2026年現在も、日本野球の歴史に残る名勝負として語り継がれているのが、2023年3月に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)です。侍ジャパンは全7試合を戦って7戦全勝。準決勝ではメキシコに6対5で劇的な逆転サヨナラ勝ちを収め、決勝ではアメリカを3対2で破り、3大会ぶり3度目の世界一に輝きました。
大会最大の見どころは、村上宗隆のサヨナラ打だけではありません。決勝の最終回、大谷翔平がチームメートでもあったマイク・トラウトと対戦し、最後の打者として三振に仕留めた場面も、WBC史に残る象徴的な瞬間となりました。ここでは侍ジャパン公式サイト、WBC大会公式記録、MLBの試合レポートをもとに、全試合結果、日程、代表メンバー、優勝までの経緯を振り返ります。
【2023年WBC速報】侍ジャパンが世界一を獲得した大会の全貌

2023年のWBCは、3月8日から21日まで開催された国際野球大会です。日本代表は栗山英樹監督のもと、東京ドームでの1次ラウンドからアメリカ・マイアミでの決勝まで勝ち進みました。
日本が所属したのはプールB。対戦相手は中国、韓国、チェコ、オーストラリアの4か国でした。日本は初戦から4連勝し、プールBを1位で通過。準々決勝のイタリア戦にも勝利すると、決勝ラウンドではメキシコ、アメリカという強豪を連破しました。
大会を通じて特に目立ったのは、投打の両面で活躍した大谷翔平、勝負どころで長打を放った村上宗隆と吉田正尚、そしてラーズ・ヌートバーらの存在です。国内組とメジャーリーグで活躍する選手が一体となり、攻守のバランスが取れたチームを形成しました。
侍ジャパンにとって今回の優勝は、2009年以来14年ぶりの世界一でした。過去2大会の優勝に続く3度目の頂点であり、日本がWBCで複数回優勝した唯一の国となった大会でもあります。
【全試合結果・日程一覧】WBC 2023で日本代表はどう勝ち進んだ?
侍ジャパンの全7試合の結果を、日程と対戦相手、試合の注目ポイントに分けて整理しました。以下の日付は日本時間です。アメリカ開催の準決勝・決勝は、現地時間ではそれぞれ3月20日、3月21日に行われています。
| 日程(日本時間) | ラウンド・対戦相手 | 試合結果 | 主な注目ポイント |
|---|---|---|---|
| 3月9日 | 1次ラウンド・中国 | 8対1 ○ | 大谷翔平の投打にわたる活躍で白星発進 |
| 3月10日 | 1次ラウンド・韓国 | 13対4 ○ | 打線が爆発し、宿敵に大勝 |
| 3月11日 | 1次ラウンド・チェコ | 10対2 ○ | 佐々木朗希が8奪三振の好投 |
| 3月12日 | 1次ラウンド・オーストラリア | 7対1 ○ | 大谷翔平の先制3ランで全勝突破 |
| 3月16日 | 準々決勝・イタリア | 9対3 ○ | 岡本和真が5打点を記録 |
| 3月21日 | 準決勝・メキシコ | 6対5 ○ | 村上宗隆の逆転サヨナラ二塁打 |
| 3月22日 | 決勝・アメリカ | 3対2 ○ | 大谷翔平がマイク・トラウトを三振に仕留める |
最終成績は7勝0敗。1次ラウンドの4連勝に加え、準々決勝、準決勝、決勝でも勝利を収めました。
1次ラウンド:中国・韓国・チェコ・オーストラリアに4連勝3月9日の中国戦は8対1。大谷翔平が先発し、投打の両面で存在感を発揮しました。ラーズ・ヌートバーの全力プレーなどもチームの勢いを生み、初戦を白星で飾っています。
翌10日の韓国戦では13対4と大勝。3回に韓国に先制される苦しい展開から、日本が同じ3回に4点を奪って逆転しました。その後も得点を重ね、打線の厚みを見せつけました。
11日のチェコ戦は10対2。先発した佐々木朗希が8奪三振を記録し、投手陣の力を示しました。12日のオーストラリア戦では大谷翔平が1回に先制3ランを放ち、7対1で勝利。日本は4戦全勝でプールBの首位通過を決めました。
準々決勝・イタリア戦は9対3で突破3月16日のイタリア戦では、日本が9対3で勝利しました。
注目されたのは、大谷翔平が見せた意表を突くセーフティーバントです。強打者として警戒される大谷が小技を繰り出したことで、イタリアの守備にプレッシャーを与えました。
さらに岡本和真が5打点を挙げる活躍を見せ、日本の攻撃をけん引。5大会連続の準決勝進出を決めました。
【日本対メキシコ準決勝6対5】村上宗隆のサヨナラ打が生まれた9回裏
2023年3月21日、日本時間で行われた準決勝のメキシコ戦は、侍ジャパンの大会を象徴する試合となりました。結果は日本の6対5。最終回までリードを許す展開から、最後の攻撃で逆転する劇的な勝利でした。
4回にメキシコが3点を先制日本の先発は佐々木朗希。序盤は両チームとも得点できない状況が続きましたが、4回にメキシコのルイス・ウリアスが3ラン本塁打を放ち、日本は0対3とリードを許しました。
日本にとって厳しかったのは、相手の好守もあって得点の糸口をつかめなかったことです。メキシコは守備でも日本の攻撃を抑え、試合の主導権を握っていました。
吉田正尚の同点3ラン、しかしメキシコが再びリード試合が動いたのは7回です。日本は吉田正尚の3ラン本塁打で3対3の同点に追いつきました。
しかし、メキシコも簡単には引き下がりません。8回にアレックス・ベルドゥーゴの適時二塁打などで2点を挙げ、日本は再び4対5と追い込まれます。
9回裏を迎えた時点で日本は1点ビハインド。決勝進出のためには、最低でも1点を取り返す必要がありました。
大谷翔平の二塁打から村上宗隆が逆転サヨナラ9回裏、先頭打者の大谷翔平が初球を右中間へ運び、二塁打で出塁しました。続く吉田正尚も四球を選び、一、二塁のチャンスを作ります。
吉田の代走には周東佑京が送られ、打席には村上宗隆。ここまで苦しんでいた村上にとって、大きな意味を持つ打席でした。
村上はメキシコの投手ジョバンニ・ガジェゴスが投じた球を左中間へ打ち返します。打球はフェンスに到達する二塁打となり、大谷と周東が相次いでホームイン。日本が6対5で逆転サヨナラ勝ちを収めました。
この一打は本塁打ではなく、2人の走者を生還させたサヨナラ二塁打です。侍ジャパン公式サイトとMLBの試合レポートも、この劇的な逆転劇を大会の大きなハイライトとして記録しています。
大谷の出塁、吉田の四球、周東の代走、そして村上の長打。個々の選手の能力だけでなく、チーム全体でつないだ攻撃が生んだ勝利でした。
【日本対アメリカ決勝3対2】大谷翔平とマイク・トラウトの最終打席
準決勝の翌日、2023年3月22日(日本時間)、侍ジャパンはローンデポ・パークでアメリカとの決勝に臨みました。相手は前回大会の優勝国であり、メジャーリーグを代表するスター選手をそろえた強豪です。
日本はアメリカを3対2で破り、14年ぶり3度目のWBC優勝を達成しました。
村上宗隆と岡本和真の本塁打で3得点試合は2回に動きました。アメリカはトレイ・ターナーのソロ本塁打で先制します。
その裏、日本は村上宗隆がメリル・ケリーから同点ソロ本塁打を放ち、試合を振り出しに戻しました。さらにラーズ・ヌートバーの内野ゴロの間に岡本和真が生還し、日本が2対1と逆転します。
4回には岡本和真がソロ本塁打を放ち、3対1とリードを広げました。
その後は投手戦となりましたが、8回にカイル・シュワーバーがダルビッシュ有からソロ本塁打を放ち、アメリカが1点差に迫ります。試合は3対2のまま最終回へ進みました。
9回裏ではなく9回表、大谷翔平がマウンドへ優勝が決まったのは9回表です。日本は大谷翔平を抑えとして投入しました。大谷は打者として出場しながら、投手としても最後のアウトを取りにいく役割を担っていました。
先頭のジェフ・マクニールには四球を与えましたが、その後の打者を併殺打に仕留め、2アウトを奪います。
そして最後の打者として打席に立ったのが、アメリカ代表の主将マイク・トラウトでした。
大谷翔平対マイク・トラウト、フルカウントからの決着この対決が特別だった理由は、2人がMLBのロサンゼルス・エンゼルスでチームメートだったことです。世界を代表するスター選手同士が、世界一を決める最後の打席で対戦するという、野球ファンが待ち望んだ場面が実現しました。
大谷はトラウトとの勝負でフルカウントまで持ち込み、最後は87.2マイルのスイーパーを投じました。トラウトが空振りし、三振で試合終了。日本の3対2の勝利と3度目の世界一が決まりました。
大谷がグラブと帽子を投げて喜びを表現した姿は、世界中に配信されました。投手として最後を締めくくり、打者としてもチームを支えた大谷は、大会MVPにも選出されています。
なお、この決勝での最後の対決は単なるスター選手同士の名勝負ではありません。大谷の投球、トラウトの対応、そして日本の守備が重なった結果、最後のアウトが生まれたのです。
【WBC 2023日本代表メンバー】栗山英樹監督と30人の侍ジャパン
2023年の侍ジャパンは、栗山英樹監督が率いた30人の選手で構成されていました。NPBで実績を積んだ選手とMLBで活躍する選手が融合したチーム編成が特徴です。
投手陣15人- ダルビッシュ有
- 戸郷翔征
- 松井裕樹
- 佐々木朗希
- 大勢
- 大谷翔平
- 伊藤大海
- 山本由伸
- 今永昇太
- 湯浅京己
- 宇田川優希
- 髙橋宏斗
- 宮城大弥
- 高橋奎二
- 山﨑颯一郎
- 甲斐拓也
- 大城卓三
- 中村悠平
- 山田哲人
- 源田壮亮
- 牧秀悟
- 牧原大成
- 中野拓夢
- 岡本和真
- 山川穂高
- 村上宗隆
- 近藤健介
- 周東佑京
- ラーズ・ヌートバー
- 吉田正尚
今回の優勝は、大谷翔平だけで実現したものではありません。各選手が異なる役割を果たし、試合の局面に応じて結果を残したことが重要でした。
- 栗山英樹:監督として代表チームを指揮。投打の戦力を組み合わせたチーム編成を担った。
- 大谷翔平:投手・打者の二刀流で活躍。大会MVPとベストナインの投手・指名打者部門に選出。
- 村上宗隆:メキシコ戦のサヨナラ二塁打と決勝の本塁打で重要な役割を果たした。
- 吉田正尚:メキシコ戦の同点3ランなど、勝負どころで打線を支えた。ベストナインの外野手部門にも選出。
- 岡本和真:イタリア戦で5打点を記録。アメリカとの決勝でも本塁打を放った。
- ラーズ・ヌートバー:外野守備と打撃、走塁でチームに貢献。日本代表に新たな国際的な注目を集めた。
- ダルビッシュ有:経験豊富な投手として若手選手とともに投手陣を支え、決勝でも登板した。
- 佐々木朗希:チェコ戦で8奪三振を記録。メキシコ戦でも先発を務めた。
特に大谷、村上、吉田、岡本の4選手は、準決勝と決勝でそれぞれ異なる形の見せ場を作りました。スター選手だけに注目するのではなく、投手リレーや守備、代走を含む選手起用にも目を向けると、チームとしての完成度がより鮮明になります。
【WBC 2023最終順位】侍ジャパン7戦全勝と3度目の優勝の意味
大会終了時の公式記録では、日本が1位、アメリカが2位となりました。日本は全7試合で敗戦がなく、2006年、2009年に続く3度目の優勝を達成しています。
MLBの大会記録によると、日本は大会を通じて無敗を維持し、通算のWBC優勝回数を3回に伸ばしました。大谷翔平はMVPに選出され、吉田正尚もベストナインに名を連ねています。
なぜ侍ジャパンは7戦全勝できたのか優勝の要因は、大きく3つに整理できます。
1つ目は、投手陣の層の厚さです。大谷翔平、ダルビッシュ有、山本由伸、佐々木朗希、今永昇太など、異なる特徴を持つ投手をそろえ、試合ごとに適切な投手起用ができました。
2つ目は、打線の多様性です。大谷や村上の長打力だけでなく、近藤健介の出塁、ヌートバーの走塁、吉田や岡本の勝負強さなど、さまざまな形で得点につなげられる構成でした。
3つ目は、試合終盤の対応力です。メキシコ戦では9回に逆転し、アメリカ戦では1点差を守り切りました。勝負の分かれ目で選手が役割を果たしたことが、7戦全勝という結果につながりました。
ネット上で混同されやすい3つのポイント2023年WBCの記録を振り返る際には、次の点を区別しておく必要があります。
- 決勝の日付:アメリカ現地時間では3月21日、日本時間では3月22日。時差によって日付が異なる。
- 村上宗隆のサヨナラ打:メキシコ戦の決勝打はサヨナラ本塁打ではなく、2点を生んだサヨナラ二塁打。
- 侍ジャパンの7戦全勝:1次ラウンドの4勝だけではなく、準々決勝・準決勝・決勝の3勝を含めた合計7勝。
また、最終順位として公式に掲載されている日本1位、アメリカ2位という記録と、1次ラウンドのプールB順位は別のものです。日本はプールBでも1位でしたが、大会全体の優勝順位は決勝の結果によって確定しています。
【よくある質問】WBC 2023速報に関するFAQ
Q1:2023年WBCで日本は何勝何敗でしたか?
A1:7勝0敗です。中国、韓国、チェコ、オーストラリア、イタリア、メキシコ、アメリカの7チームに勝利しました。
Q2:日本対メキシコの準決勝は何対何でしたか?
A2:日本が6対5で勝利しました。9回裏に大谷翔平が二塁打で出塁し、吉田正尚の四球と周東佑京の代走を経て、村上宗隆が逆転サヨナラ二塁打を放ちました。
Q3:WBC 2023の決勝で大谷翔平は誰を三振にしましたか?
A3:アメリカ代表のマイク・トラウトです。9回表2アウト、フルカウントから大谷が87.2マイルのスイーパーを投じ、トラウトの空振り三振で日本の3対2の勝利が決まりました。
2023年のWBCで侍ジャパンは7戦全勝を達成し、アメリカとの決勝を3対2で制して3度目の世界一を獲得しました。
準決勝のメキシコ戦では村上宗隆のサヨナラ二塁打、決勝では大谷翔平とマイク・トラウトの最終対決という、異なる魅力を持つ名場面が生まれました。
この大会を正確に振り返る際の要点は、全7試合の勝敗、準決勝と決勝の試合展開、日本時間と現地時間の違い、そして各選手が果たした役割を分けて理解することです。
大谷翔平の個人記録だけでなく、村上宗隆、吉田正尚、岡本和真、ヌートバーらの貢献、そして投手陣全体の働きを含めて振り返ることで、2023年の侍ジャパンが成し遂げた優勝の価値が見えてきます。
2026年に改めて見ても、7戦全勝という数字と最後の一球に凝縮されたドラマは、日本野球の歴史に残る大きな財産です。
主な参照記録:侍ジャパン公式サイト、2023 WORLD BASEBALL CLASSIC大会公式サイト、MLB公式試合レポート。