「まともな人は子供を作らない」という言葉が、子育てにかかる経済的負担や仕事との両立、将来への不安を背景に議論されています。子供を持たない選択は、本当に合理的なのでしょうか。それとも、少子化が進む日本社会の問題を個人の価値観に置き換えた言説なのでしょうか。
2026年9月30日に公表された厚生労働省の2025年人口動態統計(確定数)によると、出生数は67万1,270人、合計特殊出生率は1.14となり、いずれも過去最低を更新しました。一方、国立社会保障・人口問題研究所が2026年9月に公表した最新の出生動向基本調査では、子供を持つことへの意識や、経済的・心理的な負担について興味深い実態が明らかになっています。
【問題の核心】「まともな人は子供を作らない」と言われる5つの理由

この言説の背景には、子供を育てることに伴う責任の重さがあります。
子供を持つことは、単に家族が増えるという話ではありません。長期的な経済計画、生活時間の再配分、教育環境の確保、親としての責任など、人生全体に関わる選択です。
そのため、将来の見通しを慎重に考えた結果、子供を持たないと決める人もいます。
1. 経済的な余裕がなければ子供を育てられない子育てには、出産費用だけでなく、食費、衣服代、医療費、保育料、教育費、住居費など、長期間にわたる支出が伴います。
特に大きいのが教育費です。
文部科学省の令和5年度子供の学習費調査(2026年1月訂正版)では、年間の学習費総額は公立小学校で約36万7,000円、公立中学校で約54万2,000円、公立高校で約59万7,000円となっています。
これは学校教育費や給食費、学校外活動費などを合計した数字であり、生活費や保育費、大学進学費用などは別に考える必要があります。
経済的な余裕がない状態で子供を持つことに不安を感じるのは、決して不自然ではありません。
むしろ、子供に十分な生活環境や教育機会を与えたいと考えるからこそ、出産を慎重に判断する人もいます。
2. 仕事と育児を両立できる自信がない共働き世帯にとって、育児と仕事の両立は大きな課題です。
保育園の送迎、子供の急な発熱、学校行事、習い事への対応など、仕事以外に必要な時間は少なくありません。
特に、夫婦のどちらか一方に家事や育児が集中すると、キャリア形成や収入に影響する可能性があります。
女性の場合、出産による身体的負担もあります。男性も育児休業や働き方の変更を求められることがあり、家庭だけでなく職場環境も関係します。
仕事を続けながら子育てできる環境が整っていなければ、子供を持つことに慎重になるのは自然な反応です。
3. 自分の人生や自由な時間を大切にしたい子供を持たない人の中には、仕事、趣味、旅行、友人関係、自己投資などを優先したい人もいます。
子供がいる生活には喜びがある一方、生活時間や行動の自由が制限される場面もあります。
自分の人生をどのように使いたいかは、人によって異なります。
誰かの期待に応えるために親になるのではなく、自分が望む人生を主体的に選びたいという考え方も、子供を持たない理由の一つです。
4. 親になる責任の重さを理解している子供を持つということは、子供が成人するまで、あるいは成人した後も親として関わる可能性があるということです。
経済的な責任だけでなく、精神的なサポートや教育、健康、安全など、多くのことを考えなければなりません。
自分自身の精神状態や生活環境を考え、今は親になるべきではないと判断する人もいます。
ただし、親になることへの不安があるからといって、必ずしも子供を持つべきではないわけではありません。準備や周囲の支援によって状況が変わる場合もあります。
5. 社会や将来に対する不安が大きい将来の経済状況、物価、雇用、住宅事情、社会保障、災害、環境問題などを不安視する人もいます。
子供が成人するまでには長い年月が必要です。
その間に社会がどう変化するかを完全に予測することはできません。
だからこそ、将来の生活を慎重に考え、子供を持たない選択をする人がいるのです。
重要なのは、こうした理由が必ずしも全員に当てはまるわけではないことです。
「子供を作らない人には共通した性格がある」という考え方には、客観的な根拠がありません。
【2026年最新データ】出生数67万1,270人・合計特殊出生率1.14が示す現実
日本の少子化を考えるうえで、まず確認したいのが厚生労働省の人口動態統計です。
2025年の出生数は、前年の68万6,173人から1万4,903人減少しました。減少率は2.2%です。
合計特殊出生率も1.14となり、前年から0.01ポイント低下しました。出生数、合計特殊出生率ともに10年連続の低下で、過去最低を記録しています。
2025年の出生数と少子化に関する主要データ出典:厚生労働省「2025年人口動態統計」、国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査」。調査対象や集計条件は各統計で異なる。
合計特殊出生率1.14は何を意味する?合計特殊出生率とは、その年の年齢別出生率を合計した指標です。
一般的には、1人の女性が一生の間に産む子供の数に相当する水準として説明されます。
ただし、1.14という数字は、現在の女性全員が実際に1.14人の子供を産むという意味ではありません。各年齢の出生率を基に算出する期間指標であり、個人の将来の出産人数を予測したものではないのです。
また、出生数と出生率は別の指標です。
出生数は実際に生まれた子供の人数、合計特殊出生率は年齢別の出生状況を示します。若い世代の人口そのものが減少していることも、出生数の減少に関係します。
つまり、少子化を出生意欲だけの問題として捉えることはできません。
2026年に注目すべき最新の意識調査さらに重要なのが、国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査です。
2025年6月に実施されたこの調査は、2026年9月11日に結果が公表されました。独身者6,756人、夫婦5,024組の有効回答を基に、結婚や出産に関する意識を分析しています。
特に注目したいのは、次の3点です。
- 18~34歳の未婚者で、いずれ結婚するつもりと回答した割合は男性75.1%、女性77.8%。
- 未婚者の希望子ども数は男性1.30人、女性1.36人(一生結婚するつもりがない人も含む)。
- 夫婦の平均理想子ども数は2.18人、平均予定子ども数は1.95人。
加えて、未婚男女の約6人に1人は、結婚しても子供を望まないと回答しています。
ここから見えてくるのは、結婚と出産を必ずしもセットで考えない価値観が広がっていることです。
【実態を検証】子供を持たない夫婦が増える理由と選択的子なしの考え方
「結婚したら子供を持つのが普通」という価値観は、以前よりも弱まっています。
結婚生活と子育てを別々の選択として考える夫婦もいます。
こうした生き方は、一般的に「選択的子なし」と呼ばれます。
選択的子なしとは?選択的子なしとは、夫婦やパートナーが話し合い、意識的に子供を持たない人生を選ぶことです。
子供が欲しくても経済的な理由などから持てない場合とは、区別して考える必要があります。
選択的子なしを選ぶ理由には、次のようなものがあります。
- 夫婦2人の生活を大切にしたい
- 経済的な自由を維持したい
- 仕事やキャリアを優先したい
- 趣味や旅行など、自分たちの時間を確保したい
- 親になることを望んでいない
- 育児や教育に伴う責任を引き受ける生活を希望しない
- 健康上の事情や家族環境を考慮したい
これらは優劣をつけられるものではありません。
また、子供を持たない夫婦が必ずしも子供嫌いというわけでもありません。
子供と接することが好きでも、自分が親になることは望まないという人もいます。
子供を持たない人に共通する特徴はある?「子供を産まない人の特徴」という検索もありますが、子供を持たない人に共通する性格や人格的特徴が存在するわけではありません。
あえて価値観や判断の傾向を整理するなら、次のようなものが挙げられます。
自分の価値観を優先する人
結婚や出産を周囲からの期待で決めず、自分自身が望む生活を大切にします。
将来の生活設計を重視する人
老後の資金、住宅、仕事、生活水準などを考え、長期的な計画を立てます。
夫婦の合意を大切にする人
どちらか一方の希望だけで子供を持つのではなく、双方の考えを尊重します。
自由や自己実現を重視する人
仕事、趣味、学習、社会活動など、子育て以外の人生の目標を持っています。
ただし、これらは子供を持たない人だけに見られる特徴ではありません。子供を持つ人にも同じような価値観を持つ人はいます。
子なし人生のメリット子供を持たない人生には、具体的なメリットがあります。
- 子育てにかかる費用を別の目的に使える
- 仕事やキャリアの選択肢を維持しやすい
- 自分の時間を確保しやすい
- 住居や生活拠点を柔軟に選べる
- 夫婦2人の時間を大切にできる
- 育児に伴う精神的・身体的負担がない
特に経済面では、教育費や養育費を長期間負担しないことが大きな違いになります。
その分、住宅購入、資産形成、趣味、旅行、自己投資などにお金を振り分けられます。
子なし人生のデメリット一方、子供を持たない人生にも考えておきたい点があります。
- 親子関係を築く経験は得られない
- 周囲の家族観との違いから心理的な負担を感じる場合がある
- 年齢を重ねたときの生活支援について自分で準備する必要がある
- 夫婦の価値観が変わった場合、意見の違いが生じる可能性がある
- 選択した時点では想像できなかった気持ちの変化が起こる場合がある
ただし、子供がいれば老後が必ず安心できるわけではありません。
子供の有無にかかわらず、老後の資金、住まい、医療、介護、地域とのつながりを考えておくことが大切です。
子なし人生が幸せかどうかは、本人がその人生を望んでいるか、将来に向けた準備ができているかによっても変わります。
【数字で判明】子育て費用・仕事・育児負担が出産を難しくする現実
「まともな人は子供を作らない」という言説を理解するには、個人の価値観だけでなく、実際に子育てを取り巻く環境を確認する必要があります。
第17回出生動向基本調査では、理想の子供数を実現できない理由についても調査されています。
最大の理由は子育てと教育にかかるお金国立社会保障・人口問題研究所の調査で、理想の数の子供を持たない理由として最も多かったのは、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」の52.9%でした。
加えて、妻の年齢が35歳未満の夫婦では、この割合が73.3%に達しています。
若い世代ほど、経済的な事情が子供の人数を決めるうえで大きな障壁になっていることが分かります。
また、3番目に多かった理由は「これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから」であり、前回調査から選択率が大きく上昇しました。
この結果は重要です。
子供が欲しくないという人だけでなく、子供が欲しくても希望する人数を持てない夫婦がいることを示しているからです。
仕事を続ける女性は増えたが、両立の課題は残る一方、働きながら子育てをする女性の割合には改善が見られます。
第17回出生動向基本調査によると、2020~2024年に第1子を出産した妻の就業継続率は80.5%に上昇しました。
そのうち、就業継続者の82.4%が育児休業制度を利用しています。
また、2020年以降に生まれた子供の子育てでは、日常的に育児をする夫の割合が5割を超えました。
これは、共働きと子育ての両立が以前より進んでいることを示す数字です。
ただし、制度を利用できることと、実際に負担が公平に分担されることは同じではありません。
育児休業からの復帰後の働き方、時短勤務による収入減、保育園への送迎、子供の病気への対応など、日常的な課題は残ります。
制度が存在していても、職場の理解や人員体制が不十分なら、利用をためらう人もいます。
不妊や年齢の問題も無視できない出産を希望していても、医学的・身体的な事情から実現できない場合があります。
第17回出生動向基本調査では、不妊について心配したことがある夫婦は42.1%でした。
また、不妊の検査や治療を受けた経験のある夫婦は22.8%で、およそ4.4組に1組に相当します。
つまり、子供がいない夫婦をすべて「子供を持たないと決めた人」と考えるのは間違いです。
自ら選んだ場合と、望んでも実現できなかった場合では、背景も心理的な状況も異なります。
この違いを理解せずに、子供を持たない人の特徴を一括りにすることはできません。
【少子化の社会的背景】なぜ日本では子供を持たない選択が広がっているのか
日本の少子化は、個人の価値観だけでは説明できません。
結婚する人の割合、初婚年齢、雇用環境、所得、住宅事情、育児支援など、複数の要因が重なっています。
結婚すること自体を希望しない人が増加日本の出生動向を考えるうえで、結婚に対する意識の変化は重要です。
第17回出生動向基本調査では、18~34歳の未婚者のうち「一生結婚するつもりはない」と回答した割合が、男性24.0%、女性21.5%となりました。
前回調査では男性17.3%、女性14.6%だったため、いずれも大きく上昇しています。
結婚を希望する人でも、経済的な事情や適当な相手がいないことなどから、結婚に踏み切れない場合があります。
結婚をしない人が増えれば、結果として出生数にも影響します。
結婚しても子供を持たない夫婦がいる結婚と出産を切り離して考える価値観も広がっています。
最新調査では、夫婦の平均理想子ども数は2.18人、平均予定子ども数は1.95人でした。
予定子ども数が0人、つまり子供を持たないと回答した夫婦の割合は7.1%です。
また、結婚して15~19年が経過した夫婦の最終的な出生子ども数は平均1.86人で、子供がいない夫婦は約1割となっています。
ここから分かるのは、結婚しているからといって、必ず子供を持つとは限らないことです。
夫婦の生活設計や価値観を尊重することが、これからの家族のあり方を考えるうえで重要になります。
晩婚化によって希望する子供の人数を実現できない結婚する年齢も出生動向に関係しています。
第17回出生動向基本調査では、妻の初婚年齢が30歳以上の夫婦で、結婚当時に予定していた子供の人数を実現できなかった割合は47.4%でした。
結婚当初は子供を2人以上持ちたいと考えていても、年齢や身体的な事情、経済的な状況などによって、予定を変更せざるを得ないケースがあります。
これは、少子化を考える際に見落とされがちなポイントです。
最初から子供を望んでいない人だけでなく、希望を実現できなかった人も少なくありません。
2026年の少子化対策は十分なのか政府は「こども未来戦略」を通じて、子育て世帯への経済支援や仕事と育児の両立支援を進めています。
代表的な施策は次のとおりです。
- 児童手当の所得制限撤廃
- 支給対象を高校生年代まで延長
- 第3子以降の児童手当を月額3万円に拡充
- 出産・妊娠に伴う経済的支援
- 男性の育児休業取得促進
- 育児時短就業給付などの支援
- 多子世帯の大学授業料・入学金の負担軽減
加えて、子ども・子育て支援金制度は2026年度に創設され、2028年度まで段階的に導入される予定です。医療保険料とあわせて拠出する仕組みとなっています。
ただし、支援制度が増えれば直ちに出生数が回復するわけではありません。
出産や育児を希望する人にとって、重要なのは一時的な給付だけではなく、安定した雇用、十分な所得、住宅環境、保育サービス、育児を分担できる職場や家庭の仕組みです。
少子化対策の効果は、こうした生活基盤がどこまで改善するかによっても左右されます。
【プロの結論】子供を作らないことは合理的なのか?後悔しないための判断基準
ここまでの統計や社会背景を踏まえると、「まともな人は子供を作らない」という言葉には、現実の問題を反映した部分と、極端な一般化になっている部分があります。
子供を持たないという選択が合理的になる人は確かにいます。
一方で、子供を持つことが自分たちにとって望ましい人生だと考え、十分な準備をして親になる人もいます。
どちらか一方を正解とすることはできません。
子供を持たない選択が向いている人次のような考え方を持っている人には、子供を持たない生活が合う可能性があります。
- 自分の人生において仕事や趣味を優先したい
- 親になることを積極的に望んでいない
- パートナーと子供を持たないことで合意している
- 夫婦2人の生活に十分な満足感がある
- 子育て以外の人生設計を具体的に考えている
大切なのは、世間の評価ではなく、自分自身がその生活を望んでいるかどうかです。
子供を持つことを前向きに検討できる人反対に、次のような人は、子供を持つ人生について具体的に検討する価値があります。
- 自分自身が子供を育てたいと感じている
- パートナーと子育てに関する価値観を共有できている
- 経済面や生活面の準備を進められる
- 育児の負担を夫婦や周囲で分担できる
- 必要な公的支援や地域サービスを利用できる
もちろん、すべての条件が整っていなければ親になれないという意味ではありません。
実際の子育てには予想外の出来事もあります。大切なのは、困難を一人で抱え込最初に、周囲の支援を受けながら子供を育てられる環境をつくることです。
本当に考えるべきなのは「子供を持つべきか」ではない少子化が進んでいるからといって、個人に出産を義務づけることはできません。
子供を持たない人生を選ぶ自由も、子供を持つ人生を選ぶ自由も尊重されるべきです。
社会が向き合うべきなのは、子供を望んでいるのに、経済的な理由や仕事、育児負担によって諦めざるを得ない人がいるという現実です。
子供を持たない自由を守ることと、子供を持ちたい人を支援することは、決して矛盾しません。
この2つを同時に実現できる社会こそ、少子化問題に向き合ううえで必要な方向性です。
【よくある質問】「まともな人は子供を作らない」に関するFAQ
Q1:まともな人は本当に子供を作らないのでしょうか?
「まともな人」の定義は人によって異なり、子供を持つかどうかで人格や判断力を評価することはできません。経済的な事情や価値観から子供を持たない選択をする人もいれば、子供を育てることに幸せを感じる人もいます。どちらも尊重されるべき選択です。
Q2:子供を持たない夫婦は珍しいのでしょうか?
珍しいとは言い切れません。2025年の第17回出生動向基本調査では、夫婦の予定子ども数が0人の割合は7.1%でした。また、結婚15~19年の夫婦では、子供がいない夫婦が約1割となっています。
Q3:子供を産まない人には共通する特徴がありますか?
特定の性格や人格的特徴はありません。経済的な事情、仕事、自由な時間の確保、健康上の理由、夫婦の価値観など、背景はさまざまです。本人が望んで選択している場合もあれば、子供を望みながら持てなかった場合もあります。
Q4:子供を持たない人生にはメリットしかないのでしょうか?
メリットだけではありません。経済的自由や時間の確保といった利点がある一方、親子関係を築く経験がないことや、将来の生活支援を自分で準備する必要があることなども考えられます。どのような人生を望むかによって評価は変わります。
Q5:2026年の日本の出生数と合計特殊出生率はいくつですか?
2026年11月5日時点で確認できる2025年の確定数は、出生数67万1,270人、合計特殊出生率1.14です。いずれも過去最低となりました。これは2025年の統計であり、2026年の年間出生数ではありません。
Q6:少子化の最大の原因は経済的な問題ですか?
経済的な問題は大きな要因の一つです。2025年の出生動向基本調査では、理想の子供数を持たない理由として52.9%が子育てや教育にかかる費用を挙げています。ただし、結婚する人の減少、晩婚化、育児負担、不妊なども関係しており、単一の原因では説明できません。
「まともな人は子供を作らない」という言葉は、経済的不安や育児負担、将来への不透明感を背景に生まれた考え方の一つです。
2025年の出生数は67万1,270人、合計特殊出生率は1.14。2026年に公表された最新の出生動向基本調査でも、子育てや教育にかかる費用、心理的・肉体的な負担が、希望する子供の人数を実現できない理由になっていることが明らかになりました。
一方、子供を持つことに幸せや生きがいを感じる人もいます。親になることも、子供を持たないことも、本人の価値観に基づいて決めるべき問題です。
本当に問われるべきなのは、子供を持たない人が正しいか、持つ人が正しいかという議論ではありません。
子供を望む人が経済的な事情や仕事、育児負担を理由に諦めなくてよい社会になっているか。
そして、子供を持たない人も周囲から不必要な干渉を受けず、自分の人生を安心して選べる社会になっているか。
少子化問題の本質は、個人の選択を責めることではなく、誰もが自分の望む人生を実現できる環境を整えることにあります。