2026年6月19日、関西テレビ放送(カンテレ)は大阪市北区の本社で夏季社長記者会見を開催した。登壇した岡宏幸代表取締役社長は、社長就任から1年を振り返り、フジテレビの一連の問題による広告収入への影響、2025年度の厳しい決算、社内のガバナンス改革について説明した。
会見で明らかになったのは、売上高が前年比約6%減、放送収入が約8%減という厳しい経営状況だけではない。TVerなどを含む動画配信の売上は過去最高を記録し、番組販売やイベント事業にも成長の兆しが見えている。加えて、2026年度から始まる中期経営計画「Re:START カンテレ!」では、地上波放送への依存を減らし、コンテンツを国内外へ展開する新たな経営方針が打ち出された。
【2026年6月19日】カンテレ社長会見で岡宏幸社長が語った内容とは?

今回の会見は、2025年度の決算と役員人事が正式に承認された株主総会後に開催された。岡社長にとっては、2025年6月の社長就任から約1年を迎える節目の会見でもあった。
最大のテーマは、フジテレビの一連の問題が関西テレビの経営に及ぼした影響と、それを受けた組織改革である。
カンテレはフジテレビ系列の準キー局として、全国ネット番組の制作や広告営業などで系列局との連携を行っている。そのため、キー局で発生した問題は、フジテレビ単体の経営課題にとどまらず、系列局の広告営業や番組制作にも波及する構造がある。
岡社長は、この1年間の影響について、広告収入だけでなく、コンテンツ制作や主催事業にも想定以上の影響があったと説明した。
「この1年を通じて改めてコンプライアンスやガバナンスがとても大切であるということも、我々経営だけではなく、社員やグループの関係者が認識を深めておられているのではないかと思っております」
これは、単純な売上回復だけでは経営再建が完結しないことを示す発言だ。広告主や視聴者からの信頼を取り戻すには、企業内部の意思決定や制作現場の管理体制を見直す必要がある。
岡社長は、この厳しい1年を会社の在り方を見直す機会として捉え、まずは組織改革の土台を整えたうえで、新しい事業の成長につなげる考えを示した。
岡宏幸社長の経営方針が変化した背景岡社長が2025年6月の就任時に掲げた課題は、大きく2つだった。
1つ目は、社内外の信頼回復とガバナンス・コンプライアンスの徹底。2つ目は、放送収入に大きく依存してきた事業構造の再構築である。
2026年1月の社長会見でも、この2つを中心に改革を進めていると説明していた。今回の6月会見では、1年間の取り組みを総括するとともに、改革の重点を組織の立て直しから新たな成長事業の育成へ移していく姿勢が明確になった。
【決算分析】2025年度の売上高6%減・放送収入8%減の実態
今回のカンテレ社長会見で最も注目されたのが、2025年度の業績である。
岡社長は、フジテレビ事案の影響を受け、売上高が前年比で約6%減少し、放送収入全体も約8%減少したと説明した。
関西テレビが2026年5月20日に公表した第85期決算資料を確認すると、単体業績の売上高は514億円余り。前年度から5.7%減少している。放送収入も7.7%減となっており、会見で説明された数字とほぼ一致する。
2025年度の主要業績を比較以下は、関西テレビの2026年3月期決算資料に基づく主要数値である。金額は百万円単位で、単体と連結を区別している。
| 項目 | 2024年度 | 2025年度 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 単体売上高 | 54,440 | 51,314 | 5.7%減 |
| 放送事業収入 | 53,434 | 50,213 | 6.0%減 |
| 放送収入 | 42,555 | 39,291 | 7.7%減 |
| タイム収入 | 14,235 | 12,703 | 10.8%減 |
| スポット収入 | 28,320 | 26,587 | 6.1%減 |
| コンテンツ事業収入 | 10,878 | 10,922 | 0.4%増 |
| その他事業収入 | 1,006 | 1,100 | 9.4%増 |
| 連結売上高 | 57,883 | 55,251 | 4.5%減 |
| 連結営業利益 | 2,285 | 345 | 84.9%減 |
注目すべきなのは、放送関連収入が大きく落ち込んだ一方、コンテンツ事業収入は前年度を上回った点だ。
特に放送収入の内訳では、番組提供枠などを販売するタイム収入が10.8%減と大きく落ち込んだ。スポット収入も6.1%減となっている。
一方、イベント事業を含むコンテンツ事業収入は0.4%増加した。その他事業収入も9.4%増となっている。
カンテレ単体は営業赤字、グループ全体は営業黒字もう1つ押さえておきたいのが、単体と連結の違いである。
カンテレ単体の営業損益は5,900万円の赤字だった。一方、グループ連結では3億4,500万円の営業利益を確保している。
ただし、連結営業利益も前年度の22億8,500万円から大きく減少しており、グループ全体の収益力が厳しい状況に置かれていることに変わりはない。
つまり、グループ会社や新規事業が一定の収益を生み出しているものの、親会社の放送事業収入の減少を完全には補えていないという構図だ。
今回の決算は、カンテレにとって、従来型のテレビ広告ビジネスだけでは経営の安定を維持しにくくなっていることを示す結果となった。
【フジテレビ事案の影響】なぜカンテレの広告収入は減少したのか?
2025年度の減収を理解するうえで重要なのが、フジテレビの一連の問題と広告主の出稿判断との関係である。
カンテレ自身の決算資料では、放送事業収入が減少した大きな要因として、フジテレビ事案の影響が挙げられている。
ここで重要なのは、関西テレビの放送エリアにおける広告市場そのものが、全面的に不振だったわけではないという点だ。
2025年度の中間決算発表では、カンテレは関西地区の地上波広告市場について比較的活況だったと説明している。それにもかかわらず放送収入が大きく落ち込んだことから、フジテレビ事案による広告主の出稿見直しが経営に与えた影響の大きさが浮かび上がる。
ネットタイムとスポットの両方に影響テレビ広告には複数の販売形態がある。
ネットタイムは、系列局を通じて全国に放送される番組のスポンサー枠を販売する仕組みだ。これに対してローカルタイムは、各地域の放送局が地域向けに販売する番組提供枠を指す。
スポットは、番組と番組の間などに放送されるCM枠で、特定の番組のスポンサーになることとは異なる形で広告を出稿できる。
フジテレビの問題が発生したことで、全国ネットの広告出稿を見直す企業が現れ、系列局にも影響が及んだ。
2026年1月の岡社長の説明では、2025年4月時点でネットタイム収入は前年の約70%まで落ち込み、スポット収入も同じく70%台まで低下していた。
その後、地元スポンサーを中心に出稿が戻り、2025年9月にはスポット収入が前年の約90%まで回復したとの認識を示している。下期にはネットタイムやローカル広告にも回復傾向が見られたという。
フジテレビとカンテレの関係も重要な論点カンテレはフジテレビ系列の放送局であるだけでなく、2026年3月31日時点でフジ・メディア・ホールディングスが24.99%の議決権を保有する主要株主でもある。
この関係は、系列局としての事業上のつながりだけでなく、資本面でも関係が深いことを意味する。
ただし、系列局の経営とキー局の経営は同一ではない。カンテレ自身の広告営業、番組制作、グループ事業があり、業績も独自に管理されている。
岡社長が会見で示したのは、フジテレビの問題による影響を認めながらも、自社の経営改革を進める姿勢だった。系列全体の信頼回復と、自社独自の収益基盤の強化を同時に進めなければならないという難しい立場にある。
【動画配信は過去最高】カンテレのコンテンツ事業に見えた成長の可能性
2025年度決算には、厳しい数字ばかりが並んでいるわけではない。
岡社長が会見で強調した成果の1つが、動画配信売上の過去最高記録である。
TVerなどの見逃し配信を含む動画配信関連事業が堅調に推移し、番組販売やイベント事業も成長した。放送収入が落ち込むなかで、コンテンツを別の形で収益化するビジネスが育っている。
動画配信はテレビ番組の新たな収益源これまでテレビ局の収益は、地上波で番組を放送し、スポンサーから広告収入を得るモデルが中心だった。
しかし、視聴者の番組視聴方法は変化している。リアルタイムでテレビを見るだけでなく、TVerなどを利用して好きな時間に番組を視聴する人も増えている。
この変化は、テレビ局にとって単なる視聴者の分散ではない。番組の価値を放送時間だけに限定せず、配信広告や二次利用によって収益化する機会でもある。
カンテレの動画配信売上が過去最高となったことは、制作したコンテンツを複数の媒体で展開する戦略が成果を上げ始めていることを示している。
ただし、過去最高という実績だけで、放送収入の減少を補えるほどの規模になったと判断することはできない。具体的な動画配信売上額は公表された会見概要に記載されておらず、今後は売上の規模だけでなく利益への貢献度も注目される。
番組販売収入は2014年度以来の高水準もう1つの成果が、他局への番組販売収入である。
カンテレは、他局への番組販売収入が2014年度以来の高水準になったと説明した。
番組販売とは、自社で制作した番組を他の放送局などに販売するビジネスだ。制作した番組を自社の放送エリアだけで終わらせず、他地域の視聴者にも届けることで、新たな収益を生み出せる。
関西発の番組や独自企画が他地域でも価値を持つことは、カンテレの制作力を示す重要な材料となる。
ゴッホ展などイベント事業も好調イベント事業では、ゴッホ展が予算を大きく上回る成果を上げた。
放送局が保有する企画力や発信力を、展覧会やライブイベントなどのリアルな体験に展開するビジネスモデルである。
番組制作だけでなく、イベント、映画、IPビジネスなどに事業領域を広げることは、放送広告の変動に左右されにくい収益基盤を築くうえで意味がある。
動画配信、番組販売、イベントという3つの分野は、今後のカンテレの成長を支える重要な事業になる可能性がある。
【2026~2028年度】中期経営計画「Re:START カンテレ!」の全貌
今回の会見で示された経営改革の中心にあるのが、新中期経営計画「Re:START カンテレ!」だ。
対象期間は2026年度から2028年度までの3年間。サブタイトルには「カンテレグループ 第二の創業」が掲げられている。
これは単なる経費削減や広告営業の立て直しを目的とした計画ではない。テレビ局という従来の事業領域を超え、コンテンツ企業として新たな収益機会を開拓することを目指すものだ。
3つの経営戦略が示す方向性中期経営計画では、次の3つが大きな柱となっている。
1.地域に深く、コンテンツは広く
関西に根差した放送局として地域とのつながりを強化しながら、制作したコンテンツを全国、さらには海外へ展開する方針だ。
2.地上波依存からの脱却
地上波放送を中核事業として維持しつつ、動画配信、番組販売、イベント、映画、アニメなどの事業を成長させる。
3.グループ再編と業務改革
グループ会社の経営資源を有効活用し、事業間の連携を強める。成長に必要な業務改革を進め、経営基盤を強化する。
2026年度は増収増益予算を設定2026年度の予算について、岡社長はカンテレ単体とグループ連結の両方で増収増益を目指す計画を説明した。
具体的な重点施策として挙げられたのは、地上波放送事業のポジションアップ、ドラマコンテンツの増強、アニメ事業への積極的な投資、これまで取り組んでこなかった事業分野への挑戦である。
重要なのは、地上波事業を縮小することが計画の目的ではない点だ。
岡社長は会見で、放送事業は引き続き中核事業であり、シェア拡大も目指すと説明している。その一方で、広告市場の大幅な拡大を期待しにくい状況を踏まえ、放送以外の事業を育てる必要性を強調した。
ドラマ・アニメの強化と海外展開カンテレが強みとして掲げるのが「ドラマのカンテレ」というブランドだ。
2026年6月の会見では、7月から始まる『GTO』の連続ドラマについても説明された。反町隆史が演じる鬼塚英吉が登場する作品で、連続ドラマとしては28年ぶりの復活となる。
注目点は、カンテレ制作の全国ネットドラマとして初めてNetflixで世界配信されることだ。国内の地上波放送だけでなく、海外の視聴者にも作品を届ける戦略が具体化している。
加えて、2026年7月からは水曜23時の全国ネット連続ドラマ枠「水ドライレブン」がスタートする計画も示された。系列局のテレビ西日本との共同著作という新たな制作体制を採用し、制作だけでなく営業面でも協力する。
アニメについても、火曜23時の「火アニバル!!」を中心に強化を進める方針だ。会見では、スタジオのサイエンスSARUが手がける『攻殻機動隊』の新作についても言及された。
『千原ジュニアの座王』は23の国と地域へバラエティ分野では『千原ジュニアの座王』の海外展開が注目される。
同番組は世界最大級のエンターテインメント企業であるバニジェイ・エンターテインメントとフォーマット契約を締結。今後、23の国と地域でローカル版の制作・配信を目指す展開が始まると発表された。
番組そのものを海外へ輸出するだけでなく、各国・地域の制作会社が現地向けの番組を制作できる形式で展開する点が特徴だ。
この戦略が成功すれば、カンテレは番組の放送権や配信権だけでなく、番組フォーマットという知的財産からも収益を得る機会を広げられる。
また、番組発のライブイベントも計画されており、テレビ番組をリアルなエンターテインメントへ広げる取り組みも進んでいる。
【ガバナンス強化】カンテレは何を変えた?コンプライアンス改革の現在地
今回の会見で、業績と並んで重要だったのが社内のガバナンス改革である。
フジテレビ事案の影響を受けたカンテレにとって、広告主や視聴者からの信頼回復は経営上の最優先課題となった。
岡社長は就任当初から、社員が安心して働ける環境を整えることを重視してきた。今回の会見では、その1年間の具体的な取り組みを説明している。
内部統制とリスク管理体制の再構築主な改革は、現場から経営陣までリスク情報が迅速に共有される仕組みの整備だ。
各部署で発生した問題や懸念が現場だけで処理されず、全社的に集約され、経営判断につながるようにリスク管理関連の会議や社内規程を見直した。
また、既存の内部通報窓口を充実させ、社員やスタッフが問題を相談しやすい環境づくりも進めた。
ハラスメント防止と社員の安全確保ハラスメント対策についても、宣言の見直しや社内調査、研修などを実施している。
関西テレビの公表資料によれば、2025年10月にはハラスメント防止宣言を改定。社員や取引先を含め、会社に関わる人々が安心して働ける職場環境の実現を目指す姿勢を明確にした。
2025年度には社員やグループ会社、常駐スタッフなどを対象とするハラスメント実態調査も実施されている。その結果を踏まえ、相談・通報体制や関係規程の見直しが進められた。
2026年9月公表のガバナンス体制にも変化6月の社長会見以降も、ガバナンス改革は継続している。
2026年9月30日に公表された「民間放送ガバナンス指針」に基づく資料では、コンプライアンス委員会の開催頻度について、2026年6月の規程改定により原則月1回とする体制に変更したことが明らかになった。
同委員会は、コンプライアンスやリスクマネジメントに関する基本方針を決定する組織であり、全社リスク検討会議などとも連携する。
また、放送倫理会議も設置されており、番組制作上の課題や放送倫理について検証する仕組みが整備されている。
こうした取り組みは、単に社内ルールを増やすだけではなく、問題の早期発見と再発防止につなげるための改革と位置付けられる。
ただし、委員会の開催回数や規程の改定だけで信頼回復が完成するわけではない。通報後に適切な対応が行われるか、問題が発生した際に経営陣が責任を持って改善するかが、今後の評価を左右する。
【プロの結論】カンテレの再成長を左右する4つの重要な評価ポイント
今回の社長会見から読み取れるのは、カンテレが単なる広告収入の回復ではなく、事業構造そのものの転換を目指していることだ。
ただし、新しい中期経営計画が発表されたことと、実際に再成長を実現できることは別問題である。今後は次の4つの視点から経営改革の進捗を確認する必要がある。
1.広告収入はどこまで回復するのか最初の判断材料は、ネットタイム、ローカルタイム、スポットそれぞれの広告収入だ。
一部スポンサーの出稿が戻ったとしても、前年水準まで回復しているかどうかは別の問題である。特にネットタイムは全国ネットの系列構造と結び付いているため、フジテレビを含む系列全体の信頼回復が重要になる。
2.動画配信は継続的な利益を生み出せるか動画配信売上が過去最高になったことは明るい材料だが、今後は売上高だけでなく利益率や継続性を確認したい。
配信広告、番組販売、海外配信など、コンテンツを複数の販路で販売できれば、1つの番組から得られる収益機会を増やせる。
一方、制作費や配信関連費用が増えれば、売上が伸びても利益が残らない可能性がある。コンテンツ投資と収益性のバランスが重要になる。
3.ガバナンス改革は現場で機能しているかガバナンス改革の評価は、規程や委員会の存在だけで判断すべきではない。
社員や制作スタッフが安心して働けるか、内部通報が適切に処理されるか、問題発生時に再発防止策が実行されるかが重要だ。
放送局は視聴者や広告主だけでなく、制作会社、出演者、取引先など多くの関係者によって成り立っている。すべての関係者から信頼される組織づくりが求められる。
4.地上波以外の事業が本当の柱に育つか「Re:START カンテレ!」の成否を左右するのは、動画配信、ドラマ、アニメ、イベント、海外展開などが一過性の話題で終わらないことだ。
例えば『GTO』の海外配信や『千原ジュニアの座王』のフォーマット展開は、カンテレの制作力を国内外で収益化する可能性を持つ。
加えて、グループ会社が地域の課題解決に取り組む新規事業も重要になる。会見では、グループ会社の関西テレビライフが運営する「KTVスイミングパーク箕面」の開業についても説明された。これは、テレビ局が持つ企画力や地域ネットワークを放送以外の分野に生かす事例といえる。
放送事業を維持しながら新しい収益源を育てられるか。ここにカンテレの第二の創業の本質がある。
【カンテレ社長会見に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:カンテレの社長会見はいつ開催されましたか?
A1:2026年6月19日(金)17時から、大阪市北区の関西テレビ本社で開催されました。登壇者は岡宏幸代表取締役社長です。会見概要は6月23日に公式発表されました。
Q2:2025年度のカンテレの売上高はどれくらい減少しましたか?
A2:岡社長は前年比約6%減と説明しています。決算資料のカンテレ単体売上高は514億円余りで、実際の前期比は5.7%減です。放送収入は7.7%減となりました。
Q3:フジテレビ事案はカンテレにどのような影響を与えましたか?
A3:スポンサー企業の広告出稿見直しなどを通じて、ネットタイムやスポットを中心とする放送収入に影響しました。カンテレ側もフジテレビ事案が減収の大きな要因だったと説明しています。
Q4:動画配信の売上はどうなりましたか?
A4:2025年度の動画配信売上は過去最高を記録しました。TVerなどの見逃し配信、番組販売、イベント事業も堅調でした。ただし、動画配信単独の具体的な売上金額は会見概要では公表されていません。
Q5:「Re:START カンテレ!」とは何ですか?
A5:2026年度から2028年度までの3年間を対象とする中期経営計画です。地上波依存からの脱却、コンテンツの全国・海外展開、グループ再編と業務改革を通じて、カンテレグループの第二の創業を目指します。
Q6:カンテレは地上波放送を縮小する方針ですか?
A6:地上波放送を切り捨てる方針ではありません。岡社長は放送事業を引き続き中核事業と位置付け、シェア拡大も目指すと説明しています。そのうえで、動画配信やコンテンツ販売などの収益源を増やす考えです。
Q7:カンテレのガバナンス改革は進んでいますか?
A7:内部統制の再構築、内部通報窓口の充実、ハラスメント防止宣言の改定、研修などが進められています。2026年6月の規程改定では、コンプライアンス委員会を原則月1回開催する体制も整えられました。
2026年6月19日のカンテレ社長会見は、岡宏幸社長が就任から1年間の経営課題を総括し、次の成長段階に向けた方向性を示す重要な機会となった。
2025年度は、フジテレビ事案の影響を受け、単体売上高が5.7%減、放送収入が7.7%減となった。単体営業損益も赤字に転落し、従来の広告収入中心の経営モデルが抱えるリスクが明らかになった。
一方、動画配信売上は過去最高を記録し、番組販売やイベント事業にも成長の兆しがある。ドラマ『GTO』の世界配信、『千原ジュニアの座王』の海外展開、アニメ事業の強化など、新しい収益機会も具体化している。
中期経営計画「Re:START カンテレ!」が掲げるのは、地域に根差した放送局としての強みを維持しながら、コンテンツを国内外へ広げる新しいメディア企業への転換だ。
今後の評価で重要なのは、広告収入の回復、動画配信の収益化、ガバナンス改革の実効性、そして新規事業の継続的な成長である。
岡社長が掲げた「第二の創業」が本当に実現するかどうか。その答えは、2026年度から2028年度にかけての具体的な業績と、社会からの信頼をどこまで取り戻せるかにかかっている。
カンテレにとって、これからの3年間は単なる経営再建ではない。放送局の枠を超えた新しいコンテンツ企業へと生まれ変われるかを問われる、重要な転換期となりそうだ。
主な根拠資料: 関西テレビ公式の2026年6月社長会見概要、2025年度決算資料、2026年1月社長会見概要、2026年9月公表のガバナンス資料、および日刊スポーツの会見報道。