秒で16位相当だった。関東学生連合として初めて10時間台の総合タイムを記録した大会でもある。
往路は5時間32分02秒で20位相当だった一方、復路は5時間25分33秒で7位相当まで順位を上げた。復路での巻き返しは、各大学から集まった選手たちがチームとして力を発揮した結果として注目された。
公式記録では、2026年の総合タイムが過去の参考記録とともに掲載されている。
2025年の制度改革で何が変わったのか2025年6月の制度改革は、関東学生連合の選抜方法を大きく変えた。
以前は予選会で本戦出場を逃した大学から、各校1人ずつ、個人順位の上位16人を選ぶ方法が基本だった。しかし、この方法では大学全体の競技力向上という観点や、予選会でのチーム順位が低かった大学の選手を選ぶ機会に課題が残っていた。
新制度では、11~20位の大学にチーム枠を設けることで、予選会後も大学内の競争が続く。さらに21位以下から個人枠を設けることで、大学の総合順位に左右されにくい選考を実現した。
関東学連が掲げたのは、次の2つの考え方だ。
- チーム枠:予選会終了後も大学内で競争を生み、選手強化につなげる。
- 個人枠:大学の総合順位が低くても、個人の能力によって箱根路への機会を確保する。
この改革は、強豪校だけでなく、箱根駅伝への出場経験が少ない大学にも注目が集まる仕組みになった。
2027年大会で注目したい3つのポイント第103回大会では、次の3点が見どころになる。
1つ目は、国士舘大学と武蔵野学院大学の選手選考だ。
予選会で11位、12位となった両大学はチーム枠の上位に位置する。大学内で誰が代表に選ばれるのか、12月10日のエントリー発表が注目される。
2つ目は、成沢翔英や木村楓斗ら個人枠の選手の走りだ。
個人枠の6人は、大学の総合順位とは別のルートで箱根路に進む選手たちだ。各大学の代表としてではなく、関東学生連合の一員としてどの区間を任されるのかにも関心が集まる。
3つ目は、異なる大学の選手が一つのチームとしてどこまで力を発揮できるかだ。
大学ごとに練習環境や指導体制が異なるため、選手が集まってから本番までの準備期間も重要になる。単独大学のような継続的なチーム練習が難しい中で、各選手の実力をどう組み合わせるかが監督・コーチの腕の見せどころとなる。
【箱根駅伝学生連合】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2027年第103回箱根駅伝の関東学生連合メンバー16人は決定した?
A1:個人枠6人とチーム枠の対象大学10校は決定している。ただし、チーム枠の具体的な選手名は未発表で、12月10日のチームエントリーで発表される予定だ。
Q2:関東学生連合の個人枠は予選会何位までが対象?
A2:予選会総合21位以下の大学に所属する選手が対象となる。各大学1人までで、個人順位の上位6人が選出される。過去の本大会出走経験が2回以上ある選手や外国人留学生選手は対象外となる。
Q3:関東学生連合は箱根駅伝で何位になっても正式順位に入らない?
A3:関東学生連合はオープン参加のため、総合順位や区間成績は参考扱いとなる。タイムは計測・公表されるが、大学別の正式順位やシード権の対象にはならない。
Q4:関東学生連合と学連選抜は違う?
A4:基本的には同じ系譜の選抜チームを指す。かつては関東学連選抜という名称が使われ、2015年の第91回大会から関東学生連合に名称変更された。ただし、第80回大会の日本学連選抜は別のチームだ。
2026年11月6日現在、第103回箱根駅伝の関東学生連合は、チーム枠10人と個人枠6人の合計16人で編成されることが決まっている。
個人枠では慶應義塾大学の成沢翔英、流通経済大学の木村楓斗ら6人が選出済み。チーム枠では国士舘大学、武蔵野学院大学、立教大学、明治大学など10大学が対象となり、選手名の発表を待つ段階だ。
今回の制度で見逃せないのは、大学の総合成績と選手個人の実力を別々に評価する仕組みが整ったこと。予選会で本戦出場を逃した大学にも、個人の力で箱根路に立つ機会が広がっている。
また、関東学生連合はオープン参加であり、正式順位やシード権には反映されない。しかし、異なる大学の選手が一つのたすきをつなぐ姿には、通常の大学対抗戦とは違った魅力がある。
今後の最大の注目日は2026年12月10日のチームエントリー。残る10人の顔ぶれが判明すれば、第103回大会の関東学生連合16人が具体的な形になる。2027年1月2日・3日の箱根路では、大学の枠を越えた選手たちの挑戦にも注目したい。
主な参考資料:関東学生陸上競技連盟「箱根駅伝に関する新たな取り組みについて」「第103回関東学生連合チーム選手・スタッフ一覧」、東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト、日本テレビ箱根駅伝公式サイト、月陸Online、日刊スポーツ。