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【サナエトークンの違法性】金融庁の見解と国会答弁から見える法的問題

滑原 圭介 滑原 圭介 • 更新: • 公開: • 読了約 11 分
目次

サナエトークン問題で、最も重要な争点の一つが金融庁への登録義務だ。

「暗号資産を発行したこと自体が違法なのか」「無登録で販売したことが問題なのか」「詐欺に該当するのか」は、それぞれ異なる法律上の問題である。

金融庁が問題視する暗号資産交換業とは?

日本では、暗号資産の売買や交換、その媒介などを業として行う場合、資金決済法に基づく暗号資産交換業の登録が必要となる。

資金決済法第63条の2には、次の規定がある。

暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない。

重要なのは、自社が発行したトークンであっても、販売方法によって登録義務が生じる可能性があることだ。

2026年3月4日の衆議院財務金融委員会で、金融庁の政府参考人は次のような考え方を説明した。

- 自社発行の暗号資産であっても、日本の居住者に販売する場合は暗号資産交換業に該当し得る。
- 業として行っているかどうかは、反復継続性や対公衆性などを踏まえて判断する。
- 個別の事案については、実際の取引内容や運営実態を確認する必要がある。

つまり、トークンの名称を「コミュニティトークン」「インセンティブ」と呼んでも、それだけで金融規制を回避できるわけではない。

国会で明らかになった金融庁への相談件数

2026年6月10日の衆議院財務金融委員会では、サナエトークンをめぐる相談状況についても質問が行われた。

金融庁の政府参考人は、6月9日までに利用者相談室へ寄せられた相談について、次のように説明している。

項目 件数・内容
損失に言及した相談 5件
被害額の主張があった相談 3件
うち日本非居住者 1件

これは金融庁への相談件数であり、確定した被害者数や刑事事件の被害認定件数ではない。

同委員会では、金融庁が無登録営業の疑いがある事案を把握した場合、事業者への問い合わせなどによる実態把握を行い、必要に応じて業務停止の要請、警告、告発、警察との連携などを進める一般的な対応手順も説明された。

ただし、サナエトークンに関する個別の調査内容や具体的な対応状況については、回答が差し控えられている。

違法性が確定したのか?

2026年11月6日現在、公開されている国会答弁や行政発表から、サナエトークンの発行・販売について違法性が確定したと判断できる公的な結論は確認できない。

ここは誤解が多い。

次の3つは明確に区別しなければならない。

① 無登録の暗号資産交換業の問題

販売や交換、媒介などが登録を必要とする業務に該当したかどうかが争点になる。

② 詐欺罪の問題

詐欺罪の成立には、欺く行為や故意、財産の交付など、刑法上の構成要件を満たす必要がある。

価格が暴落したことや、補償が実施されたことだけで詐欺罪の成立が決まるわけではない。

③ 政治家の名前や肖像の利用に関する問題

本人の承認があったか、どのような表示や説明が行われていたかなど、金融規制とは別の観点から検討される問題だ。

したがって、サナエトークンをめぐる騒動を、現時点で「詐欺事件」と断定することも、「補償が終わったから完全に合法だった」と結論づけることも適切ではない。

2026年7月の法改正は何を意味する?

2026年7月15日には、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律が成立した。

金融庁は、暗号資産に関する制度整備を進め、投資者保護や市場の透明性を高める方針を示している。

この改正は、暗号資産市場に対する規制のあり方を見直す動きとして注目される。

ただし、改正法の成立によって、2026年2月から3月に発生したサナエトークンの個別行為について、違法性が自動的に確定するわけではない。

当時適用されていた法律と、実際の販売・勧誘行為の内容に基づく判断が必要になる。

【プロの結論】サナエトークン問題から学ぶべき5つの判断基準

サナエトークンとは溝口

サナエトークンの問題は、暗号資産の価格暴落だけで終わる話ではない。

政治家の知名度、著名起業家の影響力、Web3技術、コミュニティによる資金調達が組み合わさったことで、プロジェクトの信用と投資家の判断が密接に結びついた事例だ。

読者が同様のトラブルを避けるために、押さえておきたい判断基準は5つある。

1. 著名人の名前があることと本人公認は別

著名政治家や芸能人の名前、似顔絵、写真が使われていても、本人が承認しているとは限らない。

公式な声明や本人の発信を確認する必要がある。

2. 発行主体と実際の運営者を確認する

暗号資産のプロジェクトでは、発行主体、技術開発会社、マーケティング担当、資金管理者が異なる場合がある。

「誰が責任を負うのか」が明確でないプロジェクトには慎重になるべきだ。

3. 金融庁への登録状況を調べる

暗号資産交換業に該当する業務を行う場合、登録が必要になる。

ただし、トークンの発行主体と交換業者は必ずしも同一ではない。登録業者の有無だけでなく、販売や仲介を誰が担当しているのかも確認したい。

4. 価格ではなく流動性を見る

表示価格が高くても、実際に売却できるとは限らない。

特にDEX中心のトークンでは、次の情報が重要だ。

- 24時間の取引量
- 流動性プールの残高
- 実際の約定履歴
- 保有者の集中度
- トークンの発行・管理権限

5. 補償制度の条件を読む

返金や補償が発表されても、無条件で全額が戻るとは限らない。

対象となる保有数量、基準価格、申請期間、本人確認、権利放棄条項などを確認する必要がある。

サナエトークンでは、補償制度が設けられた一方で、申請期限とUSDCの受取期限が別々に設定されていた。

この違いを理解していなければ、期限内に必要な手続きを終えられない可能性がある。

【サナエトークンとは溝口】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:サナエトークンとは何ですか?

A1:2026年2月25日にNoBorder DAOがSolanaブロックチェーン上で発行した暗号資産です。Japan is Backプロジェクトのインセンティブトークンとして企画されました。高市早苗首相の名前を冠していたことから大きな注目を集めました。

Q2:サナエトークンと溝口勇児氏はどのような関係ですか?

A2:溝口勇児氏はNoBorderの中心人物であり、サナエトークンの企画・運営をめぐる騒動で説明と謝罪を行った人物です。発行主体として案内されたのはNoBorder DAOであり、溝口氏個人が単独名義で発行したという整理ではありません。

Q3:高市早苗首相はサナエトークンを公認していたのですか?

A3:高市氏本人は2026年3月2日に関与を否定し、6月22日の衆議院予算委員会でも発行・取引を承認していないと答弁しています。事務所とNoBorder側に過去の連絡があったことと、暗号資産の発行を承認したことは区別する必要があります。

Q4:サナエトークンの返金・補償は終了しましたか?

A4:補償サイトでの通常の受取手続きは2026年9月30日に終了しました。USDCによる補償は段階的に実施され、8月27日時点では補償原資の約88.7%が送金済みと報告されています。未受取の場合は、補償サイトに案内された個別問い合わせ窓口を確認してください。

Q5:2026年11月現在、サナエトークンに価値はありますか?

A5:DEXの情報サービスでは価格が表示されています。ただし、24時間の取引量がほぼゼロとなるサービスもあり、表示価格で保有数量を売却できる保証はありません。市場価格と実際の換金可能額は別に考える必要があります。

Q6:サナエトークンの発行は違法だったのですか?

A6:暗号資産交換業の登録義務に該当する行為があったかどうかが法的な争点です。金融庁は一般的な登録要件を説明していますが、公開された情報からは、この個別案件について違法性が確定したとは判断できません。

サナエトークンは、溝口勇児氏が関わるNoBorder DAOによって2026年2月25日に発行された暗号資産だ。

Japan is Backプロジェクトを通じて政治参加を促進する構想だったが、高市早苗首相が関与を否定したことで、発行主体と政治関係者の認識の違いが表面化した。

その後、溝口氏とNoBorder側は謝罪し、3月5日にプロジェクト中止を発表。保有者へのUSDC補償も実施され、9月30日には通常の受取手続きが終了した。

2026年11月現在、押さえておくべき要点は次の3つだ。

1. 政治的な関与の問題: 高市首相は発行・取引の承認を否定している。事前の連絡や説明内容については双方の認識に違いが残る。
2. 経済的な問題: 補償は相当程度進んだものの、トークンの市場価格や流動性は低水準で、表示価格が換金価値を保証するものではない。
3. 法的な問題: 無登録暗号資産交換業に該当するかなどが争点となっており、補償の実施と法的責任の判断は別問題である。

この騒動から見えてくるのは、Web3プロジェクトにおいて、技術的な新しさや著名人との接点だけでは信頼を確保できないという現実だ。

発行主体の明確化、情報開示、法令遵守、利用者への説明責任。この4つが欠ければ、社会的な目的を掲げたプロジェクトであっても、短期間で信用を失う可能性がある。

サナエトークン問題は、暗号資産の投資リスクだけでなく、政治と民間プロジェクトの距離、そして新しい金融サービスに求められる責任を考えるうえで、2026年を象徴する事例の一つとなっている。

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コンテンツディレクター 滑原 圭介
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旅行・観光を担当。現地の公式観光資料と営業情報を確認してから記事にします。

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